『碇邸』

『アスカ騒動』から数日後。
この2人は今日も今日とて、リビングで仲睦まじく話をしていた。

「ねえ、マナ。」

「ん〜?」

ちなみに現在の2人の状態はと言うと・・・。

マナ・ソファーの上に普通に座ってる。
シンジ・マナに膝枕してもらっている。

と、いう状態である。

「マナの両親ってどんな人なの?」

「ん〜と・・・私の両親はいないの、孤児院で育ったから。」

「ゴメン、悪い事聞いたね。」

シンジはバツが悪い顔をしてマナに謝った。

「ううん、いいけど・・・何で?」

「マナの両親に挨拶しようかと思ったんだ。僕の両親には挨拶したし、と思って。」

「・・・だったら、先生にすればいいわよ。」

マナは少し悩んだ後、シンジにそう提案した。

「先生って孤児院の?」

「うん。お友達もいるし、問題無いと思うよ。」

「それじゃあ、近いうちに挨拶に行こうか?」

「うん!」

(シンジとお出かけ、しかも挨拶だなんて・・・結婚するみたい〜。)

マナは笑顔でリビングから出ると電話をかける、相手はもちろん孤児院の『先生』だ。

『マナちゃん?お久しぶりね〜。』

「先生、実は・・・。」

『おめでとう!そうね・・・明日にしなさいな、あの子達も喜ぶわ。』

「はい!では、失礼します。」

マナは電話を切ると、リビングへと戻ってくる。

「どうだった?」

「うん、明日に決まったよ。」

「き、急だね。まあ、早く行ってデートでもしようか?」

「うん!シンジ、だ〜い好き!!」

そのままマナはシンジに飛びつき抱きつく。
シンジはマナを受けとめると、2人見つめ合う。

『チュッ♪』

「そろそろ寝ようか?」

「うん、部屋に行きましょ。」

こうして2人はシンジの部屋へと向かうと、1つのベッドで眠るのだった。

(まだ『そういう事』はしてないのよ♪ そういう事はもう少し大人になってからね。)とは、マナ談。







                   The Restart Of Evangelion

                         番外編12「ご挨拶」〜LMS〜







『孤児院』

大きな建物で屋根の先端には十字架があしらってある。
そこはまるで『孤児院』と言うより、『教会』と言った方がしっくりくるような建物だった。

「ここがそうなの?」

「うん・・・変わってないなぁ、ここは。」

感慨深げに『孤児院』を見つめるマナ、色々思い出しているのだろう。

(ムサシとケイタは元気かな?学校では同じクラスじゃないからわからないんだけど・・・。)

ムサシとケイタはチルドレン候補ではなかった。
レイのおかげなのだろうか、そのおかげでシンジ達は彼らと出会う事が滅多に無かった。

「おーい、マナ!!」

中から声がした。
シンジとマナが声がした方へ向くと、少年が手を振りながらこちらに走って向かってきた。

「ケイタ!!」

(ケイタ君・・・よかった元気そうで。)

浅利ケイタ、シンジは彼を知っている。
当然、ケイタとマナはその事は知らないが。

「マナが元気そうでよかったよ。」

「ケイタこそ!」

「おいおい・・・俺を忘れないでくれよ。」

「ムサシ!」

そう言って現れたのは、ムサシ・リー・ストラスバーグ。
前回ではマナが選んだ男である。

「まさか、彼氏と一緒にくるとはな。アンタ、名前は?」

「碇シンジです、よろしく。」

握手をしようと手を伸ばしたシンジ。
しかし、その手は握られなかった。

「俺は認めたわけじゃないからな・・・。」

そう言って彼はそこから去っていった。

「何よ、アイツ〜。」

「ゴメンね、碇君。ムサシも悪い人じゃないんだけど・・・。」

「いいよ、彼はきっとマナが好きなんだね。」

人様の事になると、妙に勘のいいシンジである。

「私はケイタも、ムサシも好きだけど・・・恋愛対象じゃないもの。(キッパリ)」

「ははは・・・。」
(いくらなんでも酷いよ、僕も君の事が好きなのに〜。)

ケイタは笑顔を浮かべながら、心の中で号泣した、

「じ、じゃあ、『先生』って人に挨拶に行こうよ。」

「そ、そうですね、こちらです。」

なんともしがたい空気を払拭し様と、3人は『先生』の所へ向かった。



『先生の部屋』

薄いドアの前に立つと、ケイタはドアをノックした。

『コンコン!』

「先生、お連れしました。」

「入りなさい。」

「失礼します。」

マナ・シンジの順番で中へと入る、ケイタはどこかへ行ってしまった。
正面には『先生』と呼ばれている女性が座っていた。

「先生、お久しぶりです!」

「マナさん、元気そうでよかったわ・・・。」

『先生』は椅子から立ち上がってマナの元へと向かう、そのまま彼女を抱きしめた。

「やっぱり、先生は暖かいですね。」

「ありがとう。それじゃあ、彼氏の紹介をしてもらえるかしら。」

『先生』はマナから離れると姿勢を正し、シンジを正面から見据えた。

「はい、私の彼氏で碇シンジ君です。」

「はじめまして、碇シンジです。」

ムサシの時と同じく、手を前に出す。
『先生』は手を出すと、ゆっくりシンジの手を握った。

「こちらこそはじめまして、赤木ナオコと言います。」

(赤木ナオコ!?)

赤木ナオコ、今は研究所となったネルフにいる赤木リツコの母親である。
しかし、彼女は昔自殺したのだが・・・。

「私がなぜここにいるか聞きたいようね。」

「ええ。」

シンジは短く答えると、首を縦に振った。

「いいわ、お話しましょう。2人共、そこにお掛けになって。」

言われるままにソファーに腰掛けると、向かいのソファーにナオコが座った。
そして、話が始まった。

「私は自殺したの、貴方は知ってるみたいだけど?」

『コクン』

シンジは黙って首を縦に振った、ナオコは話を続ける。

「けど死んでいなかったのよ、正確には死んだんだけど奇跡的に息を吹き返したの。
 極秘に退院した私は貴方のお父さん、碇ゲンドウに内緒でここで孤児院をやることにしたのよ。」

「どうして、孤児院だったんですか?」

「子供が好きだったのと、責任かしらね。
 この子達のような親無し子を作ってしまったのは、私達大人だから。」

「この事、父さんや母さんには・・・。」

「言ってくれても構わないわ。私は困らないけど、あの人は困るでしょうけどね。」

困っているゲンドウを想像したのだろうか、ナオコは笑みを浮かべながらそう言った。

「リツコさんには?」

「あの子に合わせる顔が無いわ、私がいなくなった事によりあの子が辛い目に合ってしまったもの・・・。」

「わかりました、誰にも言いません。」

「ありがとう・・・。」

『パンッ!!』

マナが突如拍手を鳴らした。

「はい、このお話はここでお終い。ナオコ先生、そろそろ帰ります。」

「ごめんなさい、ろくにもてなしもしなくて・・・。」

「いえ、お気になさらないで下さい。」

3人は部屋から出ると、孤児院入り口へと向かった。

「じゃあ、先生。これで失礼します!」

「失礼します。」

「また何時でもいらっしゃいな。」

ナオコが手を振って送り出す中、ムサシとケイタは離れたところで見ていた。

「いいの、ムサシ?」

「お前こそ、いいのか?」

「僕はいいよ、彼には敵わない思ったから。」

「そうか・・・俺もだ。」

((あんな笑顔は俺(僕)には見せてくれないもんなぁ・・・。))

ムサシにもわかっていた。
シンジが持ってる空気は誰にも邪魔できないものだという事に。

「俺達にもいい人って現われるかな?」

「ああ、きっと会えるさ・・・。」

ムサシとケイタは見えなくなるまで、そこからシンジとマナを見送っていたのだった。



『???』

「さて、どこ行こっか?」

「マナと一緒ならどこでもいいよ。」

「私も・・・シンジとだったらどこでもいい。」

日が傾いた頃、2人がいるのはホテル街。
怪しげなホテルが立ち並ぶ中、こんな会話をしている2人。
周りの視線がちょっと痛い物なのだが、気にしてないようだった。

「じ、じゃ、行こっか?」

「う、うん・・・。」

この後、2人がどこに行ったのかは当人たちだけの秘密・・・。







<後書き>
ども、ウエッキーです。
スパロボα外伝をクリア(とりあえず)したので、執筆再開です。<おいおい(^^;

本編よりも調子がいい、LMSです。
意外な人を出してしまいましたが、他に出すキャラが思いつかなかったので・・・ナオコさんです。
本編では出てくる予定は無いです、いわゆるスポット参戦ですね。
次回出る時は・・・マナとシンジの結婚式でしょうかね。(^^;

コメント係のアスカさんへ。

前回は不覚を取りましたが、今回復活しました。
これからは神様のご加護により、あらゆる攻撃を無効化してくれるそうです。
あきらめて、この世界にお付き合いくださいませ。m(_ _)m

コメント係のマナさんへ。

お待たせしました、ウエッキー復活です。
いつのまにか、番外編のメインになってしまったLMSです。
まだ続く予定なんで、楽しみに待っててくださいね。m(_ _)m


マナ:シンジも挨拶に来てくれたし。いつでも結婚おっけぇねっ!

ミサト:もぅ、手回しが早いわねぇ。

マナ:あら? アスカは?

ミサト:どっかへ行っちゃったのよぉ。いじけちゃったのかしら?

マナ:フフ。マナちゃんの幸せなところを見るのが悔しいのねっ!(^^v

ミサト:ってことで代理で来たわけよ。でも、ナオコさんが生きてたなんてびっくりしたわ。

マナ:赤木博士に教えてあげるんですかぁ?

ミサト:こういうことは、他人が口出ししない方がいいかもねん。

マナ:さって、アスカでも励ましに行ってくるかなぁ。何処いったんです?

ミサト:さぁ、飛び出したっきり、わかんないのよ。

マナ:今頃どこでなにしてるんだろう?

アスカ:フフフフフ。見付けたわっ! 神をも貫くロンギヌスの槍。次回っ! おぼえてらっしゃいっ!(▼▼#
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