・・ケイジ 初号機前
「準備はいい?」
『任せなよ、俺等がシンクロしてるからお前はお袋さんをしっかり説得しなよ。』
『そうだ、ここは任せておけ。』
『お母さんに会えるといいね?』
「うん・・行こう。」

ピー!ピー!ピー!ピー!・・
「何なの!?」
「ケイジに誰か居ます・・シンジ君です!」
「何ですって!?」

・・再びケイジ
『もうバレたみたいだな。』
『じゃ、急ぐか。』
「うん。」
バカッ
シンジは初号機の胸に触れると、胸部の装甲が開き、コアが露出した。
『・・まったく、お前の『力』は初号機とのフルシンクロじゃないのか?』
『いや・・これはオプションだろう。』
「あのね、僕はロボットじゃないんだよ?」
『そういう意味で言ったわけではない。』
『まあまあ、とにかくチャッチャッチャっと終わらせようよ。』
『賛成。・・シンジ。』
「うん。」
シンジと入れ替わったリュウガはコアに触れた。

・・コア内部
コアの中で眠り続けるユイ。
「母さん・・母さん。」
「えっ?」
ユイが目を覚ます。
「シンジ!?」
「久しぶりだね、母さん。」
「どうしてココに・・。」
「そうだね・・話すよ・・全部。」
シンジは全てを話した。
自分が未来から来た事・ゲンドウの事・サードインパクトの事・
ユイをサルベージしに来た事、全てを・・。
終わった後、ユイは涙を流した。
「シンジ・・ごめんなさい・・こんな事になるなんて・・。」
「悲しまないでよ、母さん。・・悪いのは・・父さんだ。」
バチバチバチバチ・・
シンジ君・・仮想世界だからって、電撃出さないで。
「そうね、悪いのはゲンドウさんね。・・どうしてくれましょうか?」
「母さん、こう言うのは?」
シンジはユイの耳元で呟く。
「・・そうね、そうしましょう。」
「じゃあ待ってて、すぐ出してあげるから。」
「でも、そしたら初号機は・・。」
「大丈夫だよ・・とっておきがあるから。」
「そう・・楽しみにしてるわ。」

・・ケイジ
リュウガの元にやってくるミサトとリツコ・そして何人かの人間。
「リュウガ君、どういう事か説明してくれる?」
「・・。」
「聞いてるの?」
「ちょっと待って・・やっと戻ってきた。」
リュウガからシンジの姿に戻る。
「シンジ君!?」
「すいませんミサトさん、勝手な事をして。」
「・・何をしたの?」
「別に、ただ母さんと話しただけですよ。」
「!?」
「ちょっと、どいてくれますか?・・マホ、お願い。」
シンジからマホの姿になる。
「ハァ〜イ♪お任せ〜♪・・えい!」
パシャ!
コアが破裂し、中からユイが現れた。
『!?』
「大成功♪・・ア、アレ?」
LCLを浴びたマホにも変化が起きる。
ドクン・・ドクン・・
パシャッ!
「ウワッ!?」
「イテッ!?」
「クッ!?」
「キャッ!?」
なんと、マホ・・もといシンジが分裂してしまった。
「ど、どうなってるの!?」
「分からないわ。・・でも、分かる事が一つだけあるわ。」
「な、何?リツコ。」
「・・早く服を持ってきなさい!!」
『は、はい!!』
一同、大慌て。

・・十分後
服を着なおしたシンジと、
ネルフ職員が持ってきた服を着ているリュウガ・ゼン・マホ・ユイ。
・・そしてミサトとリツコ
「・・なるほどね、つまりシンジ君は使徒と戦うのは二度目なのね?」
「はい。」
「でも驚いたのなぁ、俺たちにまで肉体ができるなんてさ。」
「災い転じて福と成す・・と言う訳か。」
「う〜ん、災いは無いと思うな。」
「でも、私としては嬉しいわ♪・・子供が4人になったんですもの。」
「か、母さん!?」
「あっ、レイちゃんも入れれば5人ね。」
「「「・・。」」」
「どうしたの?」
「いや、どうもなんか慣れてなくて。」
「・・すいません。」
「いいのよ。私の事は好きに呼んでね。」
「・・はい!ユイ母さん。」
「よろしくユイさん。」
「う〜んと・・よろしくね♪ママ。」
「ええ、よろしく♪ところで、ゲンドウさんは?」
「今は居ません。」
「そうなの・・じゃあしばらく私は姿隠すからゲンドウさんには言わないでくださいね。」
「分かりました。」
「問題は初号機ね。・・どうしましょう。」
「こんなのもう破棄だよ。」
「何言ってるの!?そしたら零号機しかなくなっちゃうじゃない!」
「心配無用だ。」
「俺達には切り札があるんだよ。」
「切り札?」
「ええ・・シリウス。」
ポンッ
煙とともに赤い犬の様な物が現れた。
プカプカ・・
しかも浮いてる・・それも半透明で
「・・何?これ?」
ギロッ
ボーーー・・
犬はミサトに目掛けて炎を吐いた。
『これ呼ばわりするな!』
「な、なんなのよ!?この犬は!!」
「僕の式神でシリウスって言います。」
『・・フンッ。』
「可愛くないわねぇ。」
「でも、切り札ってどういう事?」
「まっ、使徒が来たら分かりますよ。」
「そう?ならそれまでのお楽しみにしておきましょう。」

・・2日後 葛城宅
「ファ〜〜。」
「おはようございます、ミサトさん。」
「おはよっ、シンジ君。」
シンジは前回同様、ミサトの家に居候している。
あと、残りの3人はと言うと・・
ガシャーーーーーン!!
「な、何!?」
「・・またやったんだ。」
「・・えっ?」

・・お隣さん
「イタタタタ・・。」
頭を抱えているリュウガ。
回りには粉々になった食器。
「リュウガ・・お前はいつになったら歩きながら寝る癖が治るんだ?」
「悪い悪い。でも、コイツばかりはどうしよもないぜ。」
「あらあら、早く片付けないと。」
「ごめん、ユイ母さん。」
「いいのよ。マホちゃん、手伝って。」
「はい♪ママ。」
ユイとマホが割れた食器を片付ける。
「・・俺がやるよ。」
リュウガは両手を交差させ、印を結んだ。
「旋風(つむじ)!」
ブワーーーー・・
風が割れた食器をゴミ箱に運んだ。
「あら、便利ね。」
「まあね。」
「・・今の・・何?」
いつの間にか居るミサトとシンジ。
「おはよっ、ミサトさん、シンジ。今のは魔法さ。」
「魔法!?」
「言いませんでした?僕は火、リュウガは風、ゼンは土、マホは水を操れるんですよ。」
「初耳よ。」
「それはすいません。」
「さっ、早く準備しなさい。今日から学校でしょ?」
「「「は〜〜い。」」」
シンジ・リュウガ・マホは部屋(シンジはミサトの家)に戻った。
「ゼンはどうするの?」
「とりあえず、ミサトの部に所属しようと思う。」
「あら?いきなり呼び捨て?」
「なぜだ?・・何の役にも立たない奴には当然だと思うが?」
「ウグッ。」
「ゼン。年上の人には『さん』を付けなさい。・・いいわね?」
「・・ユイさんがそう言うのなら・・非礼を詫びよう、ミサトさん。」
「よろしい♪」

・・学校 2−A
「碇シンジです。特技はチェロと家事全般です。よろしくお願いします。」
「大空リュウガです。特技はフルート・・だな。まっ、よろしく♪」

・・3−A
「水谷マホで〜す♪得意な事はピアノと治療で〜す♪」

・・ネルフ 作戦部
「今日から所属になったゼン=ランド=グランダーだ。・・よろしく。」

・・ゼーレ
暗い部屋に座るゲンドウやゼーレのメンバー。
「碇・・初号機の動きはなんだ?」
「左様・・我等のシナリオにはないぞ。」
『当然ですわ。』
「「「「「「!??」」」」」」
ユイがやってくる。
「ユ、ユイ!?」
「馬鹿な!?初号機に取り込まれたはずだ。」
「最近戻ってきましたの。・・みなさんに警告したくて。」
「警告?」
「サードインパクト・・もし、起きたらどうなるか?」
「それは・・。」
「もし起これば・・×××や、△△△、□□□とかとも融合してしまいますよ♪」
笑顔だが、なんか凄く恐ろしい事を言うユイ。
ガーーーーーーーン!!
ゼーレ一同に鐘が落ちた様な衝撃が走った。
『しまったーーーー!そこまで考えてなかったーーー!!』
ゼーレのみなさん大騒ぎ。
「碇!ユイ君!こちらは幾らでも払う、
だから何としてでもサードインパクトを防いでくれーーーーー!!」
「はい♪」
「・・で、では今日はここまでとする。」
フッ、
「・・よろしく頼む。」
フッ
「・・さてゲ・ン・ド・ウ・さん♪」
ギクッ!
「な、ななななんだ・・ユイ?」
「カクゴハイイデスカ?」
「ギャーーーーーーーーーーーーー!?」
その後、ゲンドウは意識不明となりユイが新司令に就任となった。

・・二週間後
「ケンスケ、トウジ、シンジ、お昼一緒に食べようぜ。」
「いいで。」
「じゃあ屋上行こう。」
「うん。」
すっかり仲良くなった四人。
「あっ、先に行っててくれ。」
「?分かった。」
リュウガはある少女に近づいた。
「よっ、綾波。治ってよかったな♪」
「・・リュウガ君?」
「ああ。覚えてくれて嬉しいよ。」
「・・。」
「なあ、話があるから放課後残ってくれないか?」
「・・なぜ。」
「大事な事だからさ。・・って今日は放課後ないか?」
「?」
リュウガの顔が真剣に・・そして少し冷たくなった。
「使徒が来るからだ。」

ウゥゥゥゥゥゥゥン・・
・・ネルフ本部
「・・来たわね。」
司令席に座っているユイ。
「ミサトちゃん。シンジ達は?」
「今から連絡する所ですけど。」
「そう、なら伝言お願いできるかしら?」
「はい。」
「・・思う存分やりなさい!」
「・・はい?」
「向こうは理解してくれるから大丈夫よ。・・それとゼン。」
「ん?」
「今日はお留守番ね。」
「・・了解した。」

・・屋上
「なんだって?」
「『思う存分やりなさい。』だって。」
「じゃあママ、説得成功したんだ♪」
「・・と言うより、脅しだね。」
「んじゃ、行きますか。」
「そうだね・・シリウス、出番だよ。」
『待ってました!!』
「行くぜ、アルタイル。」
『承知!』
「アクエリアス、行くわよ。」
『ええ。』
「「「星座機召喚!!」」」
ギンッ!
シリウス達の目が輝く。
ウォォォォォォォォ!!
シリウスの体を炎が包み、振り払ったのは剣と盾(腕に装備)を持つ赤いロボットだった。
ピィィィィィィィィ!!
アルタイルは竜巻を纏い、巨大な翼を持った緑のロボットが現れた。
シュゥゥゥゥゥゥン
アクエリアスは水柱に飲まれ、三叉の鉾と水晶玉を持った女型ロボットが水柱を破った。
「行くよ。」
「うん!」
「そんじゃ、俺達の初陣と行きますか。」
シュン、シュン、シュン
シンジ達はそれぞれの相棒に乗り込んだ(?)。

・・ネルフ本部
「大変です!正体不明の巨大物体出現!機影3。」
「何ですって!?」
「・・来たわね・・スターゲイザー。」
「スターゲイザー?」
「昨日言ってたでしょ?シンジ達が言ってた『とっておき』よ。」
「・・。」
リツコさん・・おもいっきり興味を持ったそうだ。

・・地上
「さて、トウジ達が来ない内にとっと終わらせようぜ。」
「賛成。」
「同感。」
ヒュンヒュンヒュン
シャムシエルの鞭攻撃。
「マホ、奴の動きを封じて。」
「分かったわ。・・アクエリアス!」
『了解よ!呪水縛!!』
シュルルルル・・
突然吹き出した水柱がシャムシエルを縛り上げた。
「次は俺だ、行くぜ!!」
アルタイルは背中の巨大な手裏剣を二つ持つ。
『双乱刃!!』
シュィィィィィン!
手裏剣がシャムシエルの両腕の鞭を斬り落とした。
「今だぜ、シンジ!」
「シリウス!」
『オウ!!』
ボッ!ボッ!ボッ!・・シュゥゥゥゥゥン
シリウスの周りに無数の炎弾が現れ、盾に集中する。
「『バーンフォース!!』」
バーーーーーーーーーー!!!!!
炎の巨大レーザーをそのままシャムシエルに放った。
ジュゥゥゥゥゥゥゥ・・
シャムシエルは直撃を受け、そのまま蒸発した。

・・ネルフ
「パターン青、消滅しました。」
「・・凄い。」
「これほどとはね。」
『ミサトさん、向こうの方に誰か居ますよ。』
「あら本当。そっちはなんとかするから帰還してちょうだい♪リュウガ君達もよん♪」
『了解っす。』
『は〜い♪』
その後、外に出ていたケンスケ達はこってり絞られたらしい。

・・学校
「おまたせ。」
「・・。」
実はレイがリュウガをずっと待っていたのだ。
「ごめんな、遅くなっちまって。」
「・・問題ないわ。」
「そっか・・さてと、本題行こうか・・レイ、人間になりたくない?」
「・・。」
「少し酷かもしれないけど、君の体は使徒と同じ・・。」
「・・。」
「・・でもさ、お前は本来人間として生まれるはずだったんだ。」
「!!」
「ユイ母さんな。あの時、妊娠してたんだ・・それがお前だった。」
「・・私?」
「ああ・・でも、強制サルベージの際、未成熟だった部分をエヴァから吸収した。」
「・・。」
「だから、お前さえ良ければ・・。」
「・・れるの?」
「ん?」
「本当に・・私は人間になれるの?」
「・・ああ。」
「・・どうして?」
「?」
「どうして貴方はそこまでしてくれるの?」
「・・。」
リュウガはレイを抱きしめた。
「!!」
「俺は綾波が・・レイが好きだからだ。」
「・・好き?」
「そう、好きな子のために何かをするのは当たり前だろ?」
「・・。」
レイはポロポロと涙を流し始めた。
「・・泣いてもいいんだぜ。」
「・・えっ?」
「泣きたい時に泣いて・・笑いたい時に笑う・・それが人だからさ。」
「ウッ・・ヒック・・ヒック・・。」
それからしばらくの間、レイはリュウガの胸の中で泣き続けた。
「(私は・・もう・・一人じゃない。)」
「(レイ・・お前は俺が守ってやるからな・・絶対に。)」
その後、シンジ達4人の力でレイをリリスから開放し、欠けていた部分も人間になった。
レイはユイ達の家の隣に引っ越し、リュウガと暮らす事になった。
(リュウガのトマト化説やユイに悪魔の尻尾が生えてた説などの仮説もできたらしい)


アスカ:じ、自己分裂したわ。(@@)

マナ:でも、戦力が4倍になったわよ。

アスカ:前世が3人の戦力だったから、戦力では余裕ね。

マナ:アスカはへっぽこだから、前世は2.5人の戦力でしょ?

アスカ:ムカ!(ーー#

マナ:ところでさ、リュウガくんと綾波さんって兄妹にならないの?

アスカ:どうなるのかな? 複雑な関係だもんねぇ。
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