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前書き
この話はサードインパクト後の話です。
レイは生きてます。
すべては元に戻り、サードインパクトを知るのはシンジとアスカとレイのみです。
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  lonely
                                         by釘人



ここはコンフォート17マンションの一室。

午前6時25分。
もう少しでシンジが起きる時間ね・・・。
そろそろ起こしにいってあげようかしら。

するするする

寝てる寝てる・・・まったくかわいい寝顔しちゃって・・・、
はっ、アタシったら今何をしようとしてたのかしら?
まったく、さっさと起こしてやらなきゃ!!

すぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜

「っシンジ起きろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

「っわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

アハハ、シンジのやつ驚いてベッドから転げ落ちてやんの〜。 「え、ア、アスカぁ?」 「おはよ、シ〜ンジ!」 「え、おはよ・・・。今日は早いんだね。」 「え・・・まあ・・・そう!目が覚めちゃったからついでに起こしてあげたのよ!」 う、きつい言い訳だったかしら・・・? 「ふ〜ん、ありがとう。」 ど、鈍感で助かったわね・・・ でもこの笑顔は凶器よね・・・顔赤くなってなきゃいいけど。 「べ、別にいいわよ・・・そんなこと。」 --------------------------------------------------------- 「あ、ごめんアスカ、まだお風呂沸かしてないんだ。」 「・・・・・・・・・・・・・・・。」 「アスカ?」 「え?あ、お風呂ね!さ、さっきアタシが沸かしといたからいいわよ。」 「そう?じゃ僕は朝食の準備するからお風呂入ってて。」 ふ〜〜〜、まったくもう朝からシンジがあんな笑顔見せるから さっきから顔が暑くてしょうがないじゃない・・・ 朝食後---------------------------------------------------- 「アスカ、学校行くよ。」 「・・・はっ!そ、そうね!!」 「アスカ、何だか今日変だよ。」 「あんたのせいよ!!」 「僕の?」 「もういいわよっ、さっさと行くわよ。」 「ま、待ってよアスカ〜。」 い、今のはマズかったわね・・・つい本音が出てきちゃったわ。 う〜ん、でもアタシいつからこんなにシンジの事意識するように なったのかな・・・。 どうにか午前中の授業終了--------------------------- 「アスカ、はいお弁当。」 「ねえシンジ、きょ、今日ヒカリが休みなのよね〜。」 「そうみたいだね。」 「でね、ア、アタシ一人でお弁当食べるのもなんだから、つ、ついでに  あ、あ、あんたもどうかな?って思ったのよ。」 「ん?別にいいよ。」 「本当!?」 「え?どうしたのアスカ・・・?」 「な、何でもないわ、じゃ屋上いきましょ!」 むしゃむしゃむしゃむしゃ 「でもどうしたのアスカ、いつもなら一人でも食べてるじゃない?」 「つ、ついでよついで!さっきも言ったじゃない!!」 「ふ〜ん。」 むしゃむしゃむしゃむしゃ 「アスカ、あんまり急いで食べない方が・・・。  ほら、顔真っ赤だよ。」 それだけじゃないのにコイツは気づかないのよね〜。 あんまり敏感すぎるのも嫌だけど鈍感すぎるのもね。 なんか一人で空回りしてるみたい・・・。 ------------------------------------------------------- あ、あんなとこで何してんだろシンジ。 「シ〜ンジ、何処行くの?」 「ああ、アスカ。ちょっと図書室にね。」 「じゃ、ついでだからアタシも一緒に行く。」 「ついでって・・・アスカも何か本借りるの?」 「何よ、アタシが本読んじゃいけないっていうの?」 「べ、別にそんなことないけど・・・。いつもアスカ家じゃ本なんて読まないから。」 コ、コイツ結構アタシの事見てるわね・・・。 え?ってことは・・・。 「アスカ、大丈夫?顔赤いよ。」 「う、うるさいわね!」 でも、シンジがアタシに優しくしてる程アタシはシンジに何もしてあげられない。 やっぱり・・・駄目なのかな、アタシじゃ。 --------------------------------------------------------------- シンジの優しさがつらい・・・。 もっと素直になりたい・・・。 もっとシンジの事が知りたい・・・。 もっと近くにいたい・・・。 「アスカ、お願いがあるんだけど。」 「何?」 「後輩から告白されて、断ったんだけど・・・その、彼女をつれてきたら諦めるって言われて。」 「それで?」 「それで、少しでいいから彼女のふりをして欲しいんだ。」 「なんで・・・あんたはそんなに女の子の誘いを断るの?」 「・・・好きな人がいるからね。」 「そう・・・いいわ、でも今回だけよ。」 「あ、ありがとう。」 そうか・・・やっぱり好きな人いたんだ。 誰なんだろ?ファーストかな・・・仲良さそうだし・・・ アタシが素直だったら・・・自分の気持ちを伝えられたのかも知れない。 でも、自分の気持ちを知ったのも今日だったわね・・・そう言えば。 シンジが好きな人ならそれでもいいかも知れない・・・ でも、 伝えたい・・・ シンジぃ・・・・なんか、寂しいよぉ・・・伝えたいよぉ・・・ 「やっぱり、碇先輩の彼女って惣流先輩だったんですね・・・。」 「そういうわけなんだ・・・ごめん。」 「いえ、いいんです、これで私も諦めがつきましたから。」 「ほんとに、ごめん。」 アタシは今こいつの為にここにきている。 こいつの好きな誰かの変わりに。 「アスカ・・・今日はごめん、僕のために・・・。」 素直になれない自分が悔しい・・・。 自分の気持ちを伝えられない私が憎い・・・。 こんなハズじゃなかったのに・・・。 朝までは、・・・こんなに・・・弱気じゃなかったのに・・・。 もう、シンジの側にいたくない・・・。 もう、シンジに私を見せたくない・・・。 私、嫌われちゃう・・・。 「・・・・・・・・・・・・・アスカ、泣いてるの?」 「・・・シンジぃ・・・・・・シンジぃ・・・寂しいよぉ・・・。」 「アスカ?」 「私・・・素直になるよぉ・・・なんでも・・・するよぉ・・・だから・・・だから・・・  私を・・・嫌いにならないで・・・見捨てないで・・・。」 「・・・アスカ・・・。」 「うっ・・・うっ・・・。」 「・・・ごめん、僕にはなんでアスカが泣いてるのかわからないんだ・・・  でも・・・僕はアスカの事が好きだ。これだけは、断言するよ・・・。」 「シンジは・・・ファーストの・・事が好きじゃな・・・かったの?」 「綾波は、大切な人だ・・・だけど、それはアスカの言うような意味じゃないんだ。」 「今日・・・みたいな、彼女のふり・・・なんてのはもう・・・嫌だからね。」 「うん・・・これからは「ふり」じゃないようにしてもらうよ。」 「ありがとう・・・シンジ。」 「ありがとう・・・アスカ。」 fin ---------------------------------------------------------------- あとがき ぐはっ、こ、こんな寂しげなものになる予定ではなかったのに・・・ 石を投げないようお願いします。 こげなLASもありなんでしょうか? ずんずんずんずんずん ひょええ、アスカ様の足音が聞こえてきた、それでは退散!! ----------------------------------------------------------------


マナ:やっぱり、シンジは鈍感なのね。

アスカ:シンジもシンジよっ! アタシのことが好きなら、もっと早くそう言えばいいのにっ!

マナ:よく言うわね・・・。

アスカ:なによっ!

マナ:エヴァキャラで、1,2を争う素直じゃないキャラのくせに。

アスカ:どういう意味よっ! 誰と争ってんのよっ!

マナ:碇指令に決まってるでしょ。

アスカ:イヤーーーーーーっ! 一緒にしないでーーーーーーーーっ!

マナ:そうね。碇指令の場合、シンジの顔見ただけであんなに真っ赤になったりしないわ。

アスカ:あっ、あれはっ! 別に・・・。

マナ:素直じゃない上に、アスカの場合見え見えなのよねぇ。

アスカ:ウルサーーイっ! ん? ちょっと待ちなさいよっ、息子の顔見て真っ赤になる父親がいるかーーーっ!

マナ:じゃ、誰なら真っ赤になるの?

アスカ:そりゃ、その子のことが好きな娘とか・・・。

マナ:で、アスカは真っ赤になったと・・・。(^^v

アスカ:はっ!(@@

マナ:見え見えなのよねぇ。
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