これもまたEVA?

第十六話 逆襲

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第10使徒を倒した3日後、NERVではMAGIの緊急メンテナンスが行われていた。

通常なら、リツコが指揮を取って行うのだが、今回はマヤが行っていた。

リツコは、新型の「アメリカンショートヘアー型のヌイグルミ」が完成したとかで、ミライに着せに行っていた。

ミサトは何時もの如く遅刻をして未だ出勤して来ていなかった。この事により、更なる減棒が言い渡される

のだが、それは後の話。

そして、3時間後の午後1時にメンテナンスは無事に終了した。 この時点でも、ミサトは未だ現れていなかった。

そして、プライベートルームへ報告書を持って、マヤと日向が訪れた。

プライベートルームには、ユイ、キョウコ、ミライ、リツコにシンジ、アスカが居た。

ユイ、キョウコ、リツコは、新型のヌイグルミを着たミライで遊んでおり、シンジとアスカは、皆の昼食を作っていた。

「ユイ総司令、MAGIの緊急メンテナンス無事に終了しました。 問題はありません。」

「あら、ご苦労様。 お昼まだでしょ? 一緒に食べて行きなさいよ!

シンジ、昼食2人前追加ね♪」

「元々、準備しているよ!!」

「アタシ達に抜かりは無いわよ!!」

そう、リツコが来た時点で、マヤと日向の分の昼食も数に入れていたのである。

昼食は、アスカとミライのリクエストでハンバーグであった。 但し、ミライの分だけお子様ランチ風になっていた。

最初の内は、ミライも文句を言っていたのだが、色々な種類のおかずを食べれるとあって、文句は言わなくなった。

でも、嫌いなモノは渋々食べている様である。 これは、アスカも一緒である。

そして、昼食会。

ここに居る8人は、皆NERVの中心的人物であった。 なので、本来なら政治が如何こうだの、設備が・・・

と言う話になるのだが、その様な話になる事は一切なかった。

「シンジ、次は未だなの? 待っているんだから、励んで早く作りなさいよ!!」

「そうですよ、アスカちゃんも積極的に行かないと!!」

「母さん、キョウコさん! 昼食の席で言う事じゃないでしょ!!!」

「そうよ! ママも何を行っているの!!」

「良い事!! 今日から避妊したら駄目ですからね!!!」

「アスカちゃん、チャンと何回もおねだりするんですよ!!!」

「「・・・・・・・」」

「ユイさんもキョウコさんも、今言う話じゃないですよ。」

「りっちゃんも、使徒戦役終了後等言わないで、早く結婚しなさい!!」

「そうよ! 彼も待っているんでしょ?  自分の子供は良いわよ。」

「ですけど・・・・」

「そうだわ!! りっちゃんも避妊禁止ね♪」

「それは良い事ね♪ 出来ちゃえば、結婚するしか無いからね。」

「・・・・・・・・」

薮蛇を突っついたリツコであった。

「日向さん、このままだと・・・・」

「絶対にくるね、マヤちゃん」

「其処!! 何コソコソとしているの!!! 貴方達は何時結婚するの?」

「貴方達迄、使徒戦役終了後と言うんじゃないでしょうね!?」

「今はそれ処じゃないですぅ!!」

「そうですよ、僕は自分の仕事以外に、葛城作戦本部長の仕事迄しているんですから!!」

「・・・ミサトちゃんの分まで?」

「はい。 今日も未だ来て居ないんですから、机の上が書類で山になっているんです。」

「ユイ! ミサトちゃんは、減棒期間延長で良いかしら?」

「そうね、それに有休の削減もしちゃいましょう!! クリスマスと年末年始は、NERVに缶詰で決定ね♪」

「でも、それだと・・・レイとケンスケが同棲状態になるのでは?」

「構わないわよ!! ファーストと変態なら!! マナ板との争奪戦が楽しみよね♪」

「・・・アスカ・・・」

「アスカ、マナ板ってあの戦自の爆弾娘・茶髪マナ板?」

「そうよ! 転向して来て直ぐにケンスケに手を出そうとしているんだから。」

「ユイ!」

「判っているわよ、キョウコ!! りっちゃん、賭けをするわよ!!」

「賭けですか?」

「そうよ! 題して”変態ケンスケ争奪 レイorマナ板 どちらが落とすか!!”ってトコね。」

「アタシは、ファースト!! 同棲しているんだから当然よね。」(アスカ)

「じゃあ、マナ板ね。 積極的みたいだし。」(リツコ)

「私も、マナ板ね」(ユイ)

「私は、レイね」(キョウコ)

「私は、レイよ」(マヤ)

「僕は、マナ板かな・・・」(日向)

「僕は、両方に振られる」(シンジ)

「ミライは、パパといっしょ!!」(ミライ)

今迄ミライは、一生懸命自分のご飯を食べていた。

その時、勝手にモニターが映りだした。

其処には、キール率いるファンクラブ(ゼーレ)の面々が居た。

『儂の言った通りだろ!』

『本当だったか・・・』

『会長、あの姿も載せるべきですよ!!』

『そうですよ!! あれを表紙に使うべきだ!!』

挨拶もせずに勝手な事を言っている面々であった。

訳が判らなかったので、ミライを膝に乗せていたシンジが

「あの〜、キールさん。 何を話し合っているんですか?」

「おお! スマンスマン 実はな、ミライちゃんの写真集を総本部で作成する事になってな。1部1万で・・・

それで、写真を選んでおった処に、ヌイグルミ姿のミライちゃんが居ると聞きつけたので、確認しとる訳じゃ。」

「そうなんですか・・・・」

「シンジ君や、ミライちゃんのヌイグルミ姿の写真を送ってくれんかの?」

「写真なら、全部リツコさんが持っているけど・・・リツコさん、面倒ですけどキールさんに送って貰えないですか?」

「・・・ええ、良いわよ」

「有難う!! ワシらは編集作業に戻るので・・・サラバ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・ゼーレも変わったわね」

「ほんとね・・・・ まあ、誰にも迷惑をかけていないから良いんだけどね・・・」

会話に参加して居なかったアスカは、シンジの膝の上に座ってご機嫌の愛娘のミライを睨んでいた。

独占欲丸出しであった。 しかし、その視線を感じていながら、ミライはシンジの膝の上で甘えていた。

それもその筈、夜にシンジと一緒に寝ようとすると、ユイ&キョウコに止められて一緒に寝れないから、

こう言う時に大好きなパパにしっかりと甘えているのであった。

後で、しっかりシンジの膝の上で甘えるアスカの姿があった事を追記しておく。

 

そうして、シンジとアスカはミサトの分の仕事をしている日向の手伝いを始めた。

そして、日向の元に訪れた時に、如何にミサトがズボラであったかを再認識した二人であった。

優秀な三人掛かりでも全部を処理し終えるのには、3時間を要した。

尚、書類の山の下には、第3使徒サキエル戦の被害報告書が未決済で存在していた。

それを見た、三人は暫くの間現世から魂が居なくなっていた。

そうして・・・・

「何なのよ! あの年増の売れ残りは!!!

 全然仕事していないじゃないの!!! よく見れば、

 どれも直ぐに決済しないといけないのばかりじゃな

 いの!!」

「アスカの言う通りだね。 本当に駄目な人だね。」

「全く、君たちの言う通りだよ・・・あんな人が上司なんだもんな・・・」

日向が諦めた様に言った。

「でも、日向さん。 見方を変えると、何かあった時には、全て責任者のミサトさんに押し付ける事が

出来ますよ。」

「そうよ! 責任者のミサトに全部責任を押し付ければ良いじゃない!!」

そうして、この場は簡単に収まった。

 

そして、三人が書類と格闘していた時、実験場ではレイとケンスケを使ったダミープラグの実験が

行われようとしていた。

「一寸!! 何で裸にならないといけないのよ!!!」

「俺様は目の保養になるから良いけど・・・」

「変態は、目隠しを外すな!!!」

ドゴ!!

ケンスケは、裸のまま壁に激突して気を失った。

「レイ、変態を起こして、プラグへ入りなさい! コレは命令です!!」

リツコの冷静な命令が下った。

「嫌よ!! シンちゃんになら見せても良いけど・・・って、シンちゃんは何処よ!!」

「シンジ君は、アスカと日向君と一緒に、ミサトの仕事を片付けているわよ。」

「何で、シンちゃんがそんな事をしているのよ!!」

「優秀だからよ! 貴女と違って!!」

「・・・・く、だからって、私と変態のコンビじゃなくても良いじゃないの!!」

「暇な、チルドレンは貴方達しか居ないのよ!! シンジ君もアスカも色々と仕事があるんだから。

彼らは、大学卒業後にNERVへの就職が既に決まっているのよ! それも、高級幹部としてね。」

「じゃあ、私も高級幹部ね!!」

「無理よ!」

「何でよ!!」

「実力で第三大へ現役で入学・卒業出来たら、NERVへ就職させてあげるわ。 高級幹部は無理

だけどね。」

「・・・・・・・」

「判ったなら、早く叩き起こしてプラグへ入りなさい!!」

そうして、ケンスケの足を持ち引きずってプラグへ放り込んだ後、渋々自分のプラグへ入っていった。

 

『準備出来たわよ!!』

「マヤ、変態のプラグに電撃を掛けて起こしなさい!!」

「了解ですぅ♪ では、ポッチっとな♪」

そう言って、マヤは何の躊躇いも無く楽しそうに電撃ボタンを押した。

ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

「やっと、起きたわね! 試験を開始するわよ!!」

『何をするんだ!! このばばぁ!!!!

「マヤ、電撃をMAXで喰らわせなさい!!!」

リツコは、額に血管を浮き上がらせて言った。

そして、マヤは命令通りなんの躊躇いも無く再び押した。

ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

「良い事、今度言ったら改造するわよ!!」

『・・・・りょ・・・了解です・・・』

「なら、試験開始!!!」

リツコの一言で試験は開始された。

そして、3時間後・・・悪夢は始まった。

 

最初は小さなシミに見えた所が徐々に広がって、細菌サイズの使徒が目覚めた。

3日前の使徒にくっ付いて来たのが、NERV本部内への進入に成功したのであった。

そして、その使徒は僅かにATフィールドを放っている、実験場の模擬筐体へと向かっていった。

実験場では、ケンスケが模擬筐体を操っている所であった。

ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

行き成り、ケンスケが叫んだ。

「一寸、変態真面目にしなさい!! マヤ! 最大出力で電撃を与えなさい!!!」

「了解ですぅ♪ ポッチっとな♪」

そして、ケンスケは沈黙した。

「先輩♪ 変態は沈黙しました♪」

「これで、静かになったわね。」

そう、皆が思った時、MAGIの警戒音が響き渡った。

「何なの? 一体??」

コンソールを操作していたマヤが叫んだ。

「本部施設内にATフィールド反応発生!! パターン 青!! 使徒です!!!」

「何ですって!?」

「場所は・・・ここの模擬筐体です!!」

皆、模擬筐体へ目を向けた。

そこには、黒いシミに覆われかかっている筐体があった。

「テストプラグを地底湖へ排出!!  模擬筐体の爆破急いで!!」

そうして、プラグは地底湖へ排出され、筐体は爆破スイッチを押したが時既に遅く、使徒に乗っ取られて

しまっていた。

「・・・っく、全員退避!!! 退避後、この区画を閉鎖! マヤ、発令所へ急ぐわよ!!」

 

発令所

ユイ達が、リツコから状況の説明を聞いていた。

「現在使徒は、実験場に閉じ込めて居ますが、突破されるのは時間の問題だと思います。」

「細菌サイズの使徒か・・・シンジやアスカちゃんに頼れないわね・・・」

「そうね・・・取りあえず、レーザー照射で何とか成らないのかしら?」

「既に行いましたけど、ATフィールドに阻まれて効果なしです。」

「厄介な存在ね・・・」

その時、使徒を監視していた日向が、

「使徒、MAGIへのハッキングを開始しました!」

「マヤ、MAGIの状態は?」

「はい、メルキオ−ルがハッキングを受けています。

 バルタザ−ル、カスパ−は自己防壁を展開中」

「使徒が進化している見たいだね。」

「そうね・・・このままだと時間の問題ね。」

その時、ミサトの放り出してあった技術雑誌を読んでいたミライが、

「パパ、しんかのさいごって”し”なの?」

その一声で、ユイ、キョウコ、リツコ、シンジ、アスカが閃いた。

「そうよ! 進化の最後が死なら・・・」

「進化を促進してやれば・・・」

「自滅する!!」

「ハッキングを掛けているって事は・・・」

「コンピューターウィルスって事だから・・・」

「「「「「ワクチンプログラム!!」」」」」

そうして、シンジはミライを抱き抱え、頬ずりをしながら、

「ミライ偉い!! 流石、僕たちの愛娘!!!」

ミライは、何が何だか判らなかったが褒められている事が判ったので喜んでいた。

ユイは、手元にあった端末からカスパーとの会話を始めた。

最も、一方的にユイが打ち込んでいただけだが・・・

『カスパーのばあさん こんな時位役に立ちなさいよ!!

 ばーさんは用済み!!!

最後の一言で、MAGIに移植されていたナオコの人格が蘇った!!

『ユイ! 其処まで言うのならやってやろうじゃないの!!

 あんな使徒の一匹や二匹私に掛かれば赤子を捻る様な

  モノよ!!』

そうして、MAGI(ナオコ)の逆襲が始まった。

ユイ達は進化の促進での撃退を考えていたが、MAGI(ナオコ)は力押しのみでの殲滅を試みていた。

シンジ達は、する事が無くなり仕方が無く、ちゃぶ台を持って来てお茶を飲み始めた。

この時もシンジの膝の上を巡る戦いがアスカとミライとの間で起こっていた。

尚、この時持って来たちゃぶ台は、そのまま発令所の備品として置かれる事になった。

そして、1時間後・・・

MAGI(ナオコ)は、力技で使徒を殲滅したのである。 それも、只殲滅したのでは無く、使徒の力を

吸収しながら殲滅していたのである。

そして、主モニターに

『どう? ユイ! これでも”用済み”って言うの?』

と出ていた。

お茶を飲みながら、MAGIに付いての講義を受けていたシンジとアスカ、ミライは、MAGIの人格が

リツコの母親である事を理解していた。 そして、徐にミライが立ち上がり笑顔で

「リツコおねえちゃんのママ、おつかれさまでした。」

と苦労を労った。

『イエイエ・・・ユイ! あの可愛い子は誰??』

「あの子は、碇ミライ シンジとアスカちゃんの愛娘よ!

 そして、私とキョウコのよ!!」

『・・・・・ りっちゃん!! 貴女は未だ結婚していなの!!! 早く結婚してを作りなさい!!』

ここでも、結婚を催促されリツコであった・・・

『ユイ、キョウコ。 りっちゃんの結婚の面倒を見てあげてね。 このままだと売れ残りになりそうだから』

「判っているわよ、ナオコ!! 今日も結婚を催促しておいたから!!」

「そうよ、ナオコ!! 貴女の代わりにチャンと送りだしてあげるわ!!」

「母さん、売れ残りってミサトの代名詞を使わないでよ!! 私は、チャンと婚約者が居るんだから!!」

『なら、早く結婚して孫を見せなさい!!』

こうして、久しぶりの親子喧嘩が続いて行った・・・

 

レイとケンスケは翌日迄救出されなかった。その一番の理由は「忘れていた」であった。

ミサトは遂にこの日出勤して来なかった。 書類整理が嫌と言う理由で・・・

 

おまけ♪

とある部屋には、シンジ、アスカ、日向の他に作戦部の人間が居た。

「日向、いい加減あの酔いどれを降格させようぜ!!」

「そうだよ! 全然仕事してないじゃなか!!」

「シンジ君やアスカちゃんを頭にした方が、士気も高まるぞ!!」

「ちょっと、まってくれよ!!」

「なんだよ?」

「僕は、今のまま葛城さんを頭にした方が良いと思う。」

「何でだ?」

「昔から、部下の責任は上司の責任って言うだろ!」

「・・・?・・・だから?」

「何かミスったら、全部葛城さんに責任を押し付ければ良いんだよ!」

「・・・って事は、責任を取る為に頭に居るって訳か?」

「そうよ! 必要な時は、アタシやシンジが締めるから安心して。」

「そうだよ。 ミサトさんの仕事も僕たち三人で何とかするからさ。」

「それに、ミサトが責任を取って減棒にされても、誰も良心が痛まないでしょ?」

「確かに・・・三人の言う通りだな。」

「そうだな、いざと言う時の為に、神輿として担いでおくか・・・」

「だな」

そうして、作戦本部内でのミサトの立場が確立した。

シンジ&アスカが影のトップとして君臨する事には、誰も異論は無かった。

 

つづく

 

後書き

遂にナオコ迄出てきてしまった・・・ゲンドウと加持は、南極から未だ戻って来ないし・・・

青葉は・・・出す機会がない・・・まあ、良いか♪ 話に問題は無いし!!

では、次回!


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