夏いまだ終わらぬ夕暮れ

白亜の建物にたたずむ人影

一つは白き台の上に、今一つはその傍らに

(わたしはもういらない・・・)

「アスカ、聞こえているかい?」

(エヴァに乗れない私・・・)

「今から、僕は最後の戦いに行くことになったんだ。」

(もう、何の意味もない存在・・・)

「きっと帰ってくる。・・・けど、どうしても言っておきたい事があったんだ。」

少年は細き乙女のかいなを抱く

(だれ)

「・・・好きだった。いや、今も好きだ。君がどんな姿になっても。」

(不要な私を呼ぶのは誰)

「今になってようやく分かるなんてね。ふふ、アスカが言ってた通り、つくづく馬鹿だよ、僕は。」

落ちるは数滴の雫

(熱い・・・、涙?)

「戻ってきたら言ってくれよ、「馬鹿シンジ!!!」ってね・・・」

(私のために?あなたは誰?)

「それじゃぁ、またね。アスカ。」

(名前・・・、私の名前)

呼ぶものなき己の名

つけし者は既に無く

少女の心は均衡の中に積み上げられ

そして、崩れた

(まだ名前を呼んでくれている、あなたは誰?)

「僕は、碇シンジは、君の事を・・・」

(しんじ)

「・・・愛してる・・・」

寄せらるる唇

触れ合うぬくもり

(しん・・じ)

去りゆく少年の背中

曇る少女の視界

(シンジ)

蘇る過去

血塗られた思い出

そこに唯一光るもの

少女に安らぎを与えた者

その名がこぼれる

「シンジ、シンジ、シンジ、シンジッッッ!!!」

絶えて動かなかったからだ

今ふたたび動こうとする

むかうは彼女の定め

鬼の眠りし墓所

かの者を・・・救うために。

そう、少女は得たのだ。

渇望を満たすものを。

母から、父から、友から、得られなかったものを。

夢見たものは・・・





{あとがき} 始めまして。旅人です。
こんな、こんな下らないものを恥ずかしげもなく投稿しようとする私・・・(汗)
もし、もし迷惑じゃなかったらすみっこにでも載せてやってくださいっっっ!!!!!!
そ、それでは。


マナ:旅人さん、ご投稿ありがとうございました。

アスカ:シンジの愛で満たされるアタシ・・・いいわねぇ。

マナ:なに乙女モードに入ってるの?

アスカ:アンタは、この名作に感動しないのっ?

マナ:あなたは嬉しいかもしれないけど、わたしはちっとも嬉しくないわっ!

アスカ:ダメねぇ。こういう心のすさんだ娘は。

マナ:ないよなによっ! 自分ばっかりいい思いしちゃって。

アスカ:これから、アタシはシンジと寄り添って生きて行くのねぇ。

マナ:あーーっ。もう、ノロケ話を聞かされるだけだから、さよならっ!

アスカ:いい話ねぇ。(しみじみ)
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