・・外
「ハッ!」
「フンッ!」
キンッ!
シンジの剣がゼンの棍に阻まれる。
「ダーー!!」
ジャラ・・ガキンッ!
そこをリュウガが刀で攻撃するが、三節棍に変形したゼンの棍で防がれてしまった。
「砕!!」
ヒュンッ!
ゼンが三節棍で薙ぎ払おうとした瞬間、
シンジはバックステップで、リュウガはバク宙で回避した。
「シンジ!行くぜ!」
「うん!」
二人は同時に突っ込む。
「二人で同時攻撃・・片方は囮か・・だが。」
ガシャッ・・ヒュンヒュンヒュンヒュン・・
ゼンは武器を棍に戻し、目の前で回転させる。
「・・火煙!!」
ボンッ!
シンジの右手から放たれた炎が黒い煙幕となってゼンの視界を悪くした。
「何!?」
予想外の攻撃に驚くゼン。
「風塵!」
ブワァァァァァ!
リュウガの風が煙を運び、ゼンの周りを覆った。
「なるほど・・いい作戦だ・・だが!」
バキッ!
ゼンは棍を地面に突き刺した。
「土竜断!!」
バキバキバキバキ・・・!!
地面が砕け、その衝撃で煙も吹き飛んだ。
「そこか!」
ガン!ガン!
「ウワッ!?」
「イテッ!?」
叩かれた頭を抱えて、その場でしゃがむシンジとリュウガ。
「作戦はいい。コンビネーションもなかなかだ・・。」
「じゃあ、なんでゼンに勝てないのさ?」
「それは・・。」
「「それは?」」
「・・実力の差だ・・。」
バシャッ!
突然、ゼンの頭上から水が降ってきた。
「じゃあ、これでアタシ達の勝ち♪」
「・・はめられたか。」
「ナイス♪マホ。」
実はこの勝負はシンジ・リュウガ・マホVSゼンの勝負なのだ。
元々、ゼンは武術の達人でもあるのだ。
シンジ達はゼンから武術・語学・etcを学んでいる。
その上、五感・知識も優れているため弱点なし・・に見えるが。
「・・で、罰はなんだ?家事でもするのか?」
「「「それだけは駄目!!!!!!!!」」」
そう、ゼンの弱点は家事が一切できない事なのだ。
料理をすれば対使徒用兵器と化し、掃除をすれば腐海の森、洗濯すればペインティング。
そのため、家事はマホとユイとライカがしている。
(シンジはミサト、リュウガはレイと二人暮し)
「・・では、どうする?」
「ライカさんと一緒にリツコさんを説得して、星座機用の武器を開発してもらってよ。」
「材料は例の場所に運んであるからさ。」
「承知した。・・では今日の訓練はこれまでとする。」
「「「ありがとうございました!!」」」
三人はお辞儀をした。
「さてと・・じゃあ、俺は病院に寄ってから行くから。」
「うん、先生に言っとくよ。」
リュウガは前回の戦闘の後、数日間の通院を指示された。
「さてと、僕達も早く行かないと・・。」
こうして、新たな一日が始まった。

・・中学
「じゃあ、シンジの所は母さんが来るのか?」
「うん。・・ケンスケ達は?」
「ワイもオカンや。」
「俺ん所は誰も・・離婚したから。」
「あっ・・ごめん、ケンスケ。」
「いいんだ。気にするな。」
「・・ところで、リュウガはどないしたんや?」
「ちょっと病院に・・。」
「なんや?ケガでもしたんか?」
「・・ちょっと・・ね。」
「まっ、無事ならいいけどさ。」
ピ〜〜ン・・
「!?」
シンジは何か邪悪な気を感じた。
「どした?」
「・・何でも無いよ。(・・今の感じ・・まさか!?)」

・・病院前
病院から出てきたリュウガも邪悪な気に気が付いた。
「・・ちっ、とうとう来やがったか。」

・・ネルフ
ピーピーピ−ピー・・
「どうしたの?」
『未確認物体が接近しています。到着は5時間後ですが、こちらに向かっています。』
「またスターゲイザー?」
『いえ、パターン黒ではありません。別の・・使徒でもありません。』
説明しておこう。
パターン青=使徒
パターン黒=スターゲイザー(星座機)
パターン緑=人間
パターンオレンジ=正体不明
・・を意味しているのだ。
「・・とうとう来たか?」
「ゼン君。心当たりがあるの?」
「・・有り過ぎるくらいにな・・。」
「ゼン?」
「・・魔獣だ。」
「魔獣!?」
「エヴァが使徒と戦う為にあるのと同じ様に
星座機は・・スターゲイザーは奴を倒すために神王が創った人型兵器だ。」
「神王?」
「その名の通り、全ての神々の頂点に立つ神の王さ。」
「ちにみに、使徒は天使の名前を持ってるけど、彼らとは無関係ですよ。」
「・・って事は・・コイツ等も・・。」
「そうだ・・俺達の・・生きる者全ての敵だ。」
「使徒と同じって事?」
「・・ある意味、使徒の方がまだマシだ。」
「どういう事?」
「アイツ等には知識の欠片すらない。・・ただ、破壊本能しか持っていない。」
「・・。」
「とにかく、このままじゃ危険だ。ただちに市民を非難、シンジ達を連れて来てくれ。」
「ちょ、ちょっと!作戦部長は・・。」
「許可します。」
司令席のユイが言った。
「ユイ司令!?」
「魔獣の事はゼンの方が詳しいわ。」
「・・。」
「ミサトさんはシンジとマホを連れて来てくれ。」
「あら?リュウガ君は?」
・・俺なら居るぜ。・・
『!?』
シュタッ
いきなり上からリュウガが降りてきた。(降ってきた?)
「リュウガ君!?どうやって。」
「俺は風が有る所ならどこにでもテレポートできる。・・宇宙と海と地面の中は除くけど。」
「便利な能力ねぇ〜。」
「・・これと瞬発増加しか使えないから。」
「あら、風も操れるじゃない。」
「みんなも持ってるでしょ?属性違うけど。」
「そうもそうね・・って事はシンちゃんは火以外は使えないの?」
「アイツの力はまだ目覚めちゃいない・・でも、きっと俺達より強い力を持ってる。」
「何せ俺達の本人格だからな。」
「そう。・・じゃ、迎えに行って来るわ。」
ミサトはシンジとマホを迎えに行ったが、ミサトの運転に耐えれたのはシンジだけだった。

・・約3時間後
「・・という訳で、
気絶したマホちゃんと療養中のリュウガくんを除く4人に出撃してもらいます。」
「気絶したのはミサトさんのせいじゃ・・。」
「ゴホンッ!」
ミサトは咳き込んだ。
「マコト、魔獣は?」
「そろそろ来るよ。・・でも大丈夫なのかい?ゼン。」
「何がだ?」
「だって、君は初陣だろ?」
「問題ないさ。・・そろそろレグルスにも暴れさせないと、感情が爆発するからな・・。」
「大変だな。」
「・・サパートを頼むぞ。マコト、シゲル、マヤ。」
「OK。」
「任せておいてくれよ。」
「役に立てるように頑張るわ。」
ゼンはミサトとは仲が悪いが、オペレーター3人組とは仲が良かった。
ちなみにゼンの階級はなんと二佐なのだ。(二尉とカモフラージュ中)
シンジ・リュウガ・マホは三尉
ライカは技術部所属の一尉である。
「モニターに出ます。」
ピッ・・
「これは・・JA!?」
「JA?」
JAを知らないオペレーター達。
「戦自が開発したロボットよ。」
「確か、リアクター搭載だったんじゃ・・。」
「その心配はないわ。」
リツコが入ってきた。
「さっき、戦自から連絡があってリアクターを搭載する前にロストしたそうよ。」
「・・という事は。」
「間違いない。魔獣が寄生してるんだ。」
「以降、JAをDB(魔獣=デビルビースト)−01と呼称します。・・迎撃用意!」
ユイが指示を出す。
「そうと決まれば話は早いわ・・出撃よ!」
「「「「了解!」」」」
「レイ、貴方もエヴァに乗って準備してちょうだい。」
「分かりました。」
「頼むな、レイ。」
「ええ、リュウガ君の分も頑張るわ。」
昔に比べて、だいぶ口数が増えたレイ。(特にリュウガに対して)

・・地上 第三新東京市より南西50km
ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!ドスンッ!
DB−01の通過予定地点に到着した4体のスターゲイザー
シリウス、アクエリアス、ヴェガ・・そして、
茶色で岩のような鎧を纏い、棍を持つゼンのスターゲイザー:レグルスである。
ガシャンッ!
続いて、地下のトンネルを抜けて、零号機も到着した。
零号機は右腕にスナイパーライフル、
左手には盾(ラミエル戦で使う予定だった盾を少し小型にした物)を装備していた。
『零号機、リフトオフ!』
ピッ・・
そして、モニターにリツコの顔が映る。
『いい?ライカ一尉とレイは遠距離から、マホちゃんは中距離から援護してちょうだい。』
「「了解!」」
「・・了解。」
『そして、シンジ君とグランダー二佐・・二尉は接近戦で一気に撃破してください。』
「「了解!」」
『じゃあ、作戦開始!』
バシュンッ!バシュンッ!
作戦開始と同時にヴェガと零号機がDB−01に向けて攻撃する。
「水よ!我に従いて、我が敵を貫く龍とならん!!」
ザバーーーーーン
突然吹き出した水がアクエリアスの周りに集まり、まさに龍の形を象った。
「メイルストローム!!」
ドバーーーーーーーー!!
水柱がDB−01に襲い掛かった。
『今よ!攻撃・・。』
グォォォォォォォ!!
バキバキバキ・・
突然、DB−01に変化が起きた。
『DB−01を中心にATフィールドに似た反応が!』
『なんですって!?』
『内面・外面ともに変化していきます。』
『そんな・・これじゃまるで・・。』
『進化してるみたいじゃない!?』
「予想より早かったな。」
「うん。」
『どういう事?』
「エヴォリューション・・文字通り進化したんだ。」
『こんな短期間で!?』
「それが魔獣の怖い所なんですよ。」
バキバキ・・
JAの装甲だった物が砕け、DB−01はまるで狼の様な怪物と化した。
「・・狼?」
「さしずめ、『フェンリル』って所だね。」
『それにしてもなんで魔獣はココを・・。』
「目的は・・地下のリリスさ。」
『なんですって!?』
『リリスって・・この前説明してくれた第二使徒!?』
「はい。魔獣はリリスを取り込む事でより強大な力を手に入れるつもりなんです。」
『・・つまり、目的は使徒と同じなのね?』
「そういう事だ!」
言ったと同時にレグルスが突っ込んだ。
「砂塵幻霧衝!!」
ドカーーー!!
ヒュォォォォォォォォ・・・
レグルスが大地を砕き、砂嵐を巻き起こした。
その結果、フィンリルの視界を完全にさえぎった。
「今だ!!シンジ!マホ!ライカ!レイ!」
「了解!」
ヴェガのライフルに雷エネルギーが集まる。
「ボルティックカノン!!」
バーーーーーーーー!!
「撃ちます!」
バシュン!
零号機のスナイパーライフルが火を吹いた。
「水よ・・姿を変えて刃となれ!」
シャキンッ
水は氷に変わり、円状に形を象る。
「コールドスラスト!!」
氷の円盤がフェンリルに向かう。
「シリウス、行くよ!」
『オウ!』
カシュン
シリウスの左腕にある盾の下の部分に銃口が現れる。
シュゥゥゥゥゥン
その銃口に火エネルギーが集中する。
「ブラストレーザー!!」
バーーーーーーー!!
銃口から赤いレーザーが飛び出した。
ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!
グォォォォォォォ・・ドスンッ!!
全攻撃がフェンリルに直撃し、そのまま崩れ去った。
パァァァァァァァァ・・
フェンリルは粉の様な状態になり、
降り注いだ場所は荒野ではなく緑いっぱいの草原になった。
『・・どうなってるの?』
「魔獣は精霊と同じ、精神体。・・草原を荒野に変え、荒野を草原に変える。」
『つまり、現状とは反対な状態になるのね?』
「単純に言えば・・そうなる。」
『ところで、魔獣は何体いるの?』
「魔獣は全部で7体。」
『なら、大丈夫ね♪』
「そうでもないですよ。」
シンジがミサトの意見を反した。
『えっ?』
「魔獣は最下のランクです。・・その上の魔将が4体。」
「・・そして最高位に魔王ベルゼスが居る。」
『・・って事は、全部で12体ね?』
「そうです。」
「危険な事態に備え、この間言った例の件、よろしく頼むよ。リツコさん。」
『・・分かったわ。』
「じゃあ、俺達は帰還する。」
『分かったわ。』
シンジ達はネルフに帰還した。

・・ネルフ
「ねぇ、リツコ。例の件って何?」
「星座機用の武器の開発よ。」
「今あるのじゃ駄目なの?」
「アレは俺達の魔力でできてるんだ。実物がある方が何かと都合が良いんだ。」
リュウガが説明した。
「なるほどねぇ。」
ミサトは一応納得した。
「リツコさん。今から開発するとしてどれぐらいかかりますか?」
「そうね・・君達で言う・・第九使徒辺りかしら。」
「そうですか。・・じゃあ、それまでは自分達の魔力でなんとかします。」
「お願いね。」
「はい。」

・・夜 リュウガ・レイ宅 レイの部屋
「スゥ〜〜・・スゥ〜〜・・。」
戦闘の疲れか、レイはぐっすり眠っていた。
「・・レイ・・今日はご苦労様。」
リュウガはその言って、レイの部屋の扉を閉めた。
「・・さてと。」
リュウガはパソコンの電源を入れた。
ピコンッ
“メールが3通来ています”
「えっと・・シグレさん、ヤイバ、カヲルと。」

『リュウガ、この間は迷惑をかけたな。
・・俺はまだアンタレスに認められていない。
 すまないが、そっちに行くのは当分先になる。それまで頑張ってくれ。  シグレ』

『リュウガ君、こんばんは。そちらはどうですか?
 この間、ようやくボルックスに認め始められて、今日マスターとして認められました。
 これから第三新東京に向かいますので、到着は二、三日後になります。
 では、その時にお会いしましょう。                  ヤイバ』

『やあリュウガ君。君やシンジ君達は元気にしてるかい?
 この間、セフィロスと喧嘩をしてしまって、異空間の一部が消えてしまったよ。
 まだマスターになるのは程遠そうだ。
 当分はそっちの空間に行けそうに無いけど、頑張ってくれ。
P・S マホにもよろしく。                    カヲル』

「ヤイバも来るって事は、星座機は6体か。」
「・・リュウガ君。」
レイが出てきた。
「レイ、起きたのか?」
「うん・・目が覚めたら・・眠れなくて。・・誰から?」
「仲間からだよ。俺と同じ、シンジの分身(+1)。」
「・・。」
「どうした?」
「星座機が来れば、エヴァはいらない。・・私は用済み・・。」
ガバッ
リュウガはレイを抱きしめた。
「!」
レイは突然の事に驚く。
「お前は用済みじゃないさ。・・少なくても俺達にとってはな。」
「達?」
「シンジもユイ母さんもマホ、ゼン、ライ姉、
・・他のみんなにとってもレイは用済みじゃない。」
「・・。」
「だから・・自分を用済みなんて思うな。」
「・・うん。」
レイは安心したのか、そのままリュウガに抱きついた状態で眠ってしまった。
「・・しょうがないな。」
リュウガはレイを抱き上げて、ベッドに運んだ。
・・が、レイがリュウガの服を握ったままだったので、ベッドの横で眠ったのは別のお話。
そしてその際、リュウガに毛布をかけたアルタイルの苦労話もまた別のお話。

・・シンジの部屋
ベッドの上で眠れずにいるシンジ。
「もうじき・・アスカが来る。」
どうやら、明日来日するアスカの事を考えてるようだ。
「・・でも、僕の知ってるアスカとは違うんだよね・・。」
『それはどうだろうな。』
「どういう事?」
『いやな。お前がこっちに逆行する時にもう一つの気配を感じたんだ。・・もしかしたら。』
「・・そうだったらいいな。・・もう遅いし、続きは明日にしよう。」
『そうだな。・・おやすみ、シンジ。』
「おやすみ。」
シンジはそのまま眠りについた。
『・・アイツまでこっちに来ちまったのかよぉ。』
心当たりがありそうなシリウスだった。

・・オーバー・ザ・レインボウ
「クシュンッ!」
空母の船室でくしゃみをする少女:惣流アスカ
『大丈夫?アスカ?』
隣にはシリウスに似た犬・・と言うより猫がいた。
「だ、大丈夫よ。・・ところでヴァルキリー。弐号機の中のママは大丈夫なの?」
『心配無用よ。今は眠ってるわ。向こうでサルベージすれば万事解決よ。』
「そしたら大暴れするわよ!新弐号機で!!」
『あのね。一応言っとくけど、私なんだからね!』
「待ってなさいシンジ!今度はアタシが守ってあげるから!!」
『・・聞いてないし。』
シンジも逆行しているとは知らず、燃えているアスカであった。
そしてそれを見て呆れ果てる11番目の星座機:空のヴァルキリーであった。
『(言えないわね、彼も来てるなんて・・ハァ〜〜、シリウス〜〜早く会いたいよぉ〜。)』


アスカ:さぁ、アタシの登場よ!

マナ:出てこなくていいのに。

アスカ:主役が出なくちゃ、物語が進まないじゃん。

マナ:主役はシンジでしょ。

アスカ:ヒーローはねっ。ヒロインは、モチこのア・タ・シ。

マナ:大暴れ宣言する、ヒロインねぇ。

アスカ:燃えてきたわよっ!!!(炎。炎)

マナ:あぁ、暴走してる・・・イヤな予感。
作者"シセン"様へのメール/小説の感想はこちら。
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感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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