The Restart Of Evangelion
 
                          〜プロローグ〜

・・・サードインパクト・・・

人類補完計画が発動し、人々は1つになった・・・・・。

だが、「人」の形を保ったものがいた。

それは、紅い海の前の砂浜に座る少年と横になっている蒼い瞳の少女。

少年は前を向いているが、その瞳には何も映ってはいない・・・。

少女は目は開いているものの、体はまったく動いてはいなかった・・・・・。

少女が動かなくなってからどれくらい経ったのだろうか・・・。
かつて、口にすることは出来なかった少女への思いを伝える気が無くなった少年。

「・・・・・こんなの、こんなの望んじゃいなかった、どうしてこうなってしまったんだろう?
  アスカ、いつものように僕をバカにしてよ。バカシンジ!って言ってよ!!
 僕の・・・大好きだった明るい、元気な姿を見せてよ!!」

少女を横目に俯きながら一言。しかし、少女は答えない。

少年以外に「人」は少女しかいないからだ、しかし・・・・・

「あなたは・・・何を望むの?」

静かに、そして、はっきりと声が聞こえた。

「・・・・・綾波」

少年は顔を上げると、そこには海面に浮いている紅い瞳の少女がいた。

「碇君、あなたは何を望むの?」

少女はもう一度、少年に聞いた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
いきなりの質問に少年は考えた。
(そんなことを言われても、世界をこんな風にしてしまった僕が願い事なんて・・・願い事!?)

思いついた願い事を言う前に少女に確認する。

「どんなことでもいいの、綾波?」

「ええ」

「やり直したいんだ・・・すべてを。」

「すべて?」

「そう、こんな結末なんて望んじゃいない。みんながいたあの時に戻ってやり直したいんだ!!」

少年は叫ぶようにして願いを少女に伝えた。

少女は少し考えると、

「それでいいの?あなたは傷ついてばかりだった、他人におびえるように生きていたのに、いいの?」

確認をする少女。少年は考えるように俯いた。
(そうだった、あの時は常に人の顔色をうかがってばかりだった、けど!!)

少年はそう決意し、顔を上げ叫ぶように少女に答える。

「かまわない。アスカを、みんなを守りたい。そのためにやりなおしたいんだ!!」

「わかったわ・・・。あなたにリリスの力と知識を」

少女は左手をかざした、淡い光が出たのと同時に消えた。

「いまのは?」

「あなたに「力」を授けたわ、そして・・・」

今度は右手をかざし、少年を過去に戻そうとする。

「ちょ、ちょっと待って!!」

少年が少女を止める。

「アスカに、アスカにお別れを、と思って・・・。」

少年は横たわる青い瞳の少女の元へ行った。赤い瞳の少女はかざしていた右手を下ろすと、少年のほうに目をやった。

「アスカ、僕はすべてをやり直すために過去に戻るよ。でも、その前に聞いて欲しいことがあるんだ・・・。」

少年は顔を真っ赤にして言葉を続ける。 

「アスカが僕のこと嫌いでも、僕は・・・僕は・・・僕はアスカのことが大好きだ!!」

半ば叫んではいたが少年の告白が終わり、赤い瞳の少女のほうに足を向ける。

「・・・もう、いいのね?」

少女の最終確認を聞いた少年は首を縦に頷いた。それを確認した少女は、もう一度右手をかざす。

カッ!!!!!

少年の目の前が激しく光ったと思うと、そこに少年の姿は無かった・・・・・。

「さようなら、碇君。」

フッ・・・・・・

そして、少女は消えた。


少し離れた所に人影があった。

「還るんだね、あの時に。勝手ながらお供させてもらうよ」

人影はそう呟くと同時に姿を消した。

「おっと、忘れちゃいけないね。これ、これ。」

もう一度現れて何かをしたかと思うと、人影は再び姿を消した。



<後書き>
はじめまして、ウエッキーといいます。
皆さんの小説を読ませていただいてるうちに、自分でも「書きたい!!」と思ったので書いてしまいました。
未熟者なので読みにくい点があるとは思いますが、よろしくお願い致します。m(_ _)m

ジャンルは「逆行物」です。すべてを知ったシンジが1からすべてやり直す、というものです。(知ってたらごめんなさい。)
いろんな作家さんの小説を読んでいるため、作品にもそれが出てしまうかもしれませんが
「あっ、これ他の所で見たことあるぜ。パクリじゃん!」と後ろ指差さないでくださいね、お・ね・が・い!(爆)

それにしても、最後に出てきた人影は一体誰のか?(バレバレっすよね?)

<次回予告>
シンジが気付いた所は父親に呼ばれてリニアを降りた駅の前。
飛び交う戦闘機に軍事ヘリ、そして避難を促す警報が鳴り響くその場所は還って来たことを実感させるのであった。

次回、The Restart Of Evangelion

「還ってきた少年、2回目の第3使徒襲来!」(そのまんまっすね・・・)

をお送りしまーす。


マナ:ウエッキーさん、投稿ありがとうっ。

アスカ:シンジったら、アタシに会いたいなら素直にそう言えばいいのに。

マナ:これはチャンスだわ。

アスカ:どうして、アンタがチャンスなのよ。

マナ:だって、サキエルまで時間が遡るんでしょ。

アスカ:逆行物ってことだから、そうなんじゃないかしら。

マナ:ってことはよ。アスカはドイツ。綾波さんは病院。今がチャンスよっ!

アスカ:アンタっ! 何考えてんのよっ!

マナ:その頃わたしは、戦自にいるはずだからぁ。こそこそと抜け出してぇっ!

アスカ:アンタの記憶もなくなってるから、そんなことできるわけないでしょうがっ!

マナ:綾波さんっ! わたしの記憶は消さないで。(☆☆)

レイ:抜け駆け。いけないこと。あなたは始めから、いなかったことにしましょう。

マナ:(@@)いやーーーーーーっ!!!
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