サキエルとの戦闘の翌日・・・朝




===リツコの研究室===


シュン!


「おっはよー!リツコ。」


元気に挨拶をしながらミサトが入ってくる、
リツコはタバコを片手に振り返った。


「あら、おはようミサト。今日は早いじゃない。」

「ええ、シンジ君を病院に連れて行ってあげるから迎えに来たのよ。」

「そうなの・・・ねぇミサト。シンジ君・・・どう思う?」

「どう思うって・・・とってもいい子じゃない?美少年だし〜。」

「ミサト、真面目に言ってるの。」

「何か在るわけ?」

「はぁ・・・ミサト、彼は何の訓練も受けてないのにA・Tフィールドを展開したのよ?
しかもA・Tフィールドを張っていた間の初号機のシンクロ率が80%を超えているわ。」

「すごかったわね〜!火事場の馬鹿力ってあれのことを言うのね。」

「・・・ドイツのアスカでも最高が60%よ。馬鹿力すぎるわ。それに報告書とは全然性格が違っている。」

「リツコ・・・報告書ったってシンジ君が中学生に上がってからの物は無いのよ?」

「それがおかしいのよ・・・チルドレンの調査を途中で止めるなんて・・・。」

そうなのだ、シンジの報告書・・・それは彼が中学に上がってからと言うもの
全くと言っていいほど作成されてない。
しかもサードチルドレンの調査停止は上で公式に決まった事なのである。

「でもそれは公式に決まった事でしょ?そんなに警戒することないわよ・・・。
A・Tフィールドも・・・シンクロ率が80%に上がったのも・・・全部女の子を守ろうとしたときよ?
人類の為とはいえ私達大人の都合で無理矢理エヴァに乗せられたのに・・・
・・・それなのに彼は自分を盾にして女の子を守れるのよ?
あの子が結果的にどれだけの人間を助けたと思ってるの?そんな優しい子を疑うなんて・・・!」

「・・・・・・そうね・・・悪かったわ。」

「あれ・・・やけ素直じゃない。」

「貴女の言う通りよ、でも・・・科学者なのよ、私は。」

「・・・難儀な事ね。まぁ感情論だけじゃ信じれないのは分かるけど・・・。」

「それにしてもミサト。随分とシンジ君の肩持つのね。」

「・・・そうねぇ、何でかしら。」

「整備班の人間に貴女がシンジ君に抱きついてる所を見たって聞いたわ。」

「・・・・違うわよ。私が子供にて出すほど飢えてるっての?」

「どうかしら。」

「違うってば。」

「そう言う事にしておくわ。」

「・・・くっ・・・!」

(このボケはっ・・・・!)











新世紀エヴァンゲリオン
〜何が為に僕は戦う〜
第三話 タダイマのコトバ












===シンジの個室の前===


コンコン

「シンジ君?起きてるの?」

「あははは!」

「・・・・あら?笑い声?」

ドア越しにシンジの笑い声が聞こえる。
ミサトは少々失礼に思ったが・・・シンジの部屋に入った。

「シンジ君、入るわよ?」

パシュ・・・。

「シンジ君?」

「え・・・?ミクちゃんが夜に泣いてた?何で?
ははは、そう言えばあの子はそうだったなぁ・・・。えっ?話したいって?」

シンジは電話中の様だ、シンジはミサトに気付いて少し会釈して手でちょっと待ってのポーズ。
ミサトは部屋の外で待つ事にした。





数分後にシンジが出てきた。

「待たせてすいません、ミサトさん。」

「いいのよ、シンジ君なんだかすごく楽しそうだったし。
誰と話してたの?まさか〜〜恋人?」

「あはは・・・そんなんじゃないですよ、家族です。」

「家族?」

「ええ、僕がいた孤児院の人が掛けてきてくれて。」

「へぇ〜・・・ならその人が昨日シンジ君が言ってたトワコさん?いい人なのね。」

「はい、そうです。とてもいい人なんです。
今こう明るく自分が生きてられるのは全部あそこの人達のおかげですから。」

「昔は明るくなかったの?」

「う〜ん、・・・暗かったかもしれないです。」

「全然想像出来ないわ・・・。」

「ははは・・・・。」		

























シンジとミサトはミサトの車でNERV本部より少し離れたところにあるNERVの職員・パイロット用の病院へ。
病院に辿り着いた二人はロビーに入り、手続きを済ませ。レイの病室へ。


===レイの病室の前===


「え〜っと・・・212号212号・・・ここね。じゃあシンジ君、私ロビーで待ってるからね。」

「はい。・・・・さて、挨拶するか。」




パシュン!




「おじゃましま〜っす・・・・・・あっ・・・。」



病室のドアが開き、シンジの目の前に白い空間が広がる。
シンジは・・・ベッドの上に上半身を起こして座っている包帯だらけの少女の神々しさに目を奪われる。
風で舞うカーテン、なびく薄蒼の髪、窓から射す光を眺める紅い瞳。
幻のように見えた・・・抱き締めたら消えてしまいそうな。
妖精がシンジに視線を向ける。




「・・・・・誰?」




「えっ!?あっ、ごめんボーっとしてた。」



レイの一声でシンジは我に返る。
シンジはレイに近寄りベッドの横に立つ。




「えっと・・・俺はシンジ、碇シンジ。
いつの間にかエヴァの紫で角のある奴のパイロットになったんだ。
・・・あっ、君の名前を聞いてなかった。教えてくれる?」



「綾波レイ・・・。」



「綾波レイちゃんか。なら綾波さん、まずは・・・ごめん。」

「・・・・?」

「昨日の事だよ、俺がとっとと乗れば・・・怪我してる君があんな所まで駆り出されることは無かったんだし。」

「・・・命令だから。」

「そんな命令、俺は許せないよ。」

「何故?それが私の・・・使命。」

「・・・うん、まあ使命ってのは大事だけどさ。あんまり無理すんなって事。
あっ・・・アレは俺のせいだったな・・・・・・。まぁとにかくゴメン。」

「・・・・・・・。」




「そんでもってもう一つは、これから一緒に頑張る仲間としての挨拶・・・宜しく。」

シンジが左手を出す。
レイがシンジの手を見る。

「・・・・その手は?」

「ん?あ・・・握手だけど?」

「・・・握手・・・何故?」

「う〜ん、そうだな・・・。そう、俺は綾波さんと仲間・・・いや友達になりたいんだ。」

「・・・どうして?」

「NERVって年上の人ばっかだろ?同い年ってのはちょっと驚いたけど、
仕事の合間に遊ぶ話すくらいの事はしたいし。
それに同じ学校行くようになるらしいから、仲良くしたいな〜と思って。」

「・・・・・命令なら、そうするわ。」

「命令じゃないよ・・・お願いさ。」

「お願い?」

「俺は君と仲良くしたいと思う、だから君にも少し歩み寄って欲しい・・・そういうお願い。」

「・・・・わからない。」

「わかるさ。」

「・・・え?」

「手を握れば・・・わかるさ。」

「・・・・・。」

無言、無表情だがレイがゆっくり左手を出す。
シンジがその左手を握る。

ギュッ・・・

「・・・宜しく、綾波。」

と極上笑顔。

「・・・よ・・・よろしく。」









「怪我、酷いの?」

「・・・退院、明日だから。」

「はやっ!そ・・・それは早すぎるんじゃないか?」

「何故?」

「いや・・・まだ腕のギブスも取れて無いし・・・。
俺はもう少し入院した方がいいと思うぜ?」

「動けない訳ではないわ。それに・・・使徒が来るもの。」

「俺が、綾波が元気になるまで頑張る、だから君には休んでてほしい。
・・・怪我してる時くらいは頼ってくれよ?」

「・・・・頼る・・・何故?」

「早く元気になってほしいから。それに・・・仲間だろ?」

「え・・・・・・・。」



「さ・・・お休み・・・。」


 
シンジが優しくレイをベッドに寝かせる・・・。



シンジはベッドの横の椅子に座り子供を寝かせるように肩に置いた手でトントンとリズムを刻み、呟くように歌う。

「ねんねん ころり 母のひざは
夢をさそう ゆりかごよ
ゆらり ゆらり ゆらり ゆれて
夢の園(その)へ 乳をのみに・・・。」

・・・レイには分からなかった、何故この少年はこんなに自分を心配するのか?
あの握手をしたときの笑顔を見た時・・・とても不思議な感じがた。
そして今のその少年のとても優しい目、親が子を見るような慈しみに溢れた表情。
レイ本人は気付いてはいないかも知れない、だが彼女は感じていた、今までに無い安心感を。
レイの瞼が閉じる・・・数分後、静かな寝息をたててレイは眠っていた。






「・・・・お休み。」



シンジは静かに病室を出ようと椅子を立ち後ろを見る。
ドアの所にはミサトがいた。



「あ・・・ミサトさん。」

「あっ・・・えっと・・・。」

「よく眠ってますよ・・・行きましょうか。」

「え・・・ええ。」

シュン・・・・・

二人が病室から出て行く。
・・・病室には静かな寝息のみが聞こえていた。












===NERV食堂===


NERVの食堂、ミサトとシンジは昼飯を摂っている。
シンジはカツ丼、ミサトは天ぷら定食と・・・ビール。


「あの子の所は行けないんですか。」

「・・・ええ、ごめんなさい。意識がまだ無くてまだ面会は出来ないみたいなの。」

「そんなに酷いんですか・・・。」

「命に別状は無いらしいわ、それにあなたの責任じゃないのよ?」

「・・・・・。」

「そんな顔しないの!・・・あなたはよくやったわ、本当に。」

「本当ですか?俺は・・・。」

「だ〜か〜ら!そんな顔しないの!
レイを寝かせてた時のシンジ君、すごくいい顔してたわよ?
子守唄なんか歌っちゃって〜。」

シンジは少し顔を赤くする。
同年代の女の子を寝かせるのに子守唄・・・シンジも今自分の馬鹿さ加減に気付いた。


「う・・・あれは恥ずかしい所を・・・ちょっと癖になってるみたいで、
向こうで子供を寝かせるときに歌ってたんですけど・・・。」

「いいもの見たわ〜〜。」

「うう・・・・・。」

「うふふ・・・ねぇシンジ君。こっちの生活はどう?」

「生活って言ってもまだ二日目ですよ。」

「そうだけどさ、一人で寂しくない?向こうの生活が恋しいでしょう?」

「・・・そうですね。向こうは騒がしいくらいでしたから。
いきなり一人になったから・・・ちょっと寂しいですね。」

「ねえシンジ君、申請すればお父さんと一緒に住むことも出来るんだけど・・・。」

「どっちかと言うとそっちの方がキツイです。
親子だけど・・・家族として一緒に住める自身はまだ無いですね・・・。」

「・・・そうよね・・・。」

「はぁ・・・・。」

「・・・そうだわ!」

「ど・・・どうかしましたか?」

「シンジ君・・・私の家に来ない??」

「へっ!?」

「そうしましょう!決定!!」

「えっ・・・ミ、ミサトさん!?俺は何も・・・!」

「決定!!それとも・・・上司に逆らうっての・・・・!?」

ミサトがシンジをジトーっと睨みつける。

「うっ・・・(眼が・・・怖い)。」

「そんじゃあ早くご飯食べて〜ちゃちゃっとテスト終わらせちゃいましょう!」

「・・・・どうなるんだ・・・俺は・・・。」























シンジはテスト用のエントリープラグに入りシンクロテスト中、
発令所のミサト・リツコ達はあの戦闘中のシンクロ率急上昇の件もあってか
なにやら緊張している。




「マヤ、シンクロ率は?」

「はい、初号機シンクロ率42%。」

女性オペレーター、伊吹マヤがリツコにハキハキと告げる。

「まぁ・・・こんなものかしら。」

「でしょう、初めてで40%を超えるだけでもすごいわよ。」

「そうね・・・。ミサト、後でシンジ君を私の部屋に連れて来てくれる?
使徒戦の事で話を聞きたいの。」

「いいけどさ、あんまりリツコが喜ぶような返事は聞けないと思うわよ?」

「わかってるわ。一応よ。」

「リツコ、あんたシンジ君と話す時は言葉選びなさいよ。あんた以外と口悪いんだから。」

「わかってるわよ・・・私もあんな目に会いたくないわ。」

・・・あんな目とは勿論ゲンドウの事だ。
あの一見ヤクザの冷酷非道の鬼指令を少年・碇シンジが殴り倒した・・・。
このビッグニュースは某作戦部長のタレコミでもうNERV全体に広がっていた。
被害者・碇ゲンドウはまだ顔の腫れが引いていない為シンクロテストに顔すら出さない。
噂が立つのを恐れているのだ・・・もうバレてるのに。








そしてテストが終了。
シンジはミサトとリツコの研究室にお邪魔していた。



「それじゃあシンジ君。2・3質問させてもらうわ。」

「はい、いいですよ。」

「じゃあまず・・・一応検査は受けたと思うけど体は大丈夫かしら?なにか後遺症なんか無い?」

「ええ、ピンピンしてます。」

「そう、わかりました。」

「それでは次はA・Tフィールドの事・・・どうしてあなたが展開できたかが知りたいの。」

「A・Tフィールド?・・・ああ、あのバリアーですね。
正直いって分からないんです。無我夢中だったんで、どうして?って言われても・・・・ちょっと。
でもエヴァでも出来るかもって思ったのはリツコさんの言葉がきっかけです。」

「・・・私、何か言ったかしら。」

「ええ、使徒がA・Tフィールド張った時に・・・確かリツコさんが言ったんですよ。
「やはり使徒も持っていたんだわ」って。それならこっちも持ってんのかな?って思って。」

「そ・・・それだけの理由で使徒のビームを避けずに受けようとしたの?」

リツコは驚き声を出す。
もしA・Tフィールドが展開できなかったらシンジは死んでいるかもしれないのだ。
肝が据わっているというか無謀と言うか。

「無謀だとは思いましたけど、でも俺が避けたら・・・あの子が死んじゃうと思って。
だから・・・賭けてみました。」

「シンジ君、あなたは・・・・いえ、やめておくわ。」

「何なんですか?気になっちゃいますよ。」

「いいの、どうでもいい事だから。気にしないで。」

「はぁ・・・。」

リツコが何やら難しいそうな顔。
シンジもそれ以上は聞かなかった。

「・・・お疲れ様シンジ君、これで終わりよ。もう帰っていいわ。」

「はい、お疲れ様です。」

「それじゃあ行きましょうかシンジ君。」

「はい、それじゃあリツコさん。また明日。」

「んじゃね〜リツコ。」

「ええ、また明日。」





パシュン・・・・


シンジとミサトの二人は部屋から出て行く。



リツコは一人呟く。





「・・・人の為に力が出せる・・・か、まるで漫画の主人公ね・・・。でも・・・嫌いではないわ。」

































「おぉ〜・・・綺麗な所ですね・・・でもミサトさんどうしてここに?」

「あなたに見せたいものがあるの。」

シンジはミサトと一緒に第三新東京市が一望できる展望公園に来ていた。
シンジが柵に手をつき街を見ている時、ミサトが時計を見ながら声を出した。

「そろそろ時間ね。」

「?」

ウウウウウウウウ・・・・・

その時街に音が鳴り響き、地面から高層ビルが姿を現し
天に伸びていく。

「す・・・すごい・・・・地面から・・・ビルが・・・。」

「・・・・・・・・これが対使徒迎撃要塞都市・第三新東京市・・・これがあたし達の街よ。
そして・・・・・あなたが守った街・・・。」

「・・・・・・・・本当に・・・守れましたか?」

「・・・・・・・。」

「・・・・あの女の子を・・・・守らなくてはいけない物を・・・取りこぼしたのに・・・。」

「シンジ君・・・・。」

(やっぱり自分を責めてた・・・か。優しすぎるのね・・・。)

シンジは小さく声を出しながら俯いてしまう。
ミサトはそのシンジの横顔から街に視線を移しシンジに声をかける。

「・・・・シンジ君、何故さっき地面からビルがはえたと思う?」

「?わかりません・・・。」

「・・・・・それはね、人が生きているからよ。」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・私は、アレはあなたのせいだとは思っていない・・・
でもあなたがそう言うのならそうかもしれないわ・・・でもね、シンジ君。
私達は生きているの・・・それにあの女の子も生きているわ。」

「・・・・・・・・・・。」

「人は壊れない限り生きていけるわ・・・・あの子が壊れなかったのは・・・あなたのおかげよ。
シンジ君はちゃんと守ったわ、あの子を、私達を、あなたの家族を。
だから・・・だから顔を上げて?自信をもって守れたと思っていいのよ?」

「・・・・・・本当に・・・いいんですか?」

「・・・シンジ君、私達を助けてくれて本当にありがとう。
こうやって・・・ここでこの景色が見れるのもあなたのおかげ・・・ありがとう。」

「うっ・・・くっ・・・ううっ・・・。」

「・・・・・・・・。」

「っ・・・っく・・・ミサトさん・・・・。」

「なにかしら?」

ミサトがシンジの方を向く、シンジは涙を拭き
ミサトの目を見て・・・強く・・・強く・・・言った。






「どうもいたしまして・・・!」





そう言って、涙の消えていない目で・・・精一杯ミサトに微笑んだ。
弱々しいが強い・・・とても優しい微笑だった。

ドッキューーン!

「!!!!」

ミサト、大ダメージ。
その瞬間・・・ミサトはシンジにもう少しでキスしてしまうところだったとか・・・。

「・・・み・・・ミサトさん?どうかしました??」

「え?い・・・いいえ〜何でもないわよぉ??
さ・・・さて帰りましょう!私達の家に!」

「はい!」










===ミサトのマンション===


チィィン・・・

ゴウン・・・

エレベーターの扉が開く。
シンジとミサトはマンションの廊下を歩いている。



「え〜と・・シンジ君の荷物はもう届いてると思うんだけど・・・・あったあった、ここよ。」

「実を言うとあたしもこの町に引っ越してきたばっかなのよね。」

「さーはいってぇ、ちょっとちらかってるけどさ。」

「はい、お邪魔しま〜ッす。」

「ストーップ!!シンジ君?ここはあなたの家になるのよ・・・だから・・・ね?」

シンジが何か悩んだような目でミサトを見つめる・・・。
ミサトは微笑む、シンジは俯いてミサトに自分の思いを正直に言う。


「・・・ミサトさん・・・・その・・・俺は・・・勝手に家族だと思っちゃいますよ?」

「あたしもそう思いたいの。」



シンジはミサトの言葉に心が震えた。
目に涙が溜まる。それをミサトに見せないように俯く。
数秒後シンジは顔を上げる。
そして笑顔で・・・。

「ただいま・・・ミサトさん。」

「おかえりなさい、シンジ君。」

「俺、ここに来て良かったです・・・ありがとう、ミサトさん!」

シンジが微笑む、暖かい家族を得た喜び心の奥からの微笑み。
ミサトはその笑顔を見てまた顔を赤くする。

「うぐはっ・・・!!」

(ヤ・・・ヤバイわ、今日二度目・・・この笑顔は・・・。スゴイ威力・・・。)

赤い顔でボーっとするミサト・・・心ここにあらずって感じだ。
シンジは不思議になって声を掛ける。

「・・・・ミサトさん?どうしました?」

「へ?・・・・な、なんでもないわよぉ??さ、さあご飯にしましょう!」







シンジがミサトの部屋に入る。
シンジは心からこれから始まる第二の家族との笑顔溢れる生活に胸を膨らましていた。
だが彼は知らなかった、ミサトが・・・全くと言っていいほど生活能力が無いという事を。
シンジはその地震の後のような凄惨な部屋を見て・・・。







「なんじゃこりゃあああああああああああっっっ!!!!」




彼の虚しき叫び、彼は少しだけ・・・ほんの少しだけ後悔した。














                                                                  つづく
















***atogaki***


Picsでございます。

なんて感じでどうでしょうか?

シンジ君の報告書は何故作成されなかったのか?

それは後々分かります。

御意見御感想お待ちしております。

・・・こんなもんですけどお付き合いしてくれたら感涙の極みです。ホント。


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