「だめだ!」 「ではいつ受け渡しを?」 「受け渡しは新横須賀の港についてからになります」 「・・・わかりました。しかし有事の際はネルフが最優先とさせていただきます」 しばし無言の艦長、副艦長、ミサト。 「よう!相変わらずだな」 そこへ一人の男が話しかけてきた。 その男は長髪で髪を結んでおり、無精ヒゲをはやした男だった。 I wish that I could turn back time 〜使徒襲来〜 「加持さん♪」 「なっっっ!!!」 ミサトが驚く。 「加持君、君を此処へ招待した覚えはないぞ」 「はいは〜い、すぐに行きますよ」 「悪夢よ・・・・これは悪夢よ・・・」 ミサトは頭を抱えてうずくまっていた。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 食堂 「なんでアンタがここにいるのよ・・・」 ミサトが加持に尋ねる。 「アスカの随伴でね。ドイツから出張さ」 「くっ・・・迂闊だったわ・・・。十分考えられる出来事だったのに・・・」 「ところで・・・君が碇シンジ君かい?」 加持はいきなりシンジに聞いた。 「あ、はい・・そうですけど、それが?」 「いや、少し興味を持ったもんでね。何の訓練もなしに実践でエヴァを動かした サードチルドレンをね。しかもすでに三体もの使徒を倒している」 「そうですか」 シンジのそっけなさに加持に憧れを持っているアスカが食い掛かる。 「ちょっと!なによそのやる気の無い返事は!!」 「別にいいだろ・・・。加持さんが興味を持っているのは碇シンジじゃない。サードチルドレンなんだから」 「な、なんですってぇ!!」 怒り狂うアスカを見た加持は止めに入る。 「まぁまてアスカ。確かに今俺が興味を持っているのはサードチルドレンだ。 しかしそれは今の話だ。これから興味を持っていくかもしれない」 ニコニコ顔の加持。 アスカをなだめると加持はもう一度シンジに向かって、 「シンジ君。聞きたいことがあるんだが」 「なんですか?」 「君は葛城と同居してるんだってな」 「ええ」 シンジは苦笑していた。 そして加持はミサトを指差して 「こいつ、寝像悪いだろ?」 ほんの数秒間の沈黙が流れる。 「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」」」 アスカとトウジとケンスケが妙なポーズで固まっている。 「な、な、な・・なに言ってんのよ!!子供の前で!!」 「なんでいけないんですか?子供の前だと・・・」 シンジのセリフにミサトはピクっと反応して、何も無かったように席についた。 一足先に復活したアスカ。 「加持さん!行きましょ!!!」 そう行って食堂から去って行った。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 外 「どうだい?サードチルドレンは?」 「最低っ!なんであんなやつがサードチルドレンなのよ!!アイツいきなりアタシに抱きついてきたのよ!!」 「しかし、サードチルドレンとしては優秀だぞ。いきなりの戦闘でシンクロ率が98.6%を記録している」 「うっそぉ〜!!!!?」 アスカが驚愕の目を開く。 「で、でもただの偶然じゃ・・・」 「彼はシンクロテストでも同じような結果を残している。彼の実力だよ」 「・・・・・・」 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ・・・・ ウィーン・・・ウィーン シンジ達四人はその後、船の中を見て回った。 そして今はエスカレーターに乗って移動中。 「サードチルドレン!!!!」 エスカレーターの頂上でアスカがシンジを呼ぶ。 「ちょっと付き合って」 このセリフになにを勘違いしたのか、ミサトがニヤニヤしながら。 「アスカ〜、告白するならみんなの見てないところですればいいじゃない♪」 「違うわよっ!!!!付いてきなさい!!」 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ シンジがアスカに連れて行かれたのは二号機の置いてある船。 アスカがシートのようなものを捲るとそこには真っ赤なエヴァが横たわっていた。 「どう!?これが世界最初の実践型のエヴァンゲリオンよ!!」 「アスカの好きな赤色なんだね」 「ちょっと、誰がファーストネームで呼んでも良いって言った?! まぁとにかく・・、カラーリングだけじゃないわ。 二号機はプロトタイプの零号機やテストタイプの初号機とは違うの!!」 「いや・・・みんな同じだよ・・・、零号機も初号機も弐号機も・・・・。 アス・・・、惣流は・・・なんのためにエヴァが存在しているのか、それを知っているかい?」 「なに言ってんのよ!そんなの使徒を倒すために決まってんじゃん!!」 「・・・・今は知らなくていいこともあるよ・・・」 ドォーーーーン!!!!!!!!!! 「キャァァァ!!!」 「危ない!!」 シンジが話し終わるのと同時くらいに、いきなり船全体に衝撃があった。 「いったぁ・・・」 「・・・お、重い・・・」 「へっ?」 アスカは弐号機の上から落ちて叩きつけられるところをシンジが助けた。 言われてからやっと気付いたようである。 (コイツ・・・・) アスカの中でシンジに対しての印象はほんの少しだけやわらいだ・・・かも。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ アスカはシンジの上から降りるとダッシュで甲板にでた。 「あれは!!?」 「使徒だ・・・」 「あれが・・・・あれが本物の使徒!」 アスカは何か思い立ったように顔をニヤケさせて、 「チャ〜ンス」 と言ってまた弐号機のあるところへ走って行った。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 「ねぇ、どうする気なの?」 シンジは一応聞いておく。彼はもう二度と女物のプラグスーツは 着たくないので勘弁していただきたかった。 「決まってんじゃない!!弐号機でアイツを倒すのよ!!」 「あの〜、僕は・・・・どうするの?」 アスカの肩にはバッグがかかっている。 「よしっ!じゃあアンタはデッキでアタシのすばらしい操縦でも見ておきなさい!」 「う、うん。わかったよ・・・」 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ デッキ シンジがデッキに来るとそこはそこで戦場になっていた。 「ナイスアスカ!」 「だめだ!弐号機を止めろ!!」 「なに言ってんのよ!緊急事態なのよ!!」 そこへ冷静な副官が、 「しかしホンキですか?弐号機はB型装備のままですよ」 「「へ?」」 中には場違いなことをしている人もいた。 「ラッキーラッキー♪こんなところでエヴァの実践をまじかで見られるなんて〜♪カメラカメラ・・・」 注目を集めているエヴァ弐号機は、各船を軽やかに飛び移っていた。 そして最後は母船に来るのだった。 「エヴァ弐号機!着艦しま〜す!!」 弐号機が船に降り立ったとたんに、船が大きく揺れてしまう。 弐号機の重さに耐え切れなかった船は傾いてしまい、乗っていた飛行機、 もとい戦闘機はすべて海に落ちてしまった。 「アスカ!弐号機は武器がないわよ!」 『プログナイフがあればそれでいいのよ!!』 プログナイフ(改)を取り出す弐号機。 初号機や零号機と違って、カッターの形になっており 折れてしまえばまた出せばいいようになっている。 『くるっ!!!』 海の中から弐号機に向かって大きな身体を持つ第六使徒:ガギエルが襲い掛かった。 ガシッ!! 弐号機がガギエルを捕まえる。 が、しかし反動で海に弐号機ごと落ちてしまう。 「落ちたじゃぁないか!!!!!」 艦長が叫ぶ。 『ちょっとミサト!!弐号機が動かなくなったじゃないの!!』 「まずいわね・・・」 『どうするのよ!!って、キャァァァァァ!!』 「アスカ!!?」 「弐号機、目標内部に侵入!!」 「食われたんとちゃうか?」 なす術はなし。ここには弐号機しか使徒を倒せるものはいないのだ。 しかしそれが動けなくなってしまった。 みんな、あたふたしていた。 いや、一人だけはまだ目が生きていた。 「ミサトさん!」 「なに!?シンジ君!?」 「・・・僕が行きます!」 「「「えっ!?」」」 「そないなこと言うてもエヴァはもうあらへんのやで?!」 「そうだぞシンジ!しかも海の中に居るんだぞ。エヴァも使徒も・・」 「シンジ君・・・気持ちはありがたいわ。でも、ムリなのよ!」 しかしなんと言われようと・・・この後なにが起ころうともシンジは諦めなかった。 アスカを助けるため・・・・。 シンジはその場から急いで移動した。 「弐号機!シンクロ率が低下していきます!!」 「くっ・・!!」 完全に諦めようとしたその時・・・。副官があるものを発見した。
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