「いきなり呼び出すなんて、何を考えてるのかしら・・・。」

「そうですよね、いくらなんでもビックリしました。」

愚痴をこぼすのは赤木リツコと伊吹マヤ。
特務機関ネルフに所属し、センパイ・後輩の仲であり、現在はリツコの家で同棲中。

「まあいいわ・・・。行くわよ、マヤ。」

「はい、センパイ!」

目の前にある1軒の邸、表札には『碇』と書かれていた。

『ピンポーーーン♪』

「いらっしゃい、2人共。さっ、入って頂戴。」

「「お邪魔します。」」

出迎えたのはキョウコ、2人が通されたのはリビングだった。
そして、そこにはユイがいた。

「よく来てくれたわね、座って頂戴。」

3人は進められるままに座る、ユイが口を開き始めた。

「今日集まってもらったのには、大きな理由があるわ。」

「「「・・・・・・・。」」」

「それはね・・・。」

「「「(ゴクッ。)」」」

ユイの勿体つけた言い方が嫌になる空気だったが、3人は次の言葉を待った。

「私がとっても暇だからよ♪」

『『『ガン!!!』』』

3人が同じタイミングで、テーブルに頭をぶつけた。

「そ、それで、そんな理由で私たちを呼んだんですか〜!?」

「そうよ、皆に考えてもらおうかとおもって。」

この一言で3人はあきらめた。
ここまでマイペースの人に何を言っても無駄だと思ったのである。

「さって、何しましょうか?」







                   The Restart Of Evangelion

                         番外編]「ユイの愉快なお友達」







「と、言うわけで繁華街に来てるわ。」

「誰に話してるんですか?ユイさん。」

「センパイ、余計なツッコミは入れないほうが・・・。」

「そうよ、機嫌損ねると大変よ〜。」

しかし、すでに遅かった。
リツコはユイの方を向くと、そこには鬼がいた。

「リッちゃん・・・。」

「は、はい?」

「いい?これはお約束なのよ、お・や・く・そ・く!ツッコミはいらないのよ!!」

「ふ、ぐ、ううう・・・・・。」

ユイは首を絞めながら言い聞かせる、リツコの顔色は青くなっていくばかりだ。

「ほらほら、その辺にしないと死んじゃうわよ。」

「そうね。リッちゃん、これから気をつけてね♪」

『コクコク』

リツコは首を何とか縦に振る、ユイはそれを見てから手を離した。

「センパイ!大丈夫ですか!?」

「は、母に会ってきたわ、とてもいい笑顔だったわ・・・。」

マヤの手を借りて立ち上がる、顔色は青いままだ。

「それじゃ、行きましょっか?」

「どこに行くの?」

「そうね・・・どこか入りましょうか?リッちゃんが大変みたいだから。」

(((アンタの所為でしょうが、アンタの!!)))

3人はこのマイペースの人に心の中でツッコミを入れる。
しかし、声に出して言う者はいない・・・命は惜しいからだ。



「いらっしゃいませ〜。」

そんなわけで、近くにあった喫茶店に入ることにした。
店のお客の入りはまあまあで若者が多かった。

「4名様ですね、こちらへどうぞ。」

席に案内され、メニューを受け取る。

「アメリカンを。」

「アップルティー、お願いします。」

「私はレモンティーを。」

「抹茶を。」

(((抹茶!?)))

「かしこまりました。」

各々が注文を出す。
なぜ、抹茶があるのかは永遠の謎、というかそういう喫茶店なのである。

「さて、これからどうしようかしら?」

「そうねぇ・・・。」

4人がこれからのことを考えていると注文が届いた。
とりあえず、それをいただく。

「あの〜、お姉さん達、お暇ですか?」

いつのまにかに現れたのだろうか?
4人の男の子が席の前にいた、そうナンパである。

「そうなの。君達、何とかしてくれないかしら?」

「でしたら、一緒に遊びに行きませんか?」

「ちょ、ちょっとユイさん!?」

ナンパOKのサインを出してるユイにリツコが声を上げる。
横に座っているマヤも何か言いたげだったが、さっきの『首絞め』が恐ろしく黙っていた。

「それで、どこ連れてってくれるの?」

「そうっすね・・・まずはゲーセンなんていかがっすか?」

リツコの抗議はまったく無視、キョウコが話を進めていた。

「いいわよ。そうそう、自己紹介がまだだったわね。私はキョウコ。」

「私はユイ、金髪の彼女がリツコで、その隣の子はマヤ、よろしくね♪」

「じゃあ、次はオレらっすね・・・。」

こうして自己紹介を終えると、8人は喫茶店を出て、ゲーセンへと向かった。
(ナンパ男達はA・B・C・Dとします。)



女性4人はゲームセンターに行くのは始めてだった。

ユイはゲンドウが賑やかな所が苦手だったため、キョウコは1人で出かけない性格だし、
リツコは研究ばっかりしてたし(学生時代は勉強ばっかりで、外出はミサトと加持と飲みに行くくらい。)、
マヤは男が沢山いるところは避けていた、と、このような理由で初体験なのだ。



「最近のゲームってよく出来てるのね。」

「そうっすね〜。ユイさん、あれやりませんか、あれ。」

ユイにべったりくっついているAが指差したのはレースゲームであった。

「そうね・・・やりましょうか。」

「よっしゃ〜、手加減しませんよ。」

こうして、ユイはAとレースゲームを楽しむ事に・・・。



「キョウコさんは体動かす事は好きですか?」

「1人で出かけるのは好きじゃないけど、体を動かす事は嫌いじゃないわよ。」

「じゃ、これやりませんか?」

Bがキョウコを連れていった所は大人気のダンスゲームのコーナーだった。

「へえ、面白そうね。」

「どうです、やりませんか?」

「やりましょうか、面白そうだし。」

「決まり!!」

キョウコはBに手を取られると、ダンスゲームを楽しむ事に・・・。



「下手ね・・・。」

リツコはとあるカップルを見ていた。
やってるゲームは対戦パズルゲームだ。

「リツコさんは上手なんですか?」

「やった事は無いけど、簡単そうじゃない。」

(だったら、ここで・・・。)

Cはある考えを思いつき、リツコに提案した。

「リツコさん。オレも結構得意なんですよ、あのゲーム。勝負しません?」

「・・・いいわ、負けたらなんでも言うこと聞いてあげるわよ。
 どうせ、こういうつもりだったんでしょ?」

「まいったな。それじゃ、負けたほうが勝った方の言うことを聞くってことで。」

「いいわよ。」

リツコはこうして、Cとパズルゲーム勝負をする事に・・・。



(ど、どうしよう、こういうの始めてなんだよな・・・。)

(お、男の人と2人っきりって始めて・・・恐いよ〜。)

Dは3人の後輩で人数合わせに呼ばれて、ここにきていた。
マヤは三賢者の1人、リツコと恋仲なのでついてきた。
2人はお互いの事を知らないが、似たような理由でここにいた。

「あ・・・あれ、かわいい。」

「へっ?」

マヤが指を指したのはUFOキャッチャーであった。
そこにある猫のぬいぐるみを見ていた。

(これは・・・。)

「あ、あの、取ってあげますよ。」

Dは男ならするであろう行動を想像し、口にした。
極度の緊張のため、顔は真っ赤でどもっている。

「え、いいんですか?」

「は、はい、僕に任せてください!」

「それじゃあ、お願いします。」(ペコリ)

(かわいい・・・。)

Dはお辞儀したマヤに見惚れると、財布を取り出す。

「そ、それじゃ、見ててくださいね!」

「はい、頑張ってくださいね。」

マヤは自分のために頑張るDの後ろ姿を見ていた。

(取ってもらったら、センパイへのプレゼントにしようっと。)

こうして、DはUFOキャッチャーでのぬいぐるみを取る事に・・・。


          〜数時間後〜


ゲームを終え、8人は街中を歩いていた。

「もう少しがんばりましょう、ってところね。」

「そ、そんな・・・。」

「ダメよ、ステップ間違えちゃ。」

「う、上手すぎる、ホントに始めてだったんですか?」

「・・・話にならないわね。」

「ち、ちきしょー!こんなはずじゃなかったのに・・・。」

「ありがと〜、うれしい!!」

「喜んで貰えて、う、うれしいです。」

Dとマヤがほのぼのした空気を作る中、他の3組は男達が俯いていた。

「そろそろ帰りましょうか?」

「そうね。」

ユイとキョウコがそんな事を話していると、男達が顔を上げて引きとめる。

「そんな〜、夜はこれからじゃないですか?」

「そっすよ〜、カラオケなり、飲みに行くとかあるじゃないっすか〜。」

「そうそう、夜の男と女の体操とか・・・。」

ナンパ男の目的は1番最後に言った言葉だろう。

「子供が何言ってるの、優しい内に帰らないとただじゃおかないわよ。」

ユイは気にもしないといった表情で答える。

「な、なんだと〜・・・。」

Cが怒りの表情を浮かべて、1歩1歩近づいてくる。

「貴方は私に負けたわね、だったらさっさと帰りなさい!!」

「くっ!!」

和んだ空気はどこへやら、男達は女を連れ去ることしか考えていなかった。

「マ、マヤさんは猫、お好きなんですか?」

「うん、可愛いもの。」(センパイも好きだし・・・。)

・・・ここは相変わらず和んでいた。

「かまわねえ、女だからな。強引につれてくぞ!!」

「「おう!!!」」

本性をあらわした男達はユイ達に襲い掛かってきた。

『・・・・・。』

「あら?」

『パチンッ!!』

キョウコが指を鳴らすと、どこからともなく黒服の方達が現れた。

「ユイ、相変わらず鳴らないみたいね。」

「ダメみたい・・・。」

あっ、という間に黒服達は男達を取り囲んだ。

「・・・どうしますか?」

「研究所に運んで頂戴、やってみたい実験に使うわ。」

リツコがそう言い放つと、黒服達は難なく男達を捕まえた。

「な、なにしやがる!!」

「離せよ、オイ!!」

「な、何モンだよ、アンタら!!」

男達は恐怖を感じ、それを払拭するために大声で叫んだ。

「ぼ、僕は犬の方が好きですけど・・・。」

「そうね、犬も可愛いわよね。」

ちなみにDは捕まる事無く、マヤと話をしていた。


「うるさいわね・・・。」

リツコはポケットからネルフのIDカードを見せた。

「「「ネ、ネルフ!?」」」

「わかった?私達はネルフに所属してるのよ、私達。」

リツコは後ろを振り返る。
ユイとキョウコは飽きたのが、雑談をはじめていた。

「・・・連れていって頂戴。」

何とも言え無い空気が漂う中、リツコはそう言う。
黒服達は無言で男達を運んで行ってしまった。

「・・・終わったみたいね?」

「ご苦労様。」

「もう、途中で飽きないでくださいよ!!」

不意にDはここで周りを見渡す。
さっきまで声がしていた先輩達が1人もいなかった。

「あれ?先輩達は?」

「貴方の先輩なら帰ったわよ。」

「貴方ももう帰りなさいね。」

ユイとキョウコが優しく声をかけた。

「は、はい!それでは失礼します。」

Dは殺気を帯びた視線を感じた。
ユイ・キョウコの声が届いたわけで無く、その後ろにいた女性の視線に怯えたのだ。

(私のマヤに媚び売ろうなんて・・・1光年早いのよ。)

邪魔者がいなくなり、女4人は一息つく。

「さて・・・帰りましょうか?」

「そうね。」

「「はい。」」

こうして4人は家路についた。
途中でユイがリツコ・マヤに声をかける。

「そうだ!2人共、家でご飯食べていかない?」

「「はい。」」

逆らう事無く、OKの返事を出す。
恐い、と言うこともあるのだが、これから帰って用意するのも面倒だと思ったからだ。

「シンジの料理は美味しいわよ〜。」

「確かに、あれは絶品よね。」

(それは楽しみだわ。)

(シンジ君はお料理上手なんだ、教えてもらおうかな。)

リツコとマヤはシンジの料理を食べる事になった。
食後の感想は以下の通り。

(お婿さんで来てくれないかしら・・・。)

(年上は好みに入ってるのかな・・・。)

叶わぬ恋と知りながら、シンジ(の料理)に惚れこむ2人であった。






<後書き>
ども、ウエッキーです。
細かい点を端折った上に、よくわからない内容。
このシリーズは煮詰まってます、ネタが閃かないですね。(−−;
まったくもって、不甲斐ないの一言です、すいません。m(_ _)m

さて、次回の番外編はお待ちかね(?)のLMSです。
こっちは色々出てくるんですけどね、ネタが。(^^;
内容は秘密です、お楽しみに〜。

でわ!!


リツコ:ようやく完成したわ。

マヤ:今度は何ですか?(わくわく)

リツコ:ま、見てなさい。これが、ハンドルの無い車。さ、走ってっ。

マヤ:わぁ、人の言葉がわかるんですね。(@@) さっすがせんぱーい。(ラブ)

リツコ:次は、掃除機よ。

マヤ:す、すごーい。勝手に掃除してるぅ。さっすがせんぱーい。(ラブ)

リツコ:最後は、洗濯機。どう? 繊維や汚れ具合を見て、揉み洗いでもなんでもしてくれるのよ。

マヤ:便利ですねぇ。こんな凄いの、どうやって作ったんですかぁ?

リツコ:人格移植技術よ。

マヤ:え? 人格?

リツコ:人格移植車A君,人格移植掃除機B君,人格移植洗濯機C君と呼ぶのよ。

マヤ:え? え? え?(?。?)
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