「くっ!!どうなってんのよコレ!!動かなくなったじゃない!!」 ガチャガチャガチャ!! I wish that I could turn back time 〜勝利の代償〜 アスカがいくらレバーを引っ張っても弐号機はまったく反応を示さなかった。 B型装備のまま海の中に落ちてしまったのだ。普通は動くわけが無い。 「まったく!ふざけんじゃないわよ!!サードにどっちがエースか分からせてやるのに・・・」 しかしそんなこといくらいっても弐号機はビクともしなかった。 そんな弐号機にガギエルは容赦なく攻撃を加えようとする。 「く、くちぃ!!!!?」 ガギエルが口を大きく開けて弐号機にパクつこうとしたその時、アスカはもうだめだと思って目を閉じていた。 しかしその衝撃はいつになっても来ず、あたりは静かになっていた。 「くっ・・」 アスカは大丈夫だと判断し、目を開けた・・・。 そして弐号機の前には一人の少年が浮いていた。 「な、なんなのよ・・・・」 アスカはわけが分からなくなっていた。 人がこんな海の深いところに来ていたら圧力に耐えられなくなっているはずなのに・・。 ガギエルは少年よりもかなり向こう側にいたが、再度攻撃を仕掛けに来るようだ。 その勢いはすさまじくかなりのスピードだった。 グワァ!!!!! ガギエルがまたしても大きな口を開いて襲い掛かる。 その中には赤色の球体が見える。使徒のコアと呼ばれるものだ。 パキィン!!!!! ガギエルが少年に襲い掛かった瞬間、少年とガギエルの間に赤い八角形のものが現われていた。 「ATフィールド!!?なんでっ!?」 人がATフィールドを出せるわけが無い、ATフィールドを使えるのは使徒とエヴァだけ・・・。そう聞かされていたアスカは驚いていた。 アスカは急いで通信機能でミサトに呼びかけた。 「ちょっとミサト!!あの銀髪の奴だれなのよ!!なんでATフィールドが使えるの!!??」 『・・・アスカ・・・』 「ミサト!?聞いてるの!?」 『ええ、聞いてるわよ。・・アスカ、それはシンジ君よ』 「!!!サード!!?」 アスカは急いでシンジの居るほうに向かって声を掛けた。 「ちょっとサード!?」 シンジはゆっくりと振り向いた。 その顔を見て確かにシンジだと確信したアスカ。 しかしその目は殺気に満ちており、優しさの欠片も見られないものだった。 そのシンジを見たアスカは呆然としてしまった。 出会ったときは泣き出し、目が合うたびに微笑み、虫一匹さえ殺しそうに無いシンジから殺気しか感じ取れなかったのだ。 『アスカ・・・よかった無事だったんだね・・・』 「あったり前じゃない!!アタシが死ぬとでもおもってんの!?」 アスカはいきなり声を掛けられたがとっさに返事を返した。 『アスカは死なないよ・・・死なせない。たとえ僕が死んでも・・・』 アスカはシンジの告白まがいの言葉にびっくりしてしまった。 (コイツ、自分でなに喋ってるかわかってんのかしら?) 『そうでもしないと何の為に僕が帰ってきたのかわからないからね』 (帰って・・きた・・・・?どこから・・・・?) 「サード・・・アンタ・・・人間じゃないの?」 アスカがシンジに聞く。 しかしシンジは黙ったままその質問に答えようとしない。 「ちょっと!答えなさっ!!」 アスカは途中までしか声に出すことができなかった。 シンジがアスカのほうを向いて目が合った瞬間、極度の睡魔に襲われてしまったから・・・。 「くっ・・?!!」 アスカはそのままエントリープラグの中で眠りについてしまった。 『アスカ・・・君にはこの戦いを見てほしくない・・・・』 そしてシンジは両腕を広げて精神を集中させた。 カッ! シンジが目を見開いた途端、衝撃波が起きた。 それは船にいるミサト達にまで届いた。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 「な、なによこれ・・・」 「なんかごっつぅ眠ぅなってきてしもた・・・」 「か、艦長・・・これは・・・」 「わからん・・・・くっ」 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 今起こっている、海中での戦闘を知っているものはすべて眠ってしまった。 「さぁ・・・・僕が相手だ・・・・・・」 使徒は大きく旋回してシンジに攻撃をしかけてきた。 しかしシンジはそれをもろともせずに避ける。 使徒の攻撃を避けることができるスピード・・・・ハンパじゃなく速い。 「・・・死ね・・・・」 シンジは敵の一瞬の隙を見逃さなかった。 シンジは使徒に向かって進んでいくと、ATフィールドを破壊。 そしてそのまま殺戮という言葉が当てはまるような攻撃を仕掛けた。 ズパッ!! ザクッ!! ドブァ!!! グチャ!! ベチャ!!! ATフィールドを刃物のように使い敵を切り裂いていく。 その切り口からあふれ出るように飛び出てくる内臓・・・・。 使徒にだって内臓くらいある。人間とは兄弟のような関係だから・・・・。 ただし、生き残るのはただ一つの種のみ。 ドォォォーーーーーーン!!!!!!!!! シンジは弐号機を抱えてゆっくりと浮上した・・・・。 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 「ん、う〜ん・・・・・・・・」 まず最初に目が覚めたのは以外にも葛城ミサト29歳。 しかし、まだ寝ぼけているようで目が細いままである。 「そ、そうだっ!!使徒は!!?」 ミサトは急いでソナーを見る。 使徒がもういないことがわかるとミサトはホッとした表情をした。 「1・・・2・・・・3・・・4・・・・・・・・」 念のために人数確認。 ここには戦いの時、ミサト、シンジ、アスカを除いて4人いたはず・・・。 「・・・・・5・・・?!!って、シンジ君!?」 ミサトはもんのすごいことを思い出してしまった。 シンジの使徒化。 「み、みんな起きてぇ〜〜〜〜〜!!!!!」 ミサトの声でみんながぞろぞろと起き出す。 「ふわぁぁぁぁぁ・・・・・どしたんでっか?ミサトさん・・・?」 「こ、ここは・・・・・・そうか!使徒はどうなったんだ!?」 みんながミサトの視線の向こうを見る・・・・。 そこにはシンジがいままさに起きようとしていた。 「あ、あれ・・・?ここは・・・・・・・」 「シ、シンジ君?」 ミサトが恐る恐る声を掛ける。 「??あなたは・・・・・誰ですか?」 「えっ!!!??」 「おい、シンジ!?どうしたんだよ!?」 「どうした・・・・って・・・・・・。キミは誰だい?」 「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」
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