これもまたEVA?
第二話 出撃

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ゲージ入口

 

試作機が、出撃した後のゲージ入り口にシンジは到着した。

そこでに居た女性は、シンジ達を見つけると、目の前まで来てから挨拶をした。

「初めまして、シンジ君。 私はNERV本部で作戦部長をしている、葛城ミサトよ♪

 ミサトって呼んでね♪」

それを聞いたシンジは、ごく普通に返事を返した。

「初めましてミサトさん。 碇 シンジです。

 処で、何で父は僕をこんなところに呼び出したんですか?

 見たトコ、非常事態見たいですけど・・・」

「御父さんに直接聞くと良いわ。」

「アレは何時になっても身勝手なんですね・・・」

思い当たる事だらけで何もいえなくなるミサト

暫くその状態が続いていたが、背後からリツコの一声が

「何をしているの、葛城一尉。

  私達には、時間が無いのよ!!」

「判っているわよ、リツコ。

 でも、試作機は如何したの? 出撃したんでしょ?

 まさか、起動しなかったとか・・・」

「試作機は、既に大破したわよ!

 私に向かって”金髪ババア”って言ったから、起動させずに使徒の目の前に

 送り出したわよ!」

「・・・リツコ、それはやばいのでは?? 確かに契約書はあるけど・・・

 (でも、金髪ババアか・・・ウマい事言うな 31歳で独身だしな)」

それを聞いていたシンジは、後頭部に大きな汗を描きながら

「・・・時間が無いのでは? こんな処で時間を費やしていて良いのですか?? ミサトさん」

「あ! 忘れていた!!」

この一言で、シンジは”不謹慎な人”と認識した。

「リツコ、この子がもう一人よ!」

リツコは値踏みをしながら

「初めまして、技術部に所属している赤城リツコよ」

シンジは、右手を出しながら

「碇シンジです、よろしくお願いします。 赤城さん。」

リツコは、出された右手と握ると

「リツコで良いわよ、私もシンジ君って呼ぶから。

 礼儀正しい子は好きよ。」

とミサトを睨みながら言う。

 

 

ゲージ内

 

真っ暗な中、入り口から漏れる僅かな明かりを頼りに、進んで行くと

突然、ゲージ内の照明が点灯した。

そして目の前には、紫色の鬼の様な顔が・・・

「・・・これは、斬新なモアイ」

違う!! これは、人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器・・・エヴァンゲリオンよ。」

「そうだ。」

シンジが呟くと、頭上のブースから低い声がゲージに木霊した。

「・・・・・・」

「久しぶりだな、シンジ」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「誰?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

暫く、ゲージ内に静寂が訪れた

ミサトが小さな声で

「あれが、貴方の御父さんよ」

「ふ〜ん、そんな顔をしていたんだ。

 髭くらい剃れば??」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

再び、ゲージ内に静寂が訪れた

「それよりもシンジ。今迄私がどれだけ心配していた事か!」

その一言にシンジの怒りが爆発した。

「ふざけるな!僕が4歳の時に、駅のホームに捨てたのは誰だ!!」

ゲージ内に居た職員のゲンドウへの信頼度が下がったのは言うまでもない。

「まて、確かに捨てようとはしたが、私を殴り倒して去ったのはお前ではないか!!」

「4歳児に殴り倒される方が悪い!!」

・・・さらに、信頼度が下がった 

「ふ…。出撃」

威厳を取り戻す為に、出撃命令を下すゲンドウ。

しかし、ミサトが反発する。

「ちょっと待ってよ。パイロットがいないわ」

「目の前に居るわ」

シンジを見るリツコ。

「けど、レイやアスカでさえ、エヴァとシンクロするのに数ヶ月もかかったのよ。 

今日来たばかりのこの子にはとても無理よ!」 

「座っていればいいわ。それ以上は望みません」

「葛城一尉!今は使徒撃退が最優先事項よ。そのためには誰であれ、

エヴァとわずかでもシンクロ可能な人間を乗せるしかないのよ!」

「…………」

リツコの言葉に、何も言い返せないミサト。論破されるのも時間の問題であろう。

「髭メガネ。僕を呼んだのって、これに乗ってあの化物と戦わせるため?」

「・・・そうだ」  

シンジの問いに、うろたえながら答えるゲンドウ。

「ふ〜ん。でも今回限りではないんだろ?」 

「そうだ」 

暫く、腕を組んで考え込むシンジ

「乗っても良いけど、条件次第だね。」

「「「条件?」」」

ゲンドウ、リツコ、ミサトの3人がユニゾンして叫ぶ!

「だって、只働きは嫌いだし♪

 部外者をパイロットに選ぶ位だから、乗り手を選ぶんでしょ?

 それに、さっきミサトさんが”契約書はあるけど”って言っていたからそれの条件次第。」

それを聞いた、リツコがたずねた

「シンジ君の納得する条件を言ってみて」

「僕の出す条件は、

 1.今迄未払いの小遣いと、それの分の利子と引越し代に捨てられた時に受けた心の傷の治療費で

   ・・・取り合えず1億!!

 2.住居だけど、なるべく広いマンションでの一人暮らし! 最低5LDKね♪

 3.私生活においての一切の不干渉 盗聴や監視なんてもっての他だから!

 4.給料はチャンと全額払うこと

 5.階級は・・・・佐官クラスで良いや! 

 6.他のパイロット全員と顔合わせを早急にさせて欲しい。

 取り合えず、こんなトコかな」

リツコは、後頭部に大きな汗をかきながら

「階級と顔合わせ以外なら、簡単に呑めるけど・・・

 パイロットの一人は、今ドイツに居るから直ぐって訳にはいかないのよ」

「だったら、早急に召集したら良いのでは?」

思考停止している、ゲンドウに向かってリツコが

「司令、時間がありませんシンジ君の要求を呑みましょう!

 元々、司令がシンジ君を捨てた事が原因なんですから!

言い終わると、携帯を出し

「冬月副指令ですか? シンジ君が条件を呑めばパイロットを続けると約束してくれました。

 条件は6つですけど全て呑んで構いませんね。」

「当然だ、我々には時間が無い! 試作機をいたぶっていた使徒も進行を再開した。

 早く、出撃準備を!」

携帯を仕舞うと

「・・・ではシンジ君、貴方の言う条件を呑みますので

 こっちに来てちょうだい。 色々なシステムの説明をするから。」

リツコはミサトの顔を見て、一呼吸おいて話した。

「じゃ、リツコさん。 行きましょう。」

「こっちよ。」

カッ、カッ、とリツコのヒールの音が響いた。

ゲンドウとミサトはその様子を唖然として見つめていた。

 
そして・・・・

「ケイジ内全てドッキング位置。」


「停止信号プラグ排出終了。」

「エントリ−プラグ挿入。」

「プラグ固定終了。」

「第一次接続開始。」

「エントリ−プラグ注水。」

シンジの足元からL.C.Lが溢れてくる。

だけど、あたかも自然にL.C.Lを受け入れるシンジ

「主電源接続!」

「全回路、動力伝達。」

「了解!」


「第二次コンタクトに入ります。」

「A10神経接続。異常なし。」

「思考言語は日本語を基礎原則としてフックス。」

「初期コンタクト。全て問題無し。」

「双方向回線開きます。」

「シンクロ率、100%」

「ハ−モニクス 誤差ありません。」
 
「そんな、凄いわ・・・ アスカの上を行くなんて」

信じられないといった、リツコ

「いける!!」

勝てる可能性が出てきたのでガッツポーズをとる、ミサト

「おい、碇。まさかあれほどとは・・・。」

「・・・問題無い」

怪しげな会話をするゲンドウ・冬月

「・・・司令、かまいませんね?」

ミサトが最終確認をする

「ああ、使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い」

ゲンドウが答える

「エヴァ初号機 発進!!!」

 ミサトの号令とともに打ち上げられる初号機。そして目の前には第3使徒・サキエル

 

地上

サキエルの正面にエヴァ初号機が出現した。

『良いわね、シンジ君』

ミサトの声が、シンジの耳に響いた。

「はい、何が良いのか判りませんけど・・・

 処で、作戦は如何するんですか?」

『作戦は、町に被害を与えないで敵を殲滅!!

 良いわね♪』

無責任な作戦を指示する葛城ミサト(31歳 独身)・・・

「・・・町に被害って、既に被害甚大ですけど・・・」

申し訳なさそうにオペレーターの一人が進言するが

ミサトは無視をして、

最終安全装置解除!!エヴァ初号機リフト・オフ!!

最後の拘束がとけて、ゆっくりと前に体重を移動するエヴァ。

そして、ミサトが指示を出そうとした瞬間、初号機は一瞬で使徒との間合いを

詰めて、抜き手一閃で使徒のコアを貫き、四肢を手刀で切断した。

 

指令所

皆、スクリーンを見ながら自分を見失っていた。

『ミサトさん、倒しましたけど如何すれば良いですか?』

シンジの声で、皆われに帰って指示を出す。

「シンジ君、出てきた所から回収するから移動してくれる?」

オペレーターの一人が返事をする。

『了解しました・・・って、その声、日向さんですか?? 第2新東京の神威流の道場居た』

シンジは、オペレーターの声に驚いた。

「そうだけど・・・シンジ君ってあのシンジ君か!? 久しぶりだね。 マヤちゃんもシゲルもここに居るよ!」

『やっぱり! え! マヤ姉さんも居るんですか!?・・・・・処で、シゲルって誰??』

「シンジくん、久しぶりですぅ。マヤです。7年ぶりね♪」

『マヤ姉さん ご無沙汰しています。 僕が海外に行ってから会っていませんでしたからね。』

「シンジ君、忘れるなんて酷いじゃないか!よく色々なトコに連れていったじゃないか!」

『・・・あ! ロリコンで覗きが趣味の青葉さん!?ってこれは秘密でしたっけ?』

「・・・シゲル お前そんな趣味があったのか?」

「・・・不潔です」

「無様ね」

「青葉三尉 減棒6ヶ月及び男子トイレ掃除10ヶ月」

「そんな・・・」

リツコが何か思い出したかの様に

「マヤ、シンジ君と知り合いなの?」

「シンジ君とは、第2新東京にある神威流の道場で知り合ったんです。シンジ君は4歳の時から

 住み込みで鍛錬していましたよ。何でも親に捨てられて居場所がないからだとか・・・」

ゲンドウを睨みながら話す、マヤ。

「で、9歳になった時に神威流の最高位の”守護天使”の称号を得た後に、海外道場に修行

 の旅に出ていましたけど。」

『マヤ姉さん、処であそこに倒れているエヴァ見たいなのは? 持って帰れば良いのですか?』

使徒にいたぶられていた試作機(ケンスケ)を指差しながら言うシンジ

「シンジ君、それはそのままで良いわよ。 後で回収するから。 それよりも早く戻って来なさい。」

『判りました』

と、老若男女を魅了する”天使の微笑み”を見せた。

モニターを見ていた全員は、顔を赤くしながら見とれていたが、

「リツコ」

「判っているわよ、ミサト

 マヤ、記録を!」

「既に、行っています。 松代でもバックアップを行っています。」

後日談だが、この時の画像データーが高値で取引され、ビールに化けたのは言うまでもない・・・

 

司令室

無駄に広い室内の真ん中に置いてある机に両肘を乗せ目の前で組んで口元を隠す様な格好

(所謂ゲンドウポーズ)をとり、地に落ちた威厳を取り戻そうとしているゲンドウと、その横で直立不動

で立っている冬月副司令、そしてその前に自然体で佇むシンジ

「報酬を貰いに来た。

 後、住む所は??」

「報酬は、既にシンジ君の新しい口座に振り込んでおいた。

 次に、階級だが三佐扱いとなる。基本給は当然三佐待遇になる。 

 その他に、各種手当てが付くことになる。

 住居だが、護衛の都合もあるのでコンフォート17の最上階と言う事でどうだ?」

そう言いながら、給料明細と部屋の間取り図を差し出す。

それを見てから

「これで結構です。 後は、他のパイロットとの顔合わせは?」

「一人は、本部近くの病院で入院中、もう一人は今ドイツに居るので直ぐと言う訳には・・・

 もちろん、ドイツに居るパイロットも2〜3週間で本部に異動してくる事になっている。」

今迄無言だったゲンドウが飛んでもない事を言った

「シンジ 今迄父親らしい事は何も出来なかったが、シンジに相応しい婚約者を決めて

 あるぞ!」

ドゴ!バキ!!ドガ!!!ドス!!!!

言い終わると同時に、シンジの攻撃が炸裂した。

そして、かつてゲンドウだった肉の塊に向かって

「僕には既に将来を誓い合った人が居る!!

 貴様が勝手に決めるな!!!」

そう言って、司令室を出て行った。

 

続く

 

後書き

さて、ゲンドウの言う婚約者とは? シンジの言う誓い合った人とは??

じょじょ(多分直ぐ)に明らかにします。

そして、ミサト&リツコは31歳 花の独身!!

次回は、学校がメインになる予定。 あくまでも・・・

では


マナ:碇司令が決めた婚約者って誰?

アスカ:シンジが将来誓い合ったって言ってる子の方が気になるわよ。

マナ:きっと、それはマナちゃんね!

アスカ:アタシに決まってるじゃん。

マナ:あなたは、ドイツでしょ? ありえないわっ。

アスカ:マナ板娘こそ、ありえないわよっ!

マナ:コロスっ!!!(ーー#
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