「いやぁ〜、やっぱ持つべきものは友達だよなぁ〜」

「ミサトさん、今日はデートってホンマですかぁ〜?」

「そうよ♪太平洋を大きくて豪華な船でクルージングよ♪」

「ホンマでっかぁ〜、見てくださいこの帽子!今日のこの日のために買うたんです〜」


トウジが頭に装着している帽子をキュッキュッとする。









I wish  that I could  turn  back  time

〜再会〜















今彼らが居るところは海の上・・・の空。ヘリで只今大きな船に向かって移動中なのだ。

ちなみにデートなんて事はまっかなウソ。本当の目的は、

ドイツのビルヘルムスハーフェンを出航した船、オーバー・ザ・レインボウに乗っているセカンドチルドレンとその弐号機を迎えに行っているのだ。



喋っては居ないがもちろんシンジも乗っている。もし使徒が現れたときのための予備パイロットなのだ。

なにも持ってきてないけどね・・・。




ことの始まりは一週間前に遡る。






□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□







一週間前
食事中にミサトが何かを思い出したようにシンジに話しかける。


「あ〜そうそうシンちゃん。来週チョッチ出かけない?」

「どこへですか?」

「実は、セカンドチルドレンを迎えに行かないといけないのよ」


それを言うとシンジは即答で、


「行きます!」


ミサトは少しだけど引いた。


「そ、そう・・・・。あと、学校の友達も少しだけなら呼んでもいいわよ♪」

「はい!」







□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□








まぁ、そんなこんなである。


「ほら、見えてきたわよ」


ミサトが船を見つける。それにつられてトウジ、ケンスケが外を覗く。


「あ、あれが豪華な船?」

「すごい!すごすぎる!!太平洋艦隊の母船だぁ〜〜!!!」


ケンスケがミリタリーっぷりを発揮する。


(・・・・アスカ・・・・・)







□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□










甲板
「すごい!!すごすぎる!!!!!!!!」


まだ言っていた・・・。


「うわぁ!!・・あっ!待て!待てゆうとろうが!!」


いきなり風が吹いてトウジの帽子を吹っ飛ばした。

コロコロ?と帽子は止まることなく転がって?いく。


       クシャ!!


「うっ!!」


帽子は止まったが、・・・止まったというよりも止められたのか。

帽子は何者かに踏まれていた。トウジは見上げると、そこに赤い髪の少女が居た。


「なにすんねん!!!!」


トウジが文句を言うと少女は足を帽子から退けたが、

そのせいで帽子は高く高く舞い上がってしまい、

着陸したところは海の上・・・。哀れトウジ。


「Helloミサト!元気してた?」


少女は砕けた感じでミサトに話しかけた。


「ええ。あなたも、すっかり女らしくなって」

「他のところもちゃぁんと女らしくなってるわよ」


ミサトはシンジたちの方を向くと少女を紹介した。


「紹介するわ。彼女がセカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーよ」


シンジはアスカとの再会に歓喜していた。ただし心の中での話。シンジは涙をぐっと耐えていた。

そこへ前回同様いたずら風が一陣吹いて・・・



      パンッ!!
         

パンッ!!
         

   パンッ!!



「いったーー・・。なにすんねん!!」

「見物両よ。安いもんでしょ」

「なんやとぉ〜。そんなんこっちだって見せたるわ!!」


トウジはズボンを下ろす・・・はずが勢いあまって全部下ろしてしまった。

当然・・・・


「キ、キャァァァァ!!!」


           パンッ!!!!!


トウジのみ紅葉が二枚・・・・。哀れトウジ。


「ふぅ、ふー。・・・ところでミサト、噂のサードチルドレンは・・?まさか今の!!」

「違うわ。こっちよ」

「へ?コイツ?冴えないわね」

「碇シンジ君よ」


アスカは右手を差し出した。

もちろんシンジはそれに答えたが、懐かしさと嬉しさで涙が止まらなかった。


「ちょ、ちょっと!なに泣いてんのよ!!」

「あーあ、なーかした。いけないんだ〜。アスカぁ、いじめちゃだめよ♪」

「いじめてないわよ!!コイツが勝手に・・?!!」


アスカは最後まで言えなかった。なぜならシンジに抱かれていたから。シンジは我慢が出来なかった。




――守れなかった少女


――壊れてしまった少女


――拒絶した少女


――消えていった少女




その少女が今、目の前にいるのだ・・・。シンジは我慢が出来なかった。


「あらまシンちゃん・・・・だぁ〜いたん」

「シンジ!!オノレはなにやっとんじゃ!」

「シンジ・・・お前というやつは・・・!!」


三者三様のセリフを言う。

アスカは真っ赤になっていたが、いや今も真っ赤だが気を取り直した。


「あ、あああアンタ!!なにすんのよ!!」



「え・・・・あわわわわわ!!!ご、ごめん!!」


シンジはあわててパッとアスカを離した。


ここでお約束できごとが・・・・・



             パンッパンッ!!!!!



碇シンジ・・・・・紅葉・・・濃いのが一枚・・・薄いの一枚・・・・・・哀れなり。



「と、とりあえず、行きましょう」


ミサトが仕切りなおす。







□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□








「ほほう・・・碇シンジ君か・・なかなかの勇気だな・・・・」


無精ヒゲの男が呟く・・・・・。


作者"ma-sa"様へのメール/小説の感想はこちら。
mizore@zpost.plala.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system