これもまたEVA?

第弐十弐話 過去

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大破された四機のEVAの修理が終わり、待機任務から開放されたアスカとシンジ。

久しぶりに、学校へ来ていた。

「久しぶりの学校だね。」

「そうね、待機任務でNERVに篭っていたからね・・・」

シンジとアスカは腕を組みながら教室へと歩いて行った。

 

2−A教室

未だ、時間が早い事もあって登校している生徒は未だ少なかったが、委員長のヒカリは既に登校しており、委員長と

しての仕事をこなしていた。

「おはよう、ヒカリ♪」

「おはよう、洞木さん。」

「あ! アスカに碇君!! 久しぶり!! 今迄如何して居たのよ?」

「NERVで待機任務に付いていたんで、来れなかったんだよ。」

「そうなの、四馬鹿達の機体の修理が終わる迄は、来れなかったのよ。」

「あれ? その四馬鹿カルテットも来ていなかったわよ。」

「「へ??」」

「何でよ!? アタシ達が待機任務に入っていたんだから、来ている筈でしょ? 囮以外に使い道が無いのに・・・」

シンジは暫く考えていたが

「アスカ、多分ジオフロントに居たと思うよ。」

「ジオフロント? 何でよ!!」

「家庭菜園だよ。 ほら、ミサトさんに給料を没収されて食料を調達する為に作っていたじゃないか。」

「そう言えば、そんなモノもあったわね・・・ でも、出席日数は大丈夫なのかしら?? アタシ達は公欠扱いだけど・・・

 アイツラはサボりだろうし・・・」

「多分、無理じゃないのかな? 成績も足りないし・・・」

「まあ、アタシ達に迷惑が掛からなければドウでも良いんだけどね。」

「そう言う事だね。」

 

そうこうしている内に、昼休み

お弁当は、天気が良かったので屋上で3人一緒に食べていた。

「ねえ、アスカ。 前から聞きたいと思っていたのだけど・・・」

「何? ヒカリ」

「アスカと碇君ってラブラブなのは良いんだけど、何処でどうやって知り合ったの?

 碇君は第2新東京市で育ったんでしょ? アスカは、ドイツだし・・・」

「そう言えば、言った事無かったわね・・・」

「そう言えば、そうだね。 僕も言った事無かったな。」

「でしょ。 良ければ教えてくれない? 参考に」

「参考? まさか、ヒカリも彼氏が欲しいの?」

ヒカリは、真っ赤になりながら頷いた。

「そうか・・・ヒカリもやっとか・・・もしかして初恋も未だって事は無いわよね?」

アスカは、少し意地悪をしてみた。

「初恋は終わったわよ。 四馬鹿の鈴原よ。 碇君が来る迄は、結構まともに見えたのよ・・・でも、ドンドンと変な

 トコしか見えなくなって行って・・・止めは、空母の上で息子をさらけ出している写真を見たからよ・・・」

「息子??」

アスカは、空母での出来事を思い出していた。そして、思い出した。

「あ! あの情けない息子ね。 確かにアレだと、満足出来ないわね。 シンジのモノは比べ物に成らない程大きいんだから!」

シンジは顔を赤くしながら、アスカに言った。

「アスカ、何も言わなくても良いじゃないか!!」

「本当の事じゃないの! 嘘は言っていないわよ!!」

ヒカリは、顔を赤くしながら聞いていたが、

「ねえ、アスカ。 それより、出会いの話は?」

「あ! そうね・・・もうお昼休みも無い事だし、帰りに家で話してあげる。 一寸、長くなるからね。」

そうして一向は、教室へと戻って行った。

 

そして、放課後

三人は、車の前で佇んでいた。

「この車・・・二人乗りよね?」

「そうね・・・」

「如何しよう?」

「歩くと20分位よね・・・」

「そうだね」

「じゃあ、シンジ。 車で帰ってお茶の準備をしておいてよ。 アタシは、ヒカリと歩いて帰るから。」

「了解。 お茶菓子は何時もので良いんだよね?」

「うん、宜しく♪」

そして、シンジは車で帰って行った。

「じゃあヒカリ、行きましょう。」

「そ、そうね」

ヒカリは、好きな人と同じ様な関係を築きたいと思っていた。

 

碇・惣流邸

「ただいま♪」

「お邪魔します。」

「お帰り、アスカ。 いらっしゃい洞木さん。 お茶の準備は出来ているよ。」

笑顔で出迎えたシンジ。

だが、アスカは不機嫌であった。

「シンジ! 何時もの!!」

「アスカ、洞木さんが居るんだよ?」

「でも、何時もの!!」

見かねたヒカリが

「碇君、私に構わないで、アスカの言うことを聞いてあげて。」

「ほら、ヒカリもそう言っているんだから。」

シンジは仕方が無いと言う顔をして

「アスカお帰り」

と言うと、キスをした。

「やっぱ、帰って来た時はシンジのキスが無いと、帰って来たと言う気にはなれないわ。」

ヒカリは、顔を赤くしたまま俯いていた。 心の中では、気を許した自分が馬鹿だったと嘆いていた。

そして、アスカも普段着に着替えて来た時には、紅茶の準備が全て整い話しが出来る体制になった。

「じゃあヒカリ、アタシとシンジの出会いの事だったわね。」

「ええ、お願い。」

アスカは、一口紅茶を含み喉を湿らせてから話し出した・・・

 

あれは・・・2010年のハンブルグ第2空港の事だったわ・・・

アタシは、当時ドイツ支部勤務だったミサトが本部へ移動となると言うから、空港迄見送りに行ったの。

当時のアタシにとっては、ミサトでも掛替えの無い知り合いだったから・・・あの時のアタシは、勉強と訓練に明け暮れて

いたわ・・・そのお陰で天才の名を貰えたんだけどね。

当時のNERVは、敵が多くてアタシの周りにも常に数十人の警備が付いていたわ。

空港でミサトと別れたらまた一人ぼっちになるのかと、前の日の夜は人知れずに泣いたモノだったわ。 最も、それは

杞憂に終わったけど。

朝、ミサトにあったら完璧に酔っ払っていたわ。 千鳥足で歩いていたしね・・・

そんな状態だったから、誰それ構わずに喧嘩を吹っかけていたけど・・・

そして、ミサトは一番危ないヤツに喧嘩を売り、KOしたの。

相手は、反NERV組織のトップだったわ。 ミサトは、そいつが昏倒している内に搭乗して、日本に向かって飛び立ったわ。

後で聞いたけど、機内でも暴れたらしく、日本に着くまで簀巻きにされていたらしいけど・・・

だけど、アタシ達はミサトがそんなヤツを昏倒させていたなんて知らなかったから、暫く空港に居たの。 丁度、日本から

武術教官が到着する予定だったから、一目見てから帰ろうと思ったのよ。

そして、日本からの飛行機が到着した時に悲劇は始った・・・

反NERV組織が、アタシ達を攻撃して来たの・・・アタシ達も反撃したけど、相手の人数が多かったのと、不意打ちを受けた

のが効いて、護衛はドンドンと数を減らしていったわ・・・そして、数十人居た護衛も残すトコ後3人になった時に、シンジが

現れたの。 シンジは、アタシ達がNERVの人間だと判ると、直ぐに敵に向かって駆けて行ったわ。 百数十人も居る敵に

向かって。 アタシ達は、殺されると思って見ていたけど、その予想は良い方に外れたの。 シンジは、敵と接触するや否や

次々と倒していったわ、それも素手で。

余りにも流れる様な動きをしていたから、アタシは戦場であるにも関わらず見入ってしまったの。

気が付けば、5分と経たずにシンジは一人で叩き伏せたのよ。 そして、アタシの方に近寄って来ると、笑顔で

「大丈夫ですか? 怪我は無い?」ってドイツ語で言って来るから驚いちゃって、返事が出来なかったわ。

でも、直ぐに自我を取り戻して

「アンタ誰? 何で簡単に全滅さす事が出来るのよ!? NERVの保安部ですら大半が倒されたと言うのに!!」

シンジは、軽く微笑みながら

「僕の名は”碇 シンジ” 神威流の者です。 この度、NERVドイツ支部で、武術教官をする事になっていますけど。」

アタシは、驚いたわよ。 アタシと同い年位の男の子が新しい教官と言う事に。 アタシも武術教練を受けていて、

そこら辺の兵士には負けない位の腕前だったけど、先刻のシンジの動きが追いきれなかったんですからね。

「一寸! 何で、アンタみたいな子供が武術教官なのよ!? 神威流でも最強と呼ばれる人が来るんでしょ?

 アンタは、その人の代わりなの??」

「僕が、神威流最強の称号である”守護天使”の名を受け継ぎました。 先月に、先代を倒しましたから。」

「・・・・・・・・・・・・・・」

アタシは、驚いたわよ。 目の前に居る、この男の子が神威流最強って言うんだからね。

でも、落ち着いて考えてみても、酒飲みでズボラでガサツでも格闘センスは超一流のミサトですら、神威流の高位の者に

瞬時に倒されていたから、半ば信じられなかったわ。 レベルが違いすぎて。 そうしたら、シンジは

「建物を壊すとイケなかったし、寝起きで体が本調子じゃなかったから、こんなモノかな・・・」

って呟いたのよ。 あの時はホンと驚いたわよ。

でも、保安部の人が確認を取ってくれたから直ぐに本当の事だと判って、動ける者だけでNERVドイツ支部へ向かったわ。

当時、最重要人物だったアタシの安全を守る為にね。

支部に戻ってからも凄かったわよ。 空港であんな事があったから、武術教官の腕を確認するとかで、支部中の腕自慢が

掻き集められて、シンジを試したの・・・ 結果は、シンジの圧勝。 皆、意識を刈り取られて、地面に伏せていたわ。 シンジは

汗一つかかずに息も切らせないで・・・丁度、その時に空港で襲って来た連中が、支部を襲ってきたわ。 保安要員の数が減って

いる間に落とそうと考えた訳よ。 当然、上層部は大慌てよ。 動ける者は皆銃を持って、応戦しようとしたんだけど、シンジが一人

外に出て行ったわ。 アタシは、発令所のモニターで見ていたんだけど・・・凄まじいの一言だったわ。

シンジが攻撃を仕掛けると、必ず人が宙を舞っていたわ。 でも、歩兵だけでは突破が難しいと思ったのか、連中は装甲車を繰り出して

来たの。 でも、シンジはそれに動じる事も無く敵の数を減らして行ったわ。 そして、敵が車両だけになった時、アタシは初めて神威流

の力を見たの・・・シンジは、素早く動いて敵の車両が一直線に重なる位置を探し出すと、「口伝絶命技空牙」を繰り出したの・・・

空牙の威力を見てアタシは、恐ろしく感じるのと同時に頼もしく感じたわ。 だって、こんな力を持っている人が見方に居るのなら、今迄

以上に安全って事ですしね。 そして、アタシ自身も空牙を使いこなせたいと言う気持ちが溢れて来て、シンジの指導を受ける事にしたの。

その日の晩に、シンジの歓迎会と祝勝会が開かれたから、アタシはシンジに色々な事を聞いたわ。 生い立ちや、訓練に付いて・・・

話を聞いているウチに、ママ同士が親友であった事や、シンジがアタシと同じくらいの学力を持っていると言う事も判ったの。それに、

日本に彼女が居なかったって事も。(マナは男として認識されていた為) それからは、シンジに神威流を教えて貰ってアタシがシンジに

勉強を教えてあげていたの。アタシは、元々訓練をしていたと言うのと、潜在能力の高さ、シンジの教え方の上手さと色々な要素が混

ざって、乾いた砂が水を吸い込む様に上達して行ったわ。 シンジの学力も伸びて行って、翌年には一緒に大学へ入学したの。

その頃になると、シンジと一緒に住んで一緒に大学に行って勉強して、一緒に訓練してと言う楽しい生活を送っていたわ。 シンジが

来る前は、一人寂しくしていた事だったけど、シンジと一緒なら何でも出来たわ。

シンジと一緒に暮らし始めた時に、色々と文句を言って来る人が居たわ。 警備の問題とか言っていたけど、支部でシンジ以上の使い手

は居なかったから問題は無かったけど。 でも、反対していた連中の大半は、ショタのケのある女子職員達だったわ。

流石のアタシでも、成熟した女性の色香には適わないから、シンジの気を引くのに大変だったわよ。 でも後で聞いたら、「綺麗なお姉さん

達」と言う印象しか無く、好きなのはアタシだけって言ってくれたの。で、嬉しくなってシンジに初めてを上げちゃったの♪

その時出来た子供が、ミライよ。 アタシの妊娠が発覚してから大変だったわよ。 支部全体に情報規制が引かれて、本部にまで嘘の

報告をしていたんですから。 で、ミライが生まれてからも大変だったわよ。 とある組織は、趣旨を変えてミライのファンクラブになったし、

ママも復活しるわで、大変だったわ。 でも、そんな中でも大学院に通って博士号を取る事も出来たし。

ママが復活した後は、ママがミライの面倒を見ていてくれたの。 と言うか、ミライをアタシに返してくれなかったわ。

でも、一番最初に懐いたのはシンジにだったけどね。 悔しいけど・・・

 

アスカは、此処で再び紅茶を飲んだ。

「って事だけど、参考になった? 秘守事項が結構あるから、判り辛いトコがあったと思うけど・・・」

「凄い出会い方をしているのね・・・でも、碇君が”守護天使”の称号を持っていたなんて・・・」

「まあ、僕は四歳の時に父に捨てられたからね・・・その時に拾ってくれたのが、神威流の総帥だったんだけどね・・

 それから、高位の人達に特訓をさせられ、道場に来ていた大学生に勉強を教えて貰っていたからかな?」

言い終わってから、シンジは皆に紅茶のお変わりを注いだ。

「しかし、碇君ってアスカ一筋なのね・・・」

「だって、こんなに綺麗で可愛い奥さんなんだから、浮気する必要も無いでしょ?」

「それもそうね・・・」

アスカは、当たり前の顔をして紅茶を飲んでいた。

ヒカリは、気分を落ち着けようと辺りを見回した。

「ねえ、アスカ。 こんなに広い家に住んで、家賃は高くないの?」

「家? ここは、シンジ名義の家(部屋)よ。 賃貸じゃなく持ち家よ。」

「え!? こんなに広い家(部屋)を持っているの!?」

「だって、アタシとシンジの給料を合わせると軽く月に2千万を越えるのよ。 それにママ達やミライの給料を合わせると

 月に5千万位かしら? それ以外にも株とか資産運用をしているから・・・幾ら位になるのかしら? アタシが日本に来た

 時で、シンジだけの資産で55億近くあったし・・・」

「アスカ達って凄いお金持ちなのね・・・」

「そう言えば、シンジの実家もお金持ちよね。」

「確か、母さんがそう言う事を言っていたけど? 僕には関係ないよ。」

ヒカリはアスカ達を羨ましくなったが、先程の話や今得体の知れないモノと命がけで闘っている事を思い出し考え直した。

そんな事をしている内に、夕食の支度を行う時間になったので、ヒカリは帰って行った。

ヒカリは帰り道で、自分もアスカみたいに自分を守ってくれる様な人を探すことを決意していた。

 

その頃、NERV本部

ユイ・キョウコ・ミライは、お腹が空いたので帰宅していた。

発令所には、ミサト一人が留守番していた。その時

各国のNERV支部より緊急入電が入って来たが、面倒だったのでミサトはその入電を消去してしまった。

これが後々に大変な事になるのだが、それは後日。

 

つづく

 

後書き

みゃぎです。

ようやく、終わりが見えて来ました。

次回は、アラエル戦です。未だ何も考えていません。

誰が精神汚染を受けるのでしょうか? それすら考えていません。

では、次回!!


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