第7話 天才?マッド? あたしが、碇ユイよ!

 

 「さあ あんた きりきり 話して貰いましょうか。」

ここは ネルフの司令室 ゲンドウをネルフの制服を着たユイが締め上げる。

部屋には、制服に着替えたシンジとアスカ レイ そして 冬月 リツコとミサトが同室を許されている。

 「わ わかったよ。ユイ。」

ゲンドウはポツポツと語った。

レイのこと ドグマのリリスのこと ゼーレと人類補完計画について

そして 実の息子のシンジやアスカを道具として使おうとしたこと

 「ふーん 大体は吐いたみたいね。あんたのやったことを あたしは

 人として シンジの母親として 許せないわ。

 あたしのE計画はそんなことのために・・・。」

ユイは悔しさに顔を伏せた 

 「ユイ・・・。」

うなだれる ゲンドウ

 「いーい あんたがこれからすることは、贖罪よ。シンジはじめあなたが傷つけた人 そして

 命を奪おうとした人たちへの・・・・。死ぬより辛いかもよ。」

 「わかった。ユイ。」

ここで ユイは、気を取り直し他のメンバーに向き直る。

 「まあ この宿六を 許して 貰おうなんて思わない。それにこの中で シンジとアスカちゃん、レイ以外

 この人を責めれる人がいる?」

 「冬月先生?あなたもこの人と同罪ね?」

 「わかった。済まないユイ君。」

冬月は頭を垂れる

 「赤木さん!」

 「ええ わかっています。」

リツコも 自分のしたことについて十分判っていた。

 「葛城さん あなたも 胸は、張れないでしょ?」

 「・・・・・。」

 「ちょっと ミサトもなの?」

アスカが横から口を挟む

 「ごめんなさい。」

シンジ達を自分の復讐の道具に使おうとした心を否定できないミサト

 「いーい みんな 破綻していたの アスカちゃん! どう破綻していたかは言えないけど

 そのうちそれぞれが話してくれるかもしれない。それまで聞かないであげて!」

 「でも・・・・。」

 「お願い!」

 「わ わかりました。」

アスカとて 未来の義母(予定)にあまり逆らいたくない。

ユイは、もう一度ゲンドウに視線を戻し

 「だいたいね。あたしやキョウコがエヴァに取り込まれた事故!

 あれだって ゼーレのじじいどもが仕組んだのよ。事故なんて確率0.000001%位なもの

 だったわ だから あたしはシンジを呼んだ。」

 「でも ゼロでは ないでしょ。」

リツコが異を唱える。

 「そうね。でも なぜ 同じようにキョウコもなの?おまけに、あたし達が作ったデータは

 失われていたし・・・。人為的な介入があったとしか思えないわ。」

 「そうなのか ユイ?」

新たな事実に驚くゲンドウ

 「そう あんたは上手く達振る舞っていたと思っているけど 所詮 釈迦の掌の上の孫悟空ね。」

 「ぐっ。」

ゲンドウは言葉に詰まる

 「まあ いいわ。さて 今後の方針だけど・・・。とりあえず ゲンちゃん 表向きあんたが司令を続行しなさい。

 あたしのことは 内密にしてね! あんたは あたしの言うとおりする。あたしが最高司令官よ。目指せストレーカー!」

 「ユイ ストレーカーって 今時だれも知らないぞ。」

 「いいの ネルフのモデルはシャドウなんだから あんたもフォスター大佐くらいにはしてあげるわ。

 冬月先生はフリーマン大佐ね!

 さて 指針の第1 対使徒戦については友好的な使徒以外は殲滅!」

 「ちょっと 待って 友好的って 使徒にそんなこと期待できないわ。」

ミサトが強行に反対する

 「そうかしら?どうしてよ?」

 「ユイさん、どうして 友好的な使徒がいると言えるんです?そんな馬鹿なこと。」

 「いるじゃない?目の前に!」

 「・・・・!?」

ユイはレイに顔を向ける

 「綾波レイ 彼女は、あたし碇ユイのクローン そして 魂は、第2使徒リリス!!

 勿論 遺伝子の1部はリリスと同質化しているが 間違いなく人間!そして 人として

 生きることを望んでいる!あなたの使徒は人類の敵って言う考えじゃ レイは敵ね」

 「・・・・。」

 「殲滅するわけ?」

 「でも 人間じゃない・・・異質な物。特別の力を持つ物。」

声を絞り出すミサト

 「あんた 言っておくけど人間だって18番目の使徒よ。生き残る主の可能性!

 それに特別な力?それって何?」

 「たとえば ATフィールドよ。」

 「ふーん これのこと?」

ユイの前に赤い八角形が現れる。

 「そんな??」

ミサトはじめレイの除く一同の目が驚愕のあまり大きく見開かれる

 「こんなの コツさえわかれば まあそれが結構大変だけれども 誰でも出せるわ!

 まあ 個人差により 1日で展開できる人もいれば 100年もかかる人もいるだろうけどね。

 実際 使徒の出現前にATフィールドの使い手は存在したし あたしも何人かは知っているわ。」

 「そんな・・・。」

 「まだ 使徒は必ず滅すべき物と言うの?葛城さん?あなただって使徒なのよ。」

 「わかったわ。人を害せない限り存在は認めます。」

ミサトは不承不承ユイの意見を認める。

 「それに あんたの トラウマになっているセカンドインパクトだって じじいどもの

 差し金よ。 でー 第2の指針 ゼーレに対する宣戦布告 と サードインパクトの

 未然防止。」

 「そ そんなこと・・・・。」

今度はリツコが顔をゆがめる

 「あん 大丈夫よ。合法的に ゼーレの資産を改ざんして ネルフの物にするし

 スパイ達は 冬月先生に頼んで もう 軟禁してあるわ。」

 『合法的にって データの改ざんが合法なのか?』

端で聞いていたシンジは 久しぶりに会った母親がわからなくなった。

アスカに至っては いい加減呆けたのか 普段知性的である表情が見事に崩れ去っていた。

 「まあ 本格的に反抗するのは キョウコをサルベージしてから あいつが

 いないと どーも 力不足!何から何まで あたしが出来ないし 赤木さんは

 MAGIの管理に集中して欲しいし アスカちゃんでもいいけど アスカちゃんには

 して貰うことがあるし 第一結婚前から こき使っていたんじゃ 鬼姑 なんて思われるし・・・。

 やっぱ キョウコがいなきゃ ダメだわ。コアのパワーアップ エヴァの新兵器 参号機の接収

 やらなきゃいけないことは たくさんあるのに あー キョウコ 絶対サルベージするからね!」

 「おばさま・・・。」

このアスカの声が ユイの心の琴線に触れたのか 眉がぴくぴく動く

 「あー 忘れていた。最重要事項!!」

ユイは人差し指を立てらせ 重大宣言をしようとする

 「「「「「・・・・・・」」」」」

一同に緊張が走る

 「みんな いーい!!」

 「「「「「・・・・・・」」」」」

 「あたしのことは ユイちゃん って 呼んでね。」

ダァーッ

 レイとゲンドウを除くみんなは 思いっきりずっこける

シンジ 『母さん 母さんて 一体??』 

ゲンドウ 『ユイ 素敵だ!!』

アスカ 『この人がシンジのお母さん?』

冬月 『ユイ君らしいな。』

呆れる者 どまどう者 うっとりする者??

ユイは一同を見回してからアスカに目を止める

 「アスカちゃん あんたは お義母様 でもいいわよ。」

 「そんな。」

 「嫌なの シンジ とそうなる事を周囲に知られることが?」

 「いやー そんなんじゃ ないです。」

確かに アスカの中ではシンジとの結婚は彼女なりに決定事項だ 

しかし まだ 14歳である自分にそれを世間に知らしめるには

抵抗があった。

 「じゃ いいわね。」

圧倒的な存在感のある視線

 「はい おば じゃなくて お義母様!!」

 「はい よろしい」

アスカは、気がついたら ユイを義母と呼んでいた。

 自分の横でシンジが 照れくさそうにしていたのが心地よかったが。

 「さーて 方針は伝えたわ。個々への指示はうちのゲンドウにさせる。いーい

 さっきのことは くれぐれも内密にね。では シンジとアスカちゃん レイ

 を除いた みんなは解散!!」

一人で仕切るユイ しかし 誰もそれに逆らいえない

 冬月、リツコ、ミサト そして 最後にゲンドウが部屋を出て行こうとした

 「あんた 何してんの?ここは、あんたの部屋でしょうが ここにいなさい。」

ユイが呼び止める

 「うむ。」

 「さて シンジ アスカちゃん」

 「「ハイ」」

 「あら 二人揃っていい返事ね。」

へへへ 知らずに赤くなるシンジとアスカ

 「あたしとレイは、あんたたちに謝らなければならい事があるの!」

 「「???」」

 「あなたたちが解り合えた夜。まあ 平たく言えば初Hした夜だけど・・・。」

ボンッ

 二人は得意のユニゾン赤面になる

 「何?そんなことをしたのか シンジ?」

ゲンドウが口を挟む

 「あんたは 黙っていなさい。」

ユイが ゲンドウを制する

 「わかった ユイ」

これが あの 冷徹非情の父であろうか?

シンジは今更になって父がわからなくなった。

そして 久しくあった母も理解の幅からはみ出しているように思える

 「話を続けるわ。あの夜 あなた達は、お互いの心をさらけ出した。

 そして 身も心も結ばれた。でもどうして?」

ユイはシンジとアスカに問いかける。

 「それは。お互いに求め合っていたからじゃないかな 心の底で・・・。」

シンジが答え アスカもそれに肯定するように頷く

 「そう その通りなんだけど、シンジはアスカちゃんが好きだという心を認めていたけど

 アスカちゃんは、どうだった?あの夜まで シンジとそうなろうと思っていた?」

 「・・・・。」

 「どう アスカちゃん?」

ユイはアスカに問いつめるように再度質問した。

 「あ あたしは、あの夜まで シンジの事 嫌っていたかもしれない 内罰的で

 いつもまでもうじうじしていて ちっとも男らしくないって思っていた。だから そんな

 シンジにいつも腹をたてていた。」

 「どうしてかしら 別に嫌いなら 放っておいて 別居すれば良かったじゃない?」

 「それは 考えた、でも嫌だった。シンジはあたしの側に居なくちゃ嫌。他の女と話をしても嫌。

 時々 顔も見たくないと思ったのに・・・。」

 「あなたが シンジに怒ったのは、シンジがあなたの理想通りの男じゃないから

 だから あなたは苛立ちを覚えたのでしょう。シンジにそうなって欲しいから?」

 「そう それはあたしのわがままシンジはシンジだと今は思うし、シンジの嫌いな部分だって

 今となっては、本当に嫌いなのか疑問だわ。でも あのときいえそれ以前あたしも シンジを欲していたんだと

 思う 自分でも認識はしていなかったけど・・・。」

アスカは過去の自分を思い出しながら語った。

 「そうねぇ。じゃ そんな あなたとシンジが何故 一晩で身体を重ねれるぐらいわかりあえたの?」

 「「それは、お互いに素直な心で話し会えたから」」

アスカとシンジの言葉が重なる

 「ふーん じゃ どんな話をしたか会話を思い出してみて?思い出せる?」

 「何を言っているんだ母さん、ちゃんといろいろと・・・・・。」

シンジの返事は止まった。確かにアスカの過去の出来事や心情を自分は知った。

しかし それは言語による伝聞の記憶でなく ハッキリとしたイメージさえ残っている

 『あれ どうして イメージが・・・。それに、アスカの心が張り裂けそうで涙腺が緩みそうに

 なったのを押し殺した感覚までもある。どうして?』

 「ほら 話などしていないし 一晩で語り尽くせる量じゃなかったでしょ?」

ユイの言葉に アスカもそう思ったのか シンジと目を合わせる

 「「・・・・・?」」

 「本当に心そのものを触れあわせたからよ!」

二人の疑問に答えたのは 誰あろう傍らのレイであった。

 「あなたたちの、心の領域 他人を拒絶して 自我を保つ壁 それがあるため

 人は個人で居られる。あなた達の気持ちを隔てる壁 その壁を 弱くしてみた。」

 「なによ それ」

アスカはレイに問い返す

 「知っているでしょ。あなたたちの個人としての本質はアストラル界にある そして他人と隔てて居るのが

 心の壁 そしてこの壁が転位して物質世界に具現化したのがATフィールド!」

 「「ATフィールド??」」

自分たちが戦闘の時使用している物の名を聞き驚きを隠せないシンジとアスカ

 「そう ユイが覚醒し アストラルリンクしている あたし リリスも自分の力に目覚め

 ユイが持っている 一般的知識とか人間観をコピーした。

 エヴァはリリスの分身だし 綾波レイはユイの分身だから簡単だった。

 そして 一番にエヴァのパイロットである シンちゃんとアスカの心に触れた。

 心の底ではお互いに求め合っているのに この世界ではなかなか触れあうことが出来ない

 いえ ひょっとしたら傷つけあう存在

 それは、あたしのせい?使徒やエヴァがなければ 素直に解り合えた?

 何故 お互いに想い合う者がそうなれないの?」

それだけ言うとレイは膝を落とし床に手をついて 俯いてしまった。 

 床に落ちる涙の雫

 「レイのせいじゃないわ。あたしも賛成したから・・・。」

ユイはレイに近づき肩に手を置いた

 「そう だから あたしは、レイに頼んで アストラル界にある あなた達の心の壁を

 中和させた。そう 心の中が流れあう程度に・・・。

 その結果はあなた達も知るところだわ・・・。でもね これは許されざる事

 人が人として生きる上で踏み込んではならない領域を侵す事だから・・・。」

 「「・・・・・・」」

 「あたしだって 今の明日おもしれない状況じゃなけりゃ こんな事はしなかった。

 普通に母親達がするようなアドバイスしかしなかったわ。キョウコもそう思って賛同してくれた。」

 「ママも?」

 「ええ 事後承諾みたいな感じだったけど・・・。だから あたし達は許してくれとは言わない

 わかってくれるとも思わない。憎んでくれてもいい。ただ 知っておいて欲しい あたしもキョウコもレイも

 あんた達に幸せになって欲しかったことを!そうでもしなきゃ あなた達 特にアスカちゃんが危ないから

 レイにあれが出来ると言うことは 精神攻撃が出来る使徒が現れるかもしれない そういう攻撃に

 あなたは脆いんじゃないかと感じてるわ。でも これも詭弁に過ぎない済まないことをしたわ。

 そして あの心の触れ合い いいえ全人類的に心と身体そして世界主を融合しひとつに

 なり 究極の進化 新たなる人類を創造するというのがゼーレの人類補完計画よ。」

そう言った後 ユイはシンジとアスカに頭を下げる。

 「そんな 母さん もういいよ。僕は、アスカと恋人になれたし そう言う意味じゃ 感謝してもいいくらいだ

 アスカ アスカはどうなの」

 シンジは、母を攻める気にはなれなかった。アスカと心を通い合わせたい それは彼が望んだことであった。

シンジは隣にいるアスカを見ると アスカは拳を握りしめ その手が震えていた。

 「アスカ?怒ったの?」

シンジの問いかけに答えず ツカツカとレイに近づき肩を掴んで乱暴に引き起こす

 「あんた あたしにそんなことしたの?」

心なしか声が震えている

 「ええ ごめんなさい。」

レイは伏し目がちに謝辞を呟く

 バシッ

アスカの平手がレイの頬に飛ぶ

 「アスカ!!」

シンジが叫ぶ レイは頬を押さえ弱々しい視線でアスカを見返した。

 「勝手なことしないでよ!」

 「ごめんなさい!」

 「もう いいわ これで恨みっこなし・・・・。」

 「・・・・・」

 「あ あと もう一つ」

 「何?」

 「ありがとう」

 「許してくれるの?」

レイの両目から涙が落ちる

 「もう いいって、痛かった?ゴメンね。」

アスカはレイの頬をさする

 「あたしには、ビンタしないの? アスカちゃん」

ユイが アスカに声を掛ける

 「あは さすがに お義母様にすると 嫁いびりにあいそうなので止めますわ。」

 「あら 叩かなくてもいびるわよ。」

 「え?」

 「母さん!!」

 「はは 冗談 冗談 で二人に 更にお願い!レイは、魂は第2使徒リリスかもしれないけど

 身体は碇ユイの分身 そして 人として生きたがっている。だから 人として接して!!」

 「勿論さ 母さん!」

 「これからも よろしく レイ」

 「シンちゃん アスカ!」

3人様子を満足げにみたユイは 両手の拳を握りしめ腰に当てる

 「さあ みんな 明日からは忙しくなるわよ。あのゼーレのフニャ○ン イ○ポじじいども

 自分のが役に立たないからって皆に一方的な融合を押しつけるな。なにが補完だ!

 あたしは そんなことのために 10年間も・・・・。くー

  傷つけられた プライドはー  

ユイの剣幕に息を飲むシンジ達

  「100万倍にして返すのよ!!」

ユイは右手を高らかに差し上げ宣言する。

 『ひゃくまんばい ですか?母さん?』

 『凄いっすよ お義母様!』

 『ユイかっこいい!』

3人のチルドレンの想いが交差する

 そんな ユイにゲンドウは不安を覚え声を掛ける

 「ユイ! もっと肩の力抜いた方がいいよ。そういうの疲れるだろ!」

それを聞いたユイはゲンドウに振り返りニコリと微笑む

 「このバカゲンドウ 何 甘いこと云ってるの 男のくせに!

 えーぃい 行ってこい 大霊界!!

バシッ ゲフッ

ユイの放ったアッパーカットはゲンドウの顎を捉え ゲンドウは天井のセフィーロトに

突き刺さる。

 ユイは完全に沈黙したゲンドウに一瞥をくれてから シンジに向き直った

 「ふん ところで シンジ あたしはレイと同居するつもりだけど あんた どうする?

 一緒に暮らす??」

 「え!?」

シンジは戸惑った。確かに母親が帰った今 同居するのは至極自然であろうだが

 シンジは横目で現在の最愛の同居人を見る そんな仕草に気がついたユイは

 「あ アスカちゃんも、もう少ししたらキョウコが帰ってくるんだし・・・。」

 「シンジ 好きにしていいんだよ。お義母さまとは 久しぶりでしょ!」

アスカもシンジの目を見つめる 優しい蒼い目 そしてその奥の寂しそうな光が感じられる

その目を見たシンジはユイに決心を告げる。

 「母さんやっぱり僕 アスカと暮らします。」

 「そうかやっぱり まあ世間体も あるから 新居は葛城さんの横の部屋にするわ。あんたらの邪魔はしない。

 あーあ やっぱり母さんのオッパイよりアスカちゃんのオッパイの方が恋しいか!男の子持つのは損ねぇ。」

 「何て事 言うんだよ母さん!!」

再びユニゾン赤面のシンジとアスカ

 「ユイ 僕とは暮らしてくれないのか?」

再起動したゲンドウが寂しそうに呟く

 「レイが独り立ちするまでダメ!」

 「そうか・・・。」

 「もう そんな情けない顔しなさんな!」

ユイは、ゲンドウに近づき優しく頬に手をさしのべる

 「あんたの奥さん 止めるつもりはないからさあ!」

 「そうか」

 「そうよ さっき 人として 母親として許せないって言ったけど 女としての あたしは

 嬉しかったわ。あんたの気持ち・・・。」

 「ユイ」

 「それに・・・あんたの良さなんて あたししかわかんないんだから 絶対!!」

そう言い切った、ユイの頬に紅が差す 

 「それに今夜くらいは、一緒にいてあげるから・・・ね。」

 「ああ」

ユイはゲンドウのサングラスを取り 唇を重ねる。

 「おかえり ユイ!」

 「ただいま ゲンドウさん!ごめんね 痛かった?」

 「ユイは強いからね。」

 「もう いじわる。」

子供が側にいるにもかかわらずバカカップルモードに突入する二人

 それを呆けたように見守っていたシンジとアスカの肩をレイが叩き 振り返った

二人に出口を指し示す。

 レイの意図を理解したシンジとアスカは、静かにレイに続きドアの外に出た。

 

 「ねえ レイ?」

廊下に出て歩き始めたアスカは気になる事があり、先に行くレイに話しかけた。

 「何?」

 「あんたさあ どうやって司令にお義母様の存在を納得させたの?」

レイはアスカの問いかけに立ち止まって振り返り当たり前の様に返事をした

 「簡単よ!メッセージを伝えればよかったから。」

 「メッセージ?」

 「そう   

    このー バカゲンドウ あんた 何悪巧みしてんのよ!あたしが帰ったら折檻だから

    レイの言うこと聞いて 首を洗って待ってなさい!!   

  だったかな?」

 「はあ?!きつい言葉ね あたしじゃ言えないわ!」

 『『ホントかな??』』

レイは心の中で傍らのシンジとユニゾンする

 「まあ そういうことにしとくわ。」

レイは 微笑みながら踵を返し歩き始めた。

 「それ どういう意味よ。ちょっと 待ちなさいよレイってばー」

薄暗い廊下には アスカの怒声が響き渡っていた。

 


 どうも この話を書いている途中でキーボードを換えました。まあまあ快適です。

さて ユイがとうとう戻ってきました。出来るだけ濃くしましたがどうでしょうか?

 彼女の特徴で 目を離すとすぐ暴走するというところを出したかったのですが

次回でキョウコさんも戻ってきます。彼女にはユイのブレーキ役みたいな存在にしようと思います。

 マナさん 出番はまだ後だから・・・ね。


アスカ:いやぁぁっ! アタシの心の壁がぁぁ。

マナ:チャンスっ! アスカの本心が見え見えだわっ!

アスカ:(見るなっ! 幼児体系女っ!)

マナ:(カチン☆)そんなこと思ってたのねっ!(▼▼#

アスカ:あっらぁ、アタシ何も考えてないわよぉ?(暴力女っ! どっか行きなさいよっ!)

マナ:(カチン☆カチン☆)あら、そうぉ。焼かれたいみたいね。(▼▼#

アスカ:ち、違うのよっ! 話を聞いてっ!(すぐ頭にくる、本能だけの下等動物みたいだわ。)

マナ:燃えておしまいっ!

アスカ:だからっ! 違うってばっ!(バカを相手にしてられないわ。逃げなくちゃ。)

マナ:逃がすかっ! 火炎放射器発射っ!(ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!)

アスカ:いやーーーーーーーーーーーーーっ!

マナ:フッ。すっきりしたわ。

アスカ:うぅぅぅぅ。やっぱり、心の壁は必要よぉ。(;。;)
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