シンジが葛城邸に向けて出発する30分ほど前・・・。 I wish that I could turn back time 〜二人のリリス〜 ネルフ病院 コンコンッ 「綾波?入るよ」 シンジは返事が返ってこないと予想していたので 「おじゃまします」と言って普通に入って行った。 レイは無表情で病室の入り口をジーっと見ていた。目には頭からかけての 包帯で片目が閉じられていた。右手も骨折でもしているのだろうか、包帯で首から支えていた。 「どう綾波?怪我の方は?」 「あなた誰?」 シンジはそれを聞くと少し考えてふふっと笑った。 この時代のレイはシンジが帰ってきたことを知らないのだ。 「僕は碇、碇シンジ。君と同じパイロット、 サードチルドレン。初号機の専属パイロットになったんだ。よろしく」 「そう」 「じゃあ・・・はい」 そう言うとシンジは右手をレイの方に向けて差し出した。 レイは「なに?」とでも言いたそうな目をシンジに向けていた。 「握手だよ、綾波」 「握手?なぜ?」 「僕と綾波は友達。これで握手をする理由はあるだろ?絆の一つだよ」 「絆・・・」 そう呟くとシンジの右手に答えた。 するとシンジは嬉しそうに笑った後、いきなり目をつぶり精神を集中させた。 「うっ・・・・・」 レイは頭を抑えた・・・・。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ (なに、これ・・・。私の中に何かが入ってくる・・・・・・。 でも怖くない・・・・・。私と同じ・・・・?) 〔違うわ。私はあなたじゃない〕 レイは自分に話しかけてきた人を振り向いてみる。 するとそこには自分と同じ姿をした人物がこっちを見ていた。 (誰?) 〔私はリリス・・・・碇シンジの中に居るリリス〕 (そう・・・・。どうしてそこに居るの?) 〔碇君の願いを叶える為にここにいるの〕 無言・・・・・ 〔・・・私はそろそろ行くわ。碇君をよろしくね。二人目の私・・・・〕 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ シンジは目を開けてレイに向かって笑顔を投げた。 「レイこれからよろしくね。友達として・・・。」 「お兄ちゃん」 「へ?な、なんで僕がお兄ちゃん?」 「お兄ちゃん」 「はぁ?い、いや・・・だから・・・」 「お兄ちゃん」 「あ、綾波さん?」 「お兄ちゃん」 「・・・・はぁ〜・・。もうわかったよ。兄弟だね。・・ ・でも他の人に言ったり、“お兄ちゃん”なんて呼んだらだめだよ・・・。わかった?」 「わかったわ、碇君」 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ コンフォート 「いっやぁ〜♪それにしても、シンちゃん料理上手ねぇ〜♪ これならお姉さん、いつでもあなたをお嫁さんに出せるわ(はぁと)」 「僕は男ですって!!」 「まぁたまたぁ〜。んもぅ、シンちゃんったら〜♪」 「・・・・・・」 シンジはその後二時間ほど茶化されたそうな・・・。 シンジは途中何回も、うっかりボロがでそうになり口を押さえていた。
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