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エヴァ学園は大騒ぎ!
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BY たっちー



12時間目 「OB会は大騒ぎ」







6月6日(土)

その日、喫茶店「六分儀」は朝から異様な喧騒に包まれていた。
ドアには「本日貸切」の張り紙。
そして、普段より大量に運び込まれる食材。

すこし遅い朝食でも取ろうと思っていたのだろうか、常連客と思われる連中が張り紙を見て残念そうに立ち去っ
ていく。と、そのうちの一人が運び込まれるものを見て足を止めた。妙なものを見つけたように目を細めた。
彼が見咎めたのはカラオケの装置一式だった。
「六分儀」は週の半分は深夜まで開いていてバーのようになる。
むしろそちらの方が固定客は多い。そんな客の中には、

「カラオケがしたい」

という者も少なくない。
しかし、そんな客に対してゲンドウはいつも、

「ここにそんな物は置かん。嫌ならば帰れ!」

と言っていた。そして、言葉通り追い出すことも少なくない。いや、追い出される前に逃げ出す者の方が多いの
だが。そして、彼らは二度と来なかった。ごく少数の例外を除いては。
その「六分儀」にカラオケの機械が運び込まれている。

何か考え込んでしまったその常連客だが、やがて首を一つ振るとその場を去っていった。





さて、その「六分儀」の中はというと。
日向や青葉、加持といった連中があるいは椅子を抱え、あるいは二人がかりでテーブルを移動させている。
今日は数年ぶりに同好会「ネルフ」のOB会がここ、喫茶店「六分儀」で開かれるのだ。
そんなわけで「ネルフ」の現役部員とこの喫茶店を営むゲンドウ、ユイ、それに加えて、ミサトに引っ張ってこられ
た加持と半ば部員といっていいトウジとヒカリとでその準備におおわらわなのだった。
料理担当がユイ、シンジ、ヒカリ。その他が会場の設営。先日強引に入部させられたムサシもその中にいた。
もっとも設営担当の中心となるべきゲンドウはカウンターに肘をつき、口元を手で隠すポーズで、青葉達が椅子
などを運んでいるのを見ているだけで指示さえ出していない。まあ、凶悪な面のこの親父に睨まれていてはサボ
ることなど出来はしないのだが。

あれがロリコンの初代会長ッスか・・・・・・。

青葉は時々ゲンドウに視線を走らせながらそんなことを考えていたがもちろん口には出さない。そんな妙に緊迫
した雰囲気で準備が進む中、食材などの受け入れを担当していたミサトがゲンドウに近づいてきた。

「マスター。今、レンタルショップの人が来てるんですけれど・・・」

ミサトは躊躇いがちにゲンドウに声をかける。ゲンドウはミサトに視線を向けただけで何も言わない。
まあ、それはいつものことなのでミサトはさほど気にしない。ミサトが躊躇ったのは別の理由だ。

「その、カラオケの機材を一式持ってきたんですけど、どうしましょう?」

ここでウエイトレスのバイトをしているミサトはもちろんゲンドウのカラオケ嫌いを知っている。というか、まだバイ
トをしていない頃、酔っぱらって「カラオケ、カラオケ!」と大声で喚き、ゲンドウに「帰れ!」と言われてもまだ喚
き続け、叩き出された経験を持っている。それでも再びここに顔を出し、ついにはバイトまで始めてしまうとは、肝
が太いというか、面の皮が厚いというか・・・。もっとも一度叩き出されてからはさすがにカラオケを要求したことは
ない。
そんな経験を持っているミサトだ。どういう経緯で発注されて運ばれてきたのか知らないが、カラオケセットは突
き返されるだろうと予想していた。そして、予想通り、

「そんなものを頼んだ覚えはない」

という返事が返ってきた。つまり、「そんなものは知らん。突き返せ」ということだ。0.000000001%の確率でゲン
ドウがカラオケの機械を頼んでいたことを期待していたミサトがわずかに落胆した足取りでドアのところで待って
いるレンタルショップの店員に持って帰るよう言いに行こうとした時だった。

「あら、カラオケのセット?」

そう口を挟んできたのはユイだった。どうやら料理の準備が一段落ついて厨房から出てきたらしい。

「まさか、君が頼んだのか?」

ゲンドウが無理に感情を押し殺したような声でユイに尋ねた。ゲンドウが唯一頭が上がらない相手。それが一回
り年の離れた妻であるユイだ。ユイが取り寄せたとなればカラオケ嫌いのゲンドウでも嫌だとは言えない。そのこ
とも知っているミサトは小さくガッツポーズを作った。せっかくの宴会だ。唄えるものならめいっぱい唄いたい。
しかし、

「わたしは頼んでいませんよ」

微笑を浮かべてユイがそう答えるのを聞いてミサトはあからさまに残念そうな表情になった。そんなミサトを見て
ユイはクスリと笑う。そして、

「でも、ユウさんが頼んだのかもしれませんわ。他にこういうことをしそうな人は思いつきませんもの」

と付け加えた。すると、さっきまで明らかに「カラオケなど認めん」といった雰囲気だったゲンドウがあっさりと、

「なるほど、ユウか。ならば仕方ない。葛城君、そのカラオケの機材を運び込んでくれたまえ」

と前言を翻した。

「え? いいんですか?」

豹変したゲンドウの態度に思わず確認してしまうミサト。答えはジロリと睨む視線。

「わ、わかりました!」

思わず顔を引きつらせて敬礼するミサトに対して、苦笑を浮かべながらユイが説明する。

「ユウさん、・・・レイちゃんのお父さんなんだけど、彼が用意する物はどういうわけか、その時は何故いるのか
 わからなくても絶対に後で必要になってくるの。だから、ユウさんが用意した物はこの人でも文句一つ言わ
 ずに受け入れるわけなのよ」

たぶん、カラオケ何かレンタルしたのはユウさんじゃなくてあの先生だろうけど。

そんな予想などおくびにも出さないユイであった。

「へぇ、そうなんですか。・・・・・・す、すぐ、受け取ります! セッティングします!」

ユイの説明に首を傾げていたミサトだったが、ゲンドウに睨まれているのに気付いて慌ててドアのところに突っ
立ったままのレンタルショップの店員のところに飛んでいった。



約一時間後。

「シンジ〜、コップとか並べ終わったよ〜」

そう言ってマナが厨房の中を覗き込むようにして顔を出した。会場の準備ができたということらしい。

「うん、わかった。それじゃ、休んでてよ。こっちももうじき一段落つくし」

大皿にサラダを盛り付けていたシンジが振り返って答えた。盛り付けの終わったサラダを冷蔵庫に入れて一段落。

「よし、こんな感じかな」

シンジは何故かふと、幼い日のことを思い出した。

子供の頃見た、あの馬鹿騒ぎはこれだったんだな・・・。

当時、開店したばかりだった喫茶店での大騒ぎ。
妙な大人達に囲まれて思わず泣きだした自分。アスカもいっしょにいて、強がってはいたけれど彼女も泣きそう
になっていた。レイもいたはずだけれど、彼女がどうしていたかはあまり記憶にない。
そういえばもう一人、自分達より7つ8つ年上の子供がいたような気がする。確か、大人達と一緒に馬鹿騒ぎを
していたような・・・。いや、大人以上にお酒を飲んでいたような・・・。
次の瞬間、その女の子の顔と「ネルフ」部員の誰かさんの顔が重なった。

は、はは。まさかね・・・。

頭に浮かんだその考えを必死で消そうとするシンジであった。

「どうしたの、シンジ?」

「え? う、ううん、何でもない」

自分の考えを振り払うかのようにシンジは首を振った。
と、もう一つの大皿にサラダを盛り付け終わったユイがヒカリを含めた3人に声をかけてきた。

「マナちゃんもヒカリちゃんもシンジもお疲れ様。とりあえず今、用意できるものは終わっちゃったから休んでてい
 いわよ」

「うん、わかった」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます。あ、今日は泊めていただけるなんて、すみません」

そう言ってマナはペコリと頭を下げた。
先日ミサトカレーでシンジが倒れた後、マナはアスカと連れ立って毎日のように入院しているシンジのお見舞い
に来ていた。それでますますマナのことを気にいったのかどうかはわからないが、ユイのほうから今回のOB会
の夜はそのまま泊まっていけばいいとマナを誘ったのだった。

「え? マ、マナ、今日、シンジ君チにお泊り!?」

今、初めてその話を聞かされたヒカリ。内心では「ふ、不潔よ〜! 不潔不潔不潔・・・」と叫びまくりだ。
もっともマナはヒカリの笑顔が引きつっているのにも気付かないのか、

「まあね〜、エヘヘ」

と笑っていた。



数分後、マナとシンジはシンジの部屋にいた。

「ふ〜ん、ここがシンジの部屋なんだ〜」

喫茶店の方でお茶を飲んだりしたことはよくあるがシンジの部屋に入ったのは初めてだ。

「あんまりじろじろ見ないでくれる?」

「あれ? もしかしてあれってチェロ? シンジ、チェロなんか弾くんだ」

「うん、まあね」

「そうなんだ。今度、聴かせてくれる?」

「あまり上手じゃないけどマナがそう言うなら・・・」

シンジが照れながらそう言ったときだった。

「やれやれ、ラブラブでございますわね〜」

シンジ達が驚いて振り返るとドアにもたれかかるようにしてアスカが冷ややか〜な目で二人を見ていたりする。
そして、マナが何か言い返す前に、

「そろそろ皆さんがお集まりでございますからアンタ達も降りてきてくださらないかしら?」

そう言い捨てるとさっさと行ってしまった。シンジとマナがあっけにとられて顔を見合わせる。
と、ドタドタという廊下を歩く音がしてアスカが戻ってきた。

「そういえば、これ渡すの忘れてたわ。まあ、アタシからのプレゼントなんて嬉しくないかもしれないけど、
 一応、誕生日おめでとう、シンジ」

そう言うとアスカはそっぽを向いて、小さな紙の包みを突き出した。

「あ、ありがとう。覚えててくれたんだ」

「ま、何となくね。そんなことより早く降りてきなさいよ」

そう言い残すとアスカはさっさと行ってしまった。

「ふ〜ん、シンジ、今日、誕生日だったんだ〜」

拗ねた声でそういうマナにシンジは慌てた。

「う、うん。自分でも忘れてたんだけど」

「教えてくれればプレゼント用意してきたのに」

「ご、ごめん」

シンジは謝ったがマナの機嫌は直らない。

教えてくれればちゃんと用意したのに! それにアスカが覚えててシンジにプレゼント渡したっていうのに。

ここでアスカに遅れをとるわけには行かない。とりあえず、プレゼントは後日渡すとして・・・・・・。

「シンジ、目つむって」

マナの突然の言葉をシンジは理解できず、マヌケな顔をしてマナを見ている。

「いいから、目つむって」

有無を言わせないマナの口調にシンジは慌てて目をつぶった。
次の瞬間、シンジの頬に柔らかく温かいものが触れた。

「え?」

驚いたシンジが目を開けたときにはマナの顔はすでに離れていた。頬に手を当てて、呆然と自分を見詰めるシ
ンジにマナは少しだけ赤くなりながら、

「プレゼント用意してなかったから、とりあえず、これで勘弁してね」

と小さな声で言うと、アスカの後を追うように部屋を出て行った。



しばらく呆けていたシンジが正気に戻り、店のほうに降りていくとすでにかなりの人が集まってきていた。

「・・・こんなにOBの人がいるのか」

さして広いとはいえない「六文儀」だが、それでもそこが埋まるほどの人の数だ。
と、先に下りてきていたマナがシンジの傍にやってきた。

「すごい人だね〜」

「そ、そうだね」

マナの言葉に頷きながらもシンジの目はマナの唇に行ってしまうわけで。

あれって、マナ、キスしたんだよな。

シンジがそんなことを考えている時だった。

「やあ、シンジ君、久しぶりだね」

突然後ろから声をかけられてシンジは飛び上がらんばかりに驚いた。
慌てて振り返ると、そこに立っていたのは金髪碧眼の紳士然とした男。

「あ、ミハエル小父さんですか! お久しぶりです」

それがアスカの父のミハエルだと気がついたシンジは内心、ホッとしながら頭を下げた。
これがミサトやケンスケだったら、シンジの態度から勘ぐられて冷やかされることになっていたところだ。

「あの、こちらは?」

マナに袖を引っ張られながらそう訊かれて、シンジは素直に答えた。

「アスカのお父さんのミハエル小父さんだよ。・・・隣にいるのがアスカのお母さんのキョウコさん」

ミハエルの隣にキョウコがやってきたのに気づいて慌てて付け足す。キョウコが複雑な表情をしているのも慌て
た理由の1つだ。そんなシンジの様子に気付いていないのか、マナはいつも通り明るくアスカの両親に挨拶する。

「アスカさんのクラスメートの霧島マナです。よろしくお願いします」

「ああ、君がシンジ君のガールフレンドのマナさんだね。よろしく」

ミハエルがにこやかにそう挨拶を返したのに対し、キョウコは明らかに愛想笑いとわかる表情で「よろしく」と言
っただけだ。

キョウコおばさんってもう少し明るい人だったような気がするんだけどな・・・。

シンジがそんなことを考えていると厨房の方からユイが顔を出した。

「あら、キョウコ。来てたの。・・・シンジ、悪いけどお料理の方、残りの用意始めてくれる」

シンジと、そしてマナが厨房に入っていくのを見送ったキョウコがユイに向き直った。小声ながらも厳しい口調で
ユイに詰め寄る。

「ちょっと、ユイ? シンジ君はウチのアスカにくれるんじゃなかったの?」

「ん〜、シンジの好きなようにさせてるだけよ。シンジがアスカちゃんを選ぶか、マナちゃんを選ぶかそこのところ
 に干渉する気はないわよ。それより、シンジの話を聞いてるとアスカちゃんの方にその気がなさそうに思えるん
 だけど?」

そもそも、その話は二人が幼稚園に通ってた頃の半ば冗談のような話しだし。

口には出さずに心の中でユイは付け加えた。そんなユイの心の声が聞こえないキョウコはしぶしぶ頷いた。

「確かに口ではそう言ってるのよね。でも、態度を見てるとシンジ君の好きなような気もするし・・・」

キョウコらしくない曖昧な言葉にユイは苦笑した。

「そんなことだとマナちゃんとシンジの仲が進んじゃうわよ?」

「そう! それが問題なのよ!! あんた、今日あの娘を泊めるって話じゃない!」

思わず声の高くなったキョウコの口を慌ててユイが押さえた。こんな話、他の人間には聞かせられない。

「それは特別な意図はないわよ。マナちゃんの住んでるところは他のみんなと方向が逆なの。まさか、女
 の子1人、真夜中に帰すわけにも行かないでしょう?」

ユイの言葉にキョウコはしぶしぶ頷いた。そして、興奮を押さえたキョウコが話を元に戻した。

「シンジ君にガールフレンドができたって事でウチの人、大喜びなのよ。ユイも知ってると思うけど、あの人、
 『アスカは絶対嫁にはやらん!!』とか、昔から言ってたでしょ。幼稚園の頃にアスカが『シンジと結婚する』
 とか言ったときも、本気で反対してたし。だから、シンジ君も彼女ができたからアスカには近寄らないだろう
 って」

「それはまた、どう答えればいいのか困る話ね」

実際のところ、端で見ていてシンジとマナ、アスカの関係はユイにも良くわからない。マナとアスカが同レベル
で争っているような気もするし、アスカはシンジのことを幼馴染以上の存在とは見ていないような気もする。

「ま、なるようにしかならないでしょ」

結局、ユイとしてもそう言うしかないのだった。





「え〜、それでは、同好会「ネルフ」のOB会を始めたいと思います」

いつもの如く、ミサトから司会を押し付けられた日向はそういうと店内に集まった人々を見回した。
驚いたことにその中には日向もテレビで見たことのある俳優とかコメディアンとかの姿も会った。

・・・どういう組織なんだ、「ネルフ」って?

ふとそんなことを考え込みそうになった日向だったが、すぐに現実に戻った。今はそんなことを考えている時間では
ない。

とりあえず乾杯までは進めておかないと。

そう思い直して、

「それでは、まず初代会長から一言・・・」

お願いします、と続けかけて日向は言葉を失った。その初代会長・ゲンドウが自分を睨んでいることに気づいた
からだ。もしかするとただ視線を向けているだけなのかもしれないが、その刺すような視線を浴びると言葉を続
けることができなくなった。

一秒、二秒

奇妙な沈黙が続く。日向が言葉を続けようとむりやり口を開きかけた時だった。

「ブワッハッハッハッハ! 元気にやっとるかね、諸君!!」

勢いよく戸を開けて、とんでもなく陽気な大声とともに一人の男が乗り込んできた。
そう、我らが葛城博士である。
完全にタイミングを外されてよろめいた日向以外の全員の視線が博士に集中する。

「いやいやいやいやいや、遅れてすまん。ちょいと薄着の女の子に見とれておるうちに電車を乗り過ごしてしま
 ってなあ」

そう言って頭を掻くと再び大笑いを始める博士をその場にいた全員が呆然と見ている。
と、気を取り直したのかその内の一人が葛城に近づいていった。

「大丈夫ですよ、先生。これから始まるところです」

「おお、そういう君は冬月君ではないか! 元気にやっとるかね、君!」

そう言うと葛城は自分の目の前に立っている男、かつて自分の研究室の助手だった冬月の肩をバンバンと叩いた。
冬月は痛そうに眉をしかめたが、何も言わない。博士とは「ネルフ」ができる前からの付き合いだ。どういう人物で
あるかは一番よく知っている。今さら文句を言う気にもなれない。

「せっかくですから、博士に最初の挨拶をしてもらおうではないか」

ゲンドウに睨まれて日向が硬直してしまったことに気付いていた冬月は、そう言って日向の方に視線を向けた。
日向が明らかにホッとしているのを見てゲンドウに視線を移す。ゲンドウはいつも通りの無表情で何も言わなかっ
たが、ゲンドウも内心安堵していることを冬月は見抜いていた。長い付き合いだ。ゲンドウがそういう挨拶を苦手
としていることくらいは知っている。

「せっかくのご指名だから一言言わせて貰おうかな♪」

一方、そういうことが大好きな葛城は話を振ってもらえてご機嫌だった。

「え〜」

葛城博士が口を開こうとした時だった。突然、部屋の照明が消えた。まだ、昼間だというのに何故か店内が暗闇
に包まれる。次の瞬間、稲妻が閃き、雷鳴がとどろいた。そして、

「フハハハハハハハ!」

どこからか不気味な哄笑が聞こえてきた。再び稲妻が閃き、店内の片隅にどけておいたテーブルの上にたつ男
の姿を照らした。数秒後、照明が点き直り、店内は明るさを取り戻した。
シンジ達が改めて件の男に目を向ける。男は相変わらずテーブルの上に立って哄笑している。
長身痩躯。マントを羽織り、肩まで伸びた白髪をおどろに振り乱していた。

「フハハハハハハハ! 久しぶりだな、葛城!!」

マントを翻らせて1人思い切り盛り上がっているその老人に対して、葛城博士は思い切り気の抜ける声で答えた。

「おや? 誰かと思えば天城君ではないか。久しぶりじゃのお」

そのマヌケな声に脱力した老人はバランスを崩し、テーブルから落ちてしりもちをつく。

「いててて。葛城! 貴様、永遠のライバルに対してそのマヌケな態度は何だ! もっとも、こう、なんだ、気迫を
 だなあ・・・」

「まあまあ、よいではないか、天城君。久しぶりに再会できたのだから」

そう言って葛城博士はブワッハッハッハッハと高笑い。これを受けて天城と名乗る老人も、

「うむ、まあ、そういうことにしておくか」

と答えてこちらはフハハハハハハハと哄笑する。
ブワッハッハッハッハとフハハハハハハハの競演に呆然とするその他大勢。
ただ一人、冬月はため息をつくと天城に近づいた。

「お久しぶりです、天城先生」

「おお、冬月ではないか! あいかわらずくだらん研究を続けておるのか!? いや、それよりも冬月。私のこ
 とはプロフェッサー・アマギと呼べと前に言ったではないか! せめて天城博士と呼べ! 先生というな、先
 生と。まあ、何にしても久しぶりだな」

そう言って天城は冬月の肩をバンバンと叩いた。ついさっき見たのと同じような光景に周囲の者は呆然とする
ばかり。冬月は溜息を一つつくと肩を叩き続ける老人を皆に紹介した。

「ゲンドウなんかは知っているだろうが、こちらは天城ショウゴ博士といって葛城先生と同じように学園の教授
 をされていた方だ」

紹介された天城は自分を取り巻く人間を見回すと、堂々と言い放った。

「うむ、我が僕たちよ! ともに世界征服に向けて邁進しようではないか!!」

「もちろんですわ! 天城博士!!」

ほとんどの連中が呆然としている中、そう言って前に出てきたのはユイだった。

「今こそ、世界征服に向けての第一歩を!」

そういえば、「ネルフ」の目標を「世界征服」にするとか言い出したのはユイさんだって話だったわねえ。

完全に状況に飲まれてしまって思考能力が低下した頭でそんなことを考えるミサトであった。
ちなみにシンジは泣き出しそうな表情で母を見ており、ゲンドウはユイの言葉を聞いてニヤリと笑っていた。





こうしてちょっとした(?)ハプニングはあったものの同好会「ネルフ」OB会は始まった。

司会進行を任され、それなりに段取りも考えていた日向だったが、開会直後にはすでに役目を放棄して酒をあお
っており、青葉はそこそこ売れているアイドル歌手(「ネルフ」在籍は中学生時。すでに高校卒業済み)を口説くの
に余念がなく、加持は青葉と同じような行動を取ってミサトに熨されていた。
もちろん、キョウコやユイ、その他のOBは旧交をあたためていた。
そしてシンジ達はそのすばらしい盛り上がりぶりに圧倒されていた。

やがて、店内は世代を超えて気の合うもの同士が集まり、自然にいくつかのグループに分かれて話し始めた。
その内の一つは葛城博士を中心として一番大騒ぎしているグループだった。何を話しているのか知らないが、と
にかく馬鹿笑いが続いている。ここには青葉と遅れてやってきた綾波ルイが加わっていた。
もう一つのあまり大きくないグループにはケンスケが加わり、大和級とアイオワ級のどちらが強いか、とか、烈風
とF8Fではどちらが上か、とか、M16とAK47ではどちらが優秀か、とかいうマニアな会話で盛り上がっていた。
別の一角では天城博士を中心に世界征服の方策を話し合っていた。これがかなり本気で話しているようで離れて
みているシンジ達は不気味なものを感じていた。もちろん、ここにはユイとリツコ、マヤがいた。そして何故かレイ
も加わっていたりする。
そして最後の一つ、他の3つに加われない連中がミサトを中心に集まっていた。もっともここに属しているのは
アスカの両親を除けば現役の部員だけだ。いや、加持もここにいることはいるのだが、さきほどミサトに撃破さ
れてから意識を取り戻していない。実はもう一つどこにも属さないグループというか、ゲンドウと冬月のコンビが
カウンターで飲んでいたりするのだが、誰もそちらに注意を払おうとはしなかった。

ミサトはできればあの一番盛り上がっているグループのところに行きたかった。しかし、あそこには父がいる。
嫌いなわけではないが、いっしょに馬鹿騒ぎをするのはさすがに恥ずかしかった。そこでミサトは大騒ぎできな
い憂さをシンジ達をからかうことで晴らすことにした。

「そういえばさ〜、シンちゃん」

「何ですか、ミサトさん」

そう答えるシンジの声はかなり冷たい。ミサトに食べさせられたカレーの所為で入院したのはつい先日のことで
ある。態度が冷たくなるのはしかたないことだ。しかし、そろそろアルコールが廻り始めているミサトはそんなこと
はまったく気にしない。ご機嫌な声で、

「あたしの教育実習ってどうだった? ばっちりだったでしょう?」

などとのたまう。ミサトの教育実習は先日の球技大会の日を持って終了していた。

「少なくとも先生らしくはなかったわね」

そう答えたのはシンジではなくてアスカだった。もちろん、アスカもカレーの件でミサトを恨んでいる。
あんなものを食べさせられなければマナに勝てたと思っているのだ。

「せやけど、あのおじいちゃんの退屈な授業よりはおもろかったけどな〜」

アスカに反論したのはトウジだ。ちなみにおじいちゃんとは担任の老教師のことだ。

「まあ、それは言えるね」

トウジに同意したのはマナ。シンジやアスカほどはミサトを恨んでいないのも発言に影響しているかもしれない。
シンジとヒカリ、ムサシはどう答えていいのかわからず、曖昧な笑みを浮かべるだけだった。
もちろん、キョウコにはコメントのしようがない。
ミサトはそんな話から入って話題をシンジとマナの仲に持っていこうと考えていたのだ。

しかし。しかしである。ミサトの目論見は予想外の人物のとんでもない行動によって頓挫した。

これまで妙に静かに飲んでいたミハエルがマイクを持って立ち上がったのだ。

「誰も唄わせんで、俺から唄うがや! いっちば〜ん! ミハエル・フォン・ラングレー! 『金太の大冒険』唄わ
 せてもらうでよ〜!」

右拳を高々と突き上げながらそう宣言する。どう見ても完全に酔っていた。知的なドイツ紳士の仮面がはずれ、
地の名古屋弁が丸出しになっている。

「よ! 待ってました!」

異様にテンションの高くなっている青葉が合いの手を入れた。そして、アスカのパパは酔っ払い特有の胴間声で
唄い始める。

「♪あ〜る日、金太が歩いているとぉ〜♪」

「その唄はやめんか〜!!」

ドゲシッ!!

次の瞬間、怒声とともに見事なハイキックを決めたのはキョウコだった。さらに見事に吹っ飛んだミハエルに飛びか
かると、その襟首を掴んで起き上がらせて思い切り揺する。

「あんたねぇ、その唄は恥ずかしいからやめろって昔っから何度も言ってるでしょうが! アタシやアスカに恥掻か
 すつもり!?」

どうやら、キョウコも酔っているらしい。口調がミハエルと会った頃、すなわち、「ネルフ」に現役部員としていた頃に
戻っている。当時のキョウコを知る初期メンバー以外は怒鳴りつづけるキョウコとぐらぐらと首を揺らすだけで反論し
ない、というか気絶してしまって反論など出来るわけが無いミハエルを呆然と見ていた。そんな中、ただ一人アスカ
は両親の醜態としか形容しようのない様子にショックを受けていたりするわけで。

そ、そんな普段あんなにかっこいいパパが・・・。ママもあんな乱暴な口の利き方はしないのに・・・。あれじゃあ、あ
れじゃあ、まるで・・・・・・。

そんなアスカの心を見抜いたかのようにトウジがポツリと呟いた。

「なんや、まるで惣流みたいやなぁ。さすがは惣流のオカンや」

その言葉を耳にしたアスカはガックリと肩を落した。普段なら先ほどのキョウコのように蹴りの一発も入れるところだ
が、ここで蹴りでも入れた日にはトウジの言葉を証明するだけだ。唇を噛みしめ、俯いてしまったアスカをさすがに
見かねたのか、ユイが苦笑を浮かべてやんわりとキョウコに忠告した。

「キョウコ、それくらいにしといたら? あなたもアスカちゃんに恥ずかしい思いをさせたくはないでしょ?」

母さんは僕に恥ずかしい思いをさせてるけどね・・・。

シンジは心の中でそう呟いたがユイはもちろんそんなことは知らない。
そしてユイの言葉にキョウコはハッと正気に戻った。自分に周囲の視線が集まっているのに気付き、思わず掴んでい
たミハエルの襟を放してしまう。まだ気絶したままのミハエルはもちろんそのまま床に落ちてしまうわけで。
ゴチンという頭をぶつける音にキョウコはようやくミハエルが気絶しているのに気づいた。

「きゃあ、あなた! 大丈夫!?」

あれだけきれいにハイキックを決めておいて大丈夫もくそも無いと思うが。

その様子を呆れてみていた冬月は心の中で冷静に突っ込みを入れた。



結局、キョウコは気絶したミハエルを日向と青葉に運んでもらって家に帰ってしまった。
「六分儀」に妙に白けた雰囲気が漂う。

ここはあたしの歌声で盛り上げないと♪

そう理由をつけてミサトがマイクを取ろうと考えた時だった。
ミサトの目の前でマイクが取り上げられた。

「いつまでも白けとっても仕方ない。ぶわ〜と行こう、ぶわ〜っと!!」

マイクを握っているのはミサトの父だった。さすが親子。考えることはいっしょだ。
そして、葛城博士はそのまま歌い始めた。曲はいつの間にか入力されていた。

「銭の無い奴ァ 俺ンとこへ来い! 俺も無いけど 心配すんな♪」

次に入れられていた曲も葛城の唄だった。

「お〜れはこの世で一番 無責任といわれた男♪」

どうやら娘と同様、マイクを離さない性質らしい。しかも、OBの中でも年配の連中に妙にウケている。
それでますます調子に乗ってマイクを離さない。

お父さんからマイクを奪うのも気が引けるしねえ。

自分にマイクが廻ってきそうにないと悟ったミサトはガックリと肩を落した。
そんなミサトの目に楽しそうにしゃべっているシンジ達高校生グループの姿が飛び込んできた。

あたしがこんなに落ち込んでるっていうのに・・・。

完全に八つ当たりなのだが、アルコール漬けのミサトの脳はもうそんなことは認識していない。
そしてミサトはシンジ達の隙を突いて次々とグラスをすり替えていった。もちろん、シンジ達に渡されたグラスの
中にはお酒が加えられていた。

それを知らないシンジ達はそのまま飲んでしまい、もちろん酔っ払った。
もっとも実はミサトがグラスをすり替えたことは周囲の何人かには気付かれていた。

やれやれ、ミサトちゃんも仕方ないわねえ。

その内の一人ユイは特にミサトを咎めもせずに苦笑してシンジの部屋やマナを泊める予定だった部屋に布団を敷
きに行った。アスカの家は隣だから帰すこともできるが、トウジやヒカリを泊めることになりそうだったからだ。

その間もミサトは巧みにシンジ達に飲ませつづけた。そして、先ずシンジとヒカリがつぶれた。

「あらあら」

布団を敷き終わって降りてきたユイはその様子を見て呆れたような声を上げた。

「ゲンドウさんもわたしもかなりお酒には強いのにこの子ったら」

どうやらミサトの事で呆れたわけではないらしい。そして苦笑交じりの溜息を一つつくとかなり酔ってきている
とわかるマナに声をかけた。

「マナちゃん。悪いんだけどヒカリちゃんも一緒に泊めようと思うんだけどどうかしら? ヒカリちゃんチには私か
 ら連絡しとくから」

ユイの言葉にマナは酔眼をユイに向け、次にゆっくりとヒカリのほうを見て、

「しかたないれすねえ。ヒカリ、寝ちゃったみたいですし」

とろれつが廻らない。

「じゃあ、いいのね。ミサトちゃん、それじゃヒカリちゃん連れてってくれる? ・・・あなた、シンジを運んでくださ
 いな」

そうやってユイ達が2人を部屋に運ぶ間にアスカとマナの二人も酔いつぶれていた。

降りてきてその様子を見たユイは再び溜息をつき、

「アスカちゃんにも泊まっていってもらった方がいいみたいねえ。ミサトちゃん、悪いけど今度はマナちゃんと
 アスカちゃん、部屋に連れてってくれる?」

「ワイもシンジの部屋で寝かせてもらってええでっか?」

そう言ってトウジが立ち上がったがその足元はおぼつかない。

「もちろんよ。そのつもりでシンジの部屋に布団敷いてきたから」

「すんませんなあ」

そう言ってトウジは一人フラフラと階段を上っていった。その後をアスカとマナを支えたミサトが上がっていく。

階下ではようやく歌い終えた葛城に代わり、天城がスペイン民謡をアカペラで歌っていた。


「シンジの部屋はどっちやったかなぁ。・・・確かこっちのはずや」

トウジもだいぶ酔いが廻っているらしい。二つ並ぶ戸の前でどちらがシンジの部屋だったかわからなくなったら
しく、ブツブツと呟いていたがやがて片方の部屋に入っていった。それを見てミサトは、

「シンちゃんの部屋は隣だったような気がするんだけど・・・」

と首を捻ったが、酔っているのはミサトもいっしょだ。

「ま、いっか」

そう呟くとトウジが入っていった隣の部屋の戸を開けた。

「ほらほら、マナちゃん、アスカ。ちゃんと布団に入って寝るのよ」

「「ふわ〜い。おやすみなさ〜い」」

アスカとマナは半分寝ているような声でそう答えるとフラフラと部屋に入っていった。



約1時間後

階下から葛城博士や天城博士の馬鹿笑いが聞こえてくる中、シンジの部屋の前に1つの人影が現れた。

「クスクス、邪魔者はもう寝たもの」

ほとんど存在を忘れられていたレイだった。

「お兄ちゃんへの誕生日プレゼント。それは私自身。お兄ちゃん、受け取って(ポッ)」

どうやら「プレゼント」をシンジに受け取ってもらう瞬間のことをずっと妄想していてほとんど会話に加わらなかっ
たために存在感が希薄になっていたらしい。
アスカとマナが寝るためにミサトに連れられていったことは確認している。二人は隣の部屋で寝ているはずだ。
今がシンジに「プレゼント」するチャンスだ。

レイは静かに戸を開けると真っ暗な部屋の中に入って行った。
手探りでシンジを探す。そして手が布団に触れた。そのまま、手を伸ばすとちょっと硬い感触。どうやら足だ。

クスクス、お兄ちゃん見つけた。

そのまま、レイが抱きつこうとした時だった。シンジだと思い込んでいたモノが寝言を漏らした。

「もう、何すんのよ、バカシンジ(むにゃむにゃ)」

その声に固まるレイ。すると少し離れたところからその声に反応するように別の寝言が聞こえてきた。

「えへへ〜、シンジ〜(むにゃむにゃ)」

数分後、再起動を果たしたレイは飛びつくようにして戸の脇にある電灯のスイッチを入れた。
明るくなった部屋を振り返ったレイの目に飛び込んできたのはシンジに抱きつくようにして眠るアスカとマナの
姿だった。

「・・・どういうことなの? もしかして、夜這い? 私は騙されていたの?」

ブツブツと呟き始めたレイのすぐ後ろからのんびりとした声が聞こえてきた。

「おやおや、これはまた。シンジもやるもんだ」

レイがのろのろと振り返るとそこにはデジカメを構えたケンスケの姿があった。

「さてこの写真をシンジたちはいくらで買ってくれるかな〜」

レイの存在を忘れて写真を撮り続けるケンスケをレイは冷たい目で見詰めていた。
しかし、レイが何かいう前にケンスケはふと何かに気づいたようにカメラから目を離した。

「ここにこの3人しかいないということはトウジと委員長はどこに? ・・・まさか!?」

そのまま、ドタドタとケンスケは隣の部屋に向かって走っていった。そしてその足音でアスカが目を覚ます。

「ん〜、何よ〜。うっさいわね〜」

不機嫌な声でそう呟き、ふと脇を見るとそこには安らかな寝顔のシンジ。
その向こうにはマナの寝顔があったのだが今のアスカはそこまで気が廻らない。

「キャー!! エッチ! バカ! ヘンタイ! 信じらんな〜い!!」

その叫び声とともにシンジがビンタを喰らったのであろう乾いた音が廊下のケンスケの耳にまで聞こえてきた。

「成仏しろよ、シンジ」

そう呟くとケンスケは本来マナのために寝床が用意されていたはずの部屋、すなわちトウジとヒカリが寝ている
であろう部屋の戸を開けた。







続く



次回予告

「あの二人を何としてもくっつけるのよ!」

いつまでたっても進展しないヒカリとトウジの関係に焦れたアスカは
なんとかして二人を付き合わせようとシンジ達を巻き込んでとある計
画を実行に移す
しかし、その計画は完全に裏目に出た
悪化するトウジとヒカリの仲
さらにトウジとシンジ、ヒカリとアスカやマナの友情にまでひびが入る
何とか事態を収拾しようとあせり泥沼にはまるアスカ
困惑するシンジとマナ
もしかしてこの事態を解決できるのはケンスケだけなのか?

13時間目 「大波乱の恋模様」

あらあら、青春してるわねえ

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後書き

冬月「ふむ、久々の登場だな。完全に忘れ去られたかと思っていたよ」
葛城「ブワッハッハッハッハ! 相変わらず苦労しとるようだねぇ、冬月君」
冬月「いえ、葛城先生が退官されてからはそれほどでも・・・・・・、いえ、何でもありません」
葛城「うんうん、わかっとる、わかっとる! わかったらだまって俺について来い!!」
冬月「・・・・・・酔ってますね、葛城先生?」
葛城「ブワッハッハッハッハ!」

どーも、たっち―です。
今回は喫茶店「六分儀」を舞台にしてみました。
今回登場したオリキャラの天城博士のモデルはもちろんあのお方です。
最近お亡くなりになられたばかりなので登場させるかどうか迷ったのですが、やはり登場していただくことにしました。
別にこのSSを捧げようとかいう大それたことは言いません。今後の展開上出ていただかないと困ることになりそうなの
で・・・。
それとアスカのパパが歌おうとした「金太の大冒険」がどういう歌かはご自分で調べてみてください。
一説には名古屋辺りが発祥といわれている曲です。はっきり言って、女房子供の前でいい年した大人が歌う唄ではあ
りません(^^;

それでは。

ご意見・ご感想をお待ちしております。


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マナ:キャッ。(*^^*) シンジのほっぺにちゅしちゃった。

アスカ:な、な、なにしてんのよっ!!!(ーー#

マナ:ちゅ。

アスカ:ムキーーーっ! 消毒よっ! これは消毒しなくちゃいけないわっ!

マナ:失礼ねっ! わたしの愛情の篭ったちゅなのよっ!

アスカ:アタシがシンジのお口にちゅして消毒よっ!

マナ:お口は関係ないでしょっ!! お口はっ!!!(ーー#
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ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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