これもまたEVA?
第九話 日常

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第1高等学校1−A教室内

 

「おはよう!」

爽やかな朝に相応しい挨拶をするシンジ。

今日からアスカと一緒に1日の大半を過ごせるから嬉しさは倍増である。

もっともミライは愚図っていたが、ミサトカレーから逃げて来た温泉ペンギンのペンペンを見た瞬間に、

機嫌が治り大人しくお留守番をしている。

この時から、ペンペンは葛城邸に戻らなくなった・・・快適な空間、広いお風呂、美味しいご飯・・・

戻らなくて当然な事である。

「「「「「「「おはよう 碇君♪」」」」」」」

「ねえ、碇君。一寸聞きたいんだけど・・・」

「何?」

「今朝、一緒に登校して来た赤みかかった金髪の女性は誰?」

「アスカの事?」

きゃ〜

「アスカって呼び捨てしている!!!」

「碇君誰なの??」

「アスカは、僕の婚約者と言うか実質妻だよ。

 一緒に暮らしているし、子供もいるしね。」

「「「「「「「「「「へ〜」」」」」」」」」」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「「「「「「「「「「え!? 妻!? 子供!?」」」」」」」」」」

「そうだよ。 もう一緒に暮らして7年になるかな。 ミライ・・・子供は2歳だよ。」

「嘘〜 碇君を狙っていたのに・・・」

「「「「「「「「私も」」」」」」」

脇で見ていた男子が

「なあ碇、写真は無いのか?」

「写真? 何で??」

「馬鹿か? 写真を見るに決まっているだろ!!!」

「あるよ」

そう言って、かばんの中から授業で使うパソコンを取り出し立ち上げた。

「あれ? メールが届いている? 誰からだろう??」

そう言いながら、差出人を確認する。

「あ! 太平洋艦隊司令からか!! 何だろう? 画像ファイルがあるけど・・・・」

カチカチ

「あ! これは航海中の写真だ!!」

「え!? 俺にも見せろよ!!」

「「「「「「「「「「「「「「「私(俺)にも!!!」」」」」」」」」」

皆で、送られて来た写真を確認していく。

「ねえ碇君、のこ三人は誰なの? 皆どこか似ているけど??」

それは、アスカ、キョウコ、ミライの三人が一緒に写っているモノであった。

「これは、義母と妻のアスカに、娘のミライだよ」

「碇君の娘はミライって言うんだ・・・・」

「「「「「「「「「「「「「「「可愛い!!」」」」」」」」」」」」」」」

「碇君、今度ミライちゃんに合わせてよ!!」

「「「「「「「「「「「「「「「私(俺)も!!!」」」」」」」」」」

「良いけど・・・」

そう言いながら、次々と写真を捲って行く。

そうして行くウチに、終わりに近づいて遂には、土曜日の分になった。

そうして、トウジとケンスケが息子を曝け出している写真がクラスメート全員の目に止まった!!

「「「「「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「「「「「「小さい!!」」」」」」」」」」」」」」」

「それに二人とも未だ生えていないぞ!!」

「小学生の弟より小さい!!」

「「「「「「「え〜 本当!?」」」」」」」

「ホンと!! ほんと!!!」

そうしているウチに、ミライに殲滅された直後の写真迄目に付いた。

「鈴原って・・・硬派を気取って喧嘩が強いと思ったけど・・・弱いのね」

「何か幻滅しちゃったな・・・」

「何よ、ヒカリ。 鈴原の事好きだったの?」

「・・・・・・・・・少しね

「そう言えば土曜の夜に、トウジとケンスケが繁華街で息子を曝け出していたって聞いたけど・・・」

ガラガラガラ

その時、教室に担任が入って来た。

「起立、礼、着席」

委員長の号令で挨拶を済ます。

「え〜既に知っている者も居ると思いますけど、転入生を紹介します。

 それでは、入って来て下さい。」

教室に入って来たのは、赤みが掛かった金髪に碧眼のアスカであった。

「おい、あの娘 碇の婚約者じゃないか?」

「確かに、写真と同じだな」

「しかし、以前碇が言っていたけど・・・綾波より数段上じゃないか!!」

「ホンとだな! 第1高のアイドルが綾波からあの娘に代わるな。」

「しかし、碇が羨ましいよ・・・」

「「「「「「「ホンとだな・・・・・」」」」」」

「それでは、自己紹介をして下さい」

黒板に流暢な筆記体で、時分の名前を書いていく。そして

「惣流・アスカ・ラングレーです。 今迄、ドイツにいました。日本には未だ慣れていないですけど、

 宜しくお願いします。 後、碇シンジの妻ですので皆、それなりの対応をして下さい。」

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

(あれ?やけに静かね??)

「それでは、惣流さんは碇君の隣に座って頂きましょう。」

「一時間目は、私の授業ですが自習とします。 惣流さんとの交流に当てて下さい。

 それでは、洞木さん、後は頼みますよ。」

そう言って、教師は出て行った。

「アスカ、席も隣でよかったね」

「全くよ。隣じゃなかったら如何しようと思ったわよ。」

そう言いながら、ちゃっかりシンジの膝の上に座っていたアスカであった。

そうしているウチに、クラスメートが集まってくる。

「惣流さん、碇君の妻ってほんと?」

「ええ、そうだけど・・・それが何か?」

「「「「「「「「「「おお〜〜〜〜〜!!」」」」」」」」」」

「惣流さんも、NERVに属しているの?」

「属しているわよ。階級は、二佐ですけど。 シンジは、一佐だけどね♪」

「何!? 碇お前昇進したのか!!」

「うん、昨日2階級特進したよ。」

「NERVの一佐って、給料はどれ位だよ?」

「一佐としての給料は、月に150万位かな・・・それに、パイロット手当てや危険手当等が付くから・・・

 月に手取りで1000万位かな? それに、使徒を倒せば特別手当も出るけど。 アスカも似たような金額を

 貰っているよね?」

「うん。 勤続年数が長いから、シンジと一緒位は貰っているよ。」

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」

「・・・・・ウチのお父さんの年収を遥かに超えている」

「「「「「「「「「「ウチも」」」」」」」」」」

「ウチの親父もNERV職員だけど、そんなに貰って居ないけどな・・・」

「お父さんの部署は何処?」

「何でも、D級職員とか言っていたけど・・・」

「給料が高くなるのは、B級以上からだよ。C級までは、一般部署だからね。

 僕とアスカはSS級職員になるから高いんだよ。 因みにケンスケは一番下のG級職員だけどね。」

NERVの職級はSSS、SS、S、A、B、C、D、E、F、Gの10段階い分かれている。

SSS級は、総司令のみに成る為、通常SSが最高の職級になる。

「でも、今年の1高祭のミスコンは惣流さんとい綾波さんの対決になりそう」

「「「「「「「「「「そうだな」」」」」」」」

「ミスコン? 出ないわよ。」

「「「「「「「「「「何でよ」」」」」」」」」」

「何でって・・・ミスじゃないもの。 アタシはシンジの妻だから出場資格が無いの!」

「・・・確かに」

「碇がうらやましいよ! こんな美人な奥さんを捕まえるなんて」

「上げないよ! アスカは僕の奥さんなんだから!!」

アスカの顔が弛み、ゴロゴロと言う擬音が聞こえてきそうに成るほど、シンジの胸に擦り寄った。

「二人ともお似合いだよね。 羨ましい」

「「「「「「「「本当だね(よね)」」」」」」」」

こうして、クラス公認のカップル(夫婦)となった。但し、認めていない者も少数いた事を明記しておく。

その最有力は、綾波レイである。

そうして、その日の昼からアスカに対して他のクラスの男子から告白及びラブレター攻勢が続出したが

告白にたいしては丁寧に断り(馴れ馴れしいのや、強引なのは武力にて排除)、ラブレターについては

読まずに焼却炉へと直行させた。一週間も経たずに、学校内の男子全員がアスカに振られた。

女子は、それでもシンジを諦めきれない者が多少存在し、アスカを悩ませていた。

尚、トウジは精神的ダメージが抜けていない為に休みである。

 

同時刻 NERV

EVA実験棟にリツコ、ミサト、レイ、ケンスケが居た。

「さて、貴方達二人には暫くこのスケジュールで訓練をして貰います。」

そう言って、リツコは二人にスケジュール表を手渡した。

「何よコレ!!! こんなに訓練していたら、シンちゃんとデート出来ないじゃないの!!

 なに考えているのよ!! だから売れ残りのバーサンズは使えないのよ!!」

その一言で、リツコとミサトの額に無数の血管が浮かび上がっていた。

「レイ、なんならメニューを割り増して上げようかしら?」

顔は笑っているけど、目が笑っていないミサトであった。

「いいえ、このままで結構です」

レイは、渋々最初の案に従った。 もっとも、真面目に訓練を受ける気が無いので、サボる気だったが・・・

「レイ、貴女には保安部員が常時付く事になったから、逃げようなんて思わない事ね。

 保安部員には、『逃がしたら、実験体になって貰うから♪』と言ってあるからね」

逃げ道を塞がれたレイであった。だが、頭をフルに動かし突破口を見つけた。

「何で私達二人だけなのよ!! セカンドやシンちゃんは何で此処に居ないのよ!!」

「簡単な理由よ! シンジ君やアスカには訓練が必要ないもの!! 二人とも休養して貰っているわ。

 今頃学校に行っている頃ね。」

「一寸! セカンドの赤毛猿に私のシンちゃんを取られたら、どう責任を取ってくれるのよ!!」

「責任? 何故?? シンジ君とアスカは実質的に夫婦よ。 一緒に住んでいるし」

「へ? 夫婦?? 一緒に住んでいる??? ・・・・こうしては居られないわ!! 赤毛猿の魔の手からシンちゃん

 を取り戻さないと!! 」

そう叫んで出て行こうとしたら、保安部員に捕まった・・・

「じゃあ、そのままプラグに放り込んでね♪ 変態も嫌がったら放り込んでね」

そうして、一日20時間の訓練が始まった。

因みに、時期は6月下旬・・・もう直ぐ夏休み♪ の前に、期末テストなるモノが立ちふさがっている。

結果は、言わなくても判るだろう・・・

 

そうこうしている内に、水曜日の朝

碇・惣流邸リビング

シンジが全員の朝食を作っている

「そろそろ、アスカ達を起こすか・・・」

時計を見ながら呟き、寝室(シンジ&アスカ)に向かう。

朝日の差し込む寝室のベット(キングサイズのダブル)の上に、アスカとミライとが寝ていた。

シンジは、アスカとミライの額に口付けをしてから優しく声を掛けた。

「二人とも朝だよ。 ご飯の用意が出来ているから早く起きようね♪」

シンジの声で、二人とも覚醒した。

先に目覚めたのは、ミライであった。

「パパ、おはよう♪」

シンジに抱きつき、頬にキスをした。 寝ぼけ眼で見ていたアスカは、一気に目覚めた。

「ミライ!! シンジに最初に挨拶するのは、アタシなのよ!! いい加減離れなさい!!!」

「ぶ〜 ママのやきもちやき!!」

そう言って、渋々離れるミライ

それを見届けたアスカは、シンジにダイブしてディープなキスを見舞った。

数分後、満足したアスカはミライと共にシャワーを浴びに行った。

リビングには、既に紅茶を飲んでいるキョウコと餌を催促しているペンペンが居た。

「シンジ君、毎朝大変ね。」

「いいえ、大切な家族ですから。 アスカやミライが笑顔で暮らしていける場所を守るのは大黒柱として

 当然ですからね。」

「ある意味、ゲンドウさんには感謝しないといけないわね。 あの人がシンジ君を捨てたお陰で、私達は

 こうして笑って暮らせるんですものね。 シンジ君の苦労は計り知れないと思うけど・・・」

「キョウコさん・・・ 気にしないで下さい。 もう過ぎた事なんですから。それより、今を大事にしないと!」

「・・・シンジ君、貴方強いわね。 誰に似たのかしら?」

そうしているウチに、アスカ達がシャワーを浴び終えて出てきた。

「シンジ、ご飯は?」

「パパ、おなかすいた!」

「はいはい、もう用意は出来ているから食べようか。」

全員が席に付き食べようとした矢先に電話が鳴った。

PURURURURURURURURURURURURURURURURURURURU

「誰よ! こんな朝早くに!!!」

アスカが悪態を付くが、電話には出ようとしない・・・

「ハイ、碇ですけど・・・」

『あ、シンジ君。マヤですぅ♪』

「マヤ姉さん? 如何したんですか? こんなに早く??」

『先輩からの伝言で、ユイさんが目覚めそうと言っていました』

「え!?本当ですか!!!」

『先輩はそう言っていますよ』

「じゃあ、準備が出来たらNERVに行きます。 わざわざ有難う御座います。」

そう言って、電話を切った。

「シンジ、マヤが何だって?」

「母さんが目覚めそうだと連絡をくれたんだよ。」

「え!? 叔母様が?」

「ユイが目覚めるの? シンジ君」

「ええ、だから朝食を食べ終わったら、NERVに皆で行きましょう。」

「・・・って、後食べていないのはシンジだけよ」

「え!? 皆待っていてくれなかったの」(T_T)

そうして、準備が整いNERVへ車で向かう事となった。

「シンジ、今日はアタシが運転するからね。」

そう言って、碇・惣流家所有の車(マク○ーレンF1 色は赤)に乗り込んだ。

「車ももう一台買わないと駄目だね。」

「そうね、ゆったりと出来るのが良いわね。」

「そんな事より、ベルトは締めたわね。行くわよ!!」

アスカの運転する車は、赤い弾丸と化して走り去った。

 

「遅刻!遅刻!! 昨日はちょっち飲みすぎたわね。

 流石に、ビール(瓶)4ケースは飲みすぎよね。」

そう言って、青いルノーを飛ばすミサト

暫く走っていると、後方からアスカの駆る赤いマク○ーレンF1が煽って来ているのが判った。

「マク○ーレンF1? 車の性能でこのミサトさんを抜けると思いなさんなよ!!

 次のコーナーで決めてやる!!」

そう言って、コーナーに差し掛かったが、イン側をドリフトで抜けて行くミサト、それに対してアスカは

直進して行った。 ミサトが曲がった処は、高速の入り口であった・・・

この時点で、ミサトの連続40日の遅刻が確定した。

 

NERV本部

レイとケンスケは格闘訓練で扱かれていた。

そうしている内に、シンジ達はユイの居る病室へと着いたが、面会出来る状況ではなかったので、

碇・惣流家のプライベートルームで時間を潰していた。

 

数時間後

レイやケンスケは起動試験中である。

その時、使徒発見の一報が入る。

「第六使徒、第三新東京市へ向けて進撃中。」

「国連軍及び、戦自の展開間に合いません!!」

「トライデント部隊はどうしたの!!」

「トライデント部隊は、解散しました。」

「如何する、リツコ?」

「作戦指揮は、貴女の仕事ではないの?」

「・・・・・・」

「強羅最終防衛線を突破されました!!」

「今、一番早く出撃出来る機体は?」

「零号機と試作機です」

「・・・試作機を出撃させて、敵の出方を見るわ!」

「リツコ、それは?」

「試作機で偵察するのよ。 あれは、他の機体に比べて遥かに安い材料を使っているしね。」

そう、他の機体を100とするなら試作機は13位のコストですんでいるのある。

性能は、それ以下だが・・・

「試作機、発進!!」

「リツコ、人の台詞を取らないでよ!!!」

「敵、外周部に高エネルギー反応!!」

「何?」

「まさか加粒子砲??」

「EVA試作機、地上に出ます」

試作機が出た瞬間に、使徒の加粒子砲が試作機に直撃した!

ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

「五月蝿いわね、データーが取れたから戻して。」

「・・・了解」

「パイロットの様子は?」

「心電図、脳波とも乱れています・・・まって下さい。普通の人とではです。

 変態の場合・・・問題ありません。」

「あれを食らって生きているとは・・・」

「如何する、作戦部長殿?」

「兎に角、データーを集めるわよ!!」

 

つづく 

 

おまけ

呼び出しも館内警報も無かった為に、シンジ、アスカはプライベートルームで

長閑に家族団らんを満喫していた。

 

後書き

やっと免停期間が終わった!! 講習費用が高かったから講習に参加せずに

60日間の任期をまっとうした。 免停が終わって残ったのは、バッテリーが上がって

動かなくなった愛車であった(T_T)


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