考察:葛城家間取り

私は”近未来世界”の描かれた映画や小説が好きで、そこに出て来る文化や小道具等から、その世界を想像したりするんですが、エヴァほど空想が広がった作品も珍しいです。

巷には、エヴァ関連の”考察物”も、ホームページや書籍等多数存在していた様ですが、その大半が閉鎖や絶版となり、有っても”聖書との関連”とか”エヴァンゲリオンの秘密”とか、物語の根幹に関わる物が殆どで、あまり舞台背景や小道具には注目されていない様です(少なくとも私は見た事が有りませんが、もし有ったらスミマセン)。

そこで”FF作家様支援企画”として、まず、葛城家の間取りを考察してみました。エヴァFFを読み始めてまだ2年程しか経っていないので、既に検証された方や、ご承知の方も居るかも判りませんが、皆さんの創作活動に、少しでもお役立て頂けたら幸いです。


尚、図がズレて表示される方は、等角フォントが使えるテキストエディタ等にコピーしてご覧下さい。
(winなら、”ワードパット”のMSゴシック、フォントサイズ9がお勧めです)
また、新規ウィンドウを開いて、図を見ながら説明文を読まれると、より判り易いかと思われます。
(IEなら”ファイル”−”新規作成”−”ウィンドウ”又は[Ctrl]+[N])


では、まずシンジが初めて来た時のシーン(第2話CM明け直後)を主に、検証してみましょう。

図1:11階見取り図(想像)
┏━━━━┳━━━━┓┏━━━━━━━┓┏━━━━┳━━━━┓
┃ B2 ┃ B3 ┃┃  B4   ┃┃ B5 ┃ B6 ┃
┣━┓ ┏┻┓   ┃┃       ┃┃   ┏┻┓ ┏━┫
┃B┣━┻E┻━━━┻┻━━━━━━━┻┻━━━┻E┻━┫B┃
┃1┃┌───────────────────────┐┃7┃
┃ ┃│                北      │┃ ┃
┣━┫│               /│      │┣━┫
┃─┃←非常階段?     中庭   ─┼─     │┃─┃
┣━┫│                │      │┣━┫
┃A┃│                  エレベータ│┃A┃
┃1┃└────────外廊下(回廊)──────↓─┘┃7┃
┃ ┣━┳E┳━━━┳┳━━━━━━━┳┳━━━┳E┳━┫ ┃
┣━┛ ┗┳┛   ┃┃       ┃┃   ┗┳┛ ┗━┫
┃※A2※┃ A3 ┃┃   A4  ┃┃ A5 ┃ A6 ┃
┗━━━━┻━━━━┛┗━━━━━━━┛┗━━━━┻━━━━┛
           ┃ ┃4階 ┃ ┃
               以下
           ┗ ┗ ━ ┛ ┛
注)
・B棟の部屋番号は、逆順の可能性も考えられます。
・エレベータの位置に関しては後述。

・マンション全景

敷地はかなり広く、建物は12階建てで10階から上は斜めに切られ、横方向は縦に、ほぼ三等分に区切られ、その真中には4階まで凸型に張り出した部分が有り、そこの1階が正面入口になっています。
全体的には、ベランダの仕切りから「2−1−2部屋」の、凡そシンメトリー構造である事が判ります(以降、このベランダ面を”南側”として話を進めます。実際には、朝日と西日が同じ様な方向から射している事もあり、判別出来ません)。

どうやら公式設定には、”全158室”とあるそうですが、11階以外の配置が判らないので、各階の構造は謎のままです。エレベータの表示には地下や屋上も有り、恐らく地下駐車場等も備えて有るのでしょう。

また、断定は出来ませんが、全景カットの反対側(北側)には凸型の張り出し部分が無く、すぐ道路に面していて、その対面にゴミの集積場が有る様です。


・外廊下

玄関を正面に見ながら歩いています。左手には腰高の手すり壁があり、建物の内側が吹き抜けになっている事が判ります。

右手の扉は今回最大の悩み処でしたが、散々考えた末、以下の様になりました。
トウジ達がユニゾン訓練の見舞いに来た時には、扉が3つ確認出来るので、南西の角部屋(葛城家)が「A2号室」と言う設定である以上、部屋番号の順番を加味して3部屋の内、北側をB棟(B1?)、ちょっと無理矢理ですが真ん中を”非常階段”、残る南側の部屋を”A1号室”とし、極端に狭いので、単身者用の1K(ユニットバス付き6畳1間)であると考えました。

また全景カットには、側面の9階以下に凸型の凹みがあり、このワンルームは存在していないと思われます。しかも、前述の吹き抜け(外廊下)は9階から上の描写しか無く、南面でもベランダが無い点等を合わせて考えると、9階以下の構造は図1と大きく異なっている可能性が高いです。もしかしたら、店舗やオフィス・スペースになっているのかも知れません。

図2:11階A−2号室(3LDK)間取図(想像)
・・     ・ ・
・・     ・ ・
・・     ・ ・
┃┃A1号室 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・
┃┃     ┃         外廊下(回廊)
┃┃単身者用 ┣─┯━━━━━━┳┳━─┳━━━━┓      ┏━━━━┳・・・
┃┃ワンルーム┃ │玄関  物置│┃  ┃┏━━━┫      ┗━━━┓┃
┃┃ (6) ┠─┏━━┳───╋┻━=┫┃   ┃          ┃┣
┃┣─────╋┳┻┯●┫  *┠●─┐┃┃   ┃          ┃┃
┃┃     ┃◎ │ ┃      ◎┃┃   ┃エレベータ ┠─╂─┨┃
┃┗━━━━━┛┃風呂場┃  キッチン└┨┃   ┃  ホール ┠─╂─┨┠
┃┏━━━━━┓┠─┘ ┃      ■┃┣━━━┫      ┠─╂─┨┃
┃┃ 押入  ┃┃*  ┃      △┃┃   ┃      ┠─╂─┨┃
┃┣───┬─┫┣┯─━┫       ┃┃   ┃      ┠─╂─┨┃
┃┃   │ ┃┃● ■┃*      ┃┃   ┃      ┠─╂─┨┃
┃┠─┬─┤ ┃┠洗面所┃ ダイニング ┃┃   ┃      ┃   ┃┃
┃┃ シンジ ┃┃      (12) ┃┗━━━┻━━━━━━┻━━━┛┃
┃┃(4.5)┨┣─━━┫       ┣━━━┓        ┏━━━┫
┃┃△│   ┃┃WC●┃■      ┃押入 ┣━┓    ┏━┫   ┃
┃┣━┴──━┻┻━━━┻━─────━╋─┬─┻─┻━┓┏━┻─┻─┬─╋
┃┃           (△◎?)→*┃ │ │   ┃┃
┃┣━┬──━┳━┳┓         │ │ ├─┬─┨┃ ◎=ガス
┃┃△│   │押┃┃         │ │ │ │ ┃┃ ●=水道
┃┃ ├───┤入┃┃         ├─┴─┤ │ ┃┃( )=畳数
┣┫ │   │ ┃┃  リビング   ┃  ミサト│ ┃┃
│├─アスカ─┣━┛┃△(12.5)  ┠─┬(10)─┨┃ *=観葉植物
││ (6) ┃  ┃         ┃ │ │   ┃┃ ■=冷蔵庫・洗濯機
┣┫───┤ ┣┓ ┃         ┃ │ ├───┨┃ △=その他電化製品
┃┃   │ │┃ ┃△       *┃ │ △  △┃┃
┃┣━──┴━┻┻━┻━───────━┻━┷─┴─━━┫┣・・・
┃┃        *                 ┃┃
┃┃          ベランダ            ┃┃   A3号室
┃┃                      * * ┃┃
┃┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫┣・・・
┃┃                          ┃┃
┗┛                          ┗┛
注)
・太線が壁。細線は畳や扉・窓等の仕切り、据付の家具類になります。
・2マス分使っている”厚壁”は、実際には、この図より狭いと思われます。
・和室以外の畳数は、正確な面積では無く相当分になります。
・電化製品の類は、その近辺の壁にコンセントがある物と考えられます。

・玄関

「た、ただいま・・・」で有名なシーンですが、まず扉を開けた際、靴脱ぎ場の奥に、腰高の”靴入れ”らしき引戸が見え、その上に植木鉢が1つ乗っています。
また、この部分は廊下の壁より1段奥まっていて、シンジ家出中にトウジ達がプリントを届けに来た際、「シンジのぶわかぁ!」と扉を蹴るミサトの背後、その奥まった壁に1つ照明が付いている事が判ります。

玄関の扉は、窓の無い金属製の自動一枚扉で、玄関内側から見て右側に開き、開閉スイッチは同じく右手の壁に、照明用の物と並んで設置されています(外からのスイッチは不明)。
そのスイッチには、小型モニターの様な物があるので、監視カメラ付きのインターホンになっているのでしょう。またインターホンの音声は、ダイニング(電話機?)でも聞く事が出来る様です。


・廊下

玄関を入ると、左直角に廊下があります。この廊下は、左手は外廊下と平行しており、壁が続くだけで部屋や窓は1つも有りません。
右手も暫く壁が続き、奥の方にダイニングキッチンに繋がるガラス戸があります。
正面突き当たりには木製の扉があり、縦長三枚の引戸か折戸の様なので、恐らく”掃除機”等を収納している、それ程奥行の無い「物置」だろうと考えられます。

尚、前記”A1号室”の関係で、図の廊下は、本編の描写より若干短い様な感が有りますが、整合性を考えると、この辺が限界でした。


・ダイニングキッチン(12畳相当)

廊下側から見て、入口左手に観葉植物が置かれています。植物には疎いのでコレが何かは判りませんが、130〜40cm位はある様です。
更にその左手奥は、つい立状の壁の向こうにL字型のシステムキッチンがあり、流し台の前には”床下収納庫”も有る様です。また、角のスペースは洗物やまな板、それに炊飯器が置かれ、レンジは最近流行の”電磁式”や”電熱式”では無く、ゴトクの形状から”ガス式”と判ります。

尚、キッチンの角には吸引式の換気扇がありますが、その壁の向こうは、外廊下までには距離が有り過ぎて不明な空間となってしまう為、外廊下側から入る「ガス・水道の検針メーター等がある部屋」(正式には何て言うんでしょ?)としました(でも普通、換気扇はガス台の真上に設置するよなぁ(^^;)。
丁度、以前友人が住んでいたマンションにも似た様な部屋があり、その中には換気ダクトの他、下水等の配管やボイラー等もあったんですが、そう言えば葛城家には、未だに”瞬間湯沸器”と言う「2001年の時点で、既に前時代的になりつつあるモノ」があるのはオドロキですね?(笑)。
でも、作画の調子が違う(別の人が描いた?)時や、最終回の補完世界では描かれていなかったので、一応ボイラーは有って蛇口からも出るのに、ミサトが前に住んでいた所から、捨てるのが勿体無くて持って来た・・・なんて事も?

ダイニングに戻り、中央から東側を見ると左から、ガス台の隣に食料用(ビール用?)の冷蔵庫と、その上に電子レンジ。しかし、この電子レンジは少々高い位置にあり、使い勝手が悪そうです。ミサトならともかく、シンジらではシチュー等、熱い物を頭から被るなんて事故も考えられ危険です。
その隣はやや壁が露出しており、恐らくアスカ同居以降意味を成さなくなった”当番表”が貼られ(車が転覆してるポスターだった事もある)、床には緑色の四角いゴミ箱が置かれています。
更に右隣には、隅まで腰高の棚が続き、その上には日本酒・洋酒を問わず、各種酒瓶が大量に置かれています。本編の描写では缶ビールばかり飲んでいたミサトですが、実際にはアルコールが入っていれば何でもOKなのでしょう。

西側の壁は、向って右手にカレンダーの様な物が貼られている以外、特に何もありませんが、後半(アスカの継母からの電話の時)には”電話台”が設置されていました。その左手、中程にも観葉植物がありますが、こちらは1m程度とやや背が低い物です。
観葉植物の左にはアコーディオン・カーテンがあり、洗面所に繋がります。その左手(隅)にはペンペンの冷蔵庫があり、一時期、洗面所入口とペンペン部屋の間の空間に、ダンボールやペットボトル等(ゴミ?)が置かれていた事もあります。

ダイニングの中央(やや東寄り)には4人掛けのテーブルがあり、席順はミサトが東側のどちらか、その向いにシンジとアスカが並んで座っていますが、ユニゾン訓練の時はアスカが北西側だったのが、それ以降(修学旅行前から)は逆になってます。また、2人きりの時はシンジが東側に座り、アスカと向い合っていた様です(食後の食器を見た感じなので、あくまで主観ですが・・・)。いづれにしてもシンジが北側に座るのは、”最も給仕し易い位置”と言う事なのでしょう(笑)。

南面の扉は木製引戸(3枚)でリビングに繋がり、その鴨居部分にエアコンが付いています。


・バスルーム

ダイニングからアコーディオン・カーテンを開けると、まず洗面所があります。
ここは脱衣所も兼ねてるので、女性陣の入浴中、シンジはトイレに行く時に注意しないと、カーテン(或いはトイレの扉)を開けたとたん「きゃー!エッチ!バカ!ヘンターイ!」と言う事にも成り兼ねません(爆)。

右手の洗面台は、上部に棚があり、鏡がやや大き目ですが、造りは極一般的で左程高級な感じでは無い様です。
右手前には洗濯機と乾燥機が置かれ、洗面台の角からカーテンレールの辺りまで洗濯紐が張ってあります。そこには下着やハンカチ等の小物が干してあったので、世間では「家事全滅」と言われるミサトですが、洗濯だけは出来るのでしょう。

右の奥には風呂場があり、入口が上下二分割された曇りガラスの一枚引戸で、浴室内側にレールが露出しています。この浴室は、一般的なマンションや団地に比べると、湯船・洗い場共にかなり広目で、隅には観葉植物まで置いてあります。

左手のトイレの扉は、小窓の付いた開き戸で、これが葛城家唯一の開き戸になります。しかし少々位置が問題で、上下水道の配管を考えると、便座は西側の壁を背に座る方が合理的なのですが、ユニゾン訓練中の描写を見ると、扉と壁の間にシンジが挟まれる程度しかないので、必然的に反対になってしまいました。

また、風呂やトイレには窓が無いので、湿気や臭い対策にかなり強力な換気扇が必要と思われ、その為この並びの壁には、換気ダクトや配管等が入る空間が有ると考えられます。


・リビング(12畳半相当(廊下部分を除く))

ここは、ユニゾン攻撃前夜の”キス未遂事件”の直後に、真上からのカットがあるので、それで全体が把握出来ます。

東面は左隅から観葉植物、ミサトの部屋に繋がる2枚引戸(木製)、壁に絵とエアコンが貼り付き、右隅にもう1本の観葉植物。
南面は、ほぼ全面がガラス戸(4枚)でベランダに続き、右隅にやや壁があって、通常はその前にテレビが置かれていますが、台下の車で移動させる事も出来る様です。
またテレビの上には”ビクターの犬”の置物があり、下の台にはビデオデッキらしき物が入っています。
西面は、テレビの隣に腰高のサイドボードがあり、この中にも、何やらAV関係と思われる各種機材が多数入っていて、上には両端にスピーカーが寝かせてあります。
スピーカの間には、写真立てに、鉢植えと花瓶らしき物が1個づつ置かれ、サイドボード上方の壁にも、妙な模様の絵が掛けられています。

更にその右には、扉や鴨居も無く、そのまま廊下が繋がっています。廊下は西方向に真っ直ぐ延び、左手に襖(アスカの部屋)、右手に”雨戸”の様な木戸(シンジの部屋)があり、突き当たりは窓も無い壁になっています。

リビングには応接セットやソファーと言った物は無く、直接床に座って(寝転がって)生活するスタイルがお好みの様で、白黒で横縞模様の座椅子が2脚と、黒い大きなクッションが4つ、あと同色の座布団も1枚確認出来ましたが、単にクッションを小さく描いてしまっただけと考えた方が妥当でしょう。
また、ローテーブルが何種か出ていたんですが、色や大きさが微妙に違うだけなので、基本的には足が黒、天板が白で、無理すれば8人座れる、やや大きな物が1つと考えて良いでしょう。

それと、北東角の観葉植物の奥、壁の低い位置にフタらしき物があり、どうやら電気だけでは無く、ガスのコンセントも設置してある可能性が考えられるので、”スキヤキ・パーティー”なんかも出来そうです(笑)。


・ミサトの部屋(10畳和室)

家具も多く、万年床(?)で散らかり放題の部屋ですが、実際には結構広い様です。

リビングから入った左手(北面)には、1畳分の押入と天袋、その隣にも半畳分の物置があり、右隅にはダンボール箱が積まれています。
東面は家具類が並べられており、左から引出し式のタンス、縦長のクローゼット、やや空いてシンプルな造りの机があり、その隙間にスケボーやゴミ箱等が置かれています。
机の上には、”刑事ドラマの取調室”に出て来る様なライトに、小さ目の鏡、化粧品や小物が散乱していて、壁には車のポスター(途中何度か替わりましたが、最後は70年代後半のラリー車)と、何故か鴨居にステアリング(ハンドル)が掛けてあります。
南面は、ベランダに面した窓があり、カーテンは巻き取り式のスクリーンタイプ。窓下の床には、結構大き目なコンポと、電話機(何度か移動している)。
西面は、殆ど描写されていないのですが、入口の脇に、大きい感じの本棚が一部見えていましたので、壁の大部分が本棚で埋まっていると考えて良いでしょう。


・アスカの部屋(6畳和室)

と言っても、アスカの部屋になってからのシーンは殆ど無く、綿の飛び出したクッションや破れた雑誌の位置を検証しても仕方無いので(笑)、シンジの部屋だった頃を参考にしました(と言ってもベッドの位置等、ほどんど変わってない様です)。

まず東面は、左隅に1畳分の押入(天袋なし)、中間は壁で鴨居にハンガーが掛けてあります。右隅に半畳分の物入れがありますが、補完世界のシンジの部屋では、ココが本棚になっており、あまり奥行は深くない様です。
南面はカーテンで良く判りませんが、どうやら2枚引戸のガラス戸で、ベランダに出る事も出来そうです。
西面には、中央付近に窓があり、ベランダに面している物以外では葛城家唯一の窓になります。その窓の下にベッドが北向きに置かれ、足元に若干の隙間、頭の方に机が置かれています。

ところで、この部屋の入口の扉ですが、シンジが使っていた頃は確実に”襖”なんですが、終盤アスカが家出していた頃には、ミサトの部屋と同じ木戸になっているんです。しかも「勝手に入ったら殺すわよ!」のボードが掛けられ、ミサトやシンジが嘆いてるシーンの中には、側らに観葉植物が置かれていて明らかにミサトの部屋の物があるんですよね・・・。どうやらこれは、ユニゾン訓練の時の”ジェリコの壁”がミサト部屋の扉だったので、混同されてしまった様です。まあ観葉植物はともかく、強固な木戸に交換して「鍵を付けた」と言う解釈も成り立ちますので、そう言う事にしておきましょう(笑)。


・シンジの部屋(4畳半和室板間)

入口から見て、左手西面には学習机とベッドが並び、そのベッドの足先は襖を外した押入にハミ出しています。
北面の押入は1.5畳分弱と、ほぼ部屋の全幅分あり、上段には本棚や引出し型の小物入れ、下段にはベッドの他、二段しかないタンスやダンボール箱等、結構色々な物が入っています。
東面には、いわゆる”カラーボックス”と呼ばれる三段棚の物入れを、寝かせる形で置かれています。生憎これらが映ったシーンは毎回、シンジが家出の為に荷造りした後ばかりなので、普段どう言う物が入っているのか判りません(笑)。

また、補完世界では剥き出しで置かれていたチェロが見当らないのですが、ベッドの下にでも仕舞われているのでしょうかね?

しかしこの部屋、窓も無く裸電球1個の暗い部屋なので、確かに何とも形容し難いのですが、”元・納戸”としてるFFを良く見掛けます。これはコミック版の設定なのでしょうか?<まだ読んでない(^^;;
でも、いわゆる”団地サイズ”の4畳半は一辺が255cm+αとなり、学習机は幅90cm前後、ベッドは全長200cm前後の物が一般的なので、これを並べるとベッドの足先部分が35cm程ハミ出す形となり、シンジの部屋の状況と一致しますので、押入付きの4畳半なら立派に”部屋”と言っても差し支え無いでしょう。


・ベランダ

畳数にして約14畳分(もっと有るカモ?)と、かなり広いベランダです。
南側(外側)から見て右手前(ミサト部屋の前、手すり寄り)に観葉植物が2本並び、リビングの前辺りには、白い丸テーブルと、ビーチベッドの様な椅子が1つ置いてあります。多分ミサトは、暇な時に日光浴しながらビールでも飲むつもりで用意したのでしょう。LAS的には、同じ椅子をもう1つ買って来て欲しい処ですね?(笑)。
リビングとアスカの部屋の間辺りにも、観葉植物が部屋寄りに1本あります。

また、洗濯物を干す場合、補完世界では他の家々は専用台を用意していますが、現状の葛城家では縁ギリギリの所に洗濯紐を張っています。恐らく基本的には、あまり外に干さず、乾燥機やクリーニング屋で済ませてしまうのでしょう。


・その他(本編には描写されていない部分)

前述したA1号室や換気関係の他、ダイニングとミサトの部屋に隣接した、約12畳分の空間があるのですが、仮にA3号室の造りが、一部を除いてA2と線対称(鏡に写した形)と考えると合わせて24畳分になるので、この部分には、ちょっと広すぎる感じもしますがエレベータと階段を入れました。

実際には北側棟の物ですが、ユニゾン訓練の時に見舞いに来たトウジ達が乗っていたのを見ると、定員が5〜6人程度の、マンションでは極一般的なタイプの物が2本並んでいます。

因みに、このトウジ達の他にも、シンジの”初ただいま”の時や、酔ったミサトを送り届けたに来た加持など、普段エレベータは北側の物を使っている事が多く、この南側の物を使ったと思われる描写は、やはりユニゾン訓練の時、レイを連れて来たミサトが唯一でしたので、この時は「再びレイを送る為、正面入口前に車を停めた」と考えれば、地下駐車場や学校、駅なども北側裏口の方が近いのでしょう。


・総括

恐らく、この”11−A−2号室”は4人家族用、つまり10畳間は夫婦用、6畳間が子供部屋で、4畳半は子供が小さい内は”お父さんの書斎”として、子供が大きくなって手狭になったら下の子(?)の個室に、と言った感じで使われる事を想定しているのでしょう。

しかし、それにしてはダイニングやリビング、それに風呂やベランダも広過ぎるし、玄関からの廊下など無駄な空間も多く、この辺を整理すれば、もう1部屋くらい造れそうな気がします。
また、高級マンションとしてなら広いのも判りますが、各所の造りが質素で飾りっ気が無さ過ぎ、オシャレなキッチンカウンターとか出窓なんかが有っても良さそうです。

結局、このマンションはネルフの技術部か厚生課か判りませんが、住宅の設計は素人同然の者が「多目的な利用も考えつつ、将校用官舎として建てた」と言うのが妥当かも知れませんね?(笑)。

その他、構造的欠陥の筆頭は、常夏の土地では考えられない程、通気性が悪過ぎる事でしょう。せめて玄関の廊下に、1つだけでも窓が欲しい処です。
また、キッチンから出火した場合、玄関からの脱出は極めて困難で、ベランダからも、隣室(A3)へは行けず、下には”縄ばしご”か何かで10階まで降りる事は出来ても、10階ベランダの直下は9階の部屋の中なので、床に非常口を空ける事も出来ないでしょう。

まあ「科学万能の街」の事ですから、見えない所に画期的な装置があるのカモ知れませんので、この辺は肯定的に解釈して、問題無い事にしましょう(笑)。



さて、建築のド素人が、不動産屋の折込チラシを参考に、TVに映った絵のみから検証してみましたが、如何でしたでしょうか?

尤も、複数の方が作画しているので、各部屋の扉の位置等が微妙に変化しているとか、アスカが越して来た時と”義理デート”の前夜、いづれも「リビングの廊下からミサトが帰宅して来た」など、多少の違いや明らかな矛盾も有りましたが、部屋の繋がりには一切問題有りませんでしたので、恐らく、しっかりと設定して有るんだと思われます。出来たら、公式設定資料を是非共見せて頂きたい物です。

皆さんも、またTV版を見る機会が有りましたら、一度この間取りを参考にして見てみて下さい。
もしそれで、図に間違い等が御座いましたら遠慮無くご指摘下さい。また、ビデオ版等に新事実がありましたら、その時も是非!

黒鉄人28号 (01.05.26)


マナ:黒鉄人28号さん、投稿ありがとーっ!(^○^/

アスカ:アタシって、こんな家に住んでたのね。(^^;

マナ:シンジを納戸みたいなとこに押し込めて、ひっどいわねねぇ。

アスカ:アイツは、荷物が少ないからいいのよ。

マナ:でも、アスカが引っ越してきた時の荷物。よくこの6畳に入ったわね。

アスカ:あぁ、シンジの部屋の押し入れは、アタシが使ってんのよ。

マナ:・・・・・・。

アスカ:シンジの部屋の机の引出しも、アタシが使ってるし。

マナ:それは・・・酷い。

アスカ:ベッドの下もチェロじゃなくて、アタシの普段使わない服を入れてるわ。

マナ:じゃ、チェロはどこにあるのよ。

アスカ:あぁ、ベランダ。

マナ:シンジ・・・可愛そう。

アスカ:ベッドもシンジの部屋のを共同で使ってるしねぇ。

マナ:ちょーーーーーっと、待ったーーーーーーーーーーーーーっ!(ーー#
作者"黒鉄人28号"様へのメール/小説の感想はこちら。
kurot28@z2.zzz.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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