今年もようやく12月となった。

惣流 アスカ ラングレー嬢の誕生日がある月に。

今年も色々な人から祝ってもらうのだろう。

なぜか?当然のこと。エヴァのパイロットである彼女が祝って貰えないわけがない。

皆彼女を祝ってくれるだろう。




       人類を守るエリートパイロットの彼女のことを






「えぇ〜〜〜〜〜〜!!」

 深夜、ミサトの部屋から響くアスカの叫び声

「これから松代で実験!?」

 シンジに詰め寄るアスカ

「う、うん、さっきミサトさんから言われたんだ。」


 事の要約はこうである

 明日はアスカが首を長くして待っていた彼女の誕生日、ところが帰宅してきたシンジが言うには
 明日から重要な実験があり、明日の朝早くには出発しなければならないとのことだった。
 せっかくの誕生日の日だ。明日は友達を呼んで誕生パーティーでもしようと思っていた。

 ・・・もちろん企画、料理、飾りつけ、片付け、その他もろもろをシンジが担当。
 アスカの仕事はおいしく料理を食べること、楽しく雑談すること。

 ・・・つまり『しよう』というより『してもらおう』という意味合いが強いか。


「あ〜もぅ・・・かったるいわね!!実験なんて!!」

「仕方ないよ・・・あ!!」

「どうしたの?」

「ゴメン、これはアスカにはあまり関係のない話だったんだ。」

「?どうしてよ?」

「行くのは僕だけだってさ。」

  へ?

「いざっていう時の為にアスカと綾波は本部で待機だって」

 行くのはアンタだけ・・・?

「だからアスカにはあまり関係ない話だったんだ、ハハハ。 良かったね、かったるい実験に
 行かなくて済んで・・・。」

 つまり・・・その・・・


         シンジが・・・アタシの誕生日の日に・・・いない?



                              『A cordial wind』




「こ、断りなさいよ!!そんな話・・・」

 先程よりもきつくシンジに詰め寄るアスカ

「ど、どうしてさ?アスカには関係ないだろ?それにそんなことできるわけないじゃないか・・」

 いきなりのアスカの態度の急変にうろたえるシンジ。

「アンタ、明日がなんの日だかわかってて言ってるわけ!?」

「明日?4日のこと・・・・?」

「そうよ」

「?・・・わからない・・・けど・・・?」





     あ・・・・




「・・・ねぇ、なんの日なの?なにかあるの?」

     当然よね・・・

 肩からふっと力が抜けてどこか無気力になってしまう。

「ねぇ?アスカ?」

 だがすぐにシンジを睨みつけて彼女は言った。

「うるさい!!なんでもないわよ!!バカシンジ!!」

「そ、そういう言い方することないだろ!!」

 おとなしい性格のシンジだがいきなりこんな言い方をされると流石にカチンとくる

「どうせアンタには関係のないことですよ!!」

「なら初めから聞かなければいいじゃないか!!」

「あ〜うるさい!うるさい!うるさい!!アタシはもう寝るわ!」


 バタン!!と乱暴に自分の部屋に入っていってしまうアスカ。

「な、なんだよ、いきなり怒ったりして・・・」

 リビングに一人残されるシンジ
 少しムッとした表情。


 今日ミサトさんに言われたことをそのまま伝えただけなのになんであんな事言われなきゃ
 いけないんだよ・・・


「ただいま〜」

 そこへ帰ってくるミサト ここ最近ミサトは帰りが遅い。特務機関に年末年始もありゃしない。
 年末だろうが、この世の終わりだろうが忙しい時は忙しい。
 兵装ビルの修復、使徒の後処理、エヴァの維持費・・・その他もろもろ。
 ミサトは最近だいぶお疲れの様子


「あ、ミサトさん、おかえりなさい」

「あ〜もぅ・・・年末だってのに仕事が忙しくてたまんないわ・・・あれ?アスカは?」

「・・・部屋にこもってます。なんだかいきなり怒り出して・・・。」

 少し口ごもるシンジ、さっきのことが少し気になる


 あの時のアスカの瞳・・・なんだか悲しそうだったな・・・


「あらぁ?また夫婦喧嘩〜?仲良くしなきゃ駄目よ〜?」

「・・・ちがいますよ・・・ところで松代にはいつ頃出るんです?」

「んー、明日の朝早くには出発するわよ。準備しといてね。」

「ハイ。わかりました。」


 その時


 バン!!


 乱暴にドアが開きアスカが部屋から出てくる

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 なにも言わず玄関に向かう

「アスカ?ちょっとどこ行くの?」

「どこだっていいでしょっ!?」



 プシュ



 閉まるドア

「あちゃ〜・・・・」

 アスカの荒れ方にトホホ気味なミサト

「今日はいつもに増して荒れてるわねぇ・・・シンジ君?一体なにがあったっていうの?」

「それが・・・」






 深夜静まり返った街を一人で歩くアスカ

 アタシなにを期待してたんだろ・・・

 シンジがアタシの誕生日を祝ってくれること?
 バカみたい・・・アイツには関係のないことだもの・・・祝ってくれるわけもないのに・・・
 誕生日だってことすら教えてないのに・・・アイツが知ってるはずもないのに・・・

 なによ!!アイツが祝ってくれなくったってセカンドチルドレンたるアタシは
 今年もたくさんの人に祝ってもらえるわ!! それも各国の政府や要人からね!!
 このアタシがどうしてあんな奴のことを考えなきゃいけないのよ!!




          セカンドチルドレンたるこのアタシが!!




 そして走り出すアスカ 深夜、人通りもほとんどない道を一人走る

     常夏の夜に浮かぶ暗雲は、彼女を深く包み込む。

     黒く澱んだその雲は彼女の心から離れない。


 ところ変わってここはマンションのリビング
 そこにはミサト一人だけ シンジの姿はない。


 「さてと・・・。」

 電話に手を伸ばすミサト

 「・・・あ・・・もしもし、リツコ〜?明日からの実験ことなんだけどね・・・」





 夜の公園のベンチに膝を抱えて座っているアスカ

 見れば時計は既に0時を回っている。



 「今日は私の誕生日なのに・・・こんなところでなにやってんだろ・・・。」

 「今年もきっと沢山のメールや手紙が届く・・・各国の政府やネルフの各支部から・・・」



  けど・・・うれしくない・・・


 去年までそんなことはなかったのに・・・どうして・・・


 ・・・わかってる・・・


 今年こそ私を祝ってくれる人がいると思ってた

 今まで私の誕生日を祝ってくれた人は・・・私を・・・私自身を祝ってくれたわけじゃないもの。


 エヴァのパイロット ・・・セカンドチルドレンを祝っていただけ

 決して私のことを祝っていたんじゃない。決して私を必要としていたんじゃない


 必要だったのはエヴァ。


 私はエヴァ弐号機の専属パイロット・・・エヴァの付属品・・・


 明日、学校に行けばヒカリや鈴腹たちが『おめでとう』ぐらい言ってくれる
 ううん、ヒカリは誕生パーティくらい開いてくれるかもしれない。

 ネルフに行けばリツコやミサト達にきっと『おめでとう』って言われる。
 加持さんもきっと祝ってくれる。



 でも・・・駄目・・・



 きっと私ではなく『エヴァのパイロット』を祝ってるような気がしてしまう。
 親友のヒカリですらそう感じてしまう・・・ゴメンねヒカリ・・・


 だって私はエヴァのパイロット、ヒカリ達は決してそうじゃないもの
 この隔たりをどうしても感じてしまう・・・

 でも同じパイロットなら違うと思った。・・・もちろんファーストは問題外。あんな人形娘が
 そんなこと言うはずがない。

 だから・・・シンジに期待してた・・・




 きっとエヴァの付属品としてではなく『私』を祝ってくれると思ってた。

 同じパイロットのアイツならきっと『私』のことを祝ってくれるはずだと・・・

 ・・・少なくてもそう感じることができるはずだと・・・

 ・・・同じパイロットだから・・・

 ・・・それだけ・・・?


「でもダメ・・・・・・誕生日のこと・・・なにも教えてないのに?」

 自嘲気味に笑うアスカ

「祝ってくれるわけないじゃない・・・」

 勝手にシンジに期待していた自分が情けなかった

 悲しかった、悔しかった

 そして

 とても寂しくなった


   黒く歪んだ雲に隠れて星も見えない夜に・・・


   彼女は誕生日を迎えた


   雲の向こうでは星達が美しく煌いているのに・・・


   決してその雲が晴れることはなかったから


  ところ変わってここは深夜の街の中。その中を汗だくになって走るシンジ

 「アスカ・・・どこに行ったんだ・・・」

 息がきれ、ビルの壁に寄りかかるシンジ

 「・・はぁ・・はぁ・・」


  僕はなんてことを・・・


 リビングで電話しているミサト

「・・・それがねシンジ君に明日が・・・いえ、もう今日ね・・・今日がアスカの誕生日だって教えたら
 顔を真っ青にして飛び出して行っちゃったのよ・・・ホント、不器用なんだから・・・」

 ビルに寄りかかっているシンジ ようやく息も落ち着いてきた


     そうだ・・・公園の方にも行ってみよう。


 そしてまた走り出すシンジ

 空に立ち込める暗雲に切れ間が見え始める



 「・・・え?いい話じゃないかって?そりゃ・・・まぁそうなんだけど・・・実験がね・・・
 え?いいの?明日からの実験は?・・・え?本当!?さすがリツコ!!話がわかるわね!!
 じゃ明後日に延期ってことでね・・・大丈夫だってさすがに朝帰りはないって・・・
 まぁ明後日は引きずってでも連れて行くから・・・じゃ上の方にも説明よろしく〜♪」

  電話を切るミサト


 ふぅ〜っと一息・・・


「・・・アスカにとっては大切な日だったのよね、仕事が忙しくてついシンジ君に伝えるのが
 遅くなっちゃったのよね・・・シンジ君、あとよろしくね、私達じゃどうしようもない問題
 だもの・・・」


「・・・がんばってね・・・来年こそなんて思っちゃだめよ・・・私達には・・・
 あなた達の来年を保障することができないから・・・ごめんね・・・二人とも・・・」


 ミサトは自分の職務を呪った・・・たとえ生き延びるためとはいえ、まだ幼さの残る少年少女の人生を
 狂わしてしまうことに・・・彼らから未来を奪ってしまいかねないことに・・・


 ・・・自らの命と引き換えにしてでも・・・

 彼等の未来は守ってあげたい・・・

 彼等の想いは守ってあげたい・・・

 それが彼女にできる精一杯の贖罪だった。


 公園のベンチに下を向いてうずくまっているアスカ


 もしかしたら泣いてるのかもしれない。


 思い出されるのはドイツにいた頃の自分


 ドイツに居た頃は一度も同年代の友達から祝ってもらったことはなかった・・・

 ・・・飛び級に飛び級を重ねた私には同年代の友人すらいなかった

 私はそのことを誇りにしていたのかもしれない、けど、どこか寂しかった・・・

 自分にもわからないようにしてたけど・・・寂しかった


 だれも『私』を知らない。

 だれも『私』を必要としてくれない。


 ・・・イヤ・・・

 一人はイヤ・・・

 寂しいのはイヤ・・・

 もう、エヴァのパイロットという肩書きに依存するのは・・・

 もうイヤ・・・

 エヴァの付属品でいるのはもうイヤ!!

 誰か『私』を必要として・・・

 誰か『私』を見て・・・

 誰か・・・誰か・・・


 『私』を助けて・・・


 ・・・シンジ・・・




 アスカを黒い雲が包み込む

 今まで幾度も繊細な彼女の心を傷つけてきた思い出

 自らの心を厚い雲に覆い隠し生きてきた彼女

 即ち自分はエヴァのパイロットだと

 即ち自分は特別だと

 そう自らに言い聞かせて生きてきた

 そうすることで誤魔化してきた

 そして、そうすることが自らを追い込むことに繋がった


 体をベンチの上で小さく丸めるアスカ


 誰よりも傷つきやすい心を持つがゆえに

 自分を偽り、他人に強がって生きてきた彼女

 でも・・・もう限界・・・


 その青い瞳から流れ落ちる涙


 誰にも見せることがなかった涙

 彼女はもう目を閉じようと思った

 なにもしたくなかった

 なにも考えたくなかった

 何も見えないように、誰にも見られないように

 ・・・何も感じないように・・・


 そしてアスカが目を閉じようとした時に・・・





            アスカの金髪がふっと風に踊る

  あ、涼しい・・・

 清く涼しい夜風に夜空を見上げるアスカ

 気がつけば厚い雲が少しづつ晴れて素晴らしい星空が顔を覗かせはじめている


 星明かりが彼女を優しく包み込む


 そして星の光に導かれ


 彼女は振り向く


 そこには・・・・



 公園の入口に立つ人影




  誰・・・?もしかして・・・



 「・・・シンジ・・・?」


 アスカは不安と期待に震えながらその名を呼んだ
 確信はなかった・・・ただそんな気がした

 ・・・そうであったらいいなと思っていた

 「・・・アスカ・・・」

 そこに立っていたのは息を荒くして汗だくなシンジ

 肩で息をしている状態

 少し不安げなその表情


 そんなシンジを見てアスカは下を向きながら尋ねる

 「・・・なんでアンタがここにいるのよ・・・」


 アンタはやっぱり私を助けてくれる?


 「・・・ミサトさんから聞いたんだ・・・今日がアスカの誕生日だって・・・」


 「・・・だからなによ・・・」


 今度はアンタに期待しても大丈夫・・・?

 「え?」


 「アンタには関係のないことでしょ・・・」

 ・・・シンジ・・・

 「そ、そうかな・・・でも・・・でもさ、これだけは言っておこうかな・・・って思って・・・」

 お願い、助けて・・・

 「・・・なによ・・・」

 シンジ・・・

 「あ、その・・・アスカ・・・」

 「・・・・・。」

 助けて・・・

 「・・・誕生日、おめでとう。」



 雲が晴れていく

 長い間彼女を拘束し続けた雲が・・・

 長い間彼女を支えてきた雲が・・・

 長い間彼女を苦しめ続けていた雲が・・・


 ただその一言で良かった。

 ただ・・・ただその一言で


 アスカの表情が穏やかなものへと変わっていく

 「どうして・・・?」

 「え?」

 「どうしてアンタがそんなこと言うの?」

 「ど、どうしてって聞かれても・・・」

 先程と同じように尋ねるアスカ しかしその言葉は明らかに穏やかなものとなっている

 「アンタは私のことをどう思ってるの? 同じパイロットとしてのチームメイト?
  ・・・それとも別のなにか?」

 「べ、別のなにかって?」

 「アンタにとって私は特別な存在なの?って聞いてるのよ。」

 「特別な存在って?」

 「例えば好きだとか・・・」

 「えぇ!?好きって・・・そんな・・・」

 「じゃ、嫌い?」

 「き、嫌いなわけないじゃいか!・・・ただ・・・僕は・・・その・・・」

 オロオロしてしまうシンジ・・・その顔を真っ赤に染めて・・・

 「・・・・・・・」

 そして遂に下を向いて沈黙してしまうシンジ

 「はぁ・・・」

 アスカはシンジの態度に深いため息をつく。

 まったく・・・シンジじゃこんなもんかしらねぇ・・・

 目の前のシンジをジッと見つめるアスカ

 シンジは相変わらず下を向いて黙り込んでしまっている

 その体は汗でぐっしょりと濡れている

 未だに荒いままのシンジの呼吸

 ・・・ここまでアタシを探しに必死で走ってきたのね・・・
 まぁ・・・アンタにしちゃよくがんばったわ。

 「帰ろうか」

 優しく微笑みながらアスカが言った

 「え?・・・あ、うん、そうだね。帰ろうか、もうこんな時間だしね。」

 「うん。」

 アスカは素直に返事を返す

 「え?」

 そのことに少し驚くシンジ

 「どうしたの?」

 「あ、いや・・・なんでもないよ。」

 「?」

 「行こう。」



 星空の下で微笑むアスカはとても綺麗だったとシンジは思った



 公園から出る二人

 しばらく無言で歩く

 「ねぇシンジ?」

 「なに?」

 「アンタの・・・さっきの態度・・・ふふっ・・・ちょっとおかしかったわよ。」

 戸惑うシンジ

 「そ、そうかな?」

 「だって・・・ふふ・・・アンタ黙り込んじゃうんだもん♪」

 「そりゃあ・・・」

 「アタシには答えなんてバレバレだったのにさ♪」

 「えぇ!?な、なにがバレバレだっていうんだよ!?」

 「アンタバカぁ?アンタはそんなに汗だくになる程必死で走ってきたんでしょう?」

 「そう・・・だけど・・・?」

 「どうでもいい相手の為にそんなことするわけ?」

 「そ、それは・・・しない・・・かな・・・」

 「素直に『好き』って言っちゃえば良かったのよ♪」

 「え?」

 「好きなんでしょ?アタシのこと。」

 その時 ハッとするシンジ アスカの足が小刻みに震えている

 きゅっと唇はかみ締められ、拳は強く握られている。


 「あ、アタシにはバレバレなんだから・・・さ・・・?」


 シンジから視線をそらし下を向くアスカ。
 下を向いていてもはっきりとわかる、さっきより強く握られた拳、よりきつくかみ締めた唇。



 辺りを静寂が支配する

    風の音・・・

    星の煌き・・・

    月の囁き・・

    震える吐息・・・


 アスカが・・・震えてる・・・? 恐いんだ、不安なんだ、アスカも。

 でもアスカは勇気をだして言ってくれたんだ

 僕も・・・


 シンジも強く拳を握り締める


 「ふぅ・・・」

 沈黙を破りため息をつくシンジ

 一瞬ビクっとするアスカ

 「ははは、そうかアスカにはバレバレだったんだね。」

 「・・・シンジ?」

 「は、恥ずかしいからさ、なかなか言えなくて・・・その・・・アスカは僕にとって・・・
 と、特別な存在で・・・つまりそ、その・・・僕は・・・僕は・・・」

 だんだんと緩んでいくシンジの拳

 「・・・・・・。」

 が、再度強く握り締め

 「アスカのことが好きなんだっ!!」



 再び汗だくなシンジ

 肩で息をする

 再び訪れる静寂

 より荒くなったシンジの呼吸


 お互いに汗だくになりながら相手を見つめる二人。
 拳を握り締めたまま立ち尽くしているシンジと下を向いているアスカ。

 とても長い間二人は黙っていた

 そんな中、アスカは決意したようにシンジを見つめて言った。

 「ほ、ほらねぇ?アタシにはバレバレだったでしょう!?アンタの単純な頭の中なんか
 全部お見通しなのよっ!!」

 それを聞いてようやく拳を緩めるシンジ
 あふれるようにやってくる安堵感

 「・・・うん、さすがアスカだ。」



 ・・・ありがとう。シンジ。

 ゴメン、アスカ。次からは僕がもっとしっかりするから・・・


 「帰ろうか?」

 「・・・そうね、もうこんな時間だしね」

 「行こう。」

 「うん。」



     あ・・・・。


 アスカの素直な返事を聞いたシンジは少しドキッとした。
 こんな風にアスカが返事したことなんてなかったから・・・
 星空の下で微笑むアスカはとても綺麗で・・・。





 公園を出て家に向う二人

 その途中、アスカはシンジに話しかけた

 その頬を真っ赤に染めて

 「ねぇシンジ?」

 「なに?」

 「あ、アンタはアタシのことが・・す、好きなわけよね?」

 「そ、そうだよ!!」

 「あ、アタシは・・・アタシも・・・アタシもアンタのことがね!!」




         そして、また風が吹いた




 流れる涙に隠した想い

 希望を託したその言葉

 想いを伝える。真心込めて。

 今夜、星空の下で清く涼しい風が吹く

 高く夜空に吹き渡る真心の風よ。



 <おまけ1>

 「ねぇシンジ?」

 「なに?」

 「あ、アンタはアタシのことが・・す、好きなわけよね?」

 「そ、そうだよ!!」

 「な、なら好きな人のことを抱きしめたいとか思ったりするわけよね!?」

 「そだよっ!!」

 「じゃ、じゃぁ抱きしめさせてあげてもいいわよ!!か、感謝するのよ!!」

 「も、もちろんだよ!!」

 アスカが勇気をだして言ってるんだ!!僕だってがんばらなくちゃ!!

 「アスカ・・・」

 「シンジ・・・」

 抱き合う二人のシルエットを星が優しく映し出す

 「シンジ・・・大好き・・・」




 <おまけ2>

 「ねぇシンジ?」

 「なに?」

 「あ、アンタはアタシのことが・・す、好きなわけよね?」

 「そ、そうだよ!!」

 「な、ならアタシとあそこのホテルに行きたいとか思うわけよね!?」

 「そだ・・・!?」

 えぇっ!?

 「じゃ、じゃぁ一緒に行ってあげてもいいのよ!!か、感謝しなさいよ!!」

 「え?ええ!?えぇぇぇぇぇ!!!!!」

 アスカが勇気を出して言ってるんだ!!・・・けど・・・けど・・・

 「ゴメン!!」

 「シンジぃ!!!!!!!」

 逃げ出すシンジのシルエットを星が優しく映し出す・・・

 「なによ!!意気地なし!!」


 <おまけ3>

 「ねぇシンジ?」

 「なに?」

 「あ、アンタはアタシのことが・・す、好きなわけよね?」

 「そ、そうだよ!!」

 「な、ならアタシの誕生日になにかプレゼントしたいとか思うわけよね!?」

 「そだよっ!!」

 「アタシの欲しいものを用意したいわけよね!?」

 「と、当然だよ!!・・・で、アスカが欲しいものってなに?」

 「あ、アタシが欲しいものはね・・・」

 「欲しいものは・・・?」

 「欲しいものはね・・・」

 「・・・」



 「シンジよぉぉぉぉぉぉ♪」

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


 哀れシンジはアスカの毒牙に・・・


 <おまけ4>

 「ねぇシンジ?」

 「なに?」

 「あ、アンタはアタシのことが・・す、好きなわけよね?」

 「そ、そうだよ!!」

 い、嫌な予感・・・

 「な、なら今日はアタシの誕生日なんだからアタシにご馳走したいとか思うわけよね!?」

 「そだよっ!!」

 「アタシの好きなものを食べさせたいとか思うわけよね!?」

 「と、当然だよ!!・・・で、アスカの好きなものって・・・ハンバーグとか?」

 「う〜ん、それも好きなんだけどぉ〜♪」

 「だけど・・・?もっと別のものがいいの?」

 「うん♪」

 「そ、そうなんだ、で何がいいの?な、なんでも作るよ。」

 も、もしかして・・・

 「えぇ〜とね、アタシの食べたいものはねぇ〜♪」

 「た、食べたいものは・・・?」

 まさか・・・



 「いっただきまぁ〜す♪」

 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


 哀れシンジはアスカの餌食に・・・








  〜〜〜〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜〜〜〜


 まずここまでお付き合いくださった皆様。本当にありがとうございます。
 相変わらず雑な文章ですがどうかよろしくお願いします(^^;
 しかし時期はずれにも程がある・・・(−−;今更誕生日SSとは・・・

 <おまけ>についての言い訳・・・スイマセン・・・えぇ〜と・・・その・・・ま、まぁね。
 た、たまにはいいじゃないですか!! 本当はもっと暴走した<おまけ5>があったんですけど
 『あまりにも暴走しすぎでは・・・?』とのご指摘があり、『確かに・・・』と思い消しました
 暴走すると手がつけられません。エヴァと一緒です(−−;

 しかし、そのうちまた書いてみるのも面白いかもしれませんね(笑)
 機会があれば是非書いてみたいです(爆)

 では、本当にありがとうございました。 


マナ:な、なんなのよっ! この『おまけ』はっ!(ーー#

アスカ:やっぱりアタシ達はこうなる運命なのよ。

マナ:ぜーったい、こんな『おまけ』の結末、どれも許さないんだから!

アスカ:どう転んでも、シンジはアタシのものってことよ。

マナ:シンジが餌食になってるじゃないっ!

アスカ:失礼な言い方するわねっ!

マナ:だって、上にちゃんとそう書いてあるもん。

アスカ:よくよく考えたら、アタシのことどんな目で見てるわけっ!?>テツ(ーー#

マナ:シンジを餌食にする女だと思ってるんだわ。

アスカ:コロス! ポジトロンライフル発射! 目標! テツ!(ドカーーーーーン!)
作者"テツ"様へのメール/小説の感想はこちら。
skyline@bc9.ne.jp

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ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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