EVANGELION

MOON PRINCESS

第二話 戦神光臨













『初号機最終安全装置解除!』

『初号機リフト・オフ!』

最終安全装置が解除されエヴァンゲリオン初号機が大地に降り立つ。

『シンジ君、聞こえるかい?』

「は・・・はい、聞こえます」

『赤木博士から聞いた動かし方を復習しようか。

初号機は君の考えたとように動く、いいね?』

「・・・やってみます」

ゆっくりと使徒に向かい歩き始める初号機。

「本当に思ったとおりにうごくんだ・・・これなら!」

初号機は一気に加速し使徒に体当たりを仕掛ける。

『無茶だ!よせ、シンジ君!』

しかし、シンジにシンの声は聞こえない。

初の実戦、異常な現実、恐怖、シンジには今、第三使徒『サキエル』しか見えてなかった。

『ちぃ!援護急げ!』

『了解!日向君、ガトリングタイプスタンバイ!』

『了解!』

『青葉中尉、エヴァ各機は!?』

『まもなく発進準備完了します!』

その間にも使徒との間合いを詰める初号機。

「うあああああぁぁぁっっ!」

初号機の体当たりを受け吹き飛ぶサキエル。

『今よ!発射!』

ミサトの指示を受け日向が兵装ビルを操作しサキエルに向け銃弾の雨を降らせる。

『シンジ君!一旦下がって!』

「は、はい!」

『よし!零号機、相田候補生聞こえるか!?』

『はい!』

『君の仕事はパレットライフルを使用し初号機の援護を行うことだ、良いな!』

『了解です!』

『シンクロ率は低い、無茶はするな!

弐号機、惣流はスナイパーライフルを使用、後方から支援だ!』

『なっ!アタシに援護をやれっての!?』

『戦意は失ってないか・・・良いだろう!プログナイフの携帯を許可する!』

『なかなか話がわかるじゃない』

『ただし、格闘戦はこちらから指示があった場合のみだ』

『了解!』

『参号機、鈴原はプログナイフを装備し初号機と共に使徒を攻撃しろ!』

『了解や!』

シンが各パイロットに指示を出し、今ネルフの全戦力が投入される。

(これで倒せなければ・・・)

(我々は終わりだな、シン)

『エヴァンゲリオン全機発進!』

打ち出されるエヴァンゲリオン。

『シンジ君、今残りの機体を出撃させたが君がメインであることに変わりはない。

・・・やれるね?』

「なんとか・・・やってみます」

『よし!葛城大尉!』

『全兵装ビル、スタンバイ!』

『使徒が動き出しました!』

ビルの中に埋もれていたサキエルがゆっくりと立ち上がり初号機のほうを向く。

その仮面が煌き吹き飛ぶ初号機。

『初号機、胸部装甲版損傷!』

『パイロット意識不明です!』

『参号機は初号機の援護に向かえ!零号機、弐号機は使徒を牽制しろ!』

シンからの指示を受けそれぞれの目標に向かうエヴァンゲリオン。

しかし、己に向け発砲してくる零号機、弐号機に初号機と同じように光線を打ち込み参号機は両腕から放たれる光のパイルで頭部を砕く。

(マスター、私が!)

(頼む、紫音!)

『目標の前に高エネルギー体出現!』

















それは蒼く輝いていた









青く輝く鎧を身に纏い









それは舞い降りた









その姿はまるで









戦うために生まれた









神









(アレは・・・)

(何なのだ・・・)

(すさまじいエネルギーです!)

『騎士・・・』

誰かがそう呟いた。

『俺も・・・つくづく運が無いな・・・また、この場所か』

『声が!?人が乗っているのか・・・』

『ネルフ、聞こえるか?こちらJudgment Angel Knightsのシュウ=ウインディスト=ヴァルキリアだ。

これより支援する』

『Judgment Angel Knights・・・いったい何者だ!?』

(貴様と同じだ、帰還者よ)

(なっ・・・)

(もっとも、俺は別世界からだがな)

『俺はここと似て非なる異界にて審判を下す天使の騎士団が携える剣の一振りだ』

『異世界から来たと・・・』

『馬鹿な、ありえん!』

『信じる信じないは貴様らの勝手だ、冬月副指令。

俺が異世界の人間だと信じられる証拠は知識のみ。

敵の名前は第三使徒サキエル、武装は仮面から放たれる光線、両腕の光のパイル、初号機パイロット碇シンジは現在意識不明』

『解った、貴様を信じよう』

『話が早くて助かるよ、碇司令』

『碇!?』

『冬月、誰も知らないはずのシンジの名前を知っているのだ。

全てが真実ではないにしろ僅かな真実はあるのだろう』

まるで鎧を纏ったかのような蒼い起動兵器はサキエルに対して身構える。

『共同戦線を張るならさ、貴方が乗ってるロボットの名前教えてくんない?

いつまでも正体不明機じゃやりにくくない?』

『やはり軽いな葛城ミサト』

『やっぱ重いのは私じゃないわよね』

『ふっ・・・いくぞ、ベルゼルガ!』

『なるようになるか・・・これより正体不明機をベルゼルガと呼称!

各パイロットを早く起こせ!』

『了解!』

ベルゼルガが大地を疾走しサキエルに左腕に装備されている盾を構える。

『唸れ、パイルバンカー!』

蒼い電光を放ちながら左腕の盾より打ち出された槍はサキエルの仮面を貫く。

さらに右腕に持っているライフルから無数の銃弾をサキエルに打ち込むがそれらはA・Tフィールドに阻まれしまう。

『セカンド、フォース覚醒しました!』

『いつつ・・・』

『きついで、これ』

『両機はベルゼルガと共同で敵生体を殲滅しろ!

弐号機はパレットライフルを装備し支援、参号機は格闘戦を行え!』

『信用できるの!?』

『するしかない!』

『いくでぇ!』

『サード覚醒!』

「うっ・・・僕は?」

まだ意識が朦朧としているのか頭を抑えて周囲を見回す。

『大丈夫か?シンジ君』

「なんとか・・・」

『よし、幸いなことに援軍が来た。

こちらが指示したら敵の紅い球体を破壊するんだ』

「解りました、やってみます!」

『武器を出す!受け取ってくれ!』

初号機の隣の兵装ビルに斧が射出される。

シンジは初号機にその斧を持たせるといつでもサキエルに飛びかかれるように体制を整える。

『弐号機、参号機フィールド全開!敵のフィールドを中和しろ!』

『『了解!』』

『今だ!ベルゼルガ!』

『応!』

再びベルゼルガのパイルバンカーが煌きサキエルの右腕を吹き飛ばす。

『おらぁ!』

残った左腕を参号機が切り裂く。

『いまやぁ!』

『行け!シンジ君!』

「うああああぁぁぁぁっっっ!!!」































次にシンジが目覚めたときそこは病室だった。

「・・・知らない天井だ・・・」















「ひとまず勝てたね、父さん」

「ああ。

紫音君、私がシンの・・・シンジの父親の碇ゲンドウだ」

「存じております。

私がこの世に生まれたときに私の中にいた異物を吸収したときに知識を得ましたから」

司令室には四つの人影・・・

「まずはこの世界の情報を教えてもらおう」

「それは無理だ」

ゲンドウの返答にシュウは繭を顰める。

「何?」

「僕たちも別な世界から来たからさ」

「逆行者ではなかったのか!?」

「私たちの世界は滅び私たちは時を越えたはずでした」

「しかし僕たちは時ではなく世界を超えてしまった」

「私はこの世界に来たときはシンより早かったがそれでも使徒襲来の三日前だ。

この世界の現状を把握するだけで精一杯だった」

「なるほど・・・それで、貴様らはこの世界で何をなすつもりだ?人ならざるもの達よ」

その言葉を聞き三人は思わず体を強張らせる。

「心配いらん・・・俺もまた人ならざるものだ」

「僕はこの世界を守るために戦う」

「私は我が主を守るために」

「私は過ちを繰り返さないために」

「俺はどこかの誰かの未来のために」

四人は己の戦う理由を確かめ盟約を交わす。

全ては・・・

「「「「この世界の明日の為に」」」」

月は・・・ただ・・・蒼く輝いていた・・・


--------------------------------------------------------------------------------

後書き

鋼鉄「第二話です!」

シュウ「またなめた展開を・・・」

鋼鉄「うっさい!」

シン「月・・・タイトルは・・・」

紫音「何か嫌な予感が・・・」

鋼鉄「ふっふっふっ・・・」

シュウ「直死の魔眼か・・・一度死合をしたいと思っていたところだ」

アイ「危ないこと言わないの!」

ゲンドウ「ふっ、次回予告だ。

『かろうじて第三使徒を退けたネルフ・・・

訓練をせずにチルドレンに選ばれたシンジへの風当たりは強く

シンジはその心を次第に閉ざしていく・・・

嫉妬・・・妬み・・・憎しみ・・・そして殺意

そんな時、シンジの前に一人の少年が立つ

EVAMGELION MOON PRINCESS

第三話 生涯の誓

他の誰がなんと言おうとお前のそばを離れない!』

この展開・・・読めたぞ」

ユウ「ここで機体解説です。

閣下の乗っていた機体はクエント製ヘビー級ATベルゼルガをメインに改造したカスタム機『ベルゼルガBTSVネオエクスキュージョン』です。

母体となった機体は青の騎士『ケイン=マクガルド』が使用していたベルゼルガBTSUです。

外見には余り手を加えず内部を最新の技術で改修しパイルバンカーを通常の火薬からより強力なリニアレールガンの砲身を使用しました。

最高速度は時速220Km、全長は今回の戦闘にあわせて38m、総重量はフル装備で約25tです」

シュウ「それじゃ、感想まってるぜ!」

シン「疑問に思ったことや誤字脱字もよろしくね!」


作者"鋼鉄の騎士"様へのメール/小説の感想はこちら。
nobu08@cameo.plala.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system