『冷却終了!!ケイジ内、すべてドッキング位置』 『パイロット・・・・・・・エントリープラグ内、コックピット位置に 着きました!!』 『了解!!エントリープラグ挿入!!!』 『プラグ固定終了!!第一次接続開始!!』 『エントリープラグ・・・LCL注水!!』 『主電源接続、全回路動力伝達・・・起動スタート!!』 『A神経接続異常なし、初期コンタクトすべて問題なし!!』 『すごいわ!マヤ、シンクロ率は!?』 『・・・・!!シンクロ率・・・』 『どうしたの?』 『い、いえ。・・・シンクロ率、98.6%』 『『『『!!!!!!!!!!』』』』 『いける!』 I wish that I could turn back time 〜シトの力〜 「エヴァンゲリオン初号機、発進準備!!」 『第一ロックボルト解除!』 『解除確認!アンビリカルブリッジ移動!!』 第二拘束具除去!!』 『一番から十五番までの安全装置解除、 内部電源充電完了!アンビリカルケーブル異常なし!!』 「エヴァ初号機、射出口へ!!」 「進路クリア、オールグリーン!発進準備完了!」 リツコがミサトの方を向いて頷く。 ミサトはネルフ司令、碇ゲンドウを見上げた。 「よろしいですね?」 「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り、我々に未来は無い」 「分かりました・・・。シンジくん!?」 『なんですか?ミサトさん?』 「行くわよ。準備はいい?」 『はい、いつでも』 「エヴァンゲリオン、発進!!」 ミサトの指示でエヴァが射出される。 その勢いはとてもすごく、シンジには強烈なGがかかっている。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 地上 使徒はまるで本部の位置が分かっているかのように一直線に向かってきていた。 ガシャンッ!! シンジの乗っている初号機は狙ったかのように使徒の目の前に出てきた。 「サキエルか・・」 『最終安全装置、解除。エヴァンゲリオン、リフトオフ』 『シンジ君、まずは歩いてみて。頭で歩くことを想像してみて』 すると初号機はゆっくり右足を上げて歩き出した。 その様子を発令所で見ていた人たちが歓喜の声を上げる。初号機はオーナインシステムと呼ばれているほど起動が難しいものであった。 しかしそれが実際に目の前で歩行を始めたのだ。 「いくぞ・・・。てりゃぁぁぁぁ!!」 シンジは初号機が思い通りに動くことがわかると攻撃を仕掛けた。 初号機はゆうに100mを飛び越えサキエルに掴みかかろうとする。しかし、八角形のものにぶつかってしまい、攻撃は失敗した。 『ATフィールド!!使徒も、もっていたのね』 「くっ!」 彼は一刻も早くこの戦いを終わらせたくてたまらなかった。 「・・・・はぁぁぁ・・・・・!!」 『初号機のシンクロ率が上昇していきます!』 『初号機、右腕部にATフィールド確認!』 『なんですって!?』 『・・・これは・・・・・槍?槍です!!初号機、槍を装備しました!』 『あ、あれはっ!!!』 リツコは目を疑った。シンジがATフィールドの物質化で作り上げたものはロンギヌスの槍。 ハッキリ言って、この槍に勝てる武器はない。そして壊せないもない。ATフィールドでさえこの槍の前では無意味なのだ。 「くっ・・・らえーーー!!!」 シンジはロンギヌスの槍をサキエルに向かって投げつけると 今度はサキエル以外の場所にATフィールドを展開した。 サキエルはATフィールドを展開したがロンギヌスの槍はそんなのおかまいなしに突き進む。 そしてサキエルに直撃、殲滅。 そののち爆発をしたが、初号機の展開したATフィールドによって、 被害は無し。負傷者、死者0で終わりを告げた。 『よくやったわシンジ君。戻ってきてちょうだい』 「はい、ミサトさん」 その後、二人の間には会話はなかった。ただ、お互いを見ながら微笑んでいた。 ゲンドウは冬月副指令と共に無言で立ち去っていった。 リツコはミサトと一緒にケージへ。その他オペレーター、 伊吹、青葉、日向はそれぞれ仕事に取り掛かっていた。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 司令室 「碇・・・。いいのか?ゼーレのシナリオとはずいぶん違っているぞ」 ゼーレ・・・・・。それはネルフを、世界を操る極秘の裏組織。 ゼーレの持つ“裏死海文書”にはこれから起こるすべてのことが記されている。 シンジの目的・・・それは死海文書を狂わすこと・・・・。 人類補完計画を阻止することに意味があるのだ。 「ふっ・・・問題ない。このくらいでは大して変わりはしない」 「・・・・・・・」 無言の冬月。よほどこの男の言うことを信用しているのか。 それとも諦めているのだろうか・・・・。それは表情からではよくわからなかった。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ケージ 無事に帰還を果たした初号機がそこにはあった。エントリープラグから パイロットの碇シンジが出てきた。初号機はまったくの無傷で、 シンジ自身もすがすがしい笑顔であった。 「シンジ君!偉いわよ、よくやったわ!」 「い、いえ・・・・別にそこまですごいことじゃありませんから・・・」 少し俯き加減で手を前に出してひらひらしている。 シンジにしてみればサキエルなどザコにも程がありすぎて 自分ではすごいとは微塵にも思っていない。 しかし周りの人間にしてみれば、いきなりの実践で、 しかも圧倒的な力を見せ付けて無傷で勝利を果たしたのだから、それはすごいことなのだ。 「ふぅ、まぁいいわ。じゃ、シャワーでも浴びてらっしゃい♪」 「はい、わかりました」 シンジがケージから立ち去ろうとすると、不意に後ろから 呼びかけられてしまった。シンジが振り向くとリツコが歩いてきていた。 「ジンジ君、悪いけど後で私の部屋に来てもらえるかしら?」 「はい、いいですよ。・・・・・あっ、後、お願いがあるんですが・・・」 「なにかしら?」 「二つほど・・・。一つは、僕をエヴァンゲリオン初号機の 専属パイロットにしてもらえませんか?」 「もちろんいいわよ。それはむしろこっちからお願いしようとしてたくらいよ」 「ありがとうございます。・・・二つ目は、綾波レイのお見舞いに行ってもいいですか?」 リツコ、そして話を聞いていたミサトは正直驚いた。 まだ会わせたことも無い、紹介した覚えも無いのに彼女の名前が出てきたのだ。 「え、ええいいわよ。でもどうしてレイのことを知っているの?」 「ああ。気にしないでください」 シンジはくすっと笑うと再びケージ入り口に向かって歩き出した。 「彼は・・・・いったい何者なの?」 シンジがケージを出て行ったあたりでリツコが呟いた。 その顔は真剣な顔ではなく、驚きを隠せない表情だった。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ コンコンッ 「リツコさん、いますか?」 「あぁ、シンジ君ね。入ってちょうだい」 シュ 空気の向ける音でドアが開く。 シンジはなぜリツコに呼ばれたのかが分からなかった。 もしかしたら奇妙な実験に付き合わされるのかと、内心ビクビクしているのだ。 部屋に入るとネコグッズがたくさん置かれていた。 今リツコが飲んでいるコーヒーが入っているのもネコのマグカップである。 「それで、何のよう用ですか?」 「えぇ。実はいろいろとあなたに質問したいことがあるのだけれど・・・いいかしら?」 「答えられるものだけならば・・・ですけど」 「それでいいわ。・・・・まず最初に・・あなた、何者?」 「はい?」 この質問にはシンジは首を傾げた。自分は碇シンジ、選ばれた サードチルドレン。父、碇ゲンドウに呼ばれてここに来た。 そうリツコに伝えると、今度はリツコが首を傾げた。 「でもおかしいわね。報告書による性格とはずいぶん違っているのだけれど?」 「そんなことはありませんよ。どうせ報告書には“内気で人と接するのが苦手” とか、そんな感じのことが書かれているんでしょ。正しいじゃ在りませんか」 「・・・そう。じゃあ次の質問。なぜATフィールドを知っていて、かつ使いこなせるの?」 「あれですか?いや、あれはなんか適当にやってたら勝手にでてきたって言うか・・・・その」 シンジは相当焦りながら適当に説明した。今は本当のことを話すわけにはいかないのだ。 「ふぅ・・・。まぁそんなもんね。今日のところは・・・」 「はぁ?き、今日のところは?」 「もちろん。まだまだ聞きたいことはあるわよ」 ここでシンジとリツコの話は終わった。シンジの予想とは違って 今回はただの話し合いであったけど、いつ実験されたりするのかわからないので怖い。 一言・・・怖い。特にATフィールドなんかがバレてしまうと・・・・・考えたくも無い。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 作戦指令室 シンジは放送でミサトに呼ばれてしまったので来ていた。 「一人暮らし!?」 ミサトが驚きの声を黒服に浴びせる。 「はい。彼の部屋はこの先のDブロックになります」 「そんな・・・。シンジ君はそれでいいの?」 「う〜ん・・・・」 シンジは少し悩んだ。前と同じようにミサトの家に住んでもいいのだが、 一人の方が作戦を考えやすいという利点があるのだ。 「じゃあ、ミサトさんの家に居候します」 「・・へ?」 「だめですか?」 ミサトは「うぅ・・・そんな顔でお願いしないで〜」と思いながら考え込んだ。 まぁ結果としては前と同じようにシンジはミサトの家に住むことになった。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ コンフォート 「さぁって!!掃除しましょうか!!!」 「わ、私もするの?」 「当たり前じゃないですか!!ビールいらないんですか?」 「とほほ・・・・・・」
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