暇な日と義務


この物語は悪夢のサードインパクトより地球の地軸が元に戻って1年以上が過ぎ、日本にも四季が復活した。
時は晩秋、葛城亭のある一幕である。


「あーもー、暇、暇すぎる。シンジなんとかしなさい。」
「えっ。」
僕が昼ご飯の片づけをしている最中にアスカが突然に叫んだ。
アスカは寝転がって、昼の連ドラを見ていたがどうやら飽きてしまったらしい。
「シンジ、アンタにはアタシを楽しませなきゃいけない義務があるのよ。」
「ぎ、義務って言われても・・・。」
いろいろあって、僕とアスカは世間の人から言う、彼氏彼女の関係になった。
アスカの言い分もわからなくはない、なんと言っても僕はアスカの彼氏だ。
「とにかく、アタシを何処かに連れて行きなさい。」
アスカはいつもの腰に手を当てた仁王立ちのポーズで言った。
「ふぅー、わかったよ。行こうか、お姫様。」
僕は今着けているエプロンを外しながら言った。
「よろしい。」
アスカは満面の笑顔で言った。
僕はこの笑顔が大好きだ。


「そら行けー。」
僕は自転車の後ろにアスカを乗せて走り出した。
アスカは僕の肩に手を乗せている。
いわゆる立ち乗りというやつだ。
暖かな太陽の光、気持ちい風を感じながら僕達は走る。
周りの景色がビル群の白から、木々の緑に変わってくる。
「ねえシンジ、どこに連れてってくれるの?」
「いいところだよ。」
僕はペダルをこぐ力を込めて、一気に坂を駆け上った。


「うわー、すごーい。」
「いいところでしょ。」
着いた所は山の上の公園、自分達の来た方を見れば第三新東京、反対には海が見えいてる。
「こっちに来なよ。」
僕はアスカを手招きする。
僕とアスカは芝生の生えている緩やかな坂に座った。
「風が気持ちいいね。」
「うん。」
僕とアスカは互いに目をつむり、風を感じる。
そのまま僕達は寝っころがり、空を見上げる。
「きれいね。」
「そうだね。」
空は雲が流れ、景色がどんどんと変わっていく。
「アタシがこうやって空を見れるのも、シンジのおかげよ。アリガト。」
「僕だってこうやって空がみれるのは、アスカのおかげだよ。ありがと。」
「「くっくっく、あはははは・・・」」
僕達は笑って、互いの手を握った。
「たまには暇な日もいいわね。」
「そうだね。」
そのまま僕達は日が暮れるまで公園に行った。


「あーもー、おなかすいた。シンジ早くご飯作ってよ。」
「しょうがないよ。」
僕達は夕暮れまで公園にいたせいで、途中だった片づけ、掃除、買い物をしていたためいつもより1時間夕飯が遅れたのだ。
「シンジ、アンタにはアタシのおなかを満腹にしなければならない義務があるのよ。」
「それまで義務なの。」
「そうよ。」
あいかわらず胸を張り、腰に手を当てた仁王立ちのポーズで言った。
「わかったから、もう少し待ってよ。」
僕は急いで夕飯の支度をする。
今日はアスカの好物のハンバーグだ。


僕は以前、アスカに聞いたことがある。
「僕はアスカにとって何なの?」
「シンジはね、アタシの大切な・・・。」
「大切な?」
僕は聞き返す。
「大切なおもちゃ(人)よ。だからアンタは、一生アタシを楽しませることが義務なの。」
とアスカは僕に満面の笑みで言った。
僕はアスカの言葉をきょとんっとした顔で受け取ったが、すぐに笑みがこぼれた。
「くっくっく・・・、それも義務なの?」
「そうよ、義務よ。」
アスカは素直じゃないけど、うれしかった。
アスカの隣りに一生いれる。
そして僕はこれからも義務をはたし続ける、アスカとの思い出を作るために。


                                                     終わり

あとがき
ずいぶんと久しぶりの、味噌屋です。
 m(_ _)m
The Epistles復帰、第一作となりました。
僕はやっぱりLASがいいですね。
今回の話は、もーバカップルとしか言えない作品ですけど。
いつもこんな話を書いてる訳ではないですけど。
たまには転がらないということで。
意見でも、感想でも何でもかまいません、メールして頂ければうれしいです。
おたっしゃでー。 


アスカ:とっても、いい話ねぇ。(うっとり・・・。)

マナ:ぬわにが義務よっ!

レイ:碇君独占反対。

マナ:シンジもシンジよ。甘やかすから、アスカが付け上がるのよ。

レイ:お腹が減ったら、自分でご飯作ればいいのに。

アスカ:なんでよぉ。素敵な話じゃないのっ!

マナ:バカップルはんたーーーーいっ!

レイ:惚気話以外のなんでもないもの・・・。
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