いつもここから....
第二話 プライド!
第六使徒との戦闘から三日後、三人のチルドレンはテスト用のエントリープラグ内にいた。
転校して、すぐに学校中の注目を浴びたセカンドチルドレン、アスカは愕然としていた。
いや、愕然としているのはアスカだけではない。ミサトもリツコも、あまりの出来事に固まってしまっていた。
その原因は、01と書かれたエントリープラグだった。
「ちょっと・・・・ミサト・・・・・・」
「なによ・・・・・」
「あんた、シンジ君に何をしたわけ?」
「・・・・なにも・・・・」
「何もしてないのに・・・・・何でシンクロ率が2倍近くも上がってんのよーーー!!!」
当然の疑問であるが・・・・ シンジはこの時代に来る前に、何度もエヴァに乗り、何度もテストを受け、何体もの使徒を倒してきたので、この位のシンクロ率は本人には当然であった。
だが、他人にしてみれば、この前始めて乗った少年が、一週間でシンクロ率を二倍近くも伸ばしたのである。驚いても仕方がない。
しかも、今までトップだったアスカのシンクロ率を、あっさりと言うほど簡単に抜いていたのだ。アスカも、それを聞かされてからは俯いたままだった。
「原因を突きとめなさい!アンタ、保護者でしょ!!」
「分かるわけないじゃない!全然普通だったのに・・・・」
「ハーー。ま、いいわ。それじゃ、三人とも上がっていいわ。」
「そういえば・・・・・」
ミサトが何かを思いだしたように考え込む。
「なに?」
「この前、シンちゃんね・・・・・・」
(ごにょごにょ・・・・・)
着替えた3人は、リツコとミサトの前に来ていた。
「シンジ君、今日のシンクロ率は・・・・・どういうこと?」
「どういうって・・・・・・」
「この前まで、今日の半分だったのよ・・・・・なぜ?」
「・・・・まあ、色々ありましたから・・・・・」
「そう・・・・ミサトから聞いたんだけど、あなた・・・・・」
プシュー
「ア、アスカ!」
「ちょっと、シンジ君まだ話が・・・」
顔を下に向けたまま部屋を出ていったアスカを、シンジは追いかけていった。
二人はネルフ本部を出て、ジオフロント内の森の側まで走っていた。
ハアハアハアハア・・・・・・・
ようやくアスカの足が止まった。息が荒い、肩が小刻みに震えているのが、シンジには分かった。もちろん、シンジの息も上がっている。
「ハア、あ、アスカ・・・・」
「何で・・・・ついてくるのよ・・・・・」
泣いているように見える。声も震えていた。
「あの・・・アスカ?」
「・・・・何でついてくるのよ」
「・・・・」
「なんでアンタなんかに・・・・」
「僕に負けたのが悔しいの?」
「!!」
「いままで一番だったからね、アスカは・・・」
「そうよ!一番だったのよ。アンタに何が分かるっていうのよ!!!」
蒼い瞳に涙をためながら、シンジを睨みつけていた。
「いつも一番だった。何でも一番だったのに!!」
そう、一番だった。トップ以外は意味がなかった。
一番になったら、みんな喜んでくれた。
大学を卒業したときも、
エヴァのパイロットになったときも・・・・・
アタシを認めてくれた。
そこがアタシの居場所だった。
なのに・・・・・
アタシの居場所を取らないで!アタシを捨てないで!!
一人にしないで!!!
「・・・なんで・・・アンタなんかに・・・・」
「・・・大丈夫だよ。アスカ」
「・・・・・・え?」
「大丈夫。パイロットじゃなく、人としてのアスカの居場所も・・・・・認めてくれる人も、家族も、きっと見つかるよ。 だから、無理をしなくてもいいよ。」
「あ・・・・シンジ・・・・」
「それに・・・・抜かれたら、抜き返せばいいんだよ。」
「・・・・・そうね。」
「うん!」
アスカは、涙の溜まった目を拭うと、少し笑って言った。
「よし!いつかアンタを・・・・追い越してみせるんだから!」
「うん。その方がアスカらしいよ。」
「・・・・・そう?」
「じゃあ、戻ろう。」
そして、二人は本部の方へ走っていった。
それから・・・・・
ネルフとエヴァは次々と使徒を倒していった。
だが、シンジは何かが違うと思い始めた。
『何度も経験してきた過去とは少し違う』
そんなシンジの不安をよそに、
運命の歯車は・・・・
第二話 終
あとがき
SHINです。毎度の駄文につきあってくれている皆様!ありがとうございます。
書いたのを読み直すと・・・・う〜ん、と唸ってしまいます。
ほとんど泥沼(泣)、プロで意味深な発言をさせたがために・・・・・・・
ほんっとに文才ないな〜
次あたり、じっくり書きますので、お許し下さい。
『私を捨てないで〜』(T_T)
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