鋼機動戦士プリティーレッド
〜世界はアタシためにある〜
第一話
戦士誕生！その名はプリティレッド

「貴女は世界を救うべきなの！！」
「はぁ？アンタバカァ？」

これがアタシの運命を変えた一言よ。
きー、なんで世界なんか救わなきゃなんないのよ！
その前にアンタ誰？昼間に出る幽霊なんて聞いたこと無いわよ。

「私はマナ、愛と勇気の魔法の国から来た可愛い妖精さんよ？」
「ただのおバカさんね・・・悪いけどアタシ眠いの。他行ってやってくれる」
「貴女ねぇ・・・こんなに小さくて可愛くて半透明な幽霊がこの世にいると思ってんの？」
「うっさいわね！幽霊は半透明って決まってるの！世界基準でそうなってるの」
「・・・ほんとにコンナノでいいのかしら。不安になってきたわ私」

まったく良く喋る自称妖精だこと。
人が気持ちよくお昼ねしてるって時に・・・。
それよりもコンナノとは何よコンナノとは！
この世界最高の超絶美少女惣流・アスカ・ラングレー様に向かって。なんかムカついてきたわね。

「それでその妖精さんがアタシに何の用なのよ！」
「はぁ・・・貴女に世界を救ってみる気はないって訊いてるの」
「もっかい言うは・・・アンタバカァ？」
「・・・やっぱりこの娘はヤメにしてもいいですか、皇女？」
「どこ向いて喋ってんのよ」
「だから止めときましょうって言ったのに・・・」
「ちょっとアタシの話きいてんの(怒)」
「もう一人の娘にするべきだったかなぁ・・・」

ゴス！！

「ッ痛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なにすんのよ！！」
「アンタがアタシの話を聞かないのがいけないんでしょ！」

ふん。あんまりムカついたんで鉄拳制裁よ。
は〜スッキリした。ほんとに気分爽快ね〜。
アイツ涙目になってる。ふふふ、よっぽど効いた見たいね。いいザマだわ。
それよりもアタシ、半透明の奇妙な物体ぶん殴ってない？普通ならすり抜けるわよね？
確かな手応えはあったけど・・・ほんとにアンタ何者。

「もうアッタマキタ！貴女に決定。何が何でも決定。泣いても喚いてもダメだからね」
「はぁ？」
「はい、じゃコレ持って」
「何よコレ？」
「変身ステッキ♪大丈夫よアナタ以外には只の極太マジック(油性)にしか見えないから」
「極太マジックって・・・イヤよ、こんなダサいの。それよりもなによりのアタシにもマジックペンにしか見えないんだけど・・・」
「ふ〜ん、あらそう。仕方が無いでしょう、持ち合わせそれしかないんだから文句はナシ」
「・・・・・・・・・」

なんなのよ突然。変身ステッキ？コレが？
なんかゼブ○Hi-○ckeeってラベルが貼ってあるんだけど・・・。
どこにでもあるマジックペンじゃない！？ウチにも同じのが在ったわね。
この前ママが必死になって探してたわね。でもこれちゃんと書けるのかしら？

「さあ変身の呪文教えるわよ、準備はいい？」
「ちょっちょっと待ちなさいよ。アタシはまだ何とも・・・」
「いくわよ〜♪」
「ちょっとぉ（滝汗）」
「シンクロシンクロプラグイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン」
「あーーーもぉ、人の話を聞けーーーーーい！」

『シュゴ・・・ぴかぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん』

「ん〜第一段階は成功ね。さすがは皇女の見込んだ人間」
「へ？何、何が起こったの今？コレから変な煙がモワっと溢れたと思ったらぴかって光って・・・どうなったのアタシ」
「説明ありがとね☆う〜んそうねえ鏡あるかしら？」
「ここにあるわよ」
「見てみれば今の自分？」

近くにあった手鏡でみてやるわよ！・・・ってこれアタシなの？
顔が違うじゃない！なんか大人っぽくなって・・・これならシンジ先生もイチコロよ☆じゃなくて！
あーーーーーーなんかカラダも随分と艶っぽくなって・・・じゃない大人っぽくなって。うわ〜こんなになっちゃうわけぇ！
胸なんかツルペタだったのにしっかりとボリュームあるし、でもミサトには負けてるわね・・・ちっ。
ついでにアッチコッチぺたぺたと触って確認してやるわ。う〜んこの感触だとママの若いとき(今でも見た目は十分若いわよ！)とそっくり？
じゃあ、ものすごくイケテル(死後)女になったってこと？ふふん、ママの娘なら当たり前よ。すんごく綺麗なんだからねウチのママ。
って感心してる場合じゃないわよねコレって・・・元に戻んなかったらどうしよう(滝汗)。幼稚園行けないじゃない。
それにしてもこの変態チックな全身タイツは服は何！カラダにぴったりフィットで・・・いやん気持ち悪ーい。
いやーこんな格好じゃもう外歩けなーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい。

「なんじゃコリャーーーーーーーーーーーーーーーーー！？」
「いい反応ね。どう、気に入ってくれた？」
「どっどうなってんのよ！なんでアタシがこんな格好してんのよ！！って大人になってるじゃんアタシ！？」
「驚くのはまだ早いわよ〜。これからがスゴイんだから！」

うっ・・・何よそのいや〜な笑顔は。背筋が寒くなるじゃない。
妖精がそんな異様な笑顔浮かべていいと思ってんの？

「何かとってもイヤな予感がしてきたわアタシ・・・」
「大丈夫よ〜痛くしないからぁ〜〜♪」
「もうどうにでもして・・・」
「これで仕上げよ！！ハぁーーーーモニクススターーーーーーーーート！鋼機動戦士プリティーレッドGO♪」
「いやーーーーーーーーーーーー最後の台詞までダサーーーーーーーーーーーーーイ」

こうしてアタシは無理矢理世界の平和を守る愛と勇気の鋼機動戦士プリティレッドになっちゃったワケ。
将来有望なアタシをよくもこんな変態にしてくれたわね！今に見てらっしゃい、エセ妖精。
アンタなんか串焼きにして喰ってやるんだから！・・・・・・・・・う〜んあんまり面白くないわね、あっさり殺るのは。
じわりじわりとゆっくりいたぶりながら・・・ふふふ・・・覚悟しなさい！このアタシをこんな目に遭わせた償いはしっかりしてもらうわよ！
それよりも明日幼稚園行けるのかしら・・・。こんな格好じゃとても行けないわね。
行く行かないよりも愛しのシンジに会えないのが一番悔やまれるわね・・・。あの変態ナルシス○モが何もしてなきゃいいんだけど。
ん？ちょっと待ちなさい。この格好のままシンジを誘惑してアタシの虜にするってのもいいわね。
そうよ、それいいわ。このナイスバディと人類最高峰のアタシの知能を持ってすればシンジなんかちょちょいのちょいよ！
待っててねシンジ♪あ〜ん、アタシってば冴えてるぅ〜♪さすがよ天才アスカ。

「そうそう、変身は時間が来れば解けるから注意してね。目安は大体三十分かな？う〜ん十分だったかも」
「ちょっと、なんでそんな中途半端なモノ渡すのよ！」
「この間近所のスーパーの超特価激安タイムセールで買ってきたモノだから高望みしないの！」

なっナンテモノ渡すのよ！羽虫の分際で！！！
このアタシとじゃ釣り合いが取れないわよ！せめて最高級万年筆でも持ってくるのね。・・・それで変身もすごくイヤだけど(汗)。
ほんとサイテーよ。明日から虫かごの中で生活させてやるんだから。

「そうそう、これから役目が終わるまでずっと一緒だからね♪」
「はぁ？何言ってんのアンタ。そんなことこのアタシが許すと思ってんの」
「う〜ん貴女の意見はこの際無視！昔からそう決まってるのよね」
「あぁ？もっぺん言ってみろやコラ(怒)」
「とにかく！これから私、マナ＝キリシー＝マナは貴女、惣流・アスカ・ラングレーと一緒に暮らすって言ってるの。わかった？」
「冗談じゃないわ！なんでこのアタシがこんな羽虫と一緒に暮らさなきゃいけないわけ？第一ママにはなんて言うのよ」
「それに関してはノープロレブム！どんとうぉーりーびーはっぴぃよ！！」
「平仮名英語はやめなさい・・・やる気が失せるわ・・・」
「だって私は貴女・・・あぁ〜もう面倒だからアスカって呼ぶわよ？・・・アスカ以外には見えないから」
「へ？じゃあ今アタシは何にも無いとこに向かって一人で大騒ぎしてるってこと？」
「そうよ、案外飲み込みいいじゃない。でもたま〜〜〜〜〜〜に見える人がいるから注意してね」
「還れ！今すぐ還れ！荷物まとめてとっとと還れぇ！」
「い〜〜〜〜〜や！今からあっちに還るの面倒だもん。こっち側に前から興味あったし。カッコいい男の子はいるかな〜ワクワク」

こうしてこの世に一人世界平和を守る愛と勇気の鋼機動戦士がひっそりと誕生した。
その同時刻、宇宙からやって来た侵略者が地球の悪の秘密結社とコンタクトを取ろうとしていた。
彼らを敵に回して一人孤独に闘うことを運命付けられた幼稚園児アスカの運命やいかに！！続きは次週を待て！！！

「あ、晩御飯カレーでいいから」
「アンタに食わせる飯などないわぁ(激怒)！！！！！！！！」

＜あとがき＞
構想三十分、執筆二時間の超適当お手軽SS。
こんなんどうでしょうか？一応見て解るようにLASなんですが、如何せん設定が設定なもんで。
ほのぼのSSにしようとしたら何時の間にやらこんなになってしまいまった。いや〜マイッタマイッタ文章は生き物だ。
こういうノリもアリでしょう？