僕は独りぼっちになった。

見渡す限り、赤い海と砂浜が広がる・・・。

僕は・・・僕は・・・・・!


想いは永久に…

第零話:出会い

by.夢幻の戦士
何でこんな事になってしまったんだ!?

そればかりが頭を巡る。途方もない程長い時間、僕はずっと考えた。

そして不意に浮かぶ言葉と顔。

ゼーレ・・・・碇ゲンドウ・・・・ネルフ・・・

憎むべき名前、殺意を呼ぶ。

「僕にもっと、力が在れば、みんなを守れるだけの力が在れば・・・」

さっきからそればかりを呟いていた。

どうしようもない事と、理解していても言葉になってしまう。

「何で『力』が欲しいの?」

決まってるだろ!みんなを守りたいんだ!

「でも、君が欲しがっている『力』は『守るべきもの』を守る力じゃないわ。
誰かを殺すための力、君はそんなものが欲しいの?」

五月蠅い!何だよ、人の気も知らないで。だいたい僕がどういう・・・・・・

その時僕は気付いた。

もう、この世界には僕しか居ないはずなのに・・・

辺りを見回してみても誰もいない。

(幻聴かな?)

「失礼ね!私は此処よ」

慌てて振り向くと、そこには一人の女性が居た。

何でこんな処に女の人が?

「それより、今の君の言葉は頂けないな!
お姉さんが聞いて上げるから、喋ってみなさい。何かしらの力になれるかも知れないから。ね…」

僕は未だ釈然とした気持ちを残したまま、目の前に現れた女性に、自分の知り得る事を話した。

2時間後

「だいたい君の話は解った・・・で、さっきの話に戻るけど『殺意』を持った力って云うのは、それ自体が一種の凶器なんだよ。解る?」

「はぁ、何となく・・・」

「『力』って云うのはそれ自体が意志を持っているわけじゃない。誰かの意志が
加わる事によって、明確な武器に変わるモノなの」

「それと僕がどういう風に結びつくんですか?」

「解ってないな〜、君は!いい!!」

あっけらかんとした僕とは対照的に、彼女はテキパキと説明を始めた。

そうした彼女の行動には、一部の隙がなかった。

「・・・つまり、君は守る力と殺す力を履き違えてるって言ってるの」

そんな彼女の説明を聞いている内に、なんだか腹が立ってきた。

まるで僕の存在を否定されているようで。

「・・・・・・・・・・『力』ってさっきから言ってますけど、そんなの貴女には関係ないでしょ!!」

僕は有りっ丈の声を上げて叫んだ。

「あのね〜、関係なくないのよ。少なくとも私にはね」

意外な答えだった。

てっきり怒ると思っていたのに・・・それを自然に受け流した。

彼女は僕の目を見つめて話している。

そんな彼女の目を見ていると、なんだか心が安らぐ。

「少なくとも、過去に戻るんだったらそんな考えは捨てなさい。君のも周りにも被害が出るわ」

「え‥」

頭の中が真っ白になった。

今、なんて言った?過去に戻す?

「言って無かったかしら?私には空間を自由に操る特殊能力みたいなモノがあるわけ。それを使って君を過去に飛ばして、あ・げ・る」

僕は、ただ唖然とするしかなかった。

「ただし、これには3つ条件があるわ・・・」

「条件?」

意味が解らずそのまま繰り返すように言った。

その時の僕の顔は、非常に間の抜けた顔だったろう。

「そ。まず一つ、私の言うことを厳守すること。二つ、自分を大切にすること。
自分を大切に出来ない者に、人を守る資格なんて無いわ」

尤もだ。

多分、さっきまでの僕なら納得すらしなかっただろう。

「最後に、最低1年間、ここで修行しなさい」

「えええーーーーっ」

声を上げた途端、頭にビンタが飛ぶ。結構痛い。

「以上。何か質問は?」

「・・最初の二つは解るんだけど、最後の修行って言うのはどういう・・・」

それを聞いた彼女の瞳が輝く。

聞かなければ良かった・・・

「君が過去に行ったとき、もしそこにイレギュラー、つまりは君が対処できないことが起こった場合、どうすれば良い?」

「ええっと、それでも自分自身で対処する・・・」

「正解です。その時迅速に対処、もしくは処理出来るのは君しか居ません。
そこで出来る、悔いの無いように行動する『力』と、それのコントロールを学んで貰います。返事は?」

「はい」

彼女の顔に笑みが浮かぶ。

「それとこれには重要な意味があります。何をするにも『力』は必要よ。
大切な物を守るため、逆境に耐えるため、困難に立ち向かうため、理由を挙げれば様々だけど、君には基本をしっかり学んで貰いたいの。解った?」

「はい!」

僕は、何故か晴れ晴れした気持ちになった。

理由なんか無い。いまはそれで十分だと思ったから。

あ、という声が挙がった。

「そいえば自己紹介がまだでしたね。僕の名前は碇シンジって云います。呼ぶときはシンジだけで構いません」

「私の名前は琴崎彩音。仲間内では『黒髪の淑女』って呼ばれてるの。彩音で構わないわ、シンジ君」

ふと疑問に思った。仲間?

「あ、あのー。いま仲間って・・・」

「ああ。あいつらの事は追い追い話すわ。取り敢えず宜しく!」

太陽のような笑顔に、僕もつられて笑顔で返す。

「こちらこそ。彩音さん!」

こうして僕の特訓が始まった。

大切な人たちを守るための・・・


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お初にお目にかかります。

夢幻の戦士です、という者で御座います。

さて、この話ですが可成り外れます。絶対に。

キャラ達も私の都合上、配置等を変えさせて貰います。

こんな作者ですが、お付き合い願うと幸いです。

それでは。


マナ:夢幻の戦士さん、投稿ありがとーっ!

アスカ:みんなを守る為に特訓なんて、シンジ頑張ってるじゃん。

マナ:過去に戻るんでしょ? シンジが頑張ったら、きっとみんな幸せになれるわ。

アスカ:アタシと2人で幸せになるのねっ!

マナ:みんなって言ったでしょ。(ーー)

アスカ:ただ・・・問題は・・・。

マナ:なに?

アスカ:サキエル戦まで過去に戻ると・・・アタシの登場がかなり後に・・・。

マナ:最後まで出てこなくていいわ。

アスカ:アタシがいなかったら、話になんないじゃないっ!

マナ:ちゃーんと、マナちゃんが出るから大丈夫よっ!

アスカ:コイツは出さなくていいわよっ。
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