リーンゴーン♪ リーンゴーン♪ リーンゴーン♪

教会の鐘が鳴り響く。

2021年12月25日 

「冬」、クリスマスという日に20歳同士の若い夫婦が誕生した。
その夫婦の名前は・・・・・。





                The Restart Of Evangelion

                     番外編W「ホワイト・ウエディング」





12月24日 クリスマス・イヴ 〜碇シンジの家〜。

「ねぇ、シンジ?」

シンジと呼ばれた若者は笑顔で、声のするほうに振りかえった。

「なんだい?」

「明日ね・・・結婚式。」

「うん。決めることは全て決まったし、あとはホントに式と披露宴だけだよね。」

「そういえば、シンジは式に呼ぶ人って誰?」

「うん。ネルフの人達と友達がほとんどだよ。君は?」

「私も一緒。」

お互いに笑みを浮かべた。
まさに、幸せいっぱいといったところである。

「もう、6年も経つのね・・・。」

「うん・・・。」

6年前、2人が出会った年。
大きな戦いの中心となった年。
戦いが終わった後、お互いの存在が無くてはならなくなった年。

「有耶無耶の内に中学を卒業、高校に入学して、卒業して、ネルフに勤め出して・・・。」

シンジが昔を懐かしむように言った。

「そう、中学から今までずっと一緒。そして、これからも・・・ね?」

「うん。それにしても・・・君はあの時から変わらないね。」

「それって・・・どういう意味?」

声に怒気を含んでいることに気付いたシンジ、必死で弁明する。

「あの時から君は素敵だった、って事だよ。」

「まあ、そう言うことにしといてあげる。」

機嫌が直ったのか、いつもの調子の声になる。

「さて、2人っきりのパーティーを始めようか?」

「もう、そんな時間?」

時間を確認すると「19:30」となっていた。

「料理は出来てるよ、後は運ぶだけ。」

「さすが、シンジ! 私が運ぶからお酒の用意して♪」

「了解。式の前なんだから、あんまり飲まないでよ。」

お酒に強くないことを知っているため、相手を気遣うシンジ。

「大丈夫、酔ってもシンジが介抱してくれるから。」

「わからないよ〜、ムラムラしちゃって襲っちゃうかも。」

「シンジのH〜。」

そんなこんなで準備は終わり、乾杯することになった。

「じゃあ、独身最後の夜に・・・乾杯。」

(チーン!)

「乾杯。でも、独身最後ってさぁ、もっといいフレーズ無かったの?」

「本当の事だし、来年は夫婦で乾杯なんだから、いいでしょ?」

「そ、そうね・・・。」

「夫婦」と言う言葉が効いたのか、あっけなく沈黙。



         〜2時間後〜


「ふう、お腹一杯。 ご馳走様でした、シンジ。」

「お粗末さまでした。」

食後の挨拶も忘れない、この後はお約束のケーキである。

「君の手作りだよね? 今日のケーキ。」

「うん、期待してた?」

「当然だよ、君は料理が上手だからね。」

「手料理食べたのって・・・6年前じゃない、違う?」

そう、6年前。
シンジが「家族」の空気を感じた年。
そこで、彼は彼女の手料理を食べたのだ。

「そうだよ。でも、同居人だったミサトさんの料理は酷かったからね。」

「うん・・・って、何でミサトさんの料理の味なんか知ってるの?」

「ちょっとね・・・。それに君も不味いって言ってたじゃないか。」

「うん。カレーのつもりだったみたいなんだけど・・・。」

彼女はその時を思い出したのか、顔色が真っ青になった。

「さ、さ〜て、ケーキ食べたいな〜、僕。」

「そ、そうね。驚くわよ〜、ハッキリ言って自信作なんだから。」

そう言うと、彼女は冷蔵庫を開け、大きな包みを持ってきた。

「お、大きいね・・・。」

「シンジへの愛を表してみました〜。」

(愛はうれしいけど・・・2人じゃ食べきれないと思うよ。)

そんなに大きなケーキが入る、シンジの家の冷蔵庫も凄いのだが。

「それじゃ、オ〜プ〜ン!!」

包みを開けると、豪華三段重ねのケーキが現れた。

「・・・・・・・。」

「凄いでしょ?」

「これ・・・2人じゃ食べきれないでしょ?」

(どうせ、僕が3分の2は食べなくちゃいけないんだろうな〜、はぁ。)

シンジはあきらめのついた声で言った。

「ううん。大丈夫よ、これも2人の愛の共同作業として食べるんだから。」

「・・・そう。」

照れながら言う彼女の言葉も、シンジには聞こえていなかったに違いない。

「それじゃ、いっただきま〜す!!」

「・・・いただきます。」

彼女は上機嫌で、シンジは疲れ切った表情でケーキを食べ始めた。


   〜30分後〜


「もう、お腹一杯。シンジ、夕食作りすぎ〜。」

彼女、ダウン。
ケーキ残り3分の2。

(予想通りだよ・・・はぁ。)



   〜1時間後〜



時間は日付が変わる10分前と言ったところか、シンジはケーキを完食した。

「ご、ごちそう・・・さま・・・・・でした。」

「シンジ・・・大好き・・・・・むにゃむにゃ。」

(寝てるよ・・・おい。)

彼女は満腹感からだろう、眠ってしまっていた。
シンジは苦しい体を動かして彼女をベッドまで運ぶと、自分も眠りにつくことにした。

「おやすみ・・・。」




翌日 12月25日 クリスマス 結婚式当日。

先日の片付けや、式場への移動、てんやわんやであった。


「・・・・・それでは、誓いのキスを。」

式のメインイベントである、誓いのキス。
シンジ達はようやくここで落ち着いた。

「「は、はい。」」

お互いが向き合う。
表情は緊張しきっていた、これが始めてのキスではないと言うのに。

「シンジ・・・愛してる。」

「僕も愛してる・・・マナ。」

(チュッ♪)

軽く触れるだけのキス。

「これにて式を終了します。 2人ともお幸せに。」

「「ありがとうございます。」」

神父の言葉を受け、2人は教会の外へと出た。
そこには、彼らを祝ってくれる多くの人達がいた。

「おめでとう!!」

「幸せにね〜。」

「お似合いだよ、お二人さん!」

「おい、碇! 夜道に気をつけろよ!!」

「私の碇君が〜!!」

1部祝ってない人もいたようだが・・・気にしない、気にしない。




  〜2時間後〜



披露宴会場。

披露宴、名前だけであって知り合いでの飲み会となった。

「「碇、幸せにな!」」

「ありがとう、トウジ、ケンスケ。」

「お姉様、お幸せに・・・。」

「ごめんね。そして、ありがとう、アスナ。」

「お兄ちゃん、マナさん、おめでとう。」

「「ありがとう、レイ(ちゃん)。」」

新郎新婦の周りがにぎわう中、サングラスをかけた中年がやってきた。

「・・・シンジ。」

「父さん。」

「・・・私のようになるな、それだけだ。」

「ありがとう、父さん。」

「・・・ふっ。」

去っていこうとするゲンドウにマナが声をかけた。

「お義父さん。」

「・・・マナさん、うちの息子を頼む。」

「はい。」

ゲンドウが席に戻ると、ユイが笑顔で座っていた。

「立派だったわよ、あなた。」

「・・・問題無い。」

「照れちゃって、可愛いんだから。」

「・・・・・。」





「シンジ、大好き!」

「僕もだよ、マナ!」

こうして2人の新婚生活が始まった・・・・・。





ジリリリリリリリ!!!!!!!


「はあ、だったらいいのになぁ・・・。」

(ガチャッ!)

目覚ましを止めたはいいが、時間は「8:30」を指していた。

「ち、遅刻じゃない!!」

パニックに陥った人間は結局なにも出来ない。
マナはうろうろするだけで、何の仕度も整えていなかった。

「(コンコン)マナ、朝ご飯のようが出来たよ〜!」

(シンジも遅刻なのよ、どうしてあんなに落ち着いてるの?)

「(コンコン)マナ、どうしたの? 入るよ〜。」

シンジはマナの部屋に入ると、ベッドに座りこけているマナを見た。

「マナ、朝ご飯出来たけど・・・。」

「シンジ・・・学校遅刻だよ。」

「はっ?」

シンジは呆れたような声を出した。

「今日はマナ、お休みだよ。」

「へっ?」

カレンダーを見ると、今日は「日曜日」であったことに気づいた。

「なーんだ、お休みか。」

「じゃ、下で待ってるからね。」

「待って、シンジ。」

シンジを呼びとめると、マナは近寄っていく。

「何、マナ?」

「おはよう、シ〜ンジ♪」

チュッ♪

「えへへ〜。」

してやったりのマナに対して、呆然と頬を撫でるシンジがいた。

「さっ、着替えるから外に出てて。」

「あっ、うん。」

シンジは釈然としない顔でダイニングへと戻っていった。

(今日の夢を正夢にするためにも・・・アスカ、負けないわよ!)

心で強く誓うと、マナもダイニングへと降りていくのであった。




<後書き>
マナ、願望達成!!(夢だけど)
マナメインです、番外編はLASじゃないです。
番外編ではアスカがメインになる予定はありません。
だって、彼女は本編で「ヒロイン」ですから。(キッパリ)

んでわ!


マナ:さいっこーーーーっ!の作品ねっ!(*^^*)

アスカ:最低最悪だわ・・・。(ーー#

マナ:あーーぁ、これが夢じゃなくて現実だったらいいのになぁ。

アスカ:それこそ、悪夢だわ。(ーー#

マナ:前回のコメントで、ウエッキーさんに「お仕置き」なんて言ってごめんなさーい。

アスカ:アンタがお仕置きされるべきよっ。(ーー#

マナ:番外編は、本編とリンクしなくていいから、わたし主役で別のストーリー展開して欲しいなぁ。

アスカ:夢は寝てる時だけ見なさいよね。

マナ:いちいちうるさーい。いいじゃない、わたしが主役の話があったってっ。

アスカ:こんなストーリー認めるもんですかっ。

マナ:番外編はわたしがヒロインだっていいじゃない。

アスカ:夢のくせにっ。(ーー#

マナ:これは、正夢よ。そうに違いないもん。(^^v
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