涙        −南樹−



襲来した第14使徒の攻撃によりネルフ本部は壊滅的打撃を受けた。
司令部は機能しておらず、後はエヴァ二体の戦いを見守るしかなかった。

使徒がジオフロントに姿をあらわすと同時に待ち構えていた弐号機が、
両手のパレットガンを斉射する。

「使徒なんて、このあたしにかかればお茶の子さいさいよ」

着弾しているが弾丸は使徒の表面で全てはじかれる。
使徒にダメージが与えられない。

「ATフィールドは中和しているはずなのに・・・」

カチカチ

パレットガンの弾切れ。

「次!」

ロケットランチャーに持ち替え攻撃を再開する。

「もう二度と負けられないのよ、あたしは!」

ピカッ

「きゃあーー」

轟音と共に弐号機の四方で十字の炎が上がる。
塗装が落ち装甲が融け始めている。


地面に降りたったゼルエルの触手がゆらりと動いた瞬間。

「うそ!」

とっさに回避はしたがロケットランチャーごと左腕を切断される。
弐号機は残された右手でソニックグレイブを掴み使徒に突っ込む。

「こんちくしょーーー!」

ゼルエルの触手が弐号機に止めを刺すべくまた動く。

ザシュ

触手は・・・弐号機まで届かない。
横から飛び出た初号機がゼルエルの下腹部をプログナイフで切り裂いた。
切り口からの体液を浴び、弐号機のモニターが赤く染まる。

「アスカ!大丈夫!?」

アスカをかばうように弐号機の前方に立つ初号機。
弐号機からの返答はなく、シンジは横目で損傷を確認する。

「くそ!よくも!よくもーー!」

プログナイフの刃が上にくる様に持ち替えゼルエルに向かって走る初号機。
前方が光に包まれ、左肩パーツが融解する。

「くっ・・・うぁぁぁーーーーーー!!」

ブシュゥーー

そのまま飛び込みプログナイフを下から切り上げた、そのままの体制からコアを蹴る。
初号機は蹴り倒したゼルエルに馬乗りになる。

「よくもアスカを!よくもアスカを!」

ゼルエルの顔面、コアに構わずプログナイフを打ち下ろす。
何度目かのナイフが顔を捉え様とした時、光と共に激痛がシンジを襲う。
初号機の右腕が肩を残し消滅する。

「ぐわぁぁーーーー、こ、このぉーーーー」

痛みをこらえ、残った左腕の拳をコアに打ち下ろし始める。

「今やらなきゃ、今戦わなきゃ、みんなが、みんなが死んじゃうんだ!」

初号機の喉を捕らえようと動いた触手は目前で引きちぎられる。

「そんなの、そんなの・・・嫌だ、嫌なんだ!」

ビシッ

ゼルエルのコアにひびが入り始める。
尚も拳を打ち下ろし続ける初号機に何度目かの光が広がる。

「うぅぅあぁぁーー、くぅ・・・」

後方で十字の炎があがる。
反射的に顔をそむけ直撃は避けたが頭蓋前部の装甲は解け、角飾りも無くなっていた。

「くそおおおぉぉおおぉ!!」

もう何度打ち下ろしただろう、シンジの精神力がつきようとしていた時。
光が初号機を包みこむ。

ピカッ

眩い光の後、初号機とゼルエルのいた場所に巨大な十字架が上がる。
退避していたミサト達が喜ぶ中、一人、呆然とその光景を見つめている者がいた・・・。

「また・・・またシンジに負けたの?・・・」












弐号機の前に立つ初号機、二体は向かい合う。
始め弐号機は大破に見えていたが初号機と比べると何ともないように見える、
それだけ初号機の損傷はひどいものと言えた。

「ハァハァ・・・・・・アスカ・・・・・・おわったよ、怪我は無い?」

「・・・・・・」

なぜか映像はカットされ音声のみの状態での通信。
表情は解らないが、小声が聞こえるのでアスカが無事と解りホッとする。

「・・・なんで邪魔するのよ・・・」

「えっ?」

「・・・なんで、あたしの邪魔するのよ!」

「アスカ?」

カチカチカチ

弐号機はプログナイフを取り出し前方に構える。

「あんたはあたしからすべてを奪った、エヴァも、プライドも」

「えっ?アスカ?」

困惑するシンジに対し徐々に距離を詰めるアスカ。
突然走り出した弐号機に何の反応もできない初号機。
シンジの腹部に痛みが走る。

「くっ・・・どうして?」

「さっき言ったでしょ、あんたはあたしからすべて奪ったって」

「ぐぅ・・・や、やめてよ・・・アスカ」

「あんたに名前を呼ばれると虫唾が走るわ」

「そ、そん・・・な」

膝から崩れ落ちる初号機、プログナイフを捨て初号機の首を締め上げる弐号機。
首にかけられた右手を払いのける力も無く、左手を添えるだけのシンジ。
締め上げる力は更に強くなる。

「あんたさえいなくなれば・・・」

「く、く・・・気に、気に食わない事したなら・・・あやまるから」

「それが!人をなめてるって言ってるのよ!!」

「うっ!ぐぅぅ」

首の圧迫感が消えた矢先、蹴り倒され弐号機に馬のりされる初号機。
弐号機の容赦無い拳が初号機の顔面を捉える。

「あたしがあたしである為には・・・あんたが・・・シンジが!」

「やめてよ!やめてよアスカ!」


動けない零号機内で二人のやりとりを聞く事しかできないレイ。

「あの人、泣いている・・・」


抵抗できないでいる初号機に警報が鳴る。
シンジの中でトウジを傷つけてしまったあの忌まわしい記憶が蘇ってくる。

「アスカ!だめだ!だめだよ!」

シンジの本能がアスカの身の危険を訴えている。
初号機は弐号機の拳を払いのけ無理矢理起き上がった。

「嫌い・・・大嫌い・・・あんたなんか大嫌い!!」

「アスカーーだめだーー」

ガキィ

弐号機の四つの目が見開く、
拒絶という名の強力なATフィールドが初号機に直撃する。
弾き飛ばされた初号機の胸部装甲板が砕けコアが露出する。

「コア?・・・初号機に・・・?」

「ぐはぁ・・・もう・・・アス・・・カ逃げて・・・」

「えっ?・・・シ、シンジ!?」

初号機のコアを見て冷静に戻るアスカ・・・。
何故シンジが、何故初号機がこんな風になっているのか理解できないでいる。
しかし・・・まだ・・・。


ウオオオオォォォォォォオオォォォ


顎部拘束具を引きちぎり初号機が吼える。
それに呼応した弐号機が走り始める、初号機も走る。
二体のエヴァは完全に制御を失った。

「えっ!?暴走?・・・シンジ!」

「・・・・・・」

ぶつかりあい、なぐりあい、傷つけあう二体。
互いの血液が拳を交えるたびに噴出し、周りを血で染める。

「この止まれ!止まれ!何で言うこときかないの!?」

「・・・・・・」

「シンジ!シンジ!」

「・・・・・・」

弐号機の操縦桿を必死になって動かすが暴走は止まらない。
絶対的な力を持つ初号機に少しずつ打ち崩されていく弐号機。


「シンジ・・・・・・・・・たすけて・・・」

「・・・・・・っ」


気が付いたシンジが-最初に見たものは、
動かなくなった弐号機から排出されたエントリープラグだった・・・。





「ハァハァ・・・・・・くっ」

シンジは排出されたエントリープラグに駆け寄り入り口をこじ開けた。

「アスカ!!」

「・・・遅いわよバカ」

座席でぐったりしているアスカを見て驚愕する。
外傷は見当たらないが・・・。
シンジにはアスカがとても危険な状態だと解ってしまったからだ。

「・・・どうしたのシンジ?」

「い、いや・・・なんでもないよ」

「それより・・・シンジ怪我しなかった?」

「大丈夫だよ・・・・・・アスカは?」

「・・・・・・平気よ」

「そう・・・・・・よかった」

シンジは普段どおりに振舞おうとしていたが涙が頬を伝い始める。
それに気がついたアスカは、シンジの手をにぎる。

「泣かないの・・・あんたのせいじゃないわ・・・」

「だって・・・だって・・・アスカが」

「ねぇ・・・使徒はあれで最後かしら・・・」

「わからない・・・」

シンジは解らなくなっていく、今しなくてはいけないはずの、
アスカに対する言葉を、態度を、顔を、大切な気持ちを・・・

シンジの手をにぎる力が痛いほど強くなる。

「シンジ・・・あたしがいなくても・・・しっかり生きていくのよ」

「そんなこと言わないでよ!」

シンジの涙が伝う頬に優しく手をあてるアスカ。
プラグスーツを通していても涙の温かさを感じる・・・。
アスカは不思議と恐怖が無くなっていく。

「そろそろ・・・いかなくちゃ・・・」

「ダメだよ、いやだよ、いかないでよ!」

「・・・・・・・・・バイバイ・・・シンジ」

「ア、アスカ?・・・・・・アスカーーーーー!」



遠くから、ミサト達クルーや救護班の近づいてくる声がする。
しかし・・・シンジには聞こえていなかった・・・。



「僕をひとりに・・・ひとりにしないでよ・・・・・・・・・」













ピ・・・ピ・・・ピ・・・

集中治療室に心拍を刻む電子音が規則正しく鳴っている。
アスカは医療スタッフの懸命な救護により一命は取り留めたが・・・。
二ヵ月半も絶対安静の状態が続いていた。

「えぇ!そんな・・・アスカが歩けないかもしれないってどう言う事ですか!?」

「落ち着いてシンジ君・・・もう一度説明するわね」

リツコによると前回の戦いでの外的障害は残っていないのだが、
精神つまり心に大きな傷を残している事が解った。

「まだ検査の段階だけど・・・おそらく」

このことがアスカの足に何らかの影響を与えて自由を奪っていると思われる。

「心神的なことだから、今後どうなるかは本人次第ね・・・」

「アスカ次第・・・ですか・・・」






「先の使徒との戦いでのエヴァンゲリオン初号機と弐号機の大破、ジオフロントの損害」

「左様、この修正、容易ではない」

「国が一つ傾く」

「又、使徒殲滅後に初号機と弐号機の戦闘が確認されているが?」

「この事についてどう申し開きする、碇」

「報告したとおりですよ・・・初号機及び弐号機は使徒との戦闘において大破と」



「・・・まだ事後処理が残っていますので」

「・・・我々を裏切るなよ、碇」

モノリスが消えた部屋にゲンドウと冬月だけが残される。

「碇、本当にあれで良かったのか?」

「・・・あぁ・・・問題ない」






アスカが一般病棟に移されてしばらくたったある日

「うぅん・・・」

「アスカ?アスカ!」

「うぅ・・・・・・・・・シンジ?」

「アスカ、目が覚めたんだね・・・よかった」

アスカが目を覚ました事に大喜びのシンジには、
アスカの暗い呟きに気付く事はなかった・・・。

「そぉ・・・まだ生きているのね・・・あたし」




シンジは三ヶ月ぶりに戻ったアスカとの生活が嬉しかった。
彼女が寝ていた間の色々な話をした、少しでも微笑んでくれる様にと。
けど・・・シンジがアスカの笑顔を見ることはなかった。

アスカは生きる気力を失っていた。
シンジも心の中では薄々と解っていた。

だけど、シンジはアスカに生きてもらいたかった、笑ってほしかった・・・。



精神が衰弱し足も動かないアスカの生活は完全にシンジに依存していた。
シンジはアスカのプライドを傷つけない様、細心の注意をはらい援助する。

苦しくはなかった・・・。
ただ胸が締め付けられる思いと戦っていた。



退院してから二週間が過ぎたある日。
深夜の一時頃、今夜もシンジはまだ起きている。

「いやぁぁぁああぁあーーーー」

突然のアスカの悲鳴が暗闇を切り裂く

「アスカ!!」

襖を開けて部屋に飛び込み、暴れるアスカを抱きしめるシンジ。
ここへ帰ってきた晩から毎日、しかも不規則にこの発作が起きる。
いつも一晩に三、四度起き、そのたびにシンジはアスカを抱きしめた。

「いやぁぁあぁああ」

「大丈夫、大丈夫だよ」

「いやあ・・・いやぁ・・・」

「もう心配ないよ」

「・・・ぃゃ・・・」

「アスカ」

「・・・・・・」

「おやすみ・・・」

やっと寝付けたアスカに優しく毛布をかけるシンジの瞳には涙があふれていた。






今日は珍しくアスカが散歩に出たいと言ってきたので、
二人は公園から紅く映える街を眺めていた。

「さすがに夕方になると涼しくなるね」

「そうね・・・」

今もアスカは車椅子で生活している。
自らの戒めの鎖とした動かない足と硬く閉じた心と共に。

「ちょっと飲み物を買ってくるね、何がいい?」

「紅茶でいい・・・」

「ストレートで良かったよね?」

「ええ・・・」


一人で街を眺めていると背後に何者かの気配を感じる。

「・・・シンジ?」

「あなた、いつまで碇君を悲しませるの?」

「ファースト・・・?」

何故ここにいるのかというアスカの疑問を無視してレイは話を続ける。

「昔の碇君・・・あなたといる時は楽しそうだった」

「そう・・・」

「けど、今の碇君はとても悲しい瞳をしている」

「・・・・・・」



「前、あなたは私の事を人形みたいって、言っていたけど」

「・・・・・・」

「今のあなた・・・人形みたい・・・」

「そう・・・」



長い沈黙が周囲を包む・・・。
先に口を開いたのはアスカだった。

「シンジは満足しているわ・・・この方が・・・」

「・・・・・・」

「もう、あたしに殺されなくてすむもの・・・」

「違う・・・それは違うわ」

レイの心の中で少しずつ細波のようだが感情が揺れ動いてくる。
アスカは自分が知らないレイの変化に少し戸惑う。

「あなたは解っている筈よ・・・」

「・・・・・・」

「このままだと、碇君、駄目になる」

「・・・・・・」

紅い瞳から一筋の涙がこぼれ落ちる。

「お願い碇君を・・・碇君を助けてあげて・・・」

自分の膝に崩れ落ち泣きすがるレイを前にして、
彼女の奥底に眠る感情を理解し始めるアスカ・・・

「・・・そう・・・あなたもシンジの事・・・」

そして、自分自身の純粋な気持ちを。

「・・・わかったわ」

「!?」

「ファースト・・・いえ、レイ・・・力を貸してくれる?」

「・・・うん!」

生命力に満ちた笑顔を共に投げかける二人の少女がそこにいた。





「シンジ君、諜報部の方もアスカをロストしたらしいのよ・・・」

「今のアスカがそんなこと出来る訳ありませんよ!」

シンジがミサトに喰いつく。
飲み物を買い、戻ってみるとアスカの姿がなかった。
夜になるまで周囲を必死になって探したが見付からない。
どうしようもなくミサトに連絡すると開口一番がこれだった。



夜の公園で俯くシンジの手に握られた紙には・・・。

『シンジ
 あたしは少し留守にするけど
 ちゃんと帰ってくるから
 心配するんじゃないわよ』

と、書かれていた・・・。



「また・・・ひとり・・・僕はどうすれば・・・」














あれからニ度目の夏。


シンジは最後に別れた公園で風を受けている。
あの日から、毎日、時間の許す限りここで街を眺めているのが、
シンジの日課となっていた。

最近では学校でもネルフでもアスカの話を聞く事はなくなった。
時は、楽しかった事も悲しかった事も少しずつだけど押し流していく・・・そんな力がある。


風に乗って懐かしい香りが鼻をくすぐる・・・。


とても懐かしい・・・


シンジに失ってはいけないはずなのに、
二度も失ってしまった少女の記憶が蘇ってくる。



「こんな昼間からボケーとしているなんて、あいかわらずね」

「!」


懐かしい声、待ち望んでいた声がシンジにかけられる。
本当に、幻ではないか胸に抑えきれない様々な想いと共にゆっくりと振り向く。

腰に手をあてた得意のポーズで微笑んでいる少女。

少し背が伸びたかな?髪も伸びているけど・・・けど・・・!!

「アスカぁーー」

気が付いたときには抱きしめていた。

「もう・・・泣かないの・・・シンジ」

「だって・・・だって・・・アスカが」

泣きじゃくるシンジの頭を優しくなでる。
アスカを抱きしめる力が強くなる。

「い、痛いよシンジ・・・もう少し・・・」

「嫌だ!もう離したくない!!」

シンジのあいかわらずの勘違いにアスカは嬉しくなってしまう。

「大丈夫よ・・・もういなくなったりしないから」

「本当!本当だね!」

「えぇ・・・本当よ」

「アスカ!」

アスカは全然離れようとしないシンジを優しく受け止める。
二年間という距離を少しでも埋めようとする為に。


しばらく抱き合っていたシンジだが少しずつ冷静になってくる、
さっきは無我夢中だった状況を頭が理解し始めると・・・カァーと顔が熱くなった。

「ご、ごめん・・・ア、アスカがあの・・・えっと」

「フフフ・・・」

恥ずかしさのあまり飛び離れようとしたが逆にアスカに抱きしめられる。

「いまさらなに言ってるのよ」

「あ、うん・・・ごめん」



少しずつだが・・・距離が縮まっていく・・・気持ちが溶け合っていく。



シンジは二年ぶりのアスカとの会話が嬉しかった。
彼女がいない間の色々な話をした、少しでも微笑んでくれる様にと。

アスカは笑ってくれた。

あの日からもう二度と見られないと思っていた笑顔。
僕がアスカから奪ってしまった大事な・・・大事な宝物が。
やっと戻れる・・・いや、やっと歩き出せるんだ。

「なに、泣いてんのよあんたは?」

「いいだろ・・・それくらい」

「あいかわらずの泣き虫シンちゃんよねー」

「グス・・・誰のせいだよ・・・誰の」

まったく、こいつはしょうがないんだから。
両手を広げて自分の胸にシンジを招き入れる・・・。
また泣いているシンジ。



すでにあたりは夕闇に包まれていた。
二人は久しぶりの我が家へと並んで歩き始める。

「アスカ・・・いなくならないよね?」

「あんたもしつこいわね」

「だって・・・もう嫌なんだよ・・・ひ、ひとりは・・・」

「安心しなさいよ、もう二度といなくなったりしないから」

「本当!本当だね!!」

「もう、そうだって言ってるでしょ」

心配性なシンジを自分に引き寄せ腕を組んで歩くアスカ。
シンジは最初、驚いていたが今は微笑を浮かべている。

「ねぇ、シンジ?」

「なに?」

「ずっと、ひとりだったんでしょ?」

「えっ?うん・・・」

「ずっと、寂しかったんでしょ?」

「うん・・・」

「もう、平気よね?」

「うん」

素直に答えたがまた心配そうな顔をするシンジ。

「まだ心配なの?」

「そ、そんな訳じゃ・・・」

「大丈夫よ、もうあんたのそばから離れないから」

「えっ!?それって・・・」

「・・・そういうことよ、バカシンジ」

アスカは顔を少し赤らめて俯いている。

「アスカ、ずっと一緒だよ」

「当たり前よ、手放したらただじゃおかないわよ」

「プッ・・・ハハ、アハハ」

「フフ・・・アハハ」


帰るべき場所はもうすぐそこまで来ていた。



ずっと一緒に・・・

二人で・・・






−後書き−
長い文章を最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。

今回はシンジ君がバルディエル戦後、ネルフから逃げなかったら?とアスカの復活!
という感じで書いてみました・・・如何でしたか?

ご意見、ご感想等ありましたらお気軽にお願いします。

それではまた。
                           南樹


マナ:助けて貰ったのに、どうして素直にお礼が言えないのよ。

アスカ:いいじゃん。

マナ:しかも、シンジに逆切れするって何考えてるのよ。

アスカ:いいじゃん。

マナ:そんなだから、痛い目に合うのよ?

アスカ:いいもん。

マナ:まったくぅ。負け惜しみ言ってぇ。

アスカ:何が負け惜しみよ?

マナ:痛い目に合ったんだから、素直に悲しんだら?

アスカ:はっはっはーだっ! 最後はラブラブハッピーエンドだもーんっ!

マナ:うっ・・・。

アスカ:アーンタ、そんなとこで独りで何してんのよぉ? んーーー?

マナ:ううううう・・・。(TT)

アスカ:シンジとラブラブになったアタシに、何言っても効かないわよーーーだっ! ハンッ!(^O^)

マナ:ま、まけた・・・。(TT)
作者"南樹"様へのメール/小説の感想はこちら。
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ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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