「うん、この世界は僕達が守るんだ。」
「よし、気持ちも改まったし、作戦開始だ!!」
己の意思を改め、少年達は闘いの場へ・・。


・・エントリープラグ内
『シンジ、今回はライフルで相手を引き付けてね。』
「ソードはまだできていないの?」
『そうなの、ごめんなさいね。』
「いいよ、気にしないでよ。母さん。」
『ありがとう、シンちゃん。』
いつの間にか呼び方が変わってる。
『お前はまだいい方だ。俺のサイズ、材料不足で製造中止なんだぜ。』
「えっ、じゃあどうするの?」
『・・まあ、それは後回しだ。とにかく俺達はラミエルを引き付ければいいんだ。』
「そうだね。頼むよ、綾波、レイナ。」
『分かったわ。碇君。』
『まかしてよ。お兄ちゃん。』
『それじゃあ、一時通信切るな。』
ピッ
“今回は使徒の力は必要ないみたいだね。”
「うん、でも油断は禁物だよ。カヲル君。」
“分かってるさ。”
シンジがカヲルと話している頃・・

・・ゼロ
「さてと・・これが終わったら、もう一つの特訓でもするかなぁ。」
ゼロは手を頭の後ろに組んで、出番を待っている。
ただ、ゼロの目の前には、正体不明の黒い球体が浮かんでいた。

・・レイ
「自信ある?レイ。」
「・・無くてもやるわ。みんなのためだから。」
「愚問だったわね。私もやれる事はやるわ。」
「・・ありがとう、シエル。」

・・レイナ
「あ〜あ、暇だなぁ。」
「・・サキちゃん、下手すれば私達死ぬかもしれないのよ。」
「平気だよ♪みんな強いモン、もちろんレイナもね。」
「・・うん。そうよね、私達は強い!」
「そうそう、粉骨砕身よ!!」
「・・砕けちゃダメでしょ(汗)」

・・午前0時
「これよりヤシマ作戦を開始します。シンジ君、ゼロ君、頼むわよ。」
『『了解!!』』
「エヴァ初号機、参号機、リフトオフ!!」
ガシャッ!
ロックが外され、初号機と参号機が起動する。

「行くぜ!シンジ!!」
「うん!!」
ダッダッダッダッダ・・
ズダダダダダ・・
二手に別れ、ライフルを撃ちまくる二体。
シュゥゥゥゥン
「ミサトさん、チャージは?」
『もうOKよ。』
「了解!ゼロ、離れて。」
「ダメだ!このままじゃ・・俺はこのまま引き付ける。」
「ゼロ・・。」
バシュゥゥゥン
ラミエルから粒子砲が放たれる。
「フィールド全開!!」
キィィィィィン・・
参号機がATフィールドで防ぐ。
「グッ!?・・レイ!シエル!今だ!!」
「でも!?」
「撃てーー!!」
「クッ!」
バシュゥゥゥン
レイはライフルから、ビームを放つ。
バキィィィィン!
・・ビームはラミエルを貫き、向こう側の山を跡形も無く吹き飛ばした。
「・・ヤリ過ぎだ。」
参号機は尻餅をついていた。少しかすめて、右肩が少し熔けている。
「ちょっと、張り切り過ぎたわ。」
「・・ごめん。」
ライフル&ATフィールド、恐るべし・・。
『ゼロ君、浄解お願いね。』
「浄解?」
『レストレーションの事よ。』
「ウィ〜〜ッス。」
参号機はコアの欠片を持ち上げる。
「まずはっと、・・リジェネーション。」
コアが輝きだし、元の丸いコアに戻る。
「そして、レストレーション。」
パシャッ・・
コアは崩れ、人間が出てくる。
「今度は男みたいだよ。」
『分かったわ。とりあえず救護班をよこすわ。』
「お願いします。それと、後で話があるんでシンジ達を司令室に集めてください。」
『分かったわ。』


・・司令室
「・・それで、話って何?」
司令室にはゲンドウを除くおなじみのメンバーに加え、サキ・シエル・そして以外に早く目覚めた御雷ライル(ラミエル)が集まっていた。
「ああ、そろそろ第二段階に行こうと思ってね。」
「第二段階?」
「そうさ。つまり1ランク強くなるための話って事だ。」
「・・話してみなさい。」
冬月副指令がゼロに言った。
「副指令は『道(タオ)』って知っていますか?」
「タオ?」
「それって、中国の『道』の事?」
「さすがリツコさん。その『道』ですよ。」
「なんですか?『道』って。」
「いわば、人の体内に眠る潜在能力みたいな物だよ。」
「・・非科学的ですね。」
「それで、その『道』がどうしたの?」
「母さんとミサトさんには話したけど、シンジ達に、『道』を覚えてもらおうと思ってね。」
「「「えっ?」」」
「サキやシエル、ライルにも覚えてもらうよ。」
「えー!?」
「私達も!?」
「あの〜。僕、まだ病み上がりなんですけど・・。」
・・もっともである。
「平気だよ。・・多分。」
ゼロよ。・・頼りないぞ。
「特にサキちゃんとライル君は万が一の予備パイロットでもあるから、シンジ達と同じくらい厳しくするからね。」
サキとライルは身体的(?)に言えばシンジ達とほとんど変わらない。
「・・厳しいの?お母さん。」
「ええ。」
即答だし・・(涙)
「まっ、人それぞれ属性があるけどな。それと人によっては、遅い早いがあるけど、遅くても気にするなよ。」
「属性?」
「属性には、天・冥・焔・海・翔・烈・日・月・他にも色々あってな。人によって異なってるんだ。」
「そうなんだ。・・じゃあ僕は?」
「シンジは『天』だ。」
「天かぁ。」
「ちなみに俺は『天』の対『冥』、レイが『月』、サキが『海』、レイナは『烈』、シエルは『日』、ライルはシンジと同じ『天』だ。」
「『烈』って何?」
「簡単に言えば土だな。」
「ふ〜ん。」
「『海』は水ね?」
「そうだよ、レイ。『天』は光や雷の事で、『冥』は闇、『翔』は風ってな。」
「でも、なんでいきなり?」
「・・さっき気付いたんだけど、使徒の戦闘能力もやっぱりズレがあったみたいでな。」
「そうなの?」
「気付かなかったと思うけど、ライフルのビームが当たった所は俺が『道』で傷つけた場所なのさ。」
「そうだったの?」
「ああ。・・まっ、必要なかったけどな。(苦笑)」
「ところで、どう練習するの?」
「まずは念じ。つまり、自分がその力をどう使いたいか考える。それがコントロール出来る様になったら、具現化する練習だ。」
「予定は山積みよ。覚悟しておいてね。」
「「「「「「は〜〜い。」」」」」」
こうして、シンジ達の『道』の修行が始まった。

・・それから数日後
とりあえず、念じを全員クリアした記念に今日はお休み。
ゼロは別として、シンジとレイは具現化の初歩は合格。レイナ・サキ・ライルもある程度、様になってきた。・・しかし、大人(?)のシエルはなかなかうまくいかなかった。
今日は戦自の『JA』の完成パーティー&暴走する日である。
ジャンケンで結局、シンジとレイナが二人で止める事になった。
・・・で、シンジ・レイナが出掛けた後、
「さて、オーバー・ザ・レインボゥには誰が行くかよね・・。」
ネルフ本部の食堂でサキ達が会議を開いている。
しかし、なぜかそこにゼロの姿が無かった。
「シンちゃんはきまりでしょ?それと、シンちゃんのお友達が二人、ミサトちゃんも行くのよね?」
居ないミサトやリツコの代わりにマヤとユイが保護者として付き添っている。
「あと、行きたい人居る?」
「は〜い♪」
「僕も行きたいです。」
「・・私は遠慮するわ。」
「私は行きます。」
「それじゃあ、私も。」
「そう?大型ヘリならこれにゼッ君を含めてもOKね。」
ゼッ君・・(汗)
「それじゃあ、シエルさんはお留守番でいいですね?」
「はい。」
「ところで、ゼロさんはどこにいったのですか?」
ライルは礼儀正しく聞いた。
「ちょっと出掛けるって言ってたけど、どこに行くかは・・。」
「ゼッ君は大丈夫よ。あの子はしっかり者よ。」
「そうですね。」
会議(?)終了後、ユイ達は会話を楽しんだ。

・・南極
そこはまさに死の世界だった。
シュタッ
そこにゼロが現れた。
「ここが・・セカンドインパクトが起きた場所。・・すべての始まりの地・・か。」
人間なら死ぬはずが、使徒(正確には人間と使徒とのゴッチャ混ぜ)であるゼロはビクともしなかった。
そして、ゼロは巨大なクレーターに突き刺さったある物を見つけた。
「へぇ、これが『ロンギヌスの槍』か。」
そう、彼の目的はこの槍なのだ。
「・・・しかし、デカイなぁ。」
・・そりゃそうだ。
「とりあえず、コピーだけするか。」
ゼロはロンギヌスのやりに手を添えた。
「・・『イスラフェル』。」
第七使徒『イスラフェル』能力・・コピー・分裂(分身とも言う)
シュゥゥゥン・・
槍から離れると、ゼロの手にはロンギヌスの槍に似た槍が握られていた。
「とりあえず、これなら怪しまれな・・。」
カチャッ
「無くも無いか・・。」
ゼロの後ろには宇宙服の様な特殊スーツを纏った人間が何人も居た。
「・・ゼーレの手の者かい?」
『そうだ。キサマはネルフの人間だ・・。』
ズバッ!
リーダー格の男を槍で貫いた。
「所詮は人間か、大した事ないな。」
『ヒィ!?』
『この化け物!!』
ダダダダダ・・・
「化け物は酷いな。・・『アラエル』!!」
『!!』
ゼロは男達に向かって、針の様な物を飛ばした。
そして、全員に刺さると男達の動きが止まった。
「・・お前らは何も知らない。リーダーは精神崩壊による乱心のため自殺した・・いいな?」
『・・はい。』
そのまま、ゼロは消え去った。
『・・・あれ?俺達どうしたんだ?』
『さあ?・・あれ?・・だぁーー!隊長が死んでるーー!?』
『なんだとーー!?』
隊員の一人が隊長の死骸に気付いた。
『そういえば、俺達乱心起こした隊長を止めに来たんじゃなかったのか?』
『・・そうだったな。』
ピピピ・・
『はい?』
『・・私だ。』
『!!キール会長!?』
無線の先はゼーレの長:キール=ロレンツだった。
『どうだ?そっちは。』
『はっ、異常はありません。ただ・・。』
『ただ?』
『隊長が精神崩壊を起こし、先程亡くなりました。』
『・・そうか。隊は君が引き継ぎ、そのまま警護を続けろ。』
『ハッ!!』
ピッ・・
『聞いての通り、俺が隊長代理だ。全員、持ち場に戻れ!』
『『『ハッ!!』』』
という訳でゼロ潜入事件は闇に消えた。

・・ゲンドウが乗っている飛行機
・・電話
「・そうか。槍のコピーを。」
『うん。とりあえず、俺が使っててもいいかな?俺の武器、造れないからさ。』
「・・いいだろう。向こうには、私がうまく言っておく。」
『ありがとう、親父。』
「・・問題ない。」
『クスッ、・・じゃっ、またね。』
「ああ。」
ピッ・・
「すっかり父親ですね。碇司令。」
近くに座っていた無精髭を生やした男が近づいてくる。
「・・君か。」
「・・隣、いいですか?」
「かまわんよ。」
その人物:加持リョウジはゲンドウの隣に座った。
「・・娘さんですか?」
「いや、息子からだ。」
「息子?司令に息子がいたなんて初耳ですよ。」
「・・ところで、前に言った事だが・・。」
「分かってますよ。セカンドと弐号機、それに荷物を持ってそちらに行きますよ。」

・・一方、JAを止めに行ったシンジ&レイナは
旧東京上空
「・・というわけで、JAの動きを止めてもらうわ。」
「止めるって・・エヴァでですか?」
「エヴァでもだけど、折角の機会だから『道』を使ってもらうわ。」
「『道』でですか?」
「ええ。まず、レイナちゃんの『烈の道』で動きを止めて、シンジ君の『天の道』でJAの起動装置をショートさせるって作戦よ。」
「でも、爆発したら・・。」
「平気よん♪リツコの細工で、核ははずしてあるから。」
「なあんだ。なあ大丈夫よね?お兄ちゃん。」
「そうだね。」
「じゃあ、二人ともエヴァに乗って。・・戦自の奴等を驚かせてやりなさい。」
「「了解!」」
・・と話は進んでいき、『烈の道』による自信と隆起でJAは足を止められ、『天の道』による電撃であえなくショートを起こした。

翌日
・・葛城宅
「これ・・本当に例の槍なの?」
「正確には、そのコピーっすよ。ミサトさん。」
「でも、それじゃ怪しまれるんじゃ?」
「心配無用。向こうには親父がうまく言っとくって言ってたしさ。」
「・・ならいいけど。」
「ところで、・・なんで俺も行くんすか?」
「母親命令ですって。気にしない、気にしない。」
「・・気にしますって。」
「折角の機会だから、行こうよ。」
「・・シンジがそこまで言うなら、断れないな。」
「なんで、シンジ君の言う事は聞くのよ?」
「う〜〜ん・・やっぱり、もう一人の自分だから・・かな?」
「あっ。」
「忘れてたんかい!!」
「・・ごみん。」
「ミサトさんって、ボケキャラ?」
「サキ・・何処でそんなセリフ覚えたの?」
シエルが汗を流しながら、サキに質問した。
聞いた事が無い言葉だったから・・
「さっき、テレビのマンガで見たの。」
「・・さっき、真剣に何を見てるかと思えば・・。」
ライルは呆れていた。
「とにかく、シンジ君・ゼロ君・サキちゃん・ライル君・レイナちゃん・レイは一緒に来てもらうわ。」
「はい。」
「うぃ〜っす。」
「アイアイサー♪」
「分かりました。」
「了解です♪」
「はい。」
個性豊かな面々で・・
「シエルは本部で待機&『道』の練習ね。」
「・・分かったわ。」
「じゃっ、決まりねん♪」

・・翌朝
学校
「なんや?話って。」
屋上にシンジ・ゼロ・トウジ・ケンスケが集まっている。
「うん。明日の日曜日、暇?」
「明日?暇だけど。」
「ワイもや。」
「明日、セカンドチルドレンを向かいに行くんだけど、トウジ達も行かない?」
「う〜〜ん。」
「どないするかな〜。」
「ほほ〜、ミサトさんの誘いを断るのか〜?」
ゼロがわざとっぽく言う。
「何―!!ミサトさんからのお誘い!?」
「行くで!ワイはいくで!!」
「俺も行く!!」
「そう言うと思ったぜ。」
「じゃあ、明日八時に僕等のマンション前に。」
「分かった。」
「く〜、はよ明日がこんかな〜。」

そして、翌日
「じゃあリツコ、行って来るわね。」
「ええ、アスカによろしく。」
「はいはい。」
「く〜、ネルフは美人ぞろいやな〜。」
「本当だな。あ〜あ、俺もエヴァのパイロットになりたいな〜。」
「やめときなよ。ダメージ喰らった時に、ショック死するのがオチだ。」
「グッ。」
「そうそう、前模擬戦やった時に腕飛ばされたけど、凄く痛かったよ。」
「ハウッ。」
「急所をやられれば、その場面でThe ENDね。」
「グハッ。」
「だから、やめておけ。」
「「・・・。」」
二人とも、黙ってしまった。
「じゃあ、行ってきます。」
「いってらっしゃい。」
こうして、一行を乗せた大型ヘリは飛び立った。

・・オーバー・ザ・レインボウ(O・T・R)
「・・やっと、この日が来たわ。」
「よっぽど楽しみにしてたんだな。アスカ。」
「当然でしょ、ヒショウ。やっとバカシンジに会えるんだから。」
「・・まったく、もう少しマシな言い方ないのかよ?」
「いいでしょ、別に。」
「まっ、いいがな。」
「フッフッフッ・・早く来なさい。バカシンジ!!」
O・T・Rに乗っていたのは、なぜか逆行している『あの時』のアスカ、そしてシンジとの再会に燃えているアスカを呆れながら眺める金色の髪を持つ謎の少年だった。

おまけ
戦自
「ネルフめ、よくも恥をかかせたな。あの計画をもって、思い知らせてやる。」
JAによって破壊された施設でただ一人時田は呟いた。


レイ:駄目。(ーー)

アスカ:いきなりなんなのよ?

レイ:私の笑顔がないわ。(ーー)

アスカ:あぁ。たいしたシーンじゃないから、きっとカットされたのよ。

レイ:!!

アスカ:にへら〜って、アンタが笑うだけのシーンだしさ。

レイ:ATフィールド全開っ!(ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーンっ!)

アスカ:ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!(@@)

レイ:きっと私の笑顔は後であるはずだもの。(ATフィールドゆらゆら)>シセンさん
作者"シセン"様へのメール/小説の感想はこちら。
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感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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