いつもの学校。

あたしはいつものようにヒカリと話をしてる。

「昨日のお店のシュークリームはおいしかったわね」

「そうね、アスカ3つも食べてたもんね」

「だっておいしいんだもん。じゃあヒカリ、駅前のお店のケーキはおいしいの?」

「とってもおいしいわよ、特にモンブランは最高なのよ」

平和な女の子同士の会話。でもそこにファーストが入ってきた。

「学校の裏のお店の餡蜜がおいしいわ」

「アンタっ、なに勝手に話に入ってきてるのよ!」

まったくこいつはすぐにあたしの邪魔をする。

それだけならいいんだけどよくシンジにまでちょっかいを出す。

「ちょっとアスカ、そんな風に言わないの。

 でも綾波さん、ホントにあそこの餡蜜はおいしいわよね」

「クスクス」

ムカッ

「アンタ今笑ったわね!」

「クスクス・・・・可笑しいから・・・・」

ピキッ

「ま・・・まあ勝手にすれば!アタシはシンジに奢ってもらうし」

「碇君は今度私に餡蜜おごってくれるって言ったわ・・・・クスクス・・・赤毛猿」

ぶちっ

「どうやらアタシを怒らせてしまったようね・・・・」

「ビクッッッッ」<ヒカリ

タタタタタタタタタタタタ<レイの逃げる音

「逃がすか!!!」

ファーストの奴、よりにもよってシンジの後ろに隠れるんだもん。

「シンジィ、ちょっとそこどきなさい!」

「ア・・・アスカ?どうしたの?」

こいつ自分の置かれてる状況に気付いてないみたい。バカよね。

「碇君、助けて」

「綾波?どうしたのさ」

「弐号機パイロットがいじめるの」

「こらファースト!あることないこと吹き込んでるんじゃないわよ!」

「ま・・・まあまあ、アスカもそんなに怒らなくても」

こいつファーストをかばう気!?

「そういえばアンタ、ファーストに餡蜜おごる約束してるらしいじゃない」

「クスクス・・・絆だもの」

「ファースト!アンタは黙ってて」

「それはその・・・こないだ勉強教えてもらったお礼に・・・」

「勉強ならアタシがいるじゃない!」

「それがその・・・・古文だから」

一回一回どもってかっこ悪い。なにやってんのよこいつ。

「もういいわ、勝手にすれば」

「ちょ・・・ちょっとアスカ・・・待ってよ」

「フン」

まあ追いかけて来るようになっただけましかな。

ちょっと前まではずっといじいじしてるだけだったから。

「ねえアスカ、待ってよ」

あいつがあたしの肩をつかむ。

「離しなさいよ、このバカシンジ」

アタシはあいつの手を振り払う。

「うわっ」

あいつがよろめく。なっさけないの。

そんでもってよろめいた拍子にそこに立ってたファーストにつかまり・・・・

あいつの手は・・・・

あいつの手は・・・・

あいつの手は・・・・




ファーストの胸をつかんでいた。

アタシは絶叫した

「こぉのぉ
 バァカァシィンジィ!!」

バシィィン

あなたから好きだと言って written by sakushi
今は2016年。使徒との戦いも終わって結構平和な日々。

実はアタシとシンジが付き合ってたりするんだけど・・・

そうは見えないかな、やっぱり。

そりゃ今でもシンジをひっぱたくことはあるけどさ。

それはシンジが他の女を見るからだし・・・・

シンジもそれを分かってくれてるだろうし問題は無いのよ。

そういえばあれは去年のアタシの誕生日だったかな。あいつが告白してくれたの。

アタシは嬉しかったから

「付き合ってあげてもいいわよ」

って言ってあげたの。

それからアタシ達は学校内でも公認の仲になった。

ただファーストがしつこく邪魔してくるのよね。

あの邪魔さえなければいいのに。

家でもミサトはアタシ達のことを祝福してくれてる。

アタシ達が辛い思いをしたのは自分たちのせいだからって。

だからあたしたちには幸せになって欲しいって。

ただ「中学生らしく健全な」付き合いをしろって念を押されたけどね。

アタシはともかくシンジにそんな度胸あるわけないじゃない。

アタシだってちょっとは興味あるけどさ・・・・・





「アスカ幸せそうね」

ヒカリに言われて気付いた。そうだもう今は学校終わって帰るとこだった。

「アスカ、碇君のこと大好きでしょ。顔から幸せがにじみ出てるわよ」

なんか当たり前のことだけどはっきり言われると恥ずかしい。

「でも碇君そうは思ってないみたいよ」

「え?」

「今日ね、鈴原から聞いたの。

 『碇の奴は惣流が自分のことはそんなに好きじゃないと思うとる

  確かに付きおうとるけど片思いみたいなもんやと言っとるんや』ってね。

 詳しく聞くとね、碇君はアスカに好きって言われたことないらしいのよ」

「そんなことないと思うけど・・・・」

アタシはいろいろと思い返してみた。

えっと、シンジが告白してくれた時には確かに言わなかったわよね。

それからキスの時には・・・・言ったことないな・・・

この間つまらないことで泣いてた時、シンジが慰めてくれたけど・・・・

やっぱり言ってない。

「ね・・・ねぇ、やっぱりちゃんと言わないと嫌われちゃうかな・・・」

「碇君のことだからそれはないと思うけど・・・・

 でも言った方がいいのは間違いないわね。

 今日もアスカ碇君の事ひっぱたいてたでしょ」

「それはあいつが!・・・・・

 でも・・・そう・・・よね」

ちゃんとアタシが好きだって言えばファーストの方に目が行くこともなくなるかもね

「じゃあありがと、ヒカリ」

「それじゃあ頑張ってね、アスカ」





トントントン・・・・

シンジが料理をしてる。

「ねえシンジ、今日のご飯はなに?」

「今日はロールキャベツだよ」

「そう・・・・」

そろそろ言わなきゃダメだよね。ファイトよ。アスカ!

「あのさ、シンジ」

アタシはシンジのうしろまで行ってそう言った。

「どうしたの?」

シンジは包丁を置いてこっちを向いてそう言った。

いつもシンジはアタシとしゃべる時にはアタシの方を見てくれる。

どんな時でも見てくれる。

優しさを感じる瞬間。

「あのね、今日ヒカリに言われたの」

シンジは何のことか分からないみたいだけど、あたしが真剣なのに気付いたのかな。

ずっとこっちを向いててくれる。

「アタシはシンジに好きだって言ったことが無いって」

シンジの顔が少し曇った。

「アタシ、言われてはじめて気付いたの。

 ずっと当たり前だと思ってたから。

 でもシンジがアタシはそういう気持ちが無いんだって思ってるって知って・・・

 やっぱりちゃんと言わなきゃダメだよね」

シンジが口を開いた。

「ねえアスカ、僕はアスカと一緒にいられるだけで幸せなんだ

 もしそういうことを言うのがアスカの意思じゃないなら・・・・」

「違うの」

アタシは反論した。

「ただ、言わなくても伝わると勝手に思い込んでただけなの

 だからちゃんと言わせて」

アタシは息を吸い込んだ。

「わたくし、惣流・アスカ・ラングレーは碇シンジのことが・・・」

そこまで言ってもう一回息を吸い込んだ。

その瞬間

「ごほっごほっ」

アタシはむせかえってしまった。

「だ、大丈夫アスカ?」

シンジが心配してくれる。それだけでアタシは満たされる。でも・・・

「ごめんなさい・・・・やり直していい?」

アタシはそう言ったけど、もっといい方法を思いついた。

「それともやっぱり今日はやめとこうかな」

アタシがそう言った瞬間シンジの顔にがっくりした雰囲気が見えた。

「なぁんてね」

アタシは起き上がってシンジの唇を自分のそれで塞いだ。

1分ぐらいの間だったかな。

アタシは自分の唇を離すと言った。

























「シンジ、大好き」
















fin.


あとがき:
sakushiです。

この作品、思いついたから一瞬で書き上げてしまいました。プロットさえ作ってません。
LASにおける基本中の基本を書いてみたつもりです。

ただ、普通のLASとちょっと変えてあるのは付き合っているのにも関わらずアスカちゃんが自分の気持ちを言葉にしないところでしょうか。
シンジ君と付き合っているアスカちゃんの場合、毒電波をあたり一帯に撒き散らす・・・というパターンが多いようなので。
これは甘さひかえめですんで痒くなることは無いかもしれません・・・・

それでは。


マナ:なんなの? このラブラブは。(ーー)

アスカ:うーん。もうアタシの為にある作品ねっ!(*^^*)

マナ:勿体つけないで、好きって言いたいなら言えばいいでしょっ!

アスカ:チッチッチ。それじゃぁ、ありがたみがないのよねぇ。

マナ:”好き”にありがたみもなにもないでしょっ。

アスカ:だめねぇ。いかにアタシの、この心のうちを表現するか。それが大事なのよ。

マナ:まっくろくろすけ でっておいでー♪

アスカ:なにが まっくろくろすけ よっ!(ーー#

マナ:いや、ついトト■のそのフレーズが思い浮かんで・・・。。

アスカ:まぁいいわ。とにかくシンジに伝わったのよぉっ! アタシの心の中がっ!

マナ:まっくろくろすけ でっておいでー♪

アスカ:だから、何がまっくろなのよっ!(ーー#

マナ:いや、つい・・・。
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