これもまたEVA?
第四話 撃退

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霧島マナ主演「味方殺しの祭典」の興奮が冷めやらぬうちに、NERVは使徒迎撃の準備に取りかかりだした。

 

指令所

「しかし、リツコ。 あのマナ板は使徒の情報すら探れないのかしらね?」

「確かに、無様よね。 でも、これでトライデント部隊も解散じゃないの?」

「確かに、2戦続いて派手な自爆ショーをすれば、部隊は解散でしょうね。」

「トライデント自体は、移動砲台として十分に使えるんだけどね・・・あのマナ板はね・・・」

「そう言えば、EVA弐号機とセカンドチルドレンは後数日で日本到着よね?」

「5日後の土曜に、新横須賀に着くわよ。 迎えに行くんでしょ? シンジ君も気晴らしに連れていったら?

 先週誰かさんの作ったカレーを食べて寝込んでいたんだから。」

「・・・リツコ、それは言わない約束でしょ! それに、5日後の事より目の前の第4使徒を倒さないと

 人類に未来は無いわよ。」

「そうなんだけど、シンジ君の訓練を見ていると負ける気がしないのよね。」

「確かに、あれは凄かった。 特に格闘戦は、保安諜報部員の猛者数十人を息も切らさずに倒したからね。

 流石、神威の守護天使と呼ばれるだけはあるね。」

「先輩。 シンジ君の発進準備完了しました! 何時でも発進出来ます。」

「シンジ君、使徒のATフィールドを中和後にパレットガンで攻撃!! 良いわね。」

『了解しました。』

「EVA初号機 発進!!」

ミサトの号令と共に勢い良く射出される初号機。

 

第1高校1−A

クラスメートから袋叩きに遭い、その上避難する際に見捨てられたケンスケが目覚めた。

「痛たたた・・・俺様が必死(?)になって前回闘ってやったと言うのに、連中は恩を仇で返しやがって。」

誰でも良いから文句を言おうとして周りを見回して違和感に気づいた。

「何で誰も居ないんだ? まだ下校の時間では無いのに・・・」

バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!

バシュ!バシュ!バシュ!バシュ!

「何の音だ?」

そう言って窓の外を眺める。

「あ! あれは!? 絶好の被写体♪ 

 ベストポジションは・・・神社の境内か!! 急がないと、良い写真が撮れなくなってしまう!!」

そう言って、全速力で駆けて行くケンスケ。

 

エントリープラグ内

『シンジ君、パレットガン全弾を使徒に叩き込んで。弱った処を接近戦で殲滅。いいわね!』

「了解しました。」

ビルを利用して、使徒に近づく初号機。

そして絶妙なタイミングで、パレットガンを撃ちまくる。

バッバッバッバッバッバッバッバッバッバ

『馬鹿!! 煙で目標が見えないじゃないの!!! 加減ってモノを知らないの??』

「貴女が、全弾叩き込めって言ったんでしょ、葛城一尉!!」

『それでも全弾撃ちつくす事は無いでしょ!!

 もっと頭を使いなさい!! 上官命令です。』

怒ったような口調でシンジが答える

「判りました、葛城一尉。 碇三佐はその命令に従います。

 戦闘指示はともかく、カレーくらいまともなのを出して下さいね。」

『え!? 三佐??』

『無様ね!! ミサト・・・シンジ君の階級が貴女より上って事忘れていたの??』

『・・・忘れていた』

そんなやり取りをしているウチに、使徒が反撃してきた。

使徒の鞭で真っ二つになるパレットガン。

そして、その残骸を使徒に投げつける。

鞭の間合いを計ろうとしていた矢先に、車に足を取られ一瞬動きが止まった初号機。

その隙を見逃さなかった使徒は、初号機の足に鞭を巻きつけ放り投げた。

 

神社境内

そこには、カメラを構え叫んでいるケンスケが居た。

「馬鹿、何をしているんだ!! そこでは一斉射だけだろう!!

 あ〜、全く見ていられない!! 俺様が出撃していれば、既に片が付いていたのに・・・」

確かに、片付いていただろう・・・ケンスケが

「あ、馬鹿! 止まるな!! 動き回らないと・・・あれ??

 なんだか、だんだんと大きくなって来ている・・・気が」

使徒に飛ばされ、神社目掛けて飛んでくる初号機

ズッドン

 

エントリープラグ内

「痛たたた・・・酷い目にあった。」

ビービービービー

「何の警報だ? え! リツコさん!!境内に人が居ます!

 至急救助を!!」

そう言って、モニターを拡大する。

「あれ? ケンスケ!? 何でこんな所に??」

『アレは、ハーフの変態・・・シンジ君、その変態に構う事ないから思いっきり闘いなさい!!』

『一寸、リツコ! 人命優先でしょ?』

『シンジ君、変態の事はドウでも良いから敵を殲滅する事を考えなさい!!

 万が一、変態が死んでも新型蘇生薬が完成しているから大丈夫よ!!

 出来る事なら、変態の息の根を止めておいて!! そうすれば、人体実験が出来るから!

 未だ、人には試した事無いのよね。』

『「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」』

「葛城一尉、有効な作戦は?」

『・・・一寸待ちなさいよ! 今考えているんだから!!』

「早くして下さい。」

『判っているわよ! 急かさないで!!』

無線でミサトと言い争いをしているうちに、使徒が間近まで迫って来た。

『こら!! そこのヘボパイロット!! 貴重なチルドレンである俺様を早く救出しないか!!!』

初号機の足元で騒ぎ立てるケンスケ。

それを聞いていたシンジは、切れた。 

そう、カレー型BC兵器を食べさせられたり、勝手に婚約者を仕立てられていたりで苛立って居た所に、ケンスケの

罵声・・・でも、一番の原因は1ヶ月近くも愛する婚約者の側に居られなかった事

だったりもする。

 

発令所

そしてキレた瞬間、

「初号機、外部電源パージ!! 内蔵電源に切り替わります。」

「シンジ君、貴方何をする気なの?」

『・・・』

「え!? 初号機ロスト!! 全てのセンサーに反応無し!!」

「モニターからもロストしました!!」

「レーダーにも反応ありません!!」

「シンジ君、一体何をしたの??」

「・・・もしかして」

「マヤ 何か知っているの?」

「シンジ君が海外修行に行く前に、一回だけ見せてくれたんですよ。」

「だから何を!?」

「”神移”です。」

「「神移??」」

「はい。これを使えるのはゴク僅かなんですけど、神移は”姿””音””気配”を消せるんです。

 消すと言うより、超々高速で動くんですけど。」

「って事は、シンジ君は次の一撃で仕留める気か!?」

「もしかして、死殺技か?それともそれ以上の・・・」

モニターに映る、使途を凝視しているNERV職員

そして、使途正面に行き成り初号機が現れ、コアに向かって掌底突きをしたかと思うと、

使徒背後の空に5本の土煙が立ち上がった。

そして使徒は、上半身と下半身が千切れ上半身は6つの塊と化した。

「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」

「・・・!! 使徒殲滅確認!」

「碇、何だあの力は? 委員会が五月蠅いぞ!!」

「委員会など問題ではない。しかし・・・」

「しかし、何だ??」

「シンジの奴、アレを私に仕掛けないだろうな・・・・」

全身を震えながら答えるゲンドウ

「リツコ、今の何?」

「私に判る訳ないでしょ!!

 マヤ、今のは何??」

「私も初めて見ました・・・でも、もしかしたら”空牙”かも・・・」

「「空牙!?」

「はい、私も聞いた程度にしか知らないんですけど・・・」

『マヤ姉さん、正解です。口伝絶命技空牙”です。 これより、帰還します。』

「了解。 お疲れ様♪」

「リツコ、シンジ君って訓練の時思いっきり手を抜いていた様ね。」

「そうみたいね、ミサト。 

 でも、あの様子だと未だ大技を隠し持っているみたいよ。」

「アスカが知ったら、大騒ぎになるでしょうね。あの娘、プライドが高いから・・・」

「確かにね。 でも、ここ6年位アスカが大暴れしたって話は聞かないわね。

 ミサトがドイツに居た時には、派手に遣り合っていたんでしょ?」

「確かに・・・アスカも彼氏が出来たのかな?」

「無理でしょ! あの娘、理想が高そうだし。 それに、15歳で大学院卒よ。

 頭は、完全にミサトの上を行っているわね。」

「・・・院卒?? 13歳で大学を出たのは知っていたけど。」

「これから、チームワークを保つのが面倒になるかもよ。

 レイとシンジ君は司令の計画の所為で、シンジ君が嫌っているみたいだし、

 アスカは、プライドが高くて協調性が無いだろうし・・・

 せめてもの救いは、シンジ君の戦闘能力の異常なまでの高さね。」

「頭が痛くなる問題だわ・・・」

 

所変わって台湾沖

「アスカちゃん、第三新東京に又使徒が出現したそうよ」

「また? アタシが行くまで待てないなんてサイテイね!!」

「初号機とサードチルドレンが殲滅したけど、決め技は”空牙”よ」

「く、空牙??」

「サードチルドレンは、彼で間違いない様ね。

 それと、土曜日に出迎えに来るそうよ。入港前に。

 来るのは、サードチルドレンと葛城さん他数名だそうよ。」

 

神社境内

初号機が動いた時の乱気流に巻き込まれ、思いっきり地面に叩きつけられ

潰れた蛙の様になったケンスケが居た。

尚、発見・救出されたのは翌日の事であった。

又、これ幸いにと人体実験をしていた科学者が居た事も追記しておこう。

 

つづく

 

後書き

今回も最後まで読んでくれて有難う御座います。m(__)m

空牙ですけど、元ネタは”影技”です。

アスカもぼちぼち参戦してきます。

それでは、次回また

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