「う〜ん、ドイツって言ったって今まではしょせん思いつくのもバームクーヘンくらいしかなかったんだけど、、、
あんな素晴らしいゲームがあっただなんて、、、」
「あっ、そうか! ゲームのせいにしてしまえばもしかするとあんなコトやこんなコトも出来るんじゃ、、、」
「、、、」
「、、、」
「、、、」
「、、、ハズカシイ。膨張してしまった、、、」
考えてることはアスカ様と大差ナシ。
、、、その後悶々と妄想を膨らましたのち就寝。
written by tomas.
「あっ、アスカ!! いきなりそんなコト! 、、、ムニャムニャ、、、そっちがその気ならこっちだって、、、グゥ、、、」
、、、いい夢を見てるみたい。
チュン、チュン、、、チュン、、、
翌日AM7:30
すずめの鳴き声も早朝よりはいくぶん静かになってきた頃。
シンジ君起床。
今日は学校が休みなのでいつもよりもゆっくりめに目を覚ましていた。
もっとも、眼の下にクマが出来ているところからすると昨日の夜はなかなか寝つけなかった様子ではあるが、、、
布団から上半身だけを起こし、両腕を思いっきり天に突き上げると、少しだけ眠気がさめたような気がした。
「(ふう。 なんだか朝起きて一番にみる部屋の中の眺めもいつもとは違って見えるなぁ。 どこかこう輝いて
見えるっていうか、、、 すがすがしい感じかな、、、理由はやっぱり、、、『アレ』だよな。)」
『カップルゲーム。』
「(そう、カップルゲーム。 昨日は途中で終わっちゃったけど、、、 よし、さっさと朝食とお風呂の準備を済ま
せてアスカを起こしに行こうっと!」
シンジの頭のなかは朝からカップルゲームのことでいっぱいになっていた。寝不足もなんのその、すっかり目も
さめた様子で、軽い足取りでリビング、そして台所へと向かう。
「ふう。だいたいこんなもんかな。朝食の準備オッケー。お風呂の湯かげんもバッチリ。ミサトさんは帰って
ないな、と。 ペンペンのえさは、、、、、後でいいや。」
ミサトさんが帰宅しているかどうかを確かめるあたり、本人は否定するかもしれないがうっすら下心がうか
がえる。 ペンペンにいたってはその生命活動の営みをも妨げられようとしていた。
まさに煩悩に駆られた14歳、男子、その勢いはとどまる所を知らない。
「よし、行くぞ!」
気合を入れて、それこそ顔を両手でパン、パンとたたきそうな勢いでもってアスカの部屋の前までやってくる。
彼をここまでかき立てるのは恋人同士なら当然の『お目覚めのキス』である。
、、、恋人同士なら当然かどうかはなお疑問の余地が残るところではあるが、もはや今の彼にはそんなことは関係ない。
やるといったらやるのだ。
「毒リンゴを口にしてしまった白雪姫をキスで目覚めさせる王子様」よろしくアスカをキスで起こしてあげるのだ。
『勝手に入ったらぶっ殺す!』
こんなボードも今のシンジの勢いを止められるものではない。が、「念には念を」である。
一応襖の前で声をかける。
「アスカ、朝だよ。朝食も出来てるからそろそろ起きなよ。」
こんな声では聞こえるはずもないのでは、、、
いや、コレでいいのだ。作戦通り。こう一言つぶやいておくことにより、たとえ勝手に部屋に入った
ことを後で非難されたとしてもそれを正当化することができる。いわばボードの効力を無効化する
シンジの編み出した呪文なのである。
そしてついにシンジはアスカの部屋の襖に手をかけ、アスカを(起こしにいくのだが〉起こさない
ように静かに襖を開ける。 一歩足を踏み入れるとそのまま流れるような動きでアスカのベット
の際まで進み寄る。そっとベッドをのぞきこむと、そこには今まで自分のしてきたことがものすごく
後ろめたいものに感じてしまうほど無邪気な寝顔で眠るアスカがいた。
しかし、確かに、もちろん、後ろめたい気持ちにはなるが、だからといって計画を辞める気には
なれなかった。 それほどに魅力的で無防備な唇がシンジの目の前にさらされていたのだ。やがて
シンジは吸い込まれる様にアスカに顔を近づけていった。
アスカは先ほどから何かの気配をうすうす感じてはいたが、そんなものが自分の部屋にあるはず
がないのでおそらくは自分の勘違いだろうと思って、いまだ惰眠をむさぼっていた。 しかしその気配
はだんだん近づいてきて、自分でも無視することの出来ないほどのものになってきた。身の危険を
感じたアスカがうっすらと目を開けてみると、、、
そこにはタコのように口をとんがらせたシンジのどアップが、、、
「キャーーーッ!! アンタ、なに人の部屋に勝手に入ってるのよ!! エッチ、痴漢、変態、信じらんな〜い!! 」
バチーーーーーーン!!!!!
「うわっ、ごっ、ごめんよ!! アスカーーッ!!!」
アスカのあまりの剣幕に、ボードの効力を無効化した呪文のこともすっかり忘れて一目散に部屋から出て行くシンジ。
それを見送るアスカのつぶやきはシンジに聞こえることはなかった。
「いくら恋人同士でも物事には順序ってモノがあるのよ、バカシンジ!」
一方リビングをこえて台所まで引き返してきたシンジもしばらくすると落ち着きを取り戻してきた。
「昨日のはやっぱり夢だったのか、、、そうだよな。アスカがあんな事言うわけないもんな。 、、、はあ〜、カップル
ゲームだなんて、なに自分に都合のいいことばかり考えてんだろ、、、まったく、、、」
シンジは自分の身勝手な考えを情けなく思い、そして先ほどまでの自分の行動をものすごく後悔していた。
「もう、嫌われちゃったかな、、、 そうだよな、アスカが寝てるのをいいことにあんなことしようとするなんて、、、」
その後もシンジは何をするわけでもなく食卓のイスに座ったままただボーっと時間を過ごしていた。
するといつのまにかお風呂から上がったアスカが、いつものようにパックの牛乳にそのまま口をつけて、喉を鳴らしていた。
「なにボーっとしてるのよ!バカシンジ!! そんなヒマがあったらさっさとご飯食べなさいよ!! 朝ご飯食べ終わったら
すぐに本番始めるからね!!」
「、、、、はぁ?なんのこと??」
「そんなの決まってるじゃない!!!」
おわり
あとがき
どうもみなさん、始めまして。tomas.です。
最後まで私の駄文に付き合ってくださいまして本当にありがとうございました。
「処女作」ですので至らない部分もあったかもしれませんが、これが所詮私の現在の実力ということです。
最後のシーンは中途半端な形で終わってしまって、ご不満に思われる方も中にはいらっしゃるかもしれませんが敢えて
こういう形で終わらせておきました。理由はエヴァらしく終わりたかったからです。
、、、というのは冗談で(、、、いや、少しだけ本気)
外伝や続編を書きやすくしておきたかったからです。
また良いアイデアやエピソードが思いつけば続きを書くかもしれませんし、、、ということです。
今まで感想のメールを送って頂いていたみなさん本当にありがとうございました。
それではこのへんで。
アスカとマナにバトンタッチ。
感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構 ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。 |