__________________________________________

city EVA 〜 うなれ100tハンマー〜
__________________________________________前回のあらすじ

アスカとマナは麻薬密売組織に拉致されてしまった、
アスカは100tハンマーを使って脱出を試みるが・・・100tハンマーが使えない!
その頃、シンジはムサシと協力しあい、アスカとマナを救出に向かった・・・しかし・・・



中編その3 悲しみの決闘


アスカとマナは組織のボスらしき人物の前に連れてこられた、
その部屋は倉庫の中にあるにもかかわらず、色々な動物の剥製や絵画、陶磁器が置いてある

(まったく、悪趣味な部屋ね・・・)

アスカでなくても統一の無いこの、高級品の数々を見ればそう思う事だろう

「・・・君か?ストラスバーグの婚約者というのは?」

ボスはマナに話し掛けてきた、マナは頑として質問には答えない

「ストラスバーグは何処にいった?・・・答えないか!」

「それは私が知りたいぐらいよ!」

「・・・・・どうしても話さないつもりか・・・・おい!」

ボスは黒服の男に合図を出した、黒服の男はマナに近ずき、その顔にナイフを当てた

「ちょっと!アンタ達なにしてるのよ!」

アスカは怒りの声をあげた、しかしそれで状況が変わる訳でもない

「さあ、その綺麗な顔に醜い傷がつく事になる・・・話してもらおうか?」

「知らないものは知らないわ・・・」

「・・・やれ・・・」

「・・・・」

マナが身構え、黒服の男が無言でナイフを握り直したその瞬間!

バタンッ

部屋の扉が勢いよくドアが開き、シンジとムサシが入ってきた

「ムサシ!」

「シンジ!」

「貴様!マナに何を!」

「これは、これは、ムサシ・リー・ストラスバーグ君・・・外には見張りの物がいたはずだが。」

ボスは慌てた様子もなく、淡々と語った、その自信は人質がいるためであろう

「あんな見張りならまだ信楽焼のタヌキの方が役に立つよ。」

その質問にシンジが答える、アスカとマナにはぴったりと黒服の男が張り付いている、

「シンジ?・・・君は確か・・・・EVA!・・・EVA、碇シンジか!」

「御前みたいな奴にまで名が知られているとわな・・・」

「ふふふ・・・いくらEVAとはいえ、人質を捕られてはそう簡単には手が出せまい。」

確かに、部屋にはボスの他に黒服の男が4人・・・その内2人はアスカとマナにピッタリくっついている
その手には拳銃が握られている、人質が一人ならまだしも2人となると無事助けるのは難しい。

「くそー!」

ムサシは歯をかみ締めている、シンジは隙をうかがっているが、相手もかなりのプロであるようで
その構えに隙が無い・・・

「丁度いい!君達が決闘をして勝った方の恋人は開放してあげよう。」
(ふふふ・・・これで確実に一人は始末できる・・・一人になれば、どうにでもできる)

「なんでアタシがシンジの恋人なのよー!」

「違うのかね?」

「シンジはアタシのボディーガードよ!」

「まあ、どちらでもいい・・・・どうかね?」

ボスは自分の思い付きがすばらしい物だったので苦笑している、

「わかった・・・本当だな・・・俺が勝ったらマナは開放するんだな!」

「ムサシ!」

「ああ・・・」

ムサシはシンジとの間を開き・・・シンジの方を向く、シンジもムサシの方を向いた・・・

「シンジ!何やってんのよ!こんな奴等アンタなら一発でしょうが!」

しかし、二人には聞こえていない・・・二人は完全に相手に集中している

「・・・・・。」

「・・・・・。」

数十秒の時だがとても長く感じられる・・・・

「・・・・・。」

「・・・・・!」

先に動いたのはムサシだった、ムサシは手を懐の銃に伸ばした、
しかし、それよりも早くシンジは銃を抜き、ムサシに向かって銃弾を放った・・・

ズキューーーン

「・・・・流石だ・・・シンジ・・・・・・ごめん・・マ・・ナ・・・」

バタッ

ムサシはその場に倒れた・・・銃弾はムサシの左胸に狂いなく突き刺さっていた・・・・

「ムサシーーーー!」

マナは大粒の涙を流し、ムサシの側に寄ろうとしたが黒服の男に捕まれて動くことはできなかった
それでもマナは半狂乱で暴れていた・・・

アスカも見たくないと言った様子で下を向いていた・・・

「約束だアスカを放してもらおうか?」

「約束は守ろうその前に、銃を捨ててもらおうか。」

カシャ

シンジは言われるままに銃を捨てた・・・

「ふふふ・・・おい、放してやれ。」

ボスの言葉にアスカを掴んでいた黒服の男がアスカを開放した、
アスカはゆっくりとシンジの方によってきて一言、力無く言った・・・

「バカ・・・・」

シンジが自分を助けるために本気でムサシに勝負を挑んだのはわかった、・・・うれしいこと

しかし、最愛の人を失ったマナの気持ちも痛いほどわかる・・・かなしいこと

ムサシも本気でシンジに戦いを挑んだであろう・・・それはシンジと同じ気持ち

どちらが勝ってもこの戦いに勝者という者は存在しない・・・

それは悲しむ人がいるから・・・

だからアスカは喜ぶことも悲しむ事もできなかった・・・

ただ一言、口から出た言葉・・・「バカ」

自分を救ったシンジに、いつものように「バカ」・・・

そのため、友人を殺したシンジに、悲しみを込めて「バカ」・・・

・・・アスカはその言葉を発すると、床に伏せた・・・

「ふふふ・・・いいショウだったよ、しかしこれまでだな!・・・やれ!」

黒服の男がシンジに銃口を向ける・・・

「だめー!・・・アスカさんを私と同じにしないで!・・・お願い・・・」

「マ、マナ・・・」

マナは苦しいはず・・・自分の最愛の人を殺したシンジを助けようとしている・・・

それはアスカに自分と同じ悲しみを与えないため・・・

アスカは大粒の涙を流した・・・そんなマナの気持ちがうれしかったから・・・

ズキューーン

悲しみの中、銃声が響く・・・

つづく・・・

__________________________________________

あとがき
ほんとは、パロディに成るはずだったのに・・・・シリアス一直線・・・ほんとにいいのか?
この話は前編かいてる時から考えてあったのですが、ここまでシリアスになるとは・・・
このままでは、読んでる人も書いてる私でさえ、気分が悪いと思いますので、
早く続きを書く事にします・・・ハッピーエンドになればいいんですが・・・
タームさんもこの後のアスカとマナの掛け合いを書くのが難しくなりますね、すいません
PS,シティーハンターをよく知ってる人には、続きが分かってしまうかも・・・チョッチパクリかも・・・


マナ:ムサシさん、中編3の投稿ありがとうございます。けど、ムサシさん・・・ムサシを殺すなんて・・・。

アスカ:アンタ、何言ってるのよ。わかんないわよ。

マナ:だって、同じ名前なんだもの・・・。

アスカ:今回は、かわいそうね。婚約者が死んでしまって・・・。シンジもなんとかならなかったのかしら。

マナ:うっうっうっ。(涙)

アスカ:ちょっと、泣かないでよ・・・。アンタらしくないわよ。

マナ:そうね。そうよね。こなったら、新たな恋に・・・。

アスカ:へ?

マナ:婚約者が殺されたんだもの。シンジに責任を取ってもらわないと。

アスカ:ちょっと。

マナ:ムサシの代りにわたしの婚約者になってもらうわ。

アスカ:アンタねぇ。ふざけんじゃないわよ!

マナ:あら? 泣いてたらアタシらしく無いんでしょ?

アスカ:あのねぇ・・・。ムサシさん! ハッピーエンドにしてくださいね! この女なにするかわからないから・・・。
作者"ムサシ"様へのメール/小説の感想はこちら。
kenta-s@k-brand.co.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system