「なんやセンセ、もう平気なんか?」 「うん、一応検査のためだったから・・。」 「そういえば、惣流と綾波は?」 「・・あそこだ。」 久々の登校であるゼロが指を差す。 バチバチバチバチ・・ 何やら一触即発っぽい雰囲気のアスカとレイ、それをなだめようとしているレイナ。 「・・どないしたんや?」 「昨日、シンジが退院する時に、アスカが抜け駆けしたらしいんだよ。」 ゼロの隣に居るヒショウが説明した。 「・・納得やな。」 「モテル男はつらいな、シンジ。」 「か、からかわないでよ。」 シンジの顔が真っ赤になる。 「ところで、水島と御雷は?」 「今回は二人が使徒と戦うんだ。・・で、その特訓中。」 「大変やな〜、元使徒も。」 実はサキ達が使徒だという事はみんな知っているのだ。 「あっ!思い出した。」 「な、なんや!?やぶから棒に。」 「今日、転校生が来るんだ。」 「また!?」 「でも、今回の使徒はまだ人間にしてないぞ。」 「じゃあ、本当に外部からの転校生なんだ。」 トウジとケンスケ、そしてヒショウは話に花を咲かせている。 「(・・シンジ。)」 「(!!ビックリした。)」 久々のテレパシーで驚くシンジ。 「(たぶん転校生は『霧島マナ』だ。)」 「(マナ!?)」 「(・・もっとも、今回のターゲットは俺みたいだけどな。)」 「(そっか・・マナを頼むね。)」 「(OK。)」 ・・2−A 「転校生の霧島マナです。」 「「!!」」 「?」 「・・。」 「(・・ビンゴ。)」 「ふうん。」 マナの転校に驚くアスカとレイ、二人の反応に謎めくレイナ、ただ沈黙するシンジ、 やっぱりと思うゼロ。分離前にアスカの記憶で見た少女だと思うヒショウ ・・屋上 シンジ・レイ・アスカ・ゼロが緊急会議をしていた。 なお、レイナはヒカリと一緒にマナを校内見学の案内をしている。 ヒショウは、とりあえずトウジ達とおしゃべり。 「ねえ。アイツが来るの早くない?」 「そうね、彼女が来たのはマトリエル・・第九使徒の時のはずよ。」 「大方、戦自のお偉いさんがシンジとレイナの実力を見てあせったんだろうな。」 「あまり、『道』を使わない方が良かったかな。」 「・・まっ、どのみち避けられない事態だからな。早い方がいい。」 「それで、どうするの?」 「・・前に一度会った時に『アラエル』で彼女の心を見たんだけど、例の友達が今回人質にされてるみたいだぜ。」 「前と違うわね。」 「・・どうするの?」 「とりあえず様子を見て、加持さんに二人を助けてもらうさ。」 「そうね。それが一番得策ね。」 「まっ、なる様ななれさ♪」 こうして、会議は終了。ゼロはそのまま屋上に残り昼寝・・つまりサボリ。 ・・放課後 「zzz・・・。」 ・・まだ寝ていた。 「・・伊吹君。」 「・・ふぁ。」 目が覚めると目の前には転校生がいた。 「よぉ、霧島。」 「もう授業終わっちゃったよ。」 「ふうん・・ヨッと。」 ゼロは寝っころがった体勢から逆立ちしそのままバク転して起き上がった。 「いいんだよ。どうせ、ロクな事じゃねぇさ。」 「そうなんだ。・・ねぇ。」 「ん?なんだ?」 「ワタシの事はマナでいいよ。」 「・・分かった。なら俺もゼロでいい。」 「うん。」 「ところで、なんでお前が居るんだ?いつもはシンジ辺りが来るはずなんだけど・・。」 「碇君達は掃除当番ですって。」 「そういえばそうだな。・・あんがと。危うく深夜まで昼寝する所だった。」 「・・よく眠るのね。」 「ちょっと最近、徹夜続きでね。」 「ふうん・・。」 「じゃあ帰るか。」 「ワタシも一緒にいい?」 「・・別にいいけど。」 「じゃ、行こ♪」 マナはいつの間にか任務としてではなく自然にゼロと会話をしていた。 「ところで、ゼロ君は何処に住んでるの?」 「俺か?マンションで姉さんと二人暮し。」 「お姉さん?」 「ああ。もっとも、血は繋がってないけどな。」 「・・ごめんね。」 「気にすんな。・・途中まで送るよ。」 「うん♪」 ・・コンフォート 「・・同じマンション。」 「・・みたいね。」 「・・・・まあいいや。じゃあな。」 「ねぇ、ゼロ君。」 「なんだ?」 「今度、デートしよ。」 「!?」 「・・駄目?」 マナちゃん、ゼロに対して上目遣い。 「はぁ・・いいぜ。どこに行きたい?」 「やった♪あのね、湖に行きたい。」 「分かった。今度の休みにでも行くか?」 「うん♪絶対だよ。」 「はいはい。じゃあな。」 「また明日。」 ゼロはエレベーターから下りて、そのまま自分の家に向かった。 ちなみにシンジ達が居るのが七階、マナは九階である。(何階あるんだよ?) ・・伊吹宅 「・・ただいま。」 「お帰り、ゼロ君。」 「あれ?マヤ姉、帰ってたんだ。」 普段は夜に帰ってくるマヤがめずらしく帰っていた。 「うん、今日は早めに仕事が終わったの。」 「そっか。じゃあ、久々にマヤ姉のご飯が食えるな。」 「ええ、任せといて♪腕によりをかけて作るから。」 「楽しみにしてるよ。」 姉弟の会話の後、ゼロはライル達の様子を見に六階に向かった。 ・・元使徒組宅 ガチャッ 「ゼロ、いらっしゃい。」 シエルがゼロを迎えた。 「どう?二人の様子は。」 「「いらっしゃい♪」」 サキとライルが揃ってお出迎え。もちろん前のシンジ・アスカ同様ペアルック。 「・・バッチリだな。」 「ええ。」 ピンポーン 「はーい?」 ガチャッ 「どなたですか?・・ってシンジじゃない。アスカにレイ、レイナも。」 「こんにちはシエルさん。」 「よぉ。お先に。」 「なんで居るのよ!?」 「別にいいだろ。・・あれ?ヒショウは。」 「今日はアイツが食事当番なの。」 ちなみにシンジとレイナは葛城宅に、レイとアスカはヒショウと葛城宅の隣に住んでいる。 ・・たまにヒショウの悲鳴が聞こえるが・・ 「これなら、明日の本番もバッチリね。」 「うん、アタシ頑張る♪」 「僕も頑張ります。」 「頼んだぜ、二人とも。」 「「はい。」」 こうして夜を迎える。 ・・葛城宅 ゴクゴクゴク・・ 「プハァァァ〜〜、やっぱ仕事の後はこれねぇ。」 「ミサトはいつでもそうでしょ。」 「・・いつもの事よ。」 「これおいしいよ。」 「ありがとなレイナ。今日のは結構自信があったんだ。」 「本当に美味しいよ。」 「シンジのお墨付きとは嬉しいね。」 アスカ達は食事の時はミサトの家で食べている。 もっとも、食事当番はシンジ・レイナ・ヒショウの三人だけである。 ・・伊吹宅 「オイシーー♪」 「ホント、美味しいわ。」 「良かったぁ。」 「やっぱりマヤ姉の飯は美味いや。」 「そうですね。」 一方使徒達はいつも伊吹宅で食事をしている。 一応、料理はできるがみんな一緒の方が楽しいとの事。 ・・一方マナは 「定期連絡、ターゲットとの親睦を深める事に成功。」 ピピ・・ “了解、後日の報告を待つ。” ピッ・・ 「はぁ・・。」 パソコンを止めたマナはベットに寝っころがる。 「ワタシ・・ゼロ君達を騙してるんだよね。」 マナは仲良く接してくれたゼロやレイナ達を思い、自分に対して酷い罪悪感を感じた。 「・・決めた。・・話そう・・ゼロ君に本当の事を。」 マナは覚悟を決め、ゼロに真実を話す事にした。 ・・翌日 イスラフェルが再生を完了し、再び動き始めた。 「おいでなすったわね。・・サキちゃん、ライル君、準備はいい?」 『うん♪』 『こっちもOKです。』 「作戦まであと10分よ。がんばってね。」 『『了解。』』 「前はアスカちゃんとお兄ちゃんだったよね?」 「うん、そうだよ。」 「レイちゃんとは合わなかったの?」 「いいえ、どちらかと言うと、私の方が碇君と合っていたわ。」 「そうなの?じゃあ、どうして?」 「・・アスカがその事でムキになってそのまま変更しなかったのよ。」 「そ、そういう事もあったわねぇ。」 「・・・。」 「と、とにかく頑張んなさいよ。」 『は〜〜い♪』 『頑張ります。』 「そういえばゼロ君は?」 「なんか加持さんに用があるそうです。」 「あの馬鹿に?」 ヒドイ言われよう とある一室 「・・で、俺に話ってのは?」 「ああ、加持さんに仕事を依頼したいんっすよ。」 「依頼?」 「そっ、戦自で捕らえられている二人の少年兵を助けて欲しい。」 「・・それで、俺に報酬でもくれるのかな?」 「そうだねぇ。・・まっ、アンタが知りたい事を教えるってのでどう?例えば、ゼーレの企みとか?」 「・・なるほど。」 「もっとも、ヒショウからも聞いてると思うけどね。」 「・・分かった。それで、誰を救えばいいんだ?」 「そうこなくっちゃ♪」 ゼロはリョウジにマナの事や自分達の事を話した。 「話は分かった。それで、いつやればいい?」 「いきなりは駄目だね。・・決行は二週間後でいいかな?」 「・・分かった。今回は特別サービスだ。ただでいい。」 「サンキュ♪」 こうしてマナの親友、ムサシとケイタを助ける作戦が動き始めた。 そして、マナを救うためにもこの作戦は失敗できなかった。 そしてゼロは戦場に向かった。 ・・場所は変わって戦場 イスラフェルの前に立ちはだかる初号機と参号機 「ライル、一気に決めるよ。」 「はい、62秒以内でかたをつけましょう。」 『行くわよ。』 ミサトの合図と共に外部電源が解除される。 『発進!』 ギンッ 二体が起動した。 そのまま見事なコンビネーションで相手を翻弄した。 痺れをきらしたイスラフェルをパンチ・キックの乱打で応戦する。 そのまま押され、イスラフェルが合体しようとした瞬間 「「ハァーーーー!!」」 二体のダブルキックが決まりそのまま吹っ飛ぶイスラフェル 「今だ!レストレーション!!」 遠距離からゼロがイスラフェルのコアを浄解する。 パシャッ・・ イスラフェルの二つのコアは崩れ、女性と男性が一人ずつ現れた。 『ごくろうさま、後は救護班に任せて撤収してちょうだい。』 「「「了解。」」」 この後、女性は音無イスラ、男性は音無フェイルと名乗り、シエル同様保安部に所属した。 ・・次の休日(四日後) ゼロは駅前の噴水でマナを待っていた。 同じマンションなのにどうしてと思うだろうが、それは気にしない様に・・ ゼロはジーパンとTシャツで上に灰色のパーカーを着ている。 シンジに並ぶ美少年(シンジの銀髪&髪の毛が背まであるバージョン)なので、女性からはかなり注目されていた。 「(ねえ、あの子イケてない?)」 「(うんうん、カッコイイよね。)」 などなど・・ 「ゼロ君。」 丁度時間通り待ち合わせ場所に到着。 「おまたせ。」 「いいさ、時間通りだしね。」 「じゃ、行こっ♪」 「ああ。」 二人はそのまま駅に入っていった。 ・・それを追いかける黒服の男達 「なぜ、M・Kを追いかけるのだ?」 「奴は裏切る可能性があるからだ。」 「キシシシ・・その時に俺達がチルドレンもろとも処分すればいいのさ。」 「なるほど。」 ・・そのすぐ後ろの木の上 シュタッ 木の上に男女一人ずつ降り立つ。 「彼等、ただの人間じゃないわね。」 「姉貴、この服なんとかなんねぇのか?」 二人の服装は忍者の忍装束である。 「・・私達の使命はゼロの隠密護衛よ。こういうのはまず形から。」 「(こういう事なら、忍者マンガ見せなきゃ良かった。)」 ガンッ 「愚痴を言わないフェイル。行くわよ。」 「分かったよ。」 こうして音無姉弟はゼロ達を追いかけた。
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