〜???〜

「暇ね〜。(もぐもぐ)」

「ホントにね〜。(もぐもぐ)」

美女2人、テーブルの上のお菓子をつまみながら雑談に耽っていた。

「なんかやること無いかしらねぇ〜。(もぐもぐ)」

「ホントよねぇ〜。(もぐもぐ)」

よほどに退屈なのか、そんな事を言っている。
そんな2人の後ろに人影が現れた。

「・・・私の家で何してるんですか?」

「退屈だからぁ〜、くつろいでるの。」

「同じく〜。」

(こ、この人達は!!)

人を舐めたような態度に怒りを覚えるが表に出さないこの女性、名を赤木リツコ。
そう、ここは彼女の家なのだ。
そして、ここでくつろいでいるのが碇ユイと惣流=キョウコ=ツェッペッリン。
彼女達は3人揃って『新・東方の三賢者』と呼ばれる優秀な科学者達なのだ。
しかし、この状況では誰も彼女達を優秀な科学者達だとは思わないだろう。

「リッちゃ〜ん、何とかしてくれない?」

「何とかって言われても・・・。」

「リッちゃんの役立たず〜。」

「!!」

キョウコに言われた言葉がカチンときたのか、リツコの表情がゆがんだ。

「や、役立たずって、ここでうだうだ言ってる貴方達に言われたくありませんね!」

「ナオコさんだったらいい知恵が浮かぶのにな〜、リッちゃんじゃ無理よね〜?。」

「ちょっとキョウコ、言いすぎよ。」

ユイがキョウコを嗜める。
しかし、母親の名前まで持ち出されては後に引けないリツコはヒートアップする。

「わかりました! 考えればいいんでしょう、やりますよ!!」

「お願いね〜ん。」

リツコは自室へと篭もり、ユイとキョウコは再びお菓子を食べ始めた。

「キョウコってば、言いすぎよ。(もぐもぐ)」

「だって、暇だったんだもの。(もぐもぐ)」

「しかも、あんな嘘までついて・・・。(もぐもぐ)」

「嘘も方便よ、ユイ。(もぐもぐ)」

ナオコの名前を持ち出したのはキョウコの作戦であった。
こうすればリツコがやる気になると思ったのだろう、その目論みは成功に終わった。
こうして、リツコが計画する退屈凌ぎの1日が始まった。





                   The Restart Of Evangelion

                          番外編X「新・東方の三賢者のとある休日2」







〜リツコの部屋〜

「カチャ、カチャ・・・。」

(まったく・・・なんで私がこんなことを。)

リツコはパソコンのキーボードを叩きながら、声に出さず悪態をついた。

「センパイ、お茶が入りました。」

「あら。マヤ、ありがとう。」

リツコの部屋にいたマヤはリツコのカップにコーヒーを入れ、渡した。

「悪いんだけどマヤ、お客様の相手をしてくれるかしら?」

「わ、私がですか!?」

リツコの客を自分が対応する、相手は自分のことを知るはずも無いと思ったマヤはうろたえた。

「大丈夫よ、貴方も知ってる人だから。」

「わ、わかりました。」

「ごめんね。」

「はい♪」

マヤはダブルベッドから降りて私服に着替えると、ユイとキョウコのいるリビングへと向かった。
しかし、流石はリツコ。自室にコーヒーメーカーがあるとは・・・。
しかも、部屋の中には大きなダブルベッド、まったくもって変な部屋である。



〜リビング〜

「い、いらっしゃいませ・・・。」

(ユイさんにキョウコさんだったなんて・・・ど、どうしよう。)

「あら、マヤちゃん?」

「リッちゃんと同棲してるの?」

突如現れたマヤに驚きながら、話し掛ける2人。

「ど、同棲なんて違います!昨日から遊びに来てただけなんです、本当です!!」

「そ、そんなに真剣に訴えられても困るんだけどね。」

「キョウコが変な事言うからよ。」

「そうね。ゴメンね、マヤちゃん。」

「い、いえ、こちらこそ取り乱してしまって・・・。」

ユイに嗜めたおかげでキョウコは素直にマヤに謝った。

「ところで、リッちゃんは?」

「はい、何か作業をしてました。」

「パソコンで?」

「はい。」

(キョウコの挑発の所為ね・・・。リッちゃん、Magiの私的利用はいけないことよん。)

しかし、ユイはリツコの何かしようとしてくれている姿勢がとてもうれしかった。



一方、キョウコとマヤは雑談に耽っていた。
ちなみに、今のテーマは『マヤの男性関係』とのこと。

「マヤちゃんは彼氏とかいないの?」

「そ、そんな・・・キョウコさん。」

「何よ〜、いままでだって男の人と付き合ったことくらいあるんでしょ?」

「・・・・・。(フルフル)」

「もしかして・・・無いの?」

「・・・・・。(コクン)」

「1度も?」

「・・・・・。(コクン)」

「今はリッちゃんと付き合ってるのね?」

「・・・・・。(真っ赤になってコクン)」

「ええ〜!!本当なの?」

「あっ、いや、違います、違います!!」

キョウコが大騒ぎしてから自分の失態に気付いたマヤは思いっきり否定する。
実際は『そういう関係』なのだが、当然ネルフのメンバーやお友達にも内緒にしていたのだ。

「ユイ、聞いて、聞いて〜!マヤちゃんって・・・(ごにょごにょごにょ)」

「ち、違いますよ!信じないで下さいよ、ユイさん!!」

「・・・そういう仲だったのね。リッちゃんのいい人ってマヤちゃんだったんだ〜。」

ユイの一言で大騒ぎしていたキョウコとマヤの動きが止まった。

「どういうことなの?」

「前にリッちゃんがそう言うことを言ってたから。」

キョウコの問いに答えるユイ、一方のマヤは別の世界へ飛んでいた。

(センパイが私のことを『いい人』だなんて、『恋人』って意味に取ってもいいんですか?
 ああ、センパイ・・・好きです。)

「あらあら。マヤちゃんってば、遠くを見てるわね?」

「ユイがあんな事言うからでしょ?」

「だって、本当の事だもの。」



〜リツコの部屋〜

リビングでこんなことが起こってるなんてまったく知らないリツコ。
真剣な表情でディスプレイを見つめている。
そこには『21世紀 新春暇つぶし計画 作・赤木リツコ』と題された計画表が映し出されていた。

「・・・出来たわ、これであの2人を満足させられるはず。」

早速、出来あがった計画表をプリントアウトするとリビングへと向かうリツコであった。

(母さんを超えるのよ・・・私は。)



〜リビング〜

リツコがリビングへ入ろうとすると、賑やかな声が聞こえてきた。

「アスナちゃんって、マナちゃんのことが好きなんですか〜?」

「そうよ。シンジの事を敵視してるみたいでね〜。」

「私の娘とは思えないのよね〜。」

(盛り上がってるわね・・・ずいぶん。)

リツコはリビングに入らず、中の会話を聞いていた。

「マヤちゃんはリッちゃんの事好きだしね〜。」

「だから、違いますって〜。」

「そういえば、渚君がシンジを見る目が怪しいのよ〜。」

「えっ、ヤオイってやつですか〜!?」

『ゴク・・・』
(男同士の世界、シンジ君も渚君も美少年だから・・・見たいわね、それは。)

リツコは生唾を飲み込みと、さらに耳を傾けた。

「この間もお風呂に一緒に入ろうとして、アスカちゃんのキックくらってたしね〜。」

「あ〜、知ってるわ。
 その時のアスカちゃん、制服だったからパンツが見えたらしくって、シンジ君にビンタした時でしょ〜?」

「じゃ、じゃあ、渚君って・・・ホ、ホモなんですか〜?」

(完璧よ、彼はホモね。)

リツコが結論を出している中、話題が変わっていた。

「ところで、リッちゃんはまだかしら〜?」

「そうね、遅いわね〜。」

「私、呼んできましょうか〜?」

(そうよ、こんな所でこんな事してる場合じゃないわ。)

リツコは何事もなかったようにリビングへと入っていった。

「お待たせしました!」

「リッちゃん、そろそろ私たち帰るわ。」

「へっ?」

その時のセンパイの顔、すっごく間抜けでした。・マヤ談

「もうこんな時間だし、子供達も帰ってきてるだろうしね。」

時間は18:00になったばかりであった。

「リッちゃんが一生懸命やってくれたのに、ゴメンね。」

「マヤちゃん、がんばってね。お邪魔虫は帰るわ。」

ユイはリツコに、キョウコはマヤに声をかけると玄関へと向かった。

「じゃ、またね。」

「マヤちゃん、仕事に支障が無い程度にしてね。」

「キ、キョウコさん!何を言うんですか!!」

「「バイバイ!」」

リツコのツッコミを流すと2人は家へと帰っていった。

「センパイ、キョウコさんが言った意味ってどういうことですか?」

「い、いいのよ。気にしなくても・・・。」

(キョウコさん、『そういう関係』ですけど『そういう事』はしてないんですからね!)

「じゃあ私、晩御飯の用意しますね。」

「ありがと、お願いね。」

とってもいい雰囲気なリツコとマヤであった。





〜碇邸〜

(ここは人が多いのでセリフの前に名前を出します。)

「「「「「「「「いただきまーす!」」」」」」」」

こちらは夕食が始まっていた。

シンジ「母さん達はどこに行ってたの?」

ユイ「リッちゃんとこよ。」

キョウコ「とっても楽しかったんだから。」

アスカ「え〜、リツコの所でしょう?」

アスナ(赤木博士は私と同じなのよね、女好きなところが。)

マナ「楽しかったことって何なんですか?」

キョウコ「リッちゃんに恋人がいたのよ!!」

シンジ・アスカ・マナ「ええー!?」

アスナ(相手はマヤさんかしら?)

ちなみにカヲルとレイは興味が無いのか、黙々とご飯を食べていた。

アスカ「だ、誰なの、その恋人って?」

ユイ「マヤちゃんよ。」

シンジ・アスカ・マナ「う、うそー!?」

アスナ(やっぱりね。)

レイ(・・・赤木博士、指令から同性愛に乗り換えたのね。)

カヲル「人を好きになるのに同性も異性も無いよ。ねッ、シンジ君?」

アスカ・マナ「アンタは何言ってんのよ!!」

カヲル「ぐはーーー!!!」

シンジへ向けた笑みは一瞬にして、恋する少女2人に消されてしまった。

シンジ(カヲル君も学習能力が無いのかな〜?)

レイ(ホモにお兄ちゃんは渡さないわ。)

ユイ「この子達は見てて飽きないわね。」

キョウコ「本当にね。」

こうして、1日が終わっていくのでありました。






<後書き>
ども、ウエッキーです。
休日編その2です。
お正月物にしようと思ったんですけど・・・時間が無くて無理でした。(^^;
三賢者は普段がお仕事ばかりなので、番外編では休日の過ごし方なんかいいかなっと。
前回にも使ったテーマでしたが、結構書きやすいんですよ。
番外編のネタはそれなりにあるんですけど、本編がヤバイです。
話の展開をどうしようかと思いながらも、まったく執筆できてません。
こんな状態ですが、これからも応援よろしくお願いします。m(_ _)m


マナ:赤木博士と伊吹さんって、そういう関係だったのね。

アスカ:なんとなく、怪しいと思ってたのよねぇ。

マナ:びっくりしたわねぇ。女の人同士で。

アスカ:アンタも人のこと言えないでしょ。アスナと仲いいじゃない。

マナ:ちがーうっ! わたしはシンジが好きだって言ったでしょっ!

アスカ:バカなこと言ってないで、さっさとアスナとくっついちゃいなさいよっ。

マナ:もぅっ! だいたい外伝って言うから期待したのにぃっ! わたしの主役の話はぁっ!?

アスカ:アンタよりマヤの方が人気あるのよ。

マナ:あんなおばさんコンビに負けるもんですかっ!

アスカ:(・・;(たらぁ〜)

マナ:ん?

リツコ:(ーー#

マナ:(@@;;;

マヤ:マナちゃんっ! わたし迄、おばさんにしないでっ!(ーー#

リツコ:どういう意味かしらぁ〜。マヤ。(▼▼#

マヤ:(@@;;;;;;;;;;;(たらぁ〜)
作者"ウエッキー"様へのメール/小説の感想はこちら。
frontier@tokai.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system