But I love you !           
                          by 釘人






「ねえねえ、アスカ〜、シンちゃんとは最近どうなの〜?」


ここはコンフォート17マンションの一室。
テーブルには朝からビールを水のようにあおる家の主、葛城ミサトがいた。

「な、な、何言ってんのよ!何でこのアタシがあんな
 バカシンジのことなんか!」

同じくテーブルに座り顔を朱に染めながら叫ぶこの美少女は、
惣流・アスカ・ラングレーといった。

「あらあら、素直じゃないわね〜。そんなんじゃ他の女の子にシンちゃん
 取られちゃうわよ。」

「そんなわけないでしょ!シンジはアタシのものよ!!」

「はい、ご苦労様。」

「え?あ・・・。」


今この二人が話題にしているのはこの家の主夫、碇シンジことである。
保護者のミサトが言うには
二人は実は好き合っていて、その後押しをしてやろうと言うのである。


「う、うるさいわね!ミサトには関係ないじゃない!」

「へえ〜、じゃあリツコにもらったこの秘薬も関係ないのね?」


そういってミサトが取り出したものは怪しげな白色の粉末であった。


「は、話ぐらいなら聞いてあげてもいいのよ?」

「ちゃ〜んと後で首尾を教えるのよ♪」



「ん〜とね、これは脳の感情に関する部分を操作して、
 ・・・まあ簡単に言えば自分に素直になれる薬ね。」

「なんかうさん臭いわね〜、信用できるの?」

「リツコが作ったんだけど・・・前例で成功例はあるから大丈夫よ!」

「・・・感謝するわミサト!!」

「必ずシンちゃんをモノにするのよ!!」










翌日・・・

(アスカ、今日は朝早くに出ていったみたいだけどどうしたんだろう?)

シンジは今日、アスカが朝出て行ったことに気づかずずっと待っていたため
遅刻ぎりぎりになってしまったのだった。

「ん?何だろうこれ。」

彼が下駄箱の蓋を開けるとそこには白い手紙が置いてあった。


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バカシンジへ
 
 今日の放課後
 
 話があるから屋上に来なさい!
   
 このことを他の奴に話したら承知しない
 
 からね!

        天才美少女アスカより
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「アスカか・・・なんだろう?話って。」





「シンジ、手紙読んだかしら?
 今日こそアタシが告白してシンジをモノにするのよ!!」

午前中アスカは告白シュミレーションで頭がいっぱいだった。

給食の時間も、ヒカリが話し掛けるのにも気づかずひたすら
シュミレーションにはげんでいた。


「アスカ、ねえアスカったら!!」

「(・・・そしてシンジとアタシは・・・)」

「アスカ!!!!」

「きゃっ、もう!ビックリさせないでよ。」

「アスカったら朝からずっとそんな感じじゃない・・・
 また碇君のことでも考えてたんじゃないの?」

「そ、そんなわけないじゃない!!」


いきなり核心を突かれて焦りまくるアスカ。
結局アスカは給食を一口も食べずに昼休みを迎え、
あっと言う間に午後の授業も終わり放課後。








屋上にて

「ふぅ、薬も飲んだし後はシンジが来るのを待つだけね。」

大半の生徒が下校しているので屋上には人はいない。


「・・・シンジ、来るわよね・・・。」


と、その時。




ガチャ




屋上の扉が開く音がした。


アスカが振り向くとそこには、シンジがいた。





「アスカ、話って何?」















「え?・・・うん・・・えー・・・・と、あの・・・。」


















「何かいつものアスカらしくないけど、大丈夫?」




















「(せっかくアタシは素直になれたのよ!今言わなきゃどうにも
  ならないじゃない!)
  あの、ア、ア、アタシは・・・アタ、シはね!」





















「アスカがどうかしたの?」





















「(もう!緊張してしょうがないじゃない!言うのよ、アスカ!)
 あの・・・アタシは・・・アタシは・・・。」





















「・・・・・・うん。」






















「ア・・・・・・・・・・・・
 アタシは・・・アンタのことが、す、好き・・・な・・・の。」





















「・・・・・・・・・・・・。」






















「・・・・・・・・・・・・。」



































「・・・・・・・・・・・・・・ゴメン。」
























「!!!!!!」























「・・・アスカが、僕の何を好きになったかわからないけど。
 僕は、アスカが思うほど、アスカに似合う人間じゃないよ。」






















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」























「だから、アスカの思いには・・・答えられない。」























「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」























「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴメン。」































「いいのよ。」
























「え?」






















「アタシは、アンタのそんなところが好きだっていうのよ。」























「僕は・・・アスカには似合わないよ。」























「似合う・・・、似合わないじゃ・・・ない。
 大切、な・・のは。
 相手の事が、好きか嫌い・・・か、よ。」























「アスカ・・・。」






















「アンタが・・・アタシとどんなに、似合わなくたって・・・。
 

 どんなに弱虫だって・・・。


 どんなに・・・どんなにバカだって・・・。































 それでもアタシはアンタが好き。」






                           fin


あとがき ああ!物を投げないようお願いします。 う・・・明るくしようと思ってたのに・・・。 最後に泣きっぽいの入れちゃだめじゃん。 <補足> 実はミサトの渡した薬はウソぷーだったんですねぇ。 アスカ様ったら結構素直なんすね!


マナ:やっぱり、アスカって騙されやすいのよねぇ。

アスカ:それだけ素直なのよっ!

マナ:薬に頼らないと、素直になれない娘がぁ?

アスカ:ウッサイわねぇっ!

マナ:ところでさぁ、アスカ?

アスカ:なによっ。

マナ:シンジに告白・・・断られたんですって?

アスカ:違うわよっ! シンジは気が弱いからっ!

マナ:ブッブー。シンジは、マナちゃんが好きだから断ったのよぉ? わかるぅ?

アスカ:違うって言ってるでしょっ!

マナ:どうして、そんなことがわかるのよ?

アスカ:シンジの態度見てたらわかるわよ?

マナ:あらぁ? 口で言わなくても、態度だけでわかるの?

アスカ:あったりまえでしょうがっ。

マナ:えらい自信ねぇ。

アスカ:だって・・・。アタシのことを抱き締めながら、「僕は・・・アスカには似合わないよ。」なんて言っても説得力無いのよねぇ。

マナ:・・・・・・そんなことしてたの・・・。あのセリフの間に・・・。(ーー;;;
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