・・暗い部屋
「碇・・ネルフとエヴァ、もう少しうまく使えんのか?」
「第五使徒で損傷した参号機に続いて今回の弐号機の修理代で何人の人間が食っていける
と思っているのかね?」
「人・・時間・・そして金、君達はどこまで使えば気が済むのだ。」
「君の仕事はこれだけではなかろう?」
「左様・・人類補完計画、それこそが君の仕事であり我々にとっての唯一の希望なのだ。」
「・・承知しております。」
「・・まあよい。予算については一考しよう。」
「では、後は委員会の仕事だ。」
「碇君、ごくろうだったな。」
フッ・・
「碇・・後戻りはできん。」
フッ・・
「ケッ、勝手な奴らだ。」
シュン・・
「ゼロか。サルベージの方は進んでいるか?」
「ああ、一応は整ってるよ。」
「そうか・・。」
「零号機の赤木ナオコ博士、弐号機の惣流キョウコ博士、そして初号機のカヲルをサルベ
ージすれば戦力は一気に跳ね上がるな。」
「使徒はどうしている?」
「親父がくれたベ−クライトボックスで眠ってるよ。・・使徒同士だから説得も楽だった。」
「・・ゼロ。」
「何?」
「お前が使徒でも、私の息子に変わりは無い。それを忘れるな。」
「・・ありがとう親父。・・ところでさ。」
「なんだ?」
「この世界のカヲルって親父達と関係あるのか?」
「・・実はな。」
「フンフン・・・・・・・エェーーーーーーーーー!!!?」
正解はまたのお楽しみ。


所変わって学校
学校では転校してきたアスカの噂でいっぱいだった。
「見たか?」
「見た、見た。」
「何が?」
「知らね〜のか?あの外人。」
「外人?」
「2−Aに転校してきたんだよ、先週。」
「惣流・アスカ・ラングレーって言うんだってさ。」
「マジで可愛いじゃん。」
「帰国子女だろ?やっぱ進んでんのかなぁ?」
「バカ言え。きっと、ドイツで辛い別れがあって傷を癒せずにいるんだよ。」
「「おぉ〜。」」

カチャッ・・ザザザザザ
「・・フンッ」
ボッ
アスカは下駄箱に入っていたラブレターを『焔の道』で全部燃やした。

「ネコも、杓子も、アスカ・・アスカかぁ。」
「平和やなぁ。」
晴れた空の下、今日もケンスケ&トウジは写真売り。
人気があるのは、アスカはもちろん、レイ・シンジ・レイナ・ゼロ・サキ・ライルも非常
に人気があった。
特に女子にはシンジとゼロ、男子にはアスカが大評判である。
「毎度ありぃ。」
また一枚アスカの写真が売れた。
特に売れているのはアスカの水着写真(何時の間にか撮っていた。)、シンジの笑顔写真、
ゼロの真剣な表情の写真、の三つである。
ちなみに言っておくと、チルドレン達は代金の6:4の割合で交渉成立している。

お客に聞きました。
「やっぱ、惣流さんは可愛い。」
「碇君の笑顔が最高。」
「伊吹君の表情が超クール。」
などの意見がある。もちろん、レイナやレイ、サキにライルの写真も売れている。

「ハ〜イ♪レイナ、サキ、ライル。グーテルモルゲン♪」
「あっアスカちゃん。おはよう。」
「おはよ〜♪」
「おはようございます。」
「シンジ、まだ入院してるの?」
シンジは前回(五話)で『道』の使い過ぎたため検査入院している。
「今日の夕方には退院できるって。」
「無茶してくれたもんねぇ。」
「・・そういえば、レイとゼロは?」
「ゼロさんは今日、ネルフに用事があるそうなのでお休みです。」
「ゼロ君はどっちかって言うと来る方が少ないの。」
「そっかぁ、アイツ技術部だっけ。・・で、レイは?」
「多分、いつもの所で本読んでると思うよ。」
「ありがとっ。」

・・中庭
レイにとって、ここで本を読むのが朝の日課である。
「グーテルモルゲン♪レイ。」
「おはよう、アスカ。」
「何読んでるの?」
「いろいろよ。」
「いろいろって・・。」
レイの横には本の山
「多過ぎよ。」
「そう?」
「・・ねえ。今日の放課後、シンジを迎えに行かない?」
「いいわよ。」
「決まり♪」
そんなこんなで一日が過ぎていく。

・・ネルフ
「ふぅ、やっとできたね。シンジとアスカ用の刀。」
「そうね。・・はい、サイダーでいいんだよね。」
「サンキュ♪マヤ姉。」
作業が終わり、ゼロとマヤがくつろいでいると、ユイが入ってきた。
「マヤちゃん、ゼッ君。お疲れ様。」
「母さんもお疲れ。」
「これで、なんとか使徒と渡り合えるわね。」
「うん、アスカ用のは耐熱性もプラスしたからマグマの中でもバッチリさ。」
「対第八使徒戦の備えは完璧ね。」
「あっ、先輩。」
「リツコさん、サルベージの方はどう?」
「ええ、順調よ。」
「よっ、みなさんお揃いで。」
笑顔のリョウジと不機嫌そうなミサトが入ってくる。
「・・どうしたの?ミサトさん。」
「このバカと朝っぱらから会ったからよ。」
「ハハハ・・。」
「・・ところで、ゼロ君。次の使徒は?」
「音楽の使徒:イスラフェル、そいつは・・。」
ウゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・
「はい、来ました。」
「早ッ!?」
「・・で、誰を行かせます?」
「そうね、とりあえずレイとレイナを行かせるわ。」
「あなたは徹夜で疲れたでしょ?今日は先に帰って寝なさい。」
「ウィ〜〜ッス。」

・・学校
ピピピピピ・・
「敵襲!?」
「あれ?アタシのは鳴ってないわよ。」
「私とレイナだけみたいね。」
「じゃあ、アタシはシンジの迎えに行くわ。」
「・・抜け駆けは許さないわよ。」
レイさん・・バックに青い炎が・・
「わ、分かってるわよ。(侮れないわね、レイ。)」
「ならいいわ。」
「レイちゃん、行こう。」
「ええ。・・アスカ、碇君によろしく。」
名残惜しそうに去るレイとそれを追いかけるレイナ。
「・・行ったわね。」
アスカはレイが去る事を確認した。
「さ・て・と、早くシンジの所に行こっと♪」
・・おいおい

・・町
ゼロは家に帰る途中だった。
「ふぁぁ・・今頃、レイとレイナは使徒迎撃してる頃かな?」
タッ、タッ、タッ、タッ・・・
「ん?」
誰かが走っている足音に気付いたゼロが後ろを向いた瞬間。
ドンッ
「イテッ!?」
「キャッ!?」
走ってきた女の子とぶつかった。
「すいません、大丈夫ですか?」
「イタタタ・・ああ。そっちは?」
「ワタシは大丈夫です。」
「どうしたのさ?そんな慌てて・・。」
「居たぞ!!」
その少女を追いかけて四人の高校生程の男がやってきた。
「おいガキ!その小娘、渡しな!!」
「この子が何したんだ?」
「ウルセー!俺達にぶつかっておいて慰謝料も払わねぇんだよ。」
「・・くだらない。」
「んだと、コラァ!!」
「たかがぶつかったぐらいで慰謝料払えって言うのがくだらないんだよ。」
「このガキ!」
「アンタ等、ちゃんと脳味噌あるのか?」
うわ〜、挑発的。
「こんガキャーー!!ぶっ殺してやる!!」
「やっちま・・。」
シュン・・ドカッ
「ゲフッ!?」
ゼロは不良1をあっさり殴り倒した。
「オ、オイッ!?・・テンメーーー!!」
男達はナイフや木刀を出した。
「あ〜あ、だらしない。武器が無いと勝つ自身がないのか?」
「ウルセー!勝ちゃいいんだよ!!」
「あっそ、・・なら・・。」
バキッ!!
ゼロはあっさり木刀を粉々にしてしまった。
実は、ズルして『冥の道』を使ったのである。
「ナッ!?」
カチャ・・
ゼロは不良達に銃を向けた。
「・・失せろ。」
「ヒッ!?」
少し使徒モードになったゼロに不良達は怯えて逃げてしまった。
なお、女の子には見えていない。
「えっと・・ありだとう。」
「いいさ。それにしても、災難だったな。」
「うん、今日こっちに引っ越してきたばかりだったから。」
「そうか、俺は伊吹ゼロ。君は?」
「(この子がフィフスチルドレン・・)ワタシは霧島マナよ。」
「そっか、・・じゃあな。」
「ええ。」

・・病院
「そう・・使徒が来たんだ。」
病院から退院したシンジとシンジの腕に抱きついて離れないアスカが出てきた。
「ええ、でも大丈夫よ。レイとレイナなら。」
顔が真っ赤にしているシンジと「フニャン」としているアスカ。
「アスカ・・忘れたの?あの使徒の事。」
「・・覚えてるわよ。」
少し忘れていた。
「・・とりあえず、本部に行こう。」
「なら、早く乗りなさい。」
「「えっ!?」」
何時の間にか迎えに来ているユイさん。
「ごめんなさいねシンちゃん♪お邪魔しちゃって。」
「か、母さん!?」
「・・ところでおばさま。使徒は?」
「・・多分、貴方達の想像通りよ。」
「「・・。」」

・・ネルフ本部
「うわ〜、なんかプロレスのパイルドライバーくらったみたいね。」
「それで、僕達はどうすれば・・。」
「貴方達の誰かにユニゾンをしてもらいます。」
「「「ユニゾン!!」」」
「ちなみにシンちゃんはパスね。」
「「「えーーー!?」」」
アスカとレイ、そしてレイナが反対の念を込めて叫んだ。
「仕方ないでしょ、シンちゃんはまだ病み上がりなんだから。」
「あとゼロ君もパスね。まだサルベージの用意ができてないから。」
「じゃあ、誰がやるんですか?」
「この後、相性を調べます。」
「それって・・。」

ミサトの家
「・・やっぱり。」
シンジの予想通り、ツイスターゲームだった。
「じゃあ、アスカ・レイからスタート。」

・・そして、いろいろ変えていった結果。
「じゃあ、結果言うわね。一番は・・サキちゃんとライル君の一発100%よ。」
「やったぁ♪」
「ぼ、僕達ですか!?」
「そうよン♪サキちゃんは初号機、ライル君は参号機で行ってもらうわ。」
「がんばろっ♪ライル。」
「はい、がんばりましょう。サキさん。」
「勝負は三日後よ。念のため、自分の家でこのゲームで練習してちょうだい。」
「「はい。」」
「素直でよろしい♪」
ミサトは部屋を出て行く。
「(やった〜♪ライル君と二人っきりの特訓だぁ。)」
「(サキさんと特訓・・少し恥ずかしいけど、嬉しいな。)」
もうお分かりと思うが二人はお互いが好きなのである。だが、お互いの気持ちを知らない。
「「初々しいしいわね。」」
ユイとシエルは二人の思いに気付き、ニコニコしている。
「「「はぁ、シンジ(碇君、お兄ちゃん)とユニゾンしたかった。」」」
三人はガッカリしている。・・よっぽどしたかったんだね・・。

・・伊吹家
「zzz・・・。」
ベットでグッスリ眠っている。
「ただいまぁ。」
マヤが帰ってきて、ゼロの部屋を覗く。
ゼロの寝顔は起きてるときと違って、すごく可愛かった。
「・・フフッ、ぐっすり寝ちゃって。」
マヤはゼロの布団をかけなおす。
「徹夜ばっかりだったから疲れたのね。」
「ん・・ん〜〜・・。」
「・・おやすみ。私の大好きな弟君。」
・・チュッ
ゼロの額にキスをし、顔を赤くして部屋を出るマヤ。

・・アパートの一室
「定期連絡、本日目的地に到着。その数時間後、ターゲット:フィフスと接触。」
ピピ・・
「なお、数日中にターゲットの通う学校に転校。・・以上。」
ピピ・・
“了解、健闘を祈る。自分の立場を忘れるな。”
「了解。」
ピッ・・
「ムサシ・・ケイタ・・きっと助けるからね。」
人質にされた親友のためこのスパイ作戦を引き受けたマナは、改めて決意を・・
「でも・・。」
固め・・。
「フィフスがあんなかっこいい子なんて思わなかった。」
・・決意がゆるまった。


マナ:ちょーーーーっと待ったぁぁぁっ!

アスカ:どうしたのよ?

マナ:まさか、わたしはシンジ争奪戦に入れないんじゃっ!?

アスカ:入っても負けるだけじゃん。

マナ:いやぁぁぁぁぁっ! そんなのって酷すぎるぅっ!

アスカ:油断ならないのは、ファーストのみってことねっ!

マナ:しくしくしく。(・;)

アスカ:あの青い炎だけは、なんとかしなくちゃいけないわ。
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