鋼機動戦士プリティレッド
〜世界はアタシのためにある〜

第四話
変身プリティレッド見参!ご飯は良く噛んで食べましょう

おっべんと、おっべんと、うれしいなぁ〜♪
理由はわからないけど口ずさんじゃうのよねこの歌。
まあ、アタシもそれだけ楽しみにしてるってこと。
だってみんなでワイワイ言いながらご飯食べるのよ?
楽しいに決まってるじゃん。
家じゃいつもママと二人っきりだから本当のこと言うとちょっと寂しいのよね。
最近じゃマナもいるけど・・・数のうちに入ってないわね。
あの子は何も食べなくても生きていけるもの。
っていうか前にも言ったけどマナに食べさせるものなんてウチにはないわよ。

「おぉ〜洞木、お前の弁当うまそうやなぁ〜」
「ちょっと鈴原ぁ。そんな目でヒカリのお弁当みんじゃないわよ」
「なんや、見るぐらいかまへんやないか。ケツの穴ちっちゃのぉ惣流は」
「アンタ女の子に向かって何てこと言うのよ(激怒)」
「そうだよ、トウジ。今は食事中なんだかさ」
「なんや、ケンスケはワシの見方ちゃうんかい」
「それはそれ。これはこれだよ」
「こんの裏切りモンがぁ〜」
「ちょっと鈴原もアスカも静かに食べてよ」

うっ、周りからの視線がすんごく痛いわ(汗)。
もしかしてアタシそんなに騒いでた?
鈴原のお下品発言にカチンときて怒りに任せたのは失敗だったわね。
でも女として怒ゲージMAXよ!しんじらんないわ、鈴原だけは。
あ〜もうほんとハラたつ!

「アスカぁ、私、もう少しおしとやかにしたほうがいいと思うんだけど」
「ヒ〜カ〜リ〜」

あちゃ〜、ヒカリにまであんなコト言われちゃった。
ちょっとショックかも。

それにしてもまたマナが静かね。
絶対に教室中ぶんぶん飛びながらみんなのお弁当覗き込んでると思ったのに。

ピンポンピンポンピンポン!

今のは緊急ニュースの時に流れる音よね。
実はこの幼稚園お昼ご飯の時間はテレビが点けられるのよ。
よくわかんないニュース限定だけど。つまんないからみんな見てないわよ。
そんなテレビ画面を食い入るように見てる羽虫が一匹。
な〜んだそんなとこにいたんだ。
アンタがニュース見たってなんのためにもならないわよ。

{アスカ!ちょっと来て!!!}
「へ?」

普段絶対見せない真剣な表情のマナの迫力に飲まれてそのままトイレまで連行されちゃったわよ。
一体なんなのよ!
くだらないことだったら帰ってからおしおきアスカ様スペシャルのフルコース決定よ。
まだお弁当食べてる途中なんだから・・・もうちょっと場所を選びなさいよ。

{ついに来るべき日がきたみたいね}
「はぁ?なにいってんの」
{アスカ、今からアナタの真価が問われるのよ}
「ちょっとなによそれ」
{いい、アナタに渡したちんちくりんステッキの実力を示すの}
「全然話が見えてこないんだけどな、アタシ」
{闘うのよ使徒ってヤツと}
「使徒?」
{そう、この世界の支配を企む悪の軍団の戦闘幹部のことよ}
「ぶっ飛んだ話ねえ。頭ダイジョウブ?」
{ワタシは真面目な話をしてるの}
「アンタの話は全部ふざけてるようにしか聞こえないの」
{今日だけは大真面目なんだから}
「ふぅ〜ん」
{・・・緊迫感ないわねぇ(汗)。シンジが死んじゃってもいいの?}
「何故そこでシンジが出てくるわけ?」
{例えよ。かなり極端な話だけど}
「う〜んそれはマズイわね」
{・・・マズイどころの騒ぎじゃないんだけどさ}
「初めて会った日に言ってたことってホントのことだったってわけね」
{そう}
「闘うのよね・・・痛くない?」
{そりゃ多少は痛いわよ}
「多少ねぇ〜痛いの嫌いなんだけど」
{あのねぇ・・・グズってもしかたのないことなの。アスカにしかできないことなのよ}
「アタシにだけ・・・」
{そう。美少女ヒロインになってみる気ない?}
「美少女ヒロイン・・・ニヤリ」

ふふふふふ・・・キタ―――゜∀゜―――!!!
ついに来たわよ。このアタシ、惣流・アスカ・ラングレー様の時代が!!!
まあ、時代がやっと追いついたってカンジ?
常に最先端をひた走ってきたアタシにしてみればおっそい!!!って怒っちゃうんだけど。
今回は特別に許してあげるわ。

「で、どうやって闘うの?」
{変身さえすれば敵じゃないわよ}
「武器とか必殺技とか」
{そうねえ・・・近接武器でソニックグレイブかプログナイフ。遠距離ならハンドランチャーかパレットライフルがあったと思うわ}
「全然魔法っぽくないわね」
{細かいことは気にしないの}
「そうねぇ、遠くからチクチクなんてアタシの性に合わないわね」
{そうでしょうね・・・サルだもの}
「なんですってぇ!!!」
{アスカはガチンコで殴り合ってるのがお似合いよ}
「マぁナぁ〜?」
{とにかく急ぐわよ}
「ちょっと待ちなさいよ」
{あ〜もう。ほらさっさと変身する!}
「ここで!?」
{つべこべ言わない}

あ〜もう、よりにもよってトイレで変身?
かっこうつかないヒロインねえ・・・。なんか急に情けなくなってきたわ。
とにかく今は変身あるのみ。
なんかマナの口車にうまく乗せられてるのが気に喰わないけど。
やってやるわよ!

「シンクロプラグインッ!!!」
{勝手に台詞変えるなぁ!}

成長したアタシを包むピッタリフィットのインナースーツ。
第一段階はこれでよし!。
う〜ん、やっぱり好きになれないわねコレ。

「え〜とそれから・・・ハーモニクススタート!でよかったんだっけ?」
{あーもうナゲヤリな台詞で変身しないでよぉ}

インナースーツの上に堅牢な外骨格がついたわ。
鎧っていうよりはバトルスーツって言うの?
籠手に脛あてに胸あて。ふぅん部分的でもなく全体的でもなくしっかりガードしてくれてるみたいね。
それに前より動きやすくなってるような気がするわね。

{それはアスカにスーツが馴染んできてるからよ}
「?」
{物事にはなんでも順序ってものがあるの}
「まっ気にするほどことでもないわね」

軽く握り拳を作ってパンチを繰り出してみる。
シュシュシュ
へぇ結構いい音するじゃない。
次は蹴りね蹴り。
シュゴ!
よし。違和感無くいけるわ。でもアタシってこんなに早く動けたっけ?
んふふふ・・・やっぱアタシって天才かも♪

「さてと・・・それじゃいくわよ、マナ」

気合十分でマナに声をかけたんだけど返事が無いわね。
どこいったのかしら?
キョロキョロと辺りを見回してみるけど影も形もないわ。

{ワタシならココよココ}

うわ!?ちょっとなに?
頭の中からマナの声がするんだけど。

{こうなっちゃうとワタシは宝玉になっちゃうのよ。額のところにあるでしょ?}

鏡で確認してみると・・・あ、あった。
フェイスガードの額のところに紅い宝石みたいなのがあるわ。

{初めに言っておくけど無理はダメだからね}
「どうしてよ」
{全身筋肉痛になりたくなかったらやめとくこと}
「へ?」
{このバトルフォーム状態になると筋力や感覚なんかが普通の何万倍になってるの}
「そうじゃなきゃ勝てないわよ」
{それはそうだけど・・・いい?解除しちゃえば一気に負担がかかってくるのよ}
「中途半端ねぇ」
{とにかく、絶対ムリはなしよ。ワタシだってまだ死にたくないんだから}
「オッケー」
{それじゃバイザー下ろしてね}
「なんでよ。顔が見えなくなっちゃうじゃない」
{・・・サルねぇホント}
「ムキーーー」
{素顔曝して闘うヒロインがどこにいるっていうの?}
「だってさ、アタシだってわかんないじゃない」
{じゃあ正体バレて変身する前に殺されたい?}
「うっ・・・それは勘弁してほしいかも」
{そういうこと。わかった?}
「はぁ〜しかたがないわね」

なんて思ったら勝手にバイザーが下りてきたわよ?

{ある程度は思考を先読みしてカバーできるから直接音声入力する必要はないわ}
「そうなんだ・・・けっこう便利ね」
{お喋りはここまで、いくわよアスカ}
「もっちろん♪」

{はぁ・・・物分りが悪いと苦労するわ・・・でもほんとアスカが単純な思考回路でよかったわ}
「遠まわしにバカにすんなぁ!!!」

こうして鋼機動戦士プリティーレッドは初陣を踏む。
初めて立つ戦場・・・そこには第一の敵アフロtheサキエルが待ち構えているのだった。
次回、変態vs紅い猿!?激闘は黄昏の彼方に・・・をお楽しみに。

<あとがき>
お久しぶりの古都裡でございます。
ぷはぁ・・・やっと戦闘開始一歩手前まで漕ぎ着けましたよ。
いよいよアスカの華麗なる?戦闘シーンに突入です。あっそうそうレイも出てきますよ、ちらっと。


アスカ:アタシが美少女ヒロインよーっ!

マナ:おだてに乗りやすいところが、単純な証拠ね。

アスカ:ぬわんですってーーーっ! アタシが世界を守ってあげるのよっ!!

マナ:はいはい。頑張ってね。赤い猿さん。

アスカ:だっ。誰が猿よっ! プリティーレッドよっ!

マナ:それが、猿の名前ね。

アスカ:猿から離れなさいっつーのっ!
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