古来より風は何者にも縛られることなく

己のみに従い自由の象徴であった・・・

この風を従えるものが運命に導かれ

守護者に出会う・・・

その者は風の神なり・・・













Judgment

第三章 風を従えるもの

















第三使徒を退け次なる敵の襲来に備えるネルフ・・・

そんな中、

「学校・・・ですか?」

「ああ、明日から学校に行ってもらう」

「ここはあくまでも孤児院よ。

学校の真似事もやってるけど真似事は真似事に過ぎないわ」

ここは孤児院『精霊の泉』院長室。

シンジは院長であるシンに呼ばれこの部屋にきていた。

「貴方のほかにも何人か通ってるから大丈夫よ。

クラスもその子達のクラスになれるように校長に話はつけているわ」

「わかりました、それで場所は?」

「ああ、それは同じクラスに通うことになる子達に案内させるよ。

アイ、あの子達は今何所にいるかな?」

「確か・・・広場にいたはずよ。

この時間は小さな子供たちの遊び相手になってるはずだから」

「シンジを連れて行ってやってくれ」

「ん、他に要事ある?」

シンジは気付かないが僅かにアイの口調が変わる。

「そうだな・・・お使いを頼んでくれないか?

俺の使っているペーパーナイフの刃が少し欠けたんで新しいのを買ってきてもらおうと思ってね」

シンの口調もアイに合わせて僅かに変わる。

「わかったわ。

さ、シンジついてらっしゃい」

「はい、アイさん」

「こら!シンジ、私はシンの妻よ。

それなのにどうしてシンは兄さんで私はさん付けなのかしら?」

アイはにっこりと笑ってそれでいてまったく目が笑っていない。

シンジはその視線に思わず体を硬直させた。

「す、すみません・・・ね、姉さん」

「ん、OK!」

アイはシンジをつれて広場に向かう。

「ふぅ・・・」

シンは一息ついて手元の資料に目を通す。

「・・・ふむ、特に問題はなさそうだな・・・

よし、入院許可、と」

資料に判子とサインを加え確認する。

「ここもにぎやかになってきたな」

シンは窓の外に子供たちの遊ぶ姿を見てうれしそうに目を細めていると不意にノックの音が部屋の中に響いた。

「ん、誰かな?」

「マイよ・・・」

「入って良いよ、マイ」

扉を開けて蒼銀の髪を窓から差し込む太陽の光に煌かせ幼い顔立ちの女性が入ってくる。

彼女の名前は氷室マイ。

この孤児院の先生の一人であり主な仕事は調理、掃除である。

「何かトラブルかい?マイ」

「いえ、新しく入る子はいつ迎えに行けばいいか確認に来たの」

「ああ、じゃ後二時間たったらこの施設に迎えにいってくれるかい?」

シンは手元の資料をマイに手渡し微笑む。

「車は好きなのを使うと良いよ」

「わかったわ・・・」

アイはそれだけ言うと部屋を後にした。

「・・・クールだねぇ・・・」





























孤児院『精霊の泉』広場にて・・・・・・・・・・・・

「マナ〜、ケイタ〜、ムサシ〜、ちょっときなさい」

「は〜い」

「何ですか?」

「要事でしょうか?」

「そ、要事よ。

まずは明日からシンジが学校に行くからあなたたちに頼もうと思ってね」

「よろしく、マナ、ケイタ、ムサシ」

「こっちこそよろしくね!シンジ君」

「よろしく、シンジ君」

「よろしくな、シンジ」

「あと、シンがね、ペーパーナイフ買ってきてって」

「「「わかりました。それじゃいってきます」」」

「「いってっらしゃい」」

シンジは気付かなかった、ここでもアイの口調が少しおかしかったのを・・・























そして、次の日・・・

「いってきます、兄さん、姉さん」

「ああ、いってらっしゃい。

三人ともシンジをよろしくね」

「忘れ物は無いわね?

じゃ、いってらっしゃい」

「はい院長先生!

いこっ!シンジ君」

シンジはマナ達と学校に向かい、それをやさしく見守るシンとアイ。

たとえ血がつながらなくともその姿は息子を見守る父と母であり弟を助ける兄と姉であり・・・

「あれでシンジは人見知りするからねぇ」

「・・・あの笑顔をみてシンジの敵に回れるならサイン欲しいわ」

「・・・同感」

「・・・あの笑顔は反則だわ」

「俺とどっちがいい」

「馬鹿なこと聞かないの!・・・私はあんた一筋なんだから」

「うれしいねぇ」

ただの馬鹿ップル・・・・・・・・・・・・

























第三新東京市第一中学校、2−A教室前・・・・・・

「それじゃ、僕がよんだら入ってきてくださいね」

「「はい、先生」」

担任の風見ユウが教室の中に入っていく。

「やっぱ緊張するか?」

「そうだね、君も?」

「ああ、名前言ってなかったな風神(かざかみ)シュウだ」

「僕は碇シンジ」

「二人とも入ってきたまえ」

二人は教室の中に入っていく。

「さ、挨拶したまえ」

「じゃ、俺から。

俺の名前は風神シュウだ、よろしく頼むぜ」

「僕は碇シンジです、よろしく」

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

このときのシンジの微笑によりノックアウトされた生徒が男女問わず多かったことをここに明記していく・・・

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

なお、売れるぞぉ!と叫んでいた馬鹿がいたこともここに明記しておく。

「じゃ、碇君から自己紹介してもらおうか」

「はい、先生。

僕は第二東京から父の仕事の都合で引っ越してきました。

今住んでいる所は父の仕事が忙しいため父の知人が経営している孤児院に住まわせてもらっています。

趣味はチェロと料理です。

特技といえるほどではありませんが剣術ができます。

好きなことは体を動かすことで嫌いなことは相手の不利なところを責めることかな。

皆さん、よろしくお願いします」

シンジは自己紹介を終えると一礼し微笑んで自分の席に座った。

・・・なお、このときの微笑みに再びノックダウンした生徒が男女問わずいたことを明記しておく・・・

「次は俺だな。

俺もシンジと一緒で孤児院で生活してるんだ。

といっても俺の両親はセカンドインパクトで死んじまったけどな。

だからってかわいそうとか思うなよ、俺はそれが一番嫌いなんだからな。

趣味特技はパソコン。

好きなことは歌を歌うこと、嫌いなことは俺みたいにハンデを背負ってるやつを哀れんだりけなすこと。

以上」

「続いて質問タイムにいこうか」

こうしてシンジは第一中学校転校初日を無事過ごした・・・

























「「「「お帰り、シンジお兄ちゃん!」」」」

聖霊の泉の広場に子供たちの声が響く。

「ただいまみんな。

でもまさかおんなじ孤児院だと思わなかったよ」

「俺もまさか同じとは・・・」

シンジと共に聖霊の泉に帰宅したシュウの言葉が止まる。

「?どうしたの、シュウ」

「寒気が・・・」

シュウの寒気の原因は・・・

「昨日・・・どこにいたの?」

「すいませんでした!昨日はバイト先にこのこと伝えにいったら急にお別れ会やることになって連絡できなくて」

「・・・ん・・・わかったわ」

昨日、シュウを迎えに行くはずだったマイだった・・・

わかったわ、といいつつもの半眼でシュウを見つめるマイ・・・

怖い・・・怖すぎるうぅぅぅっ!

「あうあうあうあうあうあう」

「部屋に案内するわ・・・」

服の襟をつかまれ部屋に案内・・・もとい連行されるシュウ・・・

このときシンジの頭の中にドナドナが流れたとしても誰がシンジを責められようか?



























「あうあうあうあうあうあう・・・」

「うめいてないでさっさといくわよ・・・」
















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「

後書き

鋼鉄「Judgment第三章楽しんでいただけたでしょうか?」

マナ「やったー!あの女より先にせりふが出たぁ!

これはLMSの予感が!」

鋼鉄「ありません」

マナ「そんな〜」

シン「作者はLAS信者だからねぇ」

アイ「そもそも作者ってマナのこと知ってるの?」

鋼鉄「小説の中だけで。

だからキャラ変かも」

マナ「ひ〜ん」

レイジ「ども、あとがき初登場の花岡レイジっす。

次回予告やります!

『第三使徒を退け一時の休息を楽しむネルフ・・・

しかし、そのとき天使の軍勢が審判を下すため襲来する・・・

ネルフの、そして人類の運命はどうなるのか?

次回 Judgment第四章 天使舞い降りるとき

そのとき人は己の行いを後悔する・・・』

俺の活躍も期待してくれよ!」

マリア「感想待ってます♪」

シン「あ!紅のキャラが勝手に出ないでくださいよ!」

マリア「固いこと言わないの♪」

シン「はぁっ・・・誤字脱字も待ってます」


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nobu08@cameo.plala.or.jp

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