「今回はどのような用件です。」
ゲンドウと反対の席に座るキール。
「碇・・何かを隠しているのだろう?」
「・・なんの事ですか?」
「隠さなくてもよい。・・例えば、お前の息子達がこの世界の人間では無い事。」
「!!」
「その一人が使徒を人間にしている事もだ。」
「・・。」
「フ・・・ハハハハハッ。」
「何がおかしいのです。」
「・・正直に言おう。私も、もう一つの世界から来た。」
「!!」
「あの時、思い知らされた。・・自分の愚かさを。」
「・・。」
「この事は他のメンバーにも他言無用だ。・・これからもよろしく頼む。・・ゲンドウ。」
「・・そう呼ばれたのは、何年ぶりでしょう。・・キール爺。」
「葛城君が亡くなる以前までだ。」
「葛城隊長が亡くなり、セカンドからもう15年ですか。」
「そう、すべては我らの愚かな野望から始まった。
・・その結果、葛城君は死に、セカンドがおきた。」
「・・。」
「そして、使徒が襲来し、サードが起きた。」
「・・起こさせませんよ。子供達のためにも。」
「そうだな。・・できるだけの資金は送る。・・たのんだぞ。」
「分かっています。・・葛城隊長に対する償いのためにも、子供達のためにも・・必ず!!」


・・マンション
〜〜♪〜〜♪〜〜♪
マンションに響くフルートの音。
その正体は、ベランダでフルートを吹くゼロだった。
「綺麗な音ね。」
「〜〜♪ん?マナ、おはよう。」
となりのベランダからマナが顔を出す。
結局、マナの二人の親友はここを離れ、マナは伊吹宅のとなりに引っ越した。
「上手だね♪フルート。」
「サンキュ♪」
「マナちゃん、おはよう。」
「あっ、マヤさん。おはようございます。」
「おはよう、マヤ姉。」
「はい、おはよう。早くしないと遅刻よ。準備しなさい。」
「「は〜い。」」

・・エレベーター
「マナ、例の件は?」
「うん。言われた通りにしてよ。」
「悪いな。危険な事、させちまって。」
「ううん、いいの。ワタシでも役に立てたんだから。」
「・・そうか。」
ピンッ
「ヨッ♪」
「サン、おはよう。」
「誰?」
「あっ、そうか。マナは知らなかったっけな。彼女は焔部サン。うちらのクラスの転校生だ。」
「よろしくな、マナ。」
「こちらこそよろしく、焔部さん。」
「サンでいい。(コイツが霧島マナか。・・負けねェゼ!)」
「分かったわ、サンさん。」

・・学校
ピピピピピ・・
「先生。俺、呼ばれたので早退します。」
「分かりました。」
そのままゼロは教室を出た。
「センセはいいんか?」
「うん。ゼロは、実験の準備だって。」
「ほ〜。」

・・昇降口
学校の前に加持の部下が車で迎えに来ていた。
「おつかれさん。・・奴らの動きは?」
「まだ、確認されていません。」
「OK。急ごう。」
実は、マナに頼んで戦自に偽の情報を流してもらったのだ。
それは、『ネルフ全体の電力源を見つけた』という情報である。
もちろん、それは嘘で、そこにはシエル、イスラ、フェイルが待ち構えていた。

・・偽の配電室
来たのはバイオロイドが十体である。
『・・ここだ。』
『ここを叩けば・・。』
「そうはいかないね。」
『!!』
フェイル達が飛び込む。
『ちっ、罠か!?』
『M・Kめ、裏切ったか!?』
「悪いけど、死んでもらうぜ。」
『クックックッ・・死ぬのは貴様らだ!!』
「どうかな。」
ヒュンヒュン・・
『グハッ!?』
『ギャーー!?』
シエルの鞭で二匹がバラバラになる。
「私の鞭にかかりたい奴、居る?」
ズバッ
『ガハッ!?』
イスラも一体倒す。
「フェイル、いくわよ。」
「へいへい。」
「「ヘル・ボイス!!」
二人はバイオロイドに超音波を与える。(ちなみに二人は『音』の『道』)
『グワァァァァ!!』
そのまま散っていくバイオロイド。
『グググ・・死ねーー!!』
「しまった。」
「次元斬!!」
シュン・・ズバッ!!
『ギャーーー!?』
空間ごと裂かれたままバイオロイドは絶命した。
「間に合った。」
スッ
・・天雷!!
バリリリリリリ!!
『ギェッ!?』
バタッ
「シンジ!来てたのか?」
「うん。少し、気になって。」
「ともかく助かったよ。サンキュな。」
「いいよ。」

・・司令室
「・・そうか、ごくろうだった。・・シンジとゼロはエントリープラグで待機。・・。」
ピッ
「あなた、ゼロの体の事、聞きました。」
「・・ああ。」
「最悪の展開にならねばよいな。碇。」
「・・。」

ビー!ビー!ビー!ビー!
『第九使徒マトリエル発見!到着予定時刻20:00。』
「チルドレン出撃用意。」
「了解!シンジ君、ゼロ君、アスカ、レイナちゃん、ヒショウ君、出番よ。」
『了解!!』

・・ドッグ
「やっと、僕の出番だ。」
「でも、思ったより早くロールアウトされたね。四号機。」
「そうだな。」
『今回は5ヶ所別々の配置について一斉に攻撃をしかけて、足を破壊して。そしたら・・。』
「俺が人間にする。」
『そうよン♪』
「OK。行こう。」
「じゃあ、最初はアタシとレイナがトップで行くわ。」
「うん。」
「ミサトさん、レイと零号機の方は?」
「少し間に合わないわね。予定時刻の5分後って所ね。」
「了解、それまでには片付くかもね。」
『ゼロ君、『あの武器』は零号機用だから本当に片付けないでよ。』
「大丈夫ですよ、ミサトさん。ゼロはそんな事はしませんよ。」
「そうそう。」
「・・それもそうね。じゃ、パッパッとやってちょうだい♪」
「「「「「了解!」」」」」


・・数時間後(午後8時)
第九使徒マトリエル襲来。
『来たわよ。初号機・壱号機・弐号機・参号機・四号機リフトオフ!』
ガシャン!
「行くよ、雷刃!」
「岩津波!!」
「焔牙!!」
「行くぜ!邪槍!!」
「時空玉!!」
シンジ達は一斉攻撃を仕掛ける。
バリリリリリ・・
ドガッ!!
ボワーー!!
ズババババ・・
ドンッ!!
マトリエルはふらつく。
「今だ!」
参号機は槍を持ち、突っ込んだ次の瞬間
バシュッ
「何!?」
なんと、横の目からも溶解液が飛び出す。
バシャッ・・シュゥゥゥ
「ガァァァァァ!」
「ゼロ!?」
参号機の装甲が融解し、その反動がゼロにもダメージを与える。
『参号機全装甲、融解!危険です!!』
『ゼロ君!?』
「グッ・・まだ、いける。」
『駄目!・・お願い・・後退して。』
マヤさん、今にも泣きそうな顔をしている。
「・・リツコさん、レイは?」
『もう出てるわ。』
ガシャン!
「・・ごめん。」
「かまわねぇさ。レイ、頼む。」
「ええ、・・月光波。」
ヒュィィィィン・・
『参号機全装甲、回復していきます。』
「やっぱり、『月』は回復向きだね。綾波、あの武器は?」
「もうスタンバイできてるわ。」
零号機のライフルにはオプションパーツが接続されていた。
「よし、合図したら発射して。」
「分かったわ。碇君。」
「ゼロ、いける?」
「ああ。レイのおかげで大丈夫だ。」
「OK。『あれ』、いくよ。」
「オーライ。」
初号機と参号機がビルを利用し、大ジャンプする。
「「ツインネイル!!」」
シュゥゥゥゥゥン!!
初号機からは白の刃、参号機から黒の刃が放たれる。
ズバーーン!!
マトリエルの後ろの2本の足が切り落とされる。
「レイナ、アタシ達も『あれ』、いくわよ。」
「うん。岩津波!!」
レイナ(壱号機)はさっきと同じ岩の刃を津波のように走らせる。
「炎熱衝!!」
その岩津波にアスカ(弐号機)の炎が宿る。
「「合体必殺技!!爆炎土龍閃!!」
ドガガガガガ・・ズバーーン!!
そのまま、前の右足を両断する。
「僕も負けない!喰らえ!!」
ズバッ!
ナイフで最後の一本を断ち切る。
ドスン!!
そのままマトリエルの胴体は地面にぶつかる。
「綾波!!」
「ええ!」
バシュンッ!!
放たれたレーザーは真ん中が無い変わったビームだった。
シュン・・
そのビームがマトリエルを貫く。
ゴロゴロ
体内からコアが転がる。
『成功です!』
『ゼロ君。』
「分かってる。レストレーション!!」
パシャッ・・
コアからはミサト達と同期程の男性が現れた。
彼は雨宮トルマとなり、この後おもしろい事になるのだが、それは後のお楽しみ♪

・・司令室
「ご苦労だった。」
「あんなの大した事ないですよ。」
「そうそう、楽勝だぜ。」
「そうね。」
「君達は、引き続き各任務に全力を尽くしてもらう。」
「「「了解!」」」
「親父。」
「ゼロか。」
ゼロが入ってくる。
「サルベージの事だけどさ。明後日、決行でいいか?」
「問題ない。」
「サンキュ♪」
「・・ゼロ。」
「何?」
「・・無理はするな。」
「・・・ああ。わかってるさ。」


・・二日後
リツコ達技術部が総動員で準備をしていた。
「どう?リツコさん。」
「ええ、大丈夫。これならうまくいくわ。」
「なら良かった♪シンジ、レイ、アスカ。準備してくれ。」
「うん。」
「分かったわ。」
「OK。」
三人はエヴァに入る。
「マヤ姉。アダム達は?」
「いいわよ。」
「じゃあ母さん。」
「そうね。・・これより、サルベージを開始します。全員、配置についてください。」
『はい!!』

・・数時間後
「初号機コアから反応確認。」
「よしと、俺の出番だ。」
ゼロは前に出る。
「アダム、頼んだぜ。」
アダムの入っているカプセルを割り、コアに押し込む。
パシャッ
その瞬間、変わりに人間(?)が出てきた。
「・・間違いない。『渚カヲル』だ。」
それに続き、惣流キョウコ・赤木ナオコがサルベージされ、リリスとガキエルが入った。

・・司令室
「ご苦労様、ゼッ君。」
「母さん・・その言い方、なんとかならない?」
「いいじゃない♪」
「・・まあいいけ・・ど・・。」
フラッ・・ドサッ!
ゼロはそのまま倒れてしまった。
「「ゼロ!?」」
「ゼロ君。」
「ハァ・・ハァ・・。」
ピシピシピシ・・
体中にヒビが入る。
「ゼロ!!」
シンジが司令室に入ってくる。
「シンちゃん!急いでリッちゃんを呼んできて!!」
「う、うん!!」
「ハァハァ・・(・・クソッ、もう限界だったのかよ・・。)」
シンジがリツコを呼びに行く時、ゼロは自分の限界を悟った。


マナ:予定よりかなり早く限界が・・・。

アスカ:リツコ、間に合って。

マナ:赤木博士に助けられるといいけど。

アスカ:きっと、リツコならなんとかしてくれるわよ。

マナ:かなり難しい状況よ。

アスカ:ここで役にたたなきゃ、ただのマッドババーに成り下がるだけよ。

リツコ:アスカをショッカー改造手術室に拘束なさいっ。

マヤ:キー!

アスカ:いやーーーーーーーーーーーーーーーー!!!(@@)
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