これもまたEVA?

第弐十六話 侵攻

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NERV本部では、使徒の進入を許した事により警戒レベルが上がった。

ゲートや通風口には、数倍の人員が配備されていた。 その上、重火器も配備され防御力は格段にアップしていた。

又、IDも全て新しくし今迄のIDでは入って来れない様にしていた。

ミライは、畑仕事も出来ずに瑠璃と一緒にプライベートルームで遊んでいた。

 

発令所では、ミサトや加持、四馬鹿の追跡や戦自の行動を監視していた。

リツコは、早い段階で戦自のコンピューターを支配下に置いていたが、何も情報は得られなかった。

シンジとアスカは、今迄の戦自の動きを見ていた。 その時に、不自然なモノを見つけた。

「母さん、これは!?」

「何? シンジ!?」

「戦自の動きだけど、連絡機が大量に飛び回っているよ。 多分、時間が掛かるけど、オンラインでは無く、書面で

 命令を下していたと見るべきだね。」

「それなら・・・既に出撃準備は・・・」

「終わっていると見るべきだね・・・連絡機の動きや部隊の移動・訓練から察するに・・・近日中に攻めて来ると思う。」

「戦力は・・・機甲師団を中心に、空挺旅団・・・それに、航空部隊ね・・・」

「・・・多分、それと一緒に量産機が来る・・・」

「量産機? 戦自が盗んだと言うの!? でも、パイロットは・・・まさか!?」

「そう、そのまさかだよ。 トウジ、ケンスケ、綾波、マナ板・・・彼らだよ。」

「でも、シンジ。 それだと後5機は??」

「それが、問題なんだけど・・・」

ユイとキョウコ、シンジ、アスカの4人は、乏しい情報で考えていた。 その時、MAGIの点検をしていたマヤが叫んだ。

「ユイさん、大変です!!」

「何、マヤちゃん?」

「葛城さんが、ダミープラグの情報を全て持ち出しています!!」

「何ですって!? ダミープラグのデーターを!?」

ユイとキョウコは最悪の事態を覚悟した。

「ママ、ダミープラグって何?」

キョウコはユイと顔を見合わせてから説明を始めた。

「ダミープラグは、当初パイロットが居なくても起動出来る様に計画されたモノなの・・・でも、出来上がったモノは・・・

 誰でも起動出来る代物になってしまったの・・・もっとも、パイロット無しでも動くことは出来るけど、鈍いわよ。

 でも、それが知れ渡るとEVAを狙う組織が増えるから、封印したモノなのよ・・・」

「って事は、量産機が9機襲って来るって事!?」

「そうなるわね・・・」

「となると・・・シンジとアスカちゃんだけだとキツイかも・・・」

「でも、ダミープラグのデーターは失われているから、参号機や四号機は使えないわよ・・・」

シンジは、気になっていた量産機のデーターを聞いた。

「母さん、量産機の正確なデーターを出して!」

そして、近くのモニターに量産機のデーターが映し出された。

シンジとアスカはそのデーターを食い入る様に見ていた。

「シンジ、S2機関の出力は低いね。 初号機や弐号機の6割ってトコね。 これに四馬鹿が乗るのなら

 問題無く亡き者にしてあげれるわ!!」

「確かに・・・でも、ミサトさんも逆恨みをしていたからな・・・ま、まさか!!

 日向さん、NERV本部の人間で誰か居なくなった人は居ませんか!?」

「一寸待ってくれ、今検索を掛ける。」

「如何したって言うのよ、シンジ!?」

シンジは、信じたく無いと言う様な顔をしていた。

「もしかしたら、量産機が盗まれたのは内部の人間が関与しているかもしれない・・・

 前回の使徒は、その人間に頼まれてパイロットを集めていたのかもしれない。」

「まさか・・・でも、それなら四馬鹿を選んだのも納得が・・・」

全員は、信じられないと言う顔をしていた。 そして、この時は首謀者の顔が思い浮かばなかった。

だが、検索が終わり日向が叫んだ。

「検索の結果、青葉シゲルと・・・六分儀元総司令の行方が判りません!!」

その結果を聞いたユイが叫んだ。

「何ですって!!! ゲンドウさんが!?」

「父さんなら、量産機やダミープラグの情報を知っているね・・・」

「それに、ミサト、加持さん、四馬鹿・・・にロンゲだっけ? 繋がっているわね。」

「皆、逆恨みしている人達だわ・・・」

「ゲンドウさんが・・・戦自に情報を売ったと言うの・・・・」

「母さん」

「ユイさん」

「ユイ」 

三人は、ユイの事を心配したが・・・

「ふふふふ・・・裏切ったのね・・・・絶対に許して成るもんですか・・・」

「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」

殺気を撒き散らし、青白い炎を纏っていた。

「母さん・・・」

「じゃあ、ここに侵攻して来るのは、戦自と逃亡した8人!?」

「量産機は9機だね。1機はダミープラグで・・・」

「・・・シンジ」

殺気の篭った声で呼ぶユイ

「なっ何かな? 母さん」

「良い事、量産機は全て殲滅しなさい!!

 絶対に情けを掛けたら駄目よ!! 

 二度と刃向かう気にならない様に徹底

 的に恐怖を叩き込んでやりなさい!!」

「りょ、了解。」

その時、リツコが走って来た。

「ユイさん、政治家と戦時の上層部の弱みを掴みました!! 何時でも脅す事が出来ます!!」

「りっちゃん有難う。」

「でもシンジ君、白兵戦や量産機対策は大丈夫だけど、航空部隊対策は?」

シンジは、自信満々にモニターを指差し言った。

「大丈夫ですよ。 アレを見て下さい。 この間連絡を入れて置いたんです。」

モニターには、新横須賀港に向かっている国連軍太平洋・大西洋両艦隊が映っていた。

「流石シンジ君ね。 抜かりは無い様ね。」

 

ここで、お昼になったので上層部はプライベートルームで、シンジの手作りハンバーグを食べていた。

この時、何時もならシンジの膝の上に来るミライが、瑠璃と一緒に楽しそうに食べているのが見られた。

ユイとキョウコは、それを大事そうに見ていた。

アスカは、シンジに食べさせて貰って居た・・・

 

某所

ここでも、出撃前の最後の調整が行われていた。

「さあメシや!メシ!!」

「しかし・・・何時も幕の内弁当だけだな・・・」

「食えへんよりましや!!」

「確かにな・・・」

「一寸! サラダは食べないでよ!!!」

「そうよ!! サラダは女子専用よ!!」

「早いもん勝ちや!!」

「何を言うのよ!!」

「そうよ!! アンタなんか余り物で十分よ!!

ここでは、食べ物を巡っての戦いが絶えなかった・・・

それを尻目に、自分の弁当を食べている者もいた。

そして食べ終わって寛いで居る時に、徐にゲンドウが話しだした。

「諸君、君達は現NERV体制に不満を持つ身である。 その事で言えば、我々は同士だ。

 いよいよ明日、NERV本部を戦自と一緒に叩く・・・この作戦が成功したら、今迄見下していた連中を逆に

 見下す事も出来る。 明日は、仲間内で争わずに協力して目的を達成して欲しい。

 ・・・向こうにもEVAがあるが、動かせる事の出来るのは初号機と二号機のみ。 ダミープラグに関する情報は

 ここに居る葛城君が全て処分して来ているので、この二機を倒せば我々の勝ちは確実となる・・・

 それなりに苦戦すると思うが、個々に取り囲み撃破していけば十分に勝機がある。

 今日は、十分に休んで英気を養って欲しい。 以上だ。」

だが、準備が整っているのなら直ぐに侵攻すべきである。 時間が掛かればそれだけ反撃の準備が整ってしまう。

それで無くても、防御が強固なNERV本部である。

だが、誰もその事には気が付かずに、近い将来の事を夢見て居た。

 

その頃、NERVでも警備部隊を除いて、英気を養っていた。

ミライは瑠璃と一緒にプライベートルームで遊んでいた。

シンジとアスカもまたプライベートルームで寝ていた。

ユイとキョウコは、発令所でお茶を飲んでいた。

NERVでは、既に迎撃体制を整えて敵が攻めてくるのを待っていた。

第三新東京市の住人は、既に避難を完了しており、迎撃の際に犠牲になる事は無かった。

又、今第三新東京市に居るのは、敵と言う事になるので、先遣隊を捕らえるのも容易であった。

そして、運命の朝を迎えた。

 

シンジと刹那は、本部内のラウンジに居た。

「来るとしたら、今日だな」

「そうだな・・・激戦になるな」

「戦自は任せたぞ。」

「おう、シンこそやられるなよ!! って最強のお前に言う台詞じゃないけどな。」

「イザとなったら、”神殺”を使うよ。 周囲に被害が及ぶから使いたくは無いけど・・・」

「相変わらずだな・・・それより、礼を言わないといけないな。」

「おいおい、何だよ行き成り!?」

「瑠璃の事だ。 第二に居た時は、アイツは一人ぼっちだったんだ・・・周りに同い年の子が居なかったからな・・・

 それが此処に来てから、年相応の笑顔が出来る様になった。 兄としては嬉しいんだよ。」

「その事なら、こっちも礼を言わないとイケナイな。 ミライもだよ。皆、ミライの事を大事に扱ってくれるけど、ミライと

 同年代の子は居なかったからね・・・瑠璃と会う前は僕以外の男には興味が無かったからね・・・」

2人は黙ってコーヒーを飲んだ。

「さて、そろそろ戻らないと奥さんが起きてしまう。」

「愛妻家だな・・・」

「お早うのキスをしないと、拗ねるんだよ。」

「羨ましいな」

「これが終われば、洞木さんに告白するんだろ? 前もって言えよ、アスカを抑えておくから。」

「その時はよろしく。」

シンジと刹那はラウンジを出て行った。

 

プライベートルーム

シンジは、アスカとミライの寝顔を見ていた。

「この幸せそうな寝顔を守る為に、僕はあえて鬼神になろう。」

そう、決意を新たにした時に、アスカが目覚めた。

「お早う、アスカ。」

「お早う、シンジ♪」

そう言うと、シンジはアスカにキスをした。

アスカは嬉しかったのか、顔が溶けていた・・・

ミライも目が覚めた。

「パパおはよう♪」

「お早う、ミライ。」

「パパ、ミライにもキスしてよ!!」

「駄目よ! シンジのキスはアタシだけのものよ!!!」

「ママのよくばり!!」

その時、ユイとキョウコも起きて来た。

「お早う、シンジ」

「お早う、シンジ君」

「お早う御座います。」

キョウコは、悪戯心でシンジの頬にキスをした。

それを見たアスカは、髪が逆立ち

「ママ、シンジに何をするのよ!! シンジにキスして貰って良いのも、して貰うのもアタシ一人だけよ!!」

「アスカちゃん、独占欲が強いわね・・・家族のスキンシップよ。目くじら立てる事も無いじゃないの・・・」

その言葉を聴いた、ユイとミライもシンジの頬にキスをした。

だがその行為は、余計にアスカの怒りに油を注いだ・・・

「何してんのよ!!! シンジにキスして良いのはアタシだけって言ったでしょ!!」

「スキンシップよ。 家族の」

「そうそう、ママだけはずるいもん!!」

アスカは、更に言い返そうとしたが、口を押さえて洗面所へと駆け込んだ・・・

残された三人は、一瞬あっけにとられたが直ぐにアスカの後を追った。

「アスカ大丈夫?」

「アスカちゃん、どうしたの?」

「アスカ!?」

「ママ?」

アスカは指で何かを計算していた・・・計算が終わったら今度は顔を青くしてシンジに言った。

「・・・シンジ、如何しよう?」

「如何したの? 顔が青いよ?」

「・・・赤ちゃんが出来た。」

「へ?」

「アスカちゃん本当なの?」

「アスカ本当なの?」

ユイとキョウコは真剣な顔をして詰め寄った。

「2ヶ月・・・月のモノが未だ来ていないし・・・検査は未だだけど・・・」

「今すぐに検査を受けさせないと!! キョウコ!!」

「判っているわ! 医療部へは連絡しておくわ。 アスカ! 直ぐに医務室へ向かって!!」

アスカは、シンジに付き添われて医務室へと行った、

検査の結果は、予想通り赤ん坊を身ごもっていた。

そうして、2人はプライベートルームへと戻っていった。

「ママ、アタシ身ごもっていた・・・」

シンジとアスカは、決戦を前にコの様な事態に陥ってしまった事で怒られると思い覚悟していた。

「アスカちゃん、良くやったわ!!」

「もう一人孫が出来るなんて・・・ 今度は、チャンと育てられるわ♪」

「・・・あの〜決戦を前にこんな事が発覚したのに、何故にそんなに浮かれていられるの?」

「ん? 量産機の事? それなら、シンジ!! 貴方一人で殲滅しなさい!! 

 アスカちゃんは、出しません!!」

「そうよ、妊婦は安静にしていないと!! コレは総司令と副司令からの命令です。」

「アスカちゃんは、プライベートルームでミライと瑠璃ちゃんの相手をしている事!! 反論は許しません!!」

アスカは、反論をしようとしたが、ユイとキョウコの氷の様な視線に遮られていた。

その事に気が付いたシンジは

「アスカ、あんな連中に僕がやられると思う? アスカは安心して此処でミライや瑠璃の相手をしていて。

 アスカの戦いは、元気な子を産むことなんだからね。」

「シンジ・・・アタシを未亡人にしないでよ!! 必ず生きて帰って来て。」

シンジはアスカを抱きながら

「当然じゃないか、ミライも居るし未だ見ぬ我が子も居る・・・そして、最愛のアスカが居るんだから、絶対に負ける

 訳が無いよ。」

アスカは、シンジのその言葉で落ち着いていた。

その時、本部全館に警報が鳴り響いた。

「警報!? 来たのか!!」

「シンジ、初号機で待機!! キョウコ発令所へ急ぐわよ!!」

「アスカ、ミライと瑠璃を頼んだよ。」

「シンジこそ負けんじゃないわよ!!」

「大丈夫だよ、僕にはアスカと言う名の勝利の女神が憑いているんだから!!」

そう言って、三人は駆け出した。

残された三人は、モニターで戦況を見守っていた。

 

発令所

発令所では、状況の確認と迎撃準備に追われていた。

「日向君、状況は?」

「戦自が第三新東京市への進行を開始しました!!」

「EVA量産機と思われる物体の移動も確認!! 現在、偵察衛星での確認を急いでいます。」

「やはり来たわね。 兵装ビルは射程に入り次第、逐次射撃開始!! 国連軍両洋艦隊へ連絡し、戦自の航空機部隊の

 殲滅を要請!! 神威流は暫く待機してもらって!!」

「ユイ、勝てると思う?」

「キョウコ、愚問よ!! アタシ達の息子のシンジが居るんだから負ける訳ないわよ!!」

「そうね、愚問だったわね。」

 

戦自

前線指揮所には、攻撃部隊長やその参謀が居た。

「状況は?」

「現在、各部隊とも攻撃開始位置へ着きました。 何時でも攻撃開始が可能です。」

「では、今すぐに攻撃開始!! 本部へ連絡してNERVの中枢コンピューターMAGIへのハッキングを開始させろ!!」

「了解!!」

通信兵が休む間も無く連絡を取り出した。

 

攻撃部隊は、攻撃開始命令を聞いた所から進撃を開始した。

戦車部隊の進撃が開始され、第一目標である兵装ビルを照準に捕らえた時、逆に兵装ビルからの反撃にあった。

 

発令所

「戦自戦車隊進撃を開始!! 兵装ビルでの反撃を開始!!」

「対人センサーに反応あり!! 敵は、山岳部より特殊部隊を進行させています!!」

「レーダーに反応あり!! 戦自の航空機部隊です!!」

「MAGIへのハッキングを確認!! でも、MAGIは逆にハッキングしてしまいました。」

逐次変わる戦況を報告するオペレーター達

「国連両洋艦隊より連絡!! 迎撃機及び爆撃機の発艦を終了!! 制空権確保迄頑張って欲しいとの事です。」

「敵の後方20kmの地点に量産機9機確認!! こちらに向けて時速20キロで進行中!!」

「って事は、遅くてもあと1時間で来る訳か・・・」

「戦自特殊部隊200名、市街地へ侵入!!」

「神威流に連絡!! 特殊部隊の殲滅を急がせて!!」

 

市街地では、戦自とNERV武装保安要員との銃撃戦が繰り広げられていた。

其処へ刹那率いる神威流の使い手が合流し、ものの10数分で特殊部隊を殲滅した。

 

「国連両洋艦隊の艦載機と戦自航空機部隊との空戦が開始されました! 攻撃機は。そのまま第三新東京しへ

 向かっています。攻撃目標は、戦自戦車部隊だそうです。」

「・・・ユイ、何か違和感があるんだけど・・・」

「キョウコも? 一応念を入れて置きますか。 日向君、館内チェックをお願い。」

「了解しました。」

そして、館内のチャックを開始すると、第25通風口に異常が見つけられた。

「大変です!! 第25通風口に異常が発生!! カメラ及びセンサーが死んでいます!!」

「やられたわね・・・全館に迎撃警報発令!! トラップを全て作動させて!!!」

「ドレだけの人数が入り込んだのかしら?」

「・・・あれ? 第25通風口って・・・ミサトカレー貯蔵庫への一本道じゃなかったけ?」

「そう言えば・・・日向君、ミサトカレー貯蔵庫の様子を映して!!」

映し出された、ミサトカレー貯蔵庫には、既に屍と化した戦自の隊員の姿があった。

「可哀想に・・・進入した先があんなトコなんて・・・」

「一応、入り口は硬化ベークライトで固めておいて!!」

その後も、戦自の隊員は自らミサトカレーの海へと落ちていった。

 

「戦自の航空機部隊の殲滅を確認!! 制空権を確保しました!!!」

「空挺部隊の乗った輸送機の撃墜を確認!!」

「これで、随分と楽になったわね。」

衛星からの映像を見ながらユイが言った。

「でも、そろそろ量産機が来るわよ」

「シンジ! 出撃!! 量産機が来るまで、戦車等の車両を潰しておいて!」

『了解!! 初号機出ます!!!』

そうして、シンジが出撃した。

 

初号機

「さて、戦車隊でも潰しに行こう。 僕達の未来を奪おうとする連中にはそれ相応の罰を受けてもらわねば。」

そう言うと、シンジは戦車を一台一台踏み潰して行った。

 

神威流強襲部隊

刹那率いる神威流の面々は、戦自の野戦指揮所への強襲を掛けていた。

不意を着かれた戦自は、まともな反撃も出来ずに全滅した。

そうして、指揮所をやられた戦時は連携した作戦が取れずに各個に殲滅されて行った。

 

シンジが最後の戦車中隊を殲滅した時には、NERVの武装保安要員も神威流の面々も全員、ジオフロントへ退避していた。

 

そして、初号機のレーダーが9機の量産機を捉えた。

「さて、あの9機を仕留めれば僕達の勝利だ!」

その時。発令所から連絡が入って来た

『良い事シンジ!! 私達NERVに楯突く

 事の愚かさを体で味あわせてあげなさ

 い!!』

『シンジ君、裏切り者には死を!!!』

『シンジ、負けないでなんて言わないわ!

 必ず殲滅しなさい!!良い事、情けな

 んか掛けるんじゃないわよ!!』

『パパ、がんばって!!』

その通信を聞いたシンジは、気合を入れなおして9機の量産機と対峙した。

 

『シンジか・・・俺様が仕留めてやるぜ!』

『ワイのメシの為に死んでもらうで!!』

『『甘い新婚生活!!』』

『ふふふ・・・わたしのえびちゅの為に死んで貰うわ』

『シンジ君、君が死んだ後はアスカの面倒(夜)は俺が

 責任を持っあげよう』

『もっと出番を!!』

『ユイとミライを我が手に!!』

『・・・・・』

勝手な事を言う量産機のパイロット達・・・

だがシンジは、そんな隙も見逃さずに量産機の一機に攻撃を仕掛けていた。

「口伝絶命技 霊悪」

10本の指から真空波を繰り出し、周りに居た2機も一緒に殲滅させた。

霊悪は、空牙程の飛距離は無いが至近距離での威力は此方の方が上である。

この一撃で、加持・ケンスケ・青葉の三人が殲滅された。

そして、なんの躊躇いも無く次の一機へと攻撃を仕掛けた

「刹那」

瞬時に数十発の抜き手を放ち再生不能な迄に殲滅させられた。

この一撃で、レイが殲滅された。

その時、近くにいたマナが初号機を押さえ込もうと近づいて行ったが、シンジはそれを察知して

避けると同時に、膝を腹へと打ち込み

「死殺技 渺阯」

離れると同時に、数十発の拳を叩き込み。マナ諸共量産機を殲滅した。

それを見ていたトウジは

『シンジ貴様は!! 良くも霧島を!!』

だがシンジは、冷静であった。

トウジの乗る量産機の腕を掴むと、そのまま振り回しブン投げた。

そして、ミサトの乗る機体とダミープラグの機体と折り重なった時に、シンジは

「口伝絶命技 霊悪」

三機纏めて殲滅させた。

残ったゲンドウは、回線を開き停戦を要求したが

「「「『裏切り者には死あるのみ!!』」」」

ユイ、キョウコ、シンジ、アスカの言葉により却下された。

そしてゲンドウは、無駄と知りつつも特攻を掛けた。

シンジは、今までの恨みを晴らすべく

「最源流死殺技 神音」

を放った。

そうして、塵へと変わって行った。

そうして、この逆恨みからは始ったNERV進行作戦は、NERV側の勝利で終わった。

 

発令所

シンジの戦いぶりを見ていた面々だが、シンジが神音を放った時点で勝利を確信していた。

「さて、キョウコ。 これからは私達の戦いね。」

「そうね、ユイ。 戦自と日本政府への脅しでどれだけ有利な条件を引き出せるか腕が鳴るわね。」

「りっちゃんのこの閻魔帳が役に立つわね。」

2人は、楽しそうに微笑んでいた。

 

そうして、戻って来たシンジにアスカが飛びつきキスの嵐をしていた。

 

続く

 

後書き

みゃぎです。

え〜次回で最終回です。

久しぶりに青葉が出てきたけど・・・やっぱこう言う扱いでした。

 

では!


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