「ちょっと待ちなさいよ!」


アタシは声を上げた。
だっていきなり一週間もサードと二人で生活しろって言ってんのよ!?いくら命令でもヒドイわよ!


「ちょっと、聞いてるの?ミサト!」

「聞いてるわよ。ただ一緒に起きて、食事して訓練するだけじゃないの」






I wish  that I could  turn  back  time

〜瞬間・心・重ねて《そのいち》〜









ミサトのやつ!"ただ"って言ったわよ!
一緒に起きるってことはそのまえに寝るという行動があるわけなのよ?


「コイツが欲情してアタシを襲ってきたらどうすんのよ!」


問題はソレよ!襲われたらどうすんのよ!


「大丈夫だって。シンちゃんにそんな勇気ないから♪」

「・・・・・・・・・・・」


アタシはサードの方を向いておもいっきり睨みつけた。それに気が付いたサードは急にあたふたしだしてしまった。


「とりあえず訓練は明日からだから、今日はゆっくり休んどきなさい」


そう言うとミサトはドアに向かって歩きだした。
あと一歩でドアにたどり着くところでミサトは、なにかを思い出したように「あっ」っと言うと振り向いた。


「アスカぁ?夜中にシンちゃん襲っちゃダメよ♪昼もダメよ♪」



「襲うかぁ!!」



プシュ!



ぜーはーぜーはー・・・・。いきなり何を言い出すのよミサトは!
あれじゃまるでアタシが欲に飢えた女みたいに聞こえるじゃない!普通襲いそうなのは逆でしょうが!


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いきなりなにを言い出すんだろう。
ミサトさんが変なこと言うからおもいっきり惣流さんに睨まれちゃったじゃないか・・・。悪いのは僕じゃないのに。

ミサトさんが出ていって二人になったところで、惣流さんはフラフラと歩きだした。
ベッドまで移動すると大げさに崩れ落ちた。


「あ〜ぁ!一緒なのがサードじゃなくて加持さんだったらなぁ〜」

「悪かったね」


僕だって口悪女と一緒なのはあんまり好まないよ!って言いたいところだけど、僕は自分の命は大切にする。
そんなくだらないことを言って、この若さで死にたくない。

僕は「ハァ・・」とため息をついた。


「そんなことよりシャワー浴びてもいいかな?汗かいてるんだけど」

「なに言ってんのよ!こういう時はレディーファーストって決まってんのよ」

「じゃあ早く浴びてきなよ」


どっちが先だっていいじゃないか・・・結局は入るんだから。

僕はベッドにうつ伏せに倒れ込んだ。
その時ドアの向こうから声が聞こえてきた。


「覗かないでよ!」

「わかってるよ。命かけてまでみたいものじゃないしね」


僕はボソッと言った。聞こえるはずがないと思っていた。


「んまっ!どういう意味よそれ!」


・・・・・聞こえてしまったらしい。

しばらくしてシャワーを使用している音が聞こえてきた。

でもホントにどうなるんだろう。もしレイとだったらこんなにも悩む必要はないと思うんだよね。
兄弟だし、けどそれはそれで会話をムリにしようとして空回りするかもしれない。

僕は記憶喪失になったから最初レイと会った時に妹だと言われてもわからなかった。
そう言ったらレイはすごく悲しそうな顔をしていた。
ネルフのみんなや学校のみんなも記憶を無くした僕にとても優しく接してくれた。

僕は記憶を手に入れたい。僕の中から消えていった記憶を・・・。



ガチャ



風呂場のドアが開いた。ここには僕と惣流さんしかいないから誰だかすぐわかる。

僕はシャワーを浴びに行こうとして、ベッドから降りて振り返った。



「ワァァーーーーーっっ!!!!!!!!」


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ふんっ!なによアイツ!アタシの身体見たことないくせに!(見せないけど)
失礼きまわりないわ!

アタシはシャワーの蛇口をおもいっきり回した。


「熱っ!」


ミスね・・・。アタシとしたことが、温度くらい確かめてから浴びるべきだったわ。
今度はちゃんと設定して・・・っと。



シャァァァァァッ



ふぅ・・・やっぱり落ち着くわね。
今回はミサトの命令でこんなことになっちゃったわねぇ・・・・・。
なんでアタシがサードなんかと一緒に暮らさなきゃなんないのかしら?パイロットならレイがいるじゃない。
女同士だったら反対もしないし、むしろ賛成するわ。

・・・・・やっぱりシンクロ率かしら。
サードのやつ記憶を無くしたくせにシンクロ率はレイより高いのよね〜。世の中不思議だわ。


キュッ


アタシはシャワーを止めて持ってきていた着替えを取り出した。

・・・ん?これは〜・・フフフ♪面白いこと思いついちゃったぁ〜♪

アタシは着替えの上からバスタオルを巻いた。他人から見れば裸にバスタオルを巻いただけに見えるその格好。
サードはどんな反応するのかしら?楽しみっ♪



ガチャ



アタシはドアを開けた。
サードはベッドに横たわり向こうを向いてこちらに背を向けていたので振り返るまでここで待っておく。

アイツはベッドから降りてこっちに振り返ると、両目を見開いた。



「ワァァァーーーーー!!!!」



「フフフっ、あがったわよ♪」

「な、なななななんて格好してるんだよ!覗くなとか言っておいて!」


あーはっはっは、おもしろーい♪なに焦ってんのかしら。やっぱり裸に見える?

サードは顔を真っ赤にしながらそっぽを向いてるけど、たまーにこっちをチラチラと見てくる。男の子ってスケベねぇ。


「どぉ、アタシの胸。結構大きいんだよ」


くすくすっ。サードってば、チラチラ見てるのバレバレ!


「なんなら生も見せてあげようか?」


アタシはバスタオルを外そうとして結びを解く。


「だっ、ダメダメダメっ!」


そんなこと言ってもムダよ♪




「ジャァーン♪」




アタシはバスタオルを外して床にポイっと落とした。


「ワァァーーーー!!・・・あ、あれ?」


「プッ・・・アハハハハッ!おっかしー!耳まで真っ赤にして!」


コイツ最高ね!面白すぎ!からかいがいのある奴!


「なんだよもう、シャワー浴びて寝よ!」


くすくす・・・面白かったわ。
アタシは今日の戦いの疲れが残っていたのでベッドに倒れ込んだ。そのまま夢の中へ・・・。








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翌日




「・・・・っん」


アタシは妙に身体が寒くなって目を覚ました。

ごろごろごろっ

ベッドの上いくらごろごろと移動しても布団は見つからなかった。
アタシはまだ眠い目を凝らしながら布団を探す。

あ、あったぁ〜・・・。でもなんで布団が宙に浮いてるのぉ?
アタシは手を伸ばして取ろうとする。でも布団はまるでアタシから逃げていくように離れていく。
アタシはだんだんムキになってきて布団に飛びついた。

スカッ
ドスンッ!


「いったぁーい!」


作戦失敗。布団に飛びつこうとしたけどまた逃げられてしまった。
そしてベッドから落ちてそのままドスン。布団はいまだ宙に浮いたまま

・・・・ん?宙に?布団が・・・???よく考えろアタシ!布団が宙に浮くわけないじゃないの!
つまり誰かがアタシから奪っていったってことよね。
ふんっ!犯人なんて解りきってるじゃない!この部屋には二人しかいないのよ!犯人はサー・・・


「目は覚めたかしら?アスカ」


・・ードじゃなくてミサトだった。

「痛いじゃないミサト!なにすんのよ!」

「なにすんのよ・・・・ってアスカ、あなた起きるの遅すぎ。すでに遅刻〜」


アタシは慌てて時計を見る。10時過ぎ・・・。ね、寝過ごしたぁ!!


「サードは?!」


隣のベッドを見ると、そこはもぬけのから・・・・・。
しかもご丁寧にシーツまで、ちゃんと折り目丁寧に畳んである


「シンちゃんなら四時間くらい前から起きているわよ」


・・・あんのヤロォ・・・。よくもアタシを置いていってくれたわねぇ!
ふつう起こしてくれたりするでしょうが遅刻しそうになってたら!


「シンちゃんったらアスカが素直に起きてくれないからわざわざ私のところまで来て『おねがいします』ですって」


あ、そういえば何回か起こされたような記憶が・・・。今回は仕方がないわね。


「さぁ、早く準備して。すぐに訓練するわよ!」


アタシは着替えてミサトに連れられて別の部屋に来た。




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今日は朝早く目が覚めた。
あ、今日から訓練が始まるんだっけ?
隣のベッドを見ると惣流さんはまだ夢の中にいるらしく起きていない。
さすがに遅刻したらかわいそうだと思った。


「惣流さん。朝だよ。今日から訓練じゃないか」

「んぅ〜あとごふんだけ〜」


はぁ、どうやって起こせばいいんだろ。触らずに起こすこれ基本。
僕の予想だと触れただけで逆鱗。こないだケンスケに写真撮られてボコボコにしてたし。

どうしようか・・・。



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その後六回くらい声のみで起こそうとしたけど成功しなかった。何回やっても「あとごふん」なんだもん。
そのあとはおきまりにもぞもぞっと布団に潜っていく。

も、もうだめだ・・・。
僕は諦めて、ある人に頼むことにした。


「ミサトさん」


惣流さんはドイツにいたころはミサトさんとすでに知り合いだったらしいから何とかしてくれると思う。


「そういうことなら任せてちょうだい!」


ミサトさんに事情を説明すると胸に手を当てて言った。
そして部屋に行く前に僕に、今日からの訓練場所を言った。



まぁ、そんなこんなで今僕は此処に居るわけであります。
一体どうやって起こすんだろう?そんなこと思いながらジッと二人が来るのを待ってる次第です。
僕がいる、今日から訓練で使う部屋はそこまで広くは無く教室一個分くらいの部屋。

訓練って言ってたからもっと広い部屋かと思っていた僕は正直拍子抜けした。
だっていざ来てみたら普通の部屋なんだもんな。
そんな部屋で二人を待つこと三十分近く。


          ガチャ


「なぁに、この部屋?普通の部屋じゃないの」


惣流さんは僕の考えてることを言った。


「まぁまぁいいじゃないの。それより二人とも、この服に着替えて着替えて♪」


そう言いながらミサトさんは手に持っていた袋から二着の服を取り出した。
ビニールの袋に包まれたままだが、妙にハイカラーなのが気になった。



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ミサトに言われて渡された服に着替えに更衣室にわざわざ行って着替えてきた。
アタシは部屋に着くまで走った。ただ、ただひたすらに走った。


             ガチャ


「ちょっとミサト!!何よこの服は!!」


アタシは部屋に戻るとすぐにミサトに文句を言った。


「似合ってるわよ、アスカ」


部屋にはすでに着替えを済まして帰ってきていたサードがいた。
アイツが着ている服はアタシと色違いなだけでまったく一緒だった。


「イヤァァァァ!この服ペアじゃない!!」


しかもこの服センス最低・・・・。
胸の辺りには音符のマークがはいっている。

ちょっとミサトのやつ、こんなんで訓練しろっていうの!?
なんでサードとペアの服なんて着ないといけないの?!


「いったいこんなことさせて、どんな作戦しようっていうの?」

「今回の作戦は、二点同時の加重攻撃しか方法がありません。
 そこで二人には残り六日でカンペキなユニゾンを成功させてもらいます」


そうか、コアを何回攻撃しても壊しても復元するのはそういうことだったのね。
この作戦に意義はないわ。けどね、気になることはたくさんあるのよ。


「この服を着る意味は?」

「日本人は形から入る者よ♪」


アタシ日本人じゃないんですけど・・・・。

アタシが沈んでいるとミサトは部屋のクローゼットに向かって歩き出した。
そこを開けるといろいろモノが入っていた。
ミサトはせっせせっせと運び出した。
アタシたちの前に現われた・・・・・・・それは・・・・


「「ツ、ツイスター?」」

「あら、さっそくいいユニゾンじゃない」


い、いや・・・・ユニゾンとかじゃなくて・・・・ツイスター?


「ミサトさん?もしかしてコレで訓練ですか・・・?」


サードが超重要なことをミサトに質問する。
するとミサトはニカッと笑顔で。


「もちろんよ♪」


だぁぁぁぁ・・・・・。
もっとマシな訓練法とか思いつくでしょうが!!いくらなんでもツイスターはないわ!!
しかもツイスターって男女でやると結構やらし・・・・・・あれ?マット二つあるわね?
でも・・・・・機械は一つ・・・・。


「二人が同じタイミングで押していくのよ。めざせ100%よん♪」

「ミサトさん・・・・・・これやるだけなら家でもよかったんじゃないんですか?」






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「ア、アハハハハ・・・・・」


それでごまかすかぁ!!!!!!!!!





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あとがきっ!!

ミサト:あらぁ♪ずいぶん懐かしい話ねぇ

アスカ:この時の服は宝物よ♪

ミサト:私はいつかそうなると思って用意したのよん。

アスカ:・・・・まぁいいわ。それよりシンジよねぇ問題は・・・。

ミサト:どうして?

アスカ:こぉ〜んな美少女が隣で寝てるのになにもしないなんてっ!!

ミサト:この時のアナタは危険だったわ・・・・

アスカ:むぅ・・・・そうかも・・・・。でも今はOKよシンジ♪

ミサト:そ、そう・・・・・。ところでレイ。なにか喋らないと存在がわかってもらえないわよ?

レイ:いま死体の処理に忙しいからあとでいいわ。

ミサト:渚君・・・・・・・


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