「ハァハァ・・(・・クソッ、もう限界だったのかよ・・。)」
シンジがリツコを呼びに行く時、ゼロは自分の限界を悟った。


・・ネルフの病院
ピピピ・・
リツコはゼロから体温計を取る。・・体温計?
ゼロや擬人化した使徒達の担当はリツコ達技術部がする事になっている。
体温計には39.9と表示されている。・・39.9?
「ゼロ君の症状は・・風邪ね。」
「・・へっ?」
ベッドで顔を赤くし、額にタオルを乗せたゼロは目を丸くした。
「つまり、風邪の影響で周りに纏っていたATフィールドが不安定になってたのよ。」
「あ〜〜だから、昨日あったヒビが消えてるんだ。」
「そうよ。」
「ゴホゴホ・・なんで僕まで?」
「・・・・やっぱ、繋がってるんだな。」
そう、シンジとゼロは、所詮は一心同体。
シンジも巻き添えをくい、風邪を引いてしまった。
「・・とにかく。二人共、しばらくは入院してもらいます。」
「「は〜い。」」
リツコは部屋を出て行った。
「あ〜〜〜、ダルイ。」
「ゼロ、大丈夫なの?」
「まあな。自分でも少しヒヤヒヤしたが、大丈夫だな。」
「良かった♪」
「・・シンジ。」
「何?」
「これで、退院したら『例の訓練』始めるからな。」
「・・うん。」
シンジの顔が真剣になる。
「シンジ!」
アスカ達が病室に入ってくる。
「みんな・・どうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ!アンタが倒れたって言うから、心配で来たのよ!」
「碇君・・大丈夫?」
「お兄ちゃん、早く良くなってね♪」
「ありがとう。」
シンジが笑みをこぼすと3人はボッと顔を真っ赤にした。
ゼロは笑いを我慢していた。
「あれ?倒れたのゼロ君じゃないの?」
続いてマナとサンが入ってくる。
「両方だ。」
「僕達・・繋がってるから・・ハハ・・。」
「災難ねぇ。」
「しかし、ゼロが風邪なんてなぁ。」
「・・うるへぇ〜。」
「コラッ、ゼロ君達は病人なのよ。静かにしなさい。」
マヤが入ってくる。・・しかし、服装は
「マヤ姉・・コスプレ趣味あったっけ?」
マヤの服装は看護婦の衣装だった。
「ふえ〜〜ん、私だって好きでしてるんじゃないのよ〜〜。」
「・・まさか。」
「ナオコさんかよ〜。」
あれからすぐ目が覚めたリツコの母:赤木ナオコ。
・・彼女の趣味は誰かをコスプレさせることだった。
「・・あの人、何歳だっけ?」
「さあ?サルベージの影響で当時よりかなり若返ってるしな。23歳って所かな。」
そう、サルベージの影響でカヲルを除く二人は当時より若返っていた。
「リツコさん、かなりイラついてたな。」
「母親が自分より年下になったんだもんね。しょうがないわ。」
「アスカはどうなの?お母さんが、自分とほぼ同じくらいまで若返って。」
「う〜ん・・ちょっと複雑。ママって言うより、お姉ちゃんみたいだから・・。」
「そう思うのが普通よ、アスカ。」
「誰も、14歳の子の母親が18歳とは思えない・・つ〜か、ありえねぇからなぁ〜。」
「・・最近、思ったんだけど。」
「何?」
「ゼロって、シンジの分身よね?」
「ああ。」
「なんで、言葉使いが違うの?」
「えっ?ゼロ君って、使徒じゃないの?」
「マナには言ってなかったな。俺はシンジのコピー兼使徒なんだよ。」
「ふ〜ん。」
「おそらく、魂が違うからじゃねぇか?コピーでも、別の存在みたいなモンだからな。」
「なるほど、なるほど。」
「そういえばさ、知ってるか?」
「何をだ?サン。」
「この病院ってさ・・出るんだって。」
「な、何が?」
アスカ・レイナ・マナ・マヤは少し引いた。
「ユ〜レイ〜が〜〜。」
「「「「キャーーーーーー!!!!!」」」」
ちょうど、太陽が隠れた時にサンが言うものだから4人は驚いて悲鳴をあげた。
レイは幽霊を知らないため、頭上に?マークがういていた。(笑)
「そ、そそそそそんなのは、はったりじゃない?」
いつも強気なアスカも幽霊・おばけの類は駄目みたいでシンジに抱きついている。
「く、苦し〜〜。」
ちょっと、首が絞まってるシンジは苦しそうだ。
「あっ、ごめん。」
「面白そうだな♪サン、詳しく教えてくれよ。」
「ケホッ・・僕も知りたいな。」
「「「「エーー!?」」」」
ゼロとシンジにくっついていた四人は意外な言葉に驚いた。
「オウ♪」
なぜか辺りが暗くなる。
「この病院ってさ。戦闘で負傷した軍人や巻き込まれた奴も来るのは知ってるよな?」
「うん。」
「でも、中にはそのまま死んだ奴も居るだろ。」
「・・そうだよな。傷が深かったりしてな。」
「その死んだ奴の霊らしいんだけど・・。」
「けど?」
「ソイツ等は助かった奴どころか、無関係の奴も呪うって噂だぜ。」
「う、ウソ・・。」
「・・で、いつでるの?」
シンジはかなり興味がありそうだ。
「そりゃ、夜に決まってるだろ♪しかも、夜は深い真夜中に・・。」
ピシャーーーン!!
「キャッ!?」
「ウワァ〜、凄い大雨&雷。こりゃ、帰るのは無理だな。」
実はこの時、大型台風が来ていたのだ。・・しかも直撃。
「そ、それじゃあ・・。」
「今日はここに泊まるしかないわね。」
「そんな〜〜。」
「・・アスカは碇君と一緒は嫌?」
「シンジ♪一緒に寝よ♪」
この人は・・
「・・残念。でも、一緒に寝るのは私。」
「ダメ!お兄ちゃんとは私が寝るの!」
ギャアギャア・・
「ここ、病室なんだけどな〜・・。」
クイッ
「ん?」
ゼロは誰かに引っ張られた。
「・・ゼロ君。お願い、一緒に寝て。」
「わ、私も。」
マナとマヤはかなり怯えていた。
「・・はい。」
「1、	アタイも・・。言ってたら怖くなってきた。」「2、	
・・おいおい(汗)

・・で、
さすがに個室では狭いので、大部屋に移ることになった。
「8。」
「ダウト!」
「はい。」
マナはトランプをめくる。
「ゲッ。」
「はい、アスカ。」
アスカにトランプが行く。
「・・まるで、修学旅行だね。」
「まるでじゃなくて、かなりだな。」
熱は下がったが、まだベッドから出れないシンジは本、ゼロはゲームボーイで遊んでいた。
・・フッ
部屋が暗くなる。
「停電!?」
「・・いや、ただ単に消灯時間なだけ。」
「じゃあ寝よ。・・早くしないと出るかもよ。」
ガバッ
既に入った後だった。
・・早いなぁ。

・・真夜中
トッ・・トッ・・
「ん?」
「どうしたの?」
シンジが何かの音に気付き、起き上がると次々と目を覚ます。
「何か・・来る。」
「ま、まままままさか!」
「例の幽霊かもね。」
「ど、どうするの?」
「幽霊って事はシンジの『光』で浄化できるんじゃねぇか?」
「試す?」
パァァァァ・・
シンジの手のひらに光が集まる。
そして部屋の扉が開く。
ゴクッ
「ハローー♪」
ドンガラガッシャーーーン!!
「・・サキちゃん。ちょっといいかなぁ?」
「な〜に?」
コンッ
アスカはサキの頭を叩く。
「イタッ。」
「なんでこんな時間に来るのよ!」
「だって、この方がスリルがあるんだモン。」
「スリル感じんでいい!」
「・・で、他にいるのか?」
「居ますよ。」
ライル・トウジ・ヒカリ・ケンスケ・そして・・
「ママ!?」
アスカの母親:キョウコまで来た。
「ごめんね、アスカちゃん。押しかけちゃって。」
「しかし、センセの『道』は便利やなぁ。電気が必要あらへんやんか。」
「おいおい。それじゃあ、シンジが電源みたいじゃんか。」
「まったく。」
結局、このどんちゃん騒ぎは夜明けまで続いた。

・・翌日 病院屋上
ゼロは完治していた。
「ふわ〜〜、あんまり寝れなかったな〜〜。」
「ゼロ君、おはよう。」
「マナ、おはよっ。」
マナがゼロに近づいてくる。
「もう大丈夫なの?」
「ああ、なんとかな。」
「良かった♪」
「・・こんなんで苦しんでたら、これからは耐えられねぇよ。」
「えっ?・・どういう・・事なの?」
「(!?しまった・・。しょうがない)・・マナ、これから言う事は内緒にしててくれよ。」
「う、うん。」
「俺の体さ・・もう半年ももたないんだよ。」
「!?・・嘘?」
「・・。」
「どうして・・どうしてなの!?」
「・・俺の体が『造り物』だから。」
「えっ!?」
「日に日に脆くなってる。・・この戦いまではって思ったけど、もちそうに無い。」
「そんな・・。」
「・・そろそろ行こう。みんな起き・・。」
ガバッ
「!」
「・・やだよ。死んじゃやだよぉ・・ヒック・・ヒック・・。」
「マナ・・。」

・・廊下
「落ち着いたか?」
「・・うん。」
「ゴメンな。・・変な事言って。」
「・・強いね。ゼロ君は。」
「なんで?」
「だって、もうわずかしか生きられないのに・・。」
「・・やっぱり聞いてなかったか。」
「え?」
「いいか?確かに一度死ぬけどそれは『使徒』の俺が死ぬんだ。
うまくいけば人間に生まれ変われるかもしれないんだぜ。」
「本当!?」
「まったく・・。」
「ゴメン。」
「・・まあいいや。」

・・病室
「ヨォ、起き・・た。」
ボンッ
ガガガ・・!!
ボワーー!!
アスカとレイナとサンが『道』を使って、大喧嘩をしていた。
「な、なんだ!?この騒ぎは?」
「ゼロ君、こっち。」
マヤは安全区域にゼロ達を呼び寄せた。
「マヤ姉、キョウコさん、何だよ?こりゃ。」
「サンちゃんがアスカちゃんを蹴飛ばしたみたいなの・・寝返りで。」
「あらら・・。」
「でも、なんでレイナちゃんまで?」
「それがね、巻き込まれたのよ。アスカちゃんの『道』に・・それで。」
「三つ巴って訳か。・・ところで、シンジは?」
「悪化しないように別室に移したわ。」
「さすがに手に早い。」
この喧嘩で病院の35%が吹き飛び、ネルフがその修理代を払ったのは言うまでもない。

・・数日後
「シンジ、退院できて良かったな。」
「うん。」
「しかし、災難だったなぁ。」
「・・。」
実は病院の20%が吹き飛んだ時に巻き添えを受けたのだ。
幸いATフィールドで防いだが、念のため検査入院(また!?)していたのだ。
ちなみにアスカ達はお仕置きとしてミサトのカレーを食べさせられた。
内二人は即失神、もう一人も間もなく気を失った。
元使徒娘は「川と花畑が見える・・。」と言い残し、失神したそうだ。
その一言を聞いたミサトは部屋の隅で、のの字を書いていたそうだ。
「さて・・明日から『例の訓練』始めるぞ。」
「・・分かったよ。」

翌日 ネルフ本部 特別訓練室
向き合うシンジとゼロ
「シンジ・・今から俺は『もう一つの姿』になる。
ルールはどちらかが戦闘不能になるまで戦う・・それだけだ。
そして、お前の勝利条件は唯一つ『俺に勝つ事』だ。・・いいな?」
「・・うん。」
シュゥゥゥン
シンジは『光剣』を出し、構える。
「ハァァァァァ!!」
ブワァァァ・・
ゼロの周りに衝撃波が放たれ、しばらくすると『ルシフェル形態』になった。
『(シンジ・・俺を越えてみろ・・俺の命が尽きるまでに・・)行くぞ!』
今、試練が始まる。


マナ:風邪って・・・。(ーー)

アスカ:なんだか、死ぬんじゃなくて人になるだけみたいよ?

マナ:(ーー)

アスカ:どうする?

マナ:これは、徹底的に天罰を下すべきね。

アスカ:火炎放射器?

マナ:ミサトカレー放射器なんて、どうかしら?

アスカ:ひぇぇぇぇっ! アタシのいないとこで使ってよっ!

マナ:とりあえず、アスカで実験しましょ。(どばばばばばばばばばっ!)

アスカ:ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーっ!(TOT)
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