警告
この物語は 一応 A×Sですが、
読む人によっては”痛い”と感じるかもしれません。
そういうのが嫌いな方はお引き取り下さい!
いつもここから.....
プロローグ1 ”日常”
『何回繰り返したんだろう。』
『確か3度目・・・・』
『また、あの日がやってくる・・・・』
『・・・・あと1週間・・・・』
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「シンジ! 帰るわよ。」
教室でボーっとしていた僕にアスカは言った。
「あ・・・、待ってよ。」
「相変わらずトロイわね。」
僕はアスカといつもの通学路を歩いて帰った。
「シンジ〜、今日の夕飯は何?」
「う〜ん、今日は時間があるからハンバーグにしようか。」
「うん! おいしく作りなさいよ。」
「わかってるよ。アスカ・・・」
2時間後・・・
僕はキッチンにいた。
アスカはリビングのTVの前に座っていた。
「ミサトさん、今日は帰ってくるのかな?」
「今日も徹夜じゃない?あと1週間は帰れないって言っていたわ。」
「そう・・・じゃあ二人分でいいね。」
僕は二人分のお皿をテーブルに運んだ。
「「いただきます。」」
「あ〜 おいしかった。」
アスカはお茶をすすりながら僕に言った。
「最近また、料理の腕上がったんじゃない?」
「そ、そう?・・・・ありがとう。」
「ま、あんた料理は最初から上手だったからね。」
「ア、アスカも覚えたら? 結婚してから困るよ。」
「アンタが・・・作って・・・くれるんでしょう?」
「・・・・・・」
その言葉を聞いたとき、僕は無性に悲しくなった。
「アンタが・・・作って・・・くれるんでしょう?」
「・・・・・・」
(なんでそこで黙るのよ!! この馬鹿!!)
アスカは耳まで真っ赤にして俯いていた。
(この言葉の意味が分からないほど鈍感だったっけ?)
シンジも俯いていた・・・・
沈黙・・・・
「エヴァに乗らなくなって、ずいぶん経つわね。」
アスカは無理矢理話題を変えた。
「うん・・・」
シンジは俯いたまま、答える・・・・。
そう、エヴァにはもう乗らなくてもいい。
使徒も、エヴァ量産型も、ゼーレも・・・・
全ての戦いは終わったんだ。
アスカは無事だった・・・・精神崩壊も起きなかった・・・・
サードインパクトはやってこなかったんだ。
全ては終わったんだ。
・・・・・・・・
この世界では・・・・
「ちょっと! ねえ・・・シンジ!!」
アスカが心配そうに見つめていた。
「あ、なに?」
「なに?じゃないわよ! 何度もよんでるのに。」
「・・・ごめん。」
「来週、アンタの誕生日でしょ?」
「・・・・・うん。」
「パーティーしましょう。ヒカリとバカ二人、あとファーストもよんでね。」
「・・・うん、そうだね。」
「なによ。嬉しくなさそうじゃない。」
「そんなことないよ。」
シンジは笑顔でアスカの方を見た。悲しそうな笑顔で・・・・
「・・・・(そんな顔することないじゃない)」
「・・・・・・」
「なにが・・・・ほしい?」
「え・・・?」
「プレゼントよ!!ばか!」
そう言うと、アスカは不機嫌な顔をして、そっぽを向いてしまった。
「・・・・時間。」
「・・・は?」
「あ、いや・・・なんでもないよ。」
「アンタ、最近へんよ。」
「そう?」
「戦いが終わってからも変だったけど・・・・・」
「・・・・・・」
「何か隠してるでしょう。」
その言葉に、シンジは驚いたように顔を上げた。
「やっぱりね・・・何を隠してるの?」
シンジは黙って俯いた。肩が小刻みに震えていた。
「いいなさいよ。」
「・・・・・・」
「なんか・・・いいなさいよ。」
今にも泣き出しそうな声でアスカは言った。
「・・・・・ごめん。」
「バカ!!」
乾いた音が、部屋に響いた・・・・
「・・・・・・・」
「ごめん。」
それから三日間
二人は一言も言葉を交わすことはなかった。
そして四日目の夜・・・・
アスカはベットの上から天井を見上げていた。
その胸にサルのぬいぐるみを抱えていた。
(あ〜あ、明後日はアイツの誕生日だってのに・・・・)
机の上には、綺麗にラッピングされた包みがあった。
(仲直り・・・・できるかな・・・・)
その青い瞳には涙が溜まっていた。
コンコン・・・・
「アスカ、起きてる?」
ふすまの前で、シンジはアスカに話しかける。
アスカは少し焦って、涙を拭った。
「な・・・なによ。」
「あの・・・明日・・・どっか行かない?」
「明日・・・学校よ。」
「うん。学校は・・・さぼってさ。」
(珍しいわね。シンジがさぼろうなんて・・・)
「別に、いいわよ。」
「・・・ありがとう。」
シンジは襖(ふすま)を見つめていた。
何かを決意した目で・・・
あの日は近い。
残された時間は、あと二日・・・・・
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by SHIN
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