「惣流=アスカ=ラングレーです、よろしくね♪」 「アスカの双子の妹で、惣流=アスナ=ラングレーです、よろしくお願いします。」 「僕はカヲル、渚カヲル、よろしく頼むよ。」 3人の転校初日の自己紹介。 「アスカさんは・・・綾波さんの隣、アスナさんは・・・霧島さんの隣、カヲル君は碇君の隣に座って頂戴。」 「「「はい、わかりました。」」」 「よろしくね、レイ!」 「・・・ええ、こちらこそ。ア、アスカ。」 「よろしくお願いします、マナさん。」 「こちらこそ。よろしくね、アスナちゃん。」 「君の隣なんて・・・なんてすばらしいんだ!これからよろしくね、シンジ君。」 「はは・・・。よろしくね、カヲル君。」 そんなこんなで授業が始まる。そして、授業が終われば3人は質問攻めにあうのだった。 「アスカさん、アスナさんは恋人いるの?」 「カヲル君は付き合ってる人とかいるの?」 「なんでこっちに引っ越してきたの?」 「写真、売ってもいいかい?」 ・・・etc 「アタシは恋人いるわよ。」 「わたしも好きな人なら・・・。」 「僕は片思いなのさ。」 と、少し顔を赤く染める惣流姉妹。アスカの発言にシンジも真っ赤になる。カヲルはシンジの方を見ながらそう言うのだった。 「「「そんな〜!!」」」 落胆の声をあげる生徒達の中にマナの声も入っていた。 (アスカの恋人がいるって言ったときにシンジ君のほう見てた・・・。まさか、あの2人って知りあいだったとか? それに、渚君もシンジ君のほう見てたけど・・・まさか、渚君ってホ○なの〜!?) シンジの家で同居生活初日、アスカはレイとマナに自分のことを「アスカ」と呼ぶように言ったのだ。 そんな落胆に沈むマナを見つめる人物1人、アスナであった。 (あら?マナお姉様どうしたのかしら・・・。でも、落胆する表情も素敵です。ポッ。) かなり的を得ている予想をするマナに、恋する少女の視線を送るアスナをカヲルが見つけた。 (なんてことだ!霧島さんに興味を持つなんて・・・アスカさんの抑止力として「ちょっと」だけ同姓にあこがれるようにしたと言うのに これでは・・・シンジ君とアスカさんが本当にくっついてしまうではないか〜!!) 実際くっついているのだが、カヲルはシンジのことをあきらめてはいなかった。 The Restart Of Evangelion 第7話「ユニゾン、僕のパートナーはだれ?」 「う〜・・・・・ん。あん、加持君ったら♪」 場所は変わって、ネルフのとある通路で加持とミサトがKISSをしていた。あのあと、ミサトの家に2人で住んでいる。 もちろん、と言うか家事は加持がやっていた。ミサトが出来るはずないのだから、なし崩し的にそうなった、と言ったほうがいいだろう。 2人が付き合ってることを知ってるのは1部の人間だけであったが、当人達はいたるところでいちゃついていた。 「ふふ・・・甘えん坊だな、葛城は。」 「だって・・・やっと一緒になれたんだもん♪・・・うれしいのよ、本当に。」 「すまなかったな・・・葛城。」 「加持君・・・。」 見詰め合う2人。いい雰囲気をつくっている中、無骨なサイレン音が鳴り響く。使徒襲来である。 2人が発令所につくと、モニターに海から第3新東京市に上陸するコースで使徒が接近していた。 「子供達は?」 作戦部長の顔になり、子供達の様子を聞くミサト。 「学校にいってるわ、さっき呼び出したところよ。」 「了解!日向君、ダメ元でいいから、稼動する兵装ビルで使徒の足止めしてくれる。時間稼ぎよ!」 「わかりました!」 リツコが状況を報告し、ミサトが次の指示を出していた。 10分後、子供達が発令所についた。 「来たわね、みんな。使徒接近中よ!シンジ君は初号機で、渚君は弐号機で出てくれる?」 「わかりました。」 「ちょ、ちょっと、アタシ達じゃないの!?」 「そうですよ、弐号機は私達の機体ですよ!」 ミサトの指示に当然のように抗議する惣流姉妹。ミサトは息を一つ吐くとこう言ったのだった。 「この間、ドイツ支部から受け取った仕様書には「フィフスは一人で弐号機にシンクロ可能。」とあったから、 渚君に乗ってもらうことにしたのよ。シンジ君、渚君、出撃準備急いで!!」 「「はい!!」」 2人は返事を返すと更衣室に向かった。 (どういうこと?タンデムシンクロでないとシンクロ出来ないとは言え、歴史が変わってるじゃないの! しかも、渚のヤツは自分は弐号機で1人でシンクロ可能だなんて・・・。) (確か、今日がアスカの日本でのデビュー戦だったと思ったんだけど、どうなってるんだろう?) アスカとシンジがそんなことを考えている中、マナは悔しそうな表情を浮かべてモニターを凝視していた。 (渚君のEVAも建造中のはず、でも彼は弐号機にも乗れてシンクロ+戦闘できるなんてうらやましいし、悔しい!) そんなマナを心配そうに見るレイだったが、マナの気持ちがわかるためか、声をかけずにいた。 そんなとき、アスナがマナの腕に絡みつつ声をかけた。 「どうしたんですか、マナさん?そんな怖い顔したら、素敵なお顔が台無しですよ?」 「え・・・。そうかな?そんなことないと思うけど・・・って腕〜!!」 アスナの一言にいつもの表情を見せるが、腕が絡まれてることを知ると、真っ赤になって離れようとする。 「あん♪仲良くシンジさんとカヲルさんの戦いを見ましょうよ。」 「そ、そうね・・・。」(アスカ〜、あなたの妹さん怖すぎよ!!) 当のアスカはショックで呆然としていた。 (フィフス・・・何をしたの、彼女に?) レイはアスナ・マナを見てそう思うと、モニターを見つめていた。 発令所での出来事をよそに、地上へと射出されるEVA初号機と弐号機。 「シンジ君。僕が君に合わせるから、同時にコアを攻撃しよう、いいね?」 「わかったよ、カヲル君。」 そう言って簡易ユニゾン攻撃を開始した、が、やはり少しのずれが発生してしまうのか、何度やっても倒せなかった。 結局、前回同様N2兵器での足止め攻撃をすることになったのであった。 前回同様、冬月から嫌味を言われた後、シンジは落胆していた。 (はあ・・・わかってる展開とは言え、苦労してるのはこっちなのになあ。) 「シンジ君、どうしたんだい?」 「あっ、カヲル君。何でもないんだよ、気にしないで。」 「何が「何でもないんだよ」よ、前回同様、お小言言われたのを気にしてるくせに。」 シンジに声をかけたカヲル、答えるシンジの発言にアスカが横槍を入れる。 「って言っても、今回は指令がいなかったわね。冬月副指令だけだったし・・・。」 そう、前回はゲンドウにまで一言言われたのだが今回はそれが無かった。シンジにとって、前回よりはそれがよかった点であった。 「たぶん、母さんはリツコさんと話でもしてんじゃないかな?科学者同士気が合うんだって。」 シンジが答える。おまけに「同じ男を愛したもの同士」でもあるのだがそんなことは言うはずもない。 「それで、使徒はどうするのかな?」 「うーん、ミサトさんが作戦でも考えてるんじゃないのかな?」 マナの当たり前の疑問にシンジが答えた。 「さてと・・・休憩室でジュースでも飲んでましょうか?」 アスカがそう言った後、子供達は揃って休憩室に向かうのだった。 「なっ、なにこれー!!!」 「まっ、責任者はつらい。ってとこだな。」 一方、ミサトの部屋には各方面から寄せられた被害報告書と抗議の文章が山のようにあった。 「こんなのは使徒を全部倒してからでしょうが!!」 「そんなに怒るなよ、処分は手伝ってやるからさ。」 そう言う加持の「処分」とは「要求を飲む」ではなく「廃棄処理」のほうであるのだが。 「それにしても・・・あの使徒はやっかいね。どんなに攻撃してもすぐ復元しちゃうし・・・どうしようかしら、加持君?」 「そうだな〜。シンジ君と渚君は使徒のコアを同時に攻撃しようとしてたから、そのタイミングをぴったり合わせる特訓したらどうだ?」 「な〜るほど!さすがは加持君ね♪それで行くわ!!・・・ありがと。」 「チュッ」と加持の頬にKISSをすると、ミサトは子供達を捜しに行ったのであった。 「さ〜て・・・お片付けでもするか。」 1人残った加持は書類一つ一つをまとめ始めるのだった。 「まとめて・・・持ってってもらって・・・燃やしてもらうのが1番かな。」 そして、休憩室にたどり着いたミサト。 「いたいた。シンジ君、渚君、2人にはネルフの個室で共同生活を送ってもらいます!!」 「・・・・・。」 「はい!!」 呆然とするシンジと喜び一杯のカヲル。 「ちょ、ちょっと、どういうことよ、こんな危ないヤツとシンジといっしょにできないわよ!」 「あら〜、どういうことなのかしら〜、アスカ?」 「そ、それは・・・。とにかく、ダメよ!ダメなのよ!!」 アスカとシンジのことを知らないミサトなので、おもいっきりからかいモードに入る。 アスカも「シンジと付き合ってるから、こんなホ○といっしょじゃダメ!」と大声で言いたかったが、当然出来るわけも無く・・・。 「どういう理由にしろ、これは決定事項です!変更はしません。シンジ君、渚君は準備をしなさい、いいわね?」 「・・・はい。」 「はい、わかりました!」 と、こうなるのだった。こうなった以上、アスカも何も言う事が出来ないのでマナ・アスナ・レイを引き連れて帰っていった。 (渚〜、シンジに何かしたら・・・殺すわよ!!)・アスカ (私はマナお姉様だったら・・・キャ!!)・アスナ (あたしも渚君みたいにEVAがあって、操縦できたら・・・シンジ君と、ど、同棲だったのに!!)・マナ (お兄ちゃん・・・○モに気をつけて。)・レイ 個々でそんなことを考えていたことを、シンジ・カヲル・ミサトはともかく、一緒に帰っていた4人はお互いに気付かなかった。 「さて・・・シンジ君。どうしようか?」 「・・・アスカがよかったのに・・・アスカがよかったのに・・・アスカがよかったのに・・・。」 あてがわれた個室内で、やる気満々のカヲルに対し、壊れ始めてるシンジ。 「ふっ・・・シンジ君。今回は仕方ないんだよ、アスカさんの場合だとアスナさんとも合わせなければいけないんだよ?」 「そんなこと言ったって・・・。」 優しく説得するカヲルに対し、ふてくされるシンジ。 「そうかい。僕のことがそんなに嫌いだったなんて・・・悲しいよ。だったら・・・一人でやればいいんだよ!!」 「あっ・・・カヲル君。」 そんなシンジにカヲルも我慢の限界を迎えてしまい、出ていってしまった。 (そうだよ。カヲル君のおかげでアスカは還ってこれたんだ。それに彼と喧嘩するために還って来たんじゃないんだよな、僕は。 それなのに・・・僕はカヲル君に酷い態度をとっちゃったんだ、謝らなくちゃ!) 「カヲル君!!」 「なんだい、シンジ君?」 ズサーーーーー!!!!! 思いっきりずっこけるシンジ。なんと、扉を開けるとカヲルがいつもの笑顔で立っていた。 「あの・・・さっきはごめんね。僕、酷い態度をとってしまって・・・。」 申し訳なさそうにして頭を下げるシンジ。 「ふふ・・・いいさ。その代わり、今日は一緒にお風呂に入ろうか?」 「そ、それでいいの?」 「ああ、これ以上の条件は無いさ。」 その日の夜、大浴場で「背中の流しっこ」をやる2人であった。 「それで、ユニゾンはどうしようか?」 お風呂から上がって、開口一番にシンジはカヲルに聞いた。 「ああ、大丈夫だよ。僕がシンジ君に合わせるから。」 「へっ・・・?じゃあ、さっきの戦いで合わせてくれればよかったのに。」 カヲルの返事に正論を言うシンジ。 「それじゃあ、シンジ君と一緒の部屋で寝ることが出来ないだろ?」 「なっ・・・!!」 唖然とするシンジ。場所は違うものの、かつてアスカとシンジは同じ部屋で寝ていたのだ。襖で仕切ってはいたが・・・。 今回のことは過去のことを知るカヲルの計画だった。ドイツからの仕様書に「フィフスは1人で弐号機にシンクロ可能。」と 1文を書き添えたのも、これをやるためだったのだ。 「本番はまかせてよ・・・それじゃ、おやすみ。」 そう言って、カヲルは眠りについてしまった。 (そんな〜!!ひどいよ、カヲル君・・・。) 声に出せないものの、心の中で泣くシンジであった。 男っ気の無い碇家。夕食も済み、各々好きに時間を使っていた。 「アスカ、ちょっといい?」 「何、マナ?」 「いいから・・・ちょっと、私の部屋に来て。」 「しょーがないわね〜。」 アスカとマナが言葉を交わすと2人はマナの部屋へと入っていった。 「で、何、話って?」 「うん・・・・・アスナちゃんのことなんだけど。」 (きたわね・・・渚のヤツ、何かしたわね。アタシはあんな娘じゃないわよ!!) 「アスナがどうかしたの?」 アスナと聞いて、大体の用件はわかっていたものの、本人から話を聞くアスカ。 「うん、あの娘って・・・レ○なの?」 「うーん、本人は甘えてるのよ。ちょっと、甘え方が異常なだけよ。」 この件で聞かれたときの答えを用意していたものの、すこし複雑なアスカであった。 「そうなの?なら、いいんだ・・・ごめんね、アスカ。」 「こっちこそ。ごめんなさい、アスナのことお願いするわね。」 「うん。アスナちゃんかわいいから、ちょっとドキドキしてたりして♪」 「ええ〜!マナってそういう人だったんだ〜・・・・・。」 「違うわよ、冗談よ〜。」 「「アハハ!!」」 前回では考えられなかった関係。アスカはマナと笑いながら、この時を楽しんでいた。 特訓(?)開始から3日が過ぎたころ、学校。 「おい、霧島。シンジと渚はどないしたんや?」 トウジが最近姿を見せない親友を心配していた。 「うん、ネルフの用事でね。ちょっとこれないんだ。」 「ほうか。んじゃあ、シンジに会ったらよろしゅう言っといてや。」 「うん、わかったよ。」 「ところで・・・霧島?」 シンジのことが一段落した後、トウジは聞いた。 「その、腕に絡み付いとる・・・アスナはどないしたんや?」 「へへ〜、いいでしょ?わたしのこ・い・び・と、なんてね、冗談だよ〜。」 しかし、恋人発言にアスナは顔を真っ赤にして喜んでいたのを見た、ケンスケ&トウジは騒いだ。 「「なんやて〜!!」」 「冗談だって言ったでしょ?ちょっと、2人とも〜!!」 マナの弁解で恋人では無くなったものの、「アスナと霧島は怪しい」というのはクラス中に広まるのであった。 「もう!違うのに〜!!」 「お姉様・・・わたし、うれしいです。」 それから数日後、使徒が活動再開したものの、シンジ・カヲルの完璧なユニゾンで殲滅させられたのだった。 「やっぱり、僕とシンジ君は息がピッタリだね♪」 「そうだね、カヲル君。」(始めからやってくれればよかったのに・・・。) いまだに気にしてるシンジに対し、終始笑顔だったカヲルであった。 (うう〜・・・絶対納得できないわよ!!そうだ!今度シンジとお出かけしよっかな〜。 アタシを1人にした罰よ!なんて言ったら一緒にお出かけしてくれるかしら?) 「ムフ・・・ムフフ・・・。」 発令所には妄想にふけるアスカ、その笑顔はとても怖いものだったらしい。 <後書き> ども、ウエッキーです。 今回はアスカの出番が少なかったですね、すいませんでした。反省! 次回は「シンジ・アスカのデート編」なんかいいかもしれないですね〜。 なんか、戦闘はおざなりですが気にしない、気にしない。(^^; それでは! <次回予告> 「罪滅ぼししてもらわなくちゃ、シ〜ンジ!」 さて、アスカのデートの誘いは上手くいくのか?シンジは誘いに乗るのか? それとも、デートはできないのか? 次回、The Restart Of Evangelion 「好きだから・・・。」 を、お送りしまーす。
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