*この作品は企画物でございます。
 細かい事は言いっこ無しでお願いします。
 




ネルフ本部・通路

『ダダダダダ!!!』

外から慌しい足音が聞こえてくる、音は男子更衣室の前で止まった。

『ガチャッ!』

足音の主は更衣室のドアを開けると、同時に中にいる人物に声をかける。

「マコト!またやるらしいっす、今回は手紙だそうっすよ!」

「それって『お悩み相談室』か?・・・シゲルはやる気満々だな。」

「当然すよ、俺達が目立てる数少ない機会なんすからね!」

ネルフのオペレーターである2人、青葉シゲルと日向マコト。
颯爽と制服に着替えると、女子更衣室前へと移動する。



ネルフ本部・女子更衣室前通路

「なあ、ここで待たなくてもいいんじゃないのか?」

「早く教えてあげたいんすよ!覗いてるわけじゃ無いからいいじゃないすか!!」

(まあ、そうなんだけど・・・他の職員の視線がな。)

女子更衣室から出てくる女性職員、通路を通る男性職員、共に2人を見ながら去っていく。
マコトにはこの視線が嫌だった。

『ガチャッ!』

「どうしたんですか?2人してこんな所に・・・。」

着替え終わったマヤは普通に疑問をぶつけた、変な目で見ないのは信頼しているのだろう。

「『お悩み相談室』をもう1回やるんで、それを知らせに来たんすよ!」

「シゲルが妙にやる気なんだよ。」

「そうなんですか・・・・・。」

何だかんだでテンションが高めな男性陣に対し、マヤの返事は元気が無い。

「ひょっとして・・・嫌なんすか?」

「ダメならいいんだ、シゲルと2人でやってもいいし。」

「いえ、前回疲れたことを思い出して・・・。」

表情の冴えないマヤに、シゲルとマコトは顔を見合わせる。

「でもやりますよ、頑張ります!」

そう言って『ニコッ』と微笑むマヤ。
こうして、復活した『お悩み相談室』に2人のテンションは上がっていく。

「これで完全復活っすね、頑張りましょう!」

「おう!・・・とその前に、何で急にこれが復活したんだ?」

シゲルはポケットから手紙を取り出すとマコトに渡す。
渡されたマコトは手紙を開いた、マヤも内容を見ようと首を伸ばす。

『ども、ウエッキーです。
 「ある人」からネタを頂いて、急遽『お悩み相談室』を開く事にしました。
 そこで、前回の最後でやる気を見せていた青葉君にメンバーの召集をお願いしたいと思います。
 指令の碇ゲンドウ氏からも許可が出ているので、指定された日時に以下の会場まで来てください。』

「と言うわけなんすよ、作者直々の手紙っすよ。
 ちなみにさっき、指令にも確認しました『問題無い。』だそうです。」

シゲルの補足説明を聞き、十分に内容を把握したマコトは手紙を返した。

「指定日時っていつなんですか?」

よく見えてなかったのだろう、マヤは2人に尋ねた。

「・・・明日だって。」

「明日!?そんな急なんですか、コメントを考えることも出来ませんよ!!」

「まあ相談の内容もわからないし・・・ぶっつけ本番、前回と一緒っすね。」

前回何とかなっていた事が自信に繋がっているのだろう、シゲルは強気だ。

「・・・とりあえず、明日はやるだけやるしかないよ。」

「そうですね、何とかなりますよね?」

「前回も何とかなったんすから、大丈夫っすよ!!」

1人テンションが高く、励ましつづけるシゲル。
しかし、2人の表情は晴れなかった。

((何とかならなかったらどうすんだよ(どうするんですか)・・・。))





翌日

「はあ、ついに来ちゃいました・・・。」

外はとてもいい天気なのに、1番に到着したマヤの表情は暗い。

(前回は本部内だったのに、今日は・・・・・。)

「ラジオ局だもんな〜、新聞の番組欄にも載ってたし。」

そう、彼らの前にある建物はラジオ局。
ここは日本全国にいろんな番組を発信している。

「おはようございます、日向さん。」

「おはよう、マヤちゃん。」

「「はあぁ。」」

お互いに明るく挨拶を交わすが、途端に表情が沈み、ため息が漏れる。
やる気はあるのだろうが、それ以上にプレッシャーを感じていた。

「早いっすね、2人共!」

最後に現れたシゲル、何故か背中にギターを持っている。

「シゲル、それどうするんだ?」

「そうですよ〜、演奏する気なんですか?」

2人も気になったのだろう、ギターを見ながらシゲルに聞いた。

「やべっ!いつもの様に持ってきちゃったっすよ。」

(本部に来る時も持ってきてるよな、弾いてる所見た事無いけど。)

マコトは声に出さずにツッコむ、マヤは不意に時計に目をやった。

「2人共時間が無いです、早く中に行きましょう!」

「「了解!」」

3人は走ってスタジオ入りする。
こうして『第2回 シゲル・マコト・マヤのお悩み相談室♪』の幕が上がった・・・・・。








                 The Restart Of Evangelion

             番外編15「第2回 シゲル・マコト・マヤのお悩み相談室♪ 午前の部編」







ラジオ局・スタジオ

スタッフの指示通りにスタジオ入りすると、テーブルには封筒が2つ置いてあった。

「これは・・・なんすか?」

シゲルが自分達の宛名になってる封筒を取って封を切る、中身には手紙があった。

『どもども、ウエッキーです。
 今日は頑張ってくださいね、もう1つの封筒には相談事と私からのコメントが入ってます。
 マヤさんが相談を読み、日向さんが答えて、青葉さんは私のコメント等をお願いしますね。
 でわ、放送を楽しみにしております。』

「「「・・・・・・・。」」」

無言、各自で色々と考えているのであろうか。
1番始めに復活したマヤが2人に声ををかける。

「とにかく、仕度をしましょう。」

「時間が無いっすからね。」

「なる様になれ、だな。」

この時放送開始5分前、3人は席につくと準備を始めた。



準備が終わると同時に、放送開始の時間を迎えた。



「皆さん初めまして、伊吹マヤです。」

「同じく、日向マコトです。」

「どうも、青葉シゲルっす!」

「今日は特別番組、『シゲル・マコト・マヤのお悩み相談室♪』をお送りしまーす。」

「いろんな所から寄せられた悩み事にお答えします!」

「それでは始めるっすよ〜!」

『♪〜♪〜♪〜』

バックに軽快な音楽が流れる、CMに入ってるようだ。

「(は、始まっちゃいましたね。)」

「(実はす、すっごく緊張してるんだよ。)」

「(大丈夫、俺がついてるっすよ!)」

(流石は相棒・・・頼りになるぜ。)

いつの間にやら相棒らしい、マコトは頼もしげな目でシゲルを見つめていた。
そしてCMが終わる。

「はい、これから寄せられた『お悩み』にお答えしたいと思いま〜す。
 それでは本日の1枚目!」

自分の前に置かれた手紙を1枚取り出すと、早速読み始めた。



「関直久さん作 『妖魔綺譚』より『妖怪が入り混じる世界の茶髪少女(未登場)』さんからのお手紙です。
 
『今度作品に出演する事になったのはいいのですが・・・どうやら蜘蛛女になる予定なんです。
 この悲しい現実から抜け出せる方法はないものでしょうか?』
 
 との事のです、日向さんお願いします。」

(何でそんなに普通なんだよ、マヤちゃんは・・・。)

設定通りにマコトに振るマヤ。
その様子はいつもと変わらない、振られたマコトは今だに緊張の極地にいた。

「(落ち着いてください、大丈夫ですから、ね?)」

「(頑張れ、マコト!)」

「(くぅ〜、皆ありがとう!!)」

仲間の励ましに感激すると、一つ息を吸ってから答え始めた。

「なるほど、蜘蛛女ですか・・・。
 確かに君にとっては嫌な役かもしれないけど、出番なんだから頑張ればいいんじゃないかな。
 『悲しい現実』なんて言わないで『立派な蜘蛛女になって見せるわ!』って、前向きに考えてみるといいと思うよ、頑張ってね!」

「はい、日向さん、ありがとうございました。
 次は『ご意見番の一言物申す!』のコーナーです。
 これは相談者の『お悩み』を事前に読んで、ご意見版が送るコメントです。
 このコーナーの担当は青葉さんです、どうぞ!」

こうしてシゲルへとバトンタッチ、すでに用意されてる答えを間違えない様に読み始める。

「はい、『妖怪が入り混じる世界の茶髪少女(未登場)』さんへのコメントっすよ。

 『女郎蜘蛛、半猫人、ランプの精の中だったら、女郎蜘蛛がいいんじゃないかな。』だそうっす。

 う〜ん、どういうのかイメージ沸かないけど・・・がんばって、立派な女郎蜘蛛になって欲しいっすね!!」

ここで青葉が言葉を切ってマヤに視線を送った、自分の番はこれでお終いという意味の合図だ。

「『妖怪が入り混じる世界の茶髪少女(未登場)』さん、どうでしたか?
 考え方は常に前向き、ポジティブに行こうよ!そうそう、早く作品に出られるといいですね。
 ここでCMです。」

『♪〜♪〜♪〜』

軽快な音楽が流れてCMが始まる、3人はとりあえず上手くいっている事に安心した。

「何とか上手くいってますね。」

「うん、ラジオなんて緊張したけどね。」

「マコトが大丈夫なら成功するっすよ、マヤちゃんも落ち着いてたし、俺はノープロブレムっすから!」

シゲルの言葉にマコトは苦笑した、確かに自分だけが過度に緊張していたからだ。

「よし、今日は頑張ろうぜ!」

「「おお!」」

3人は新たに気合を入れなおすと、同時にCMが終わる。



「はい、本日の2通目はこちらです!
 
 タームさん作 『あまえんぼうアスカちゃん』より『黒髪の悩み多き少年』さんから。

『ぼくの彼女は可愛いんですが、とってもあまえんぼうで困っています。
 ところかまわずだっこをせがんでくるし、しまいには恥かしいダンスとか踊りだすんです。
 どうしたらいいでしょうか?』

 との事です、日向さんのアドバイスをお願いします。」

マヤからコメントを求められると同時に、マコトに2人の視線が集まる。
その心配げな視線に、マコトは親指を立てて答えた。

「なんだか羨ましい悩み事だね、僕にはそういう経験が無いからな〜。
 君以外の異性にもそう言う事をするのかな?しないよね、君だけにしかしないんだよね。
 もし、君がどうしても止めてもらいたいんだったら『だっこ』か『ダンス』、どちらか1つは許すしかないかな。
 それ2つが彼女の君に対するアピールだと思うからね、僕は止めさせるなら『ダンス』の方がいいと思うけど、どうだろう?」

マコトがコメント終わりを意味する視線をマヤに送る。
それを受けたマヤは次のコメントを進めるのだが・・・。

「はい、日向さんどうもありがとうございます。
 ちょっと長かったけど、聞き取れたかな?
 次は青葉さんが読む、『ご意見番の一言物申す!』のコーナーです!」

マヤはシゲルの方へと視線を向けたとき、シゲルは青くなっていた。

(これは・・・ちょっとなぁ〜。)

「(シゲル、出番だよ、出番!)」

「(す、すまないっす!!」

マコトに声をかけられて、嫌々ながらコメントを読み始めた。

「は、はい、『黒髪の悩み多き少年』さんへのコメントっす。

 『要するに惚気話だろ、せいぜいお幸せにね〜。』との事っす・・・。

 『仲良き事は美しきかな』って言うし、彼女のそういう所も受けとめて、2人には幸せになって欲しいっす!」

読み終わった途端に頭を下げるシゲル、ちょっと毒のある(?)コメントがショックだった様だ。

「『黒髪の悩み多き少年』さん、どうでしたか?
 あんまり『いちゃいちゃ』すると嫌味だって言われるけど、そこまでいけば凄いと思うな。
 これからも2人で仲良く、お幸せにね♪
 それではCMです!」

『♪〜♪〜♪〜』

軽快な音楽が流れてCMが始まる、シゲルはショックから立ち直っていない。

「大丈夫だよ、お前の意見じゃないんだからさ。」

「そうですよ!しょげかえってるのって、青葉さんらしくないですよ。」

(皆の言葉がしみるっすね・・・。)

こうして慰めてくれる2人に感謝した、その目にはうっすらと光るものが。

「ありがとうっす!これからは毒舌だろうがなんだろうが、頑張って読みますよ!!」

「その意気だぜ、シゲル!」

「頑張ってください!」

3人の結束が一層強くなった所で、CMが終わった。



「それでは、3通目に行きたいと思います。

 タームさん作 『コンフォート17』から『青いショートカットのクスクス笑う女の子』さんからです。

『クスクス。
  私、復讐したい人がいるの・・。
  でも駄目。
  その子、巧妙に罠を張り巡らせて、邪魔するの。
  復讐するいい方法教えて。クスクス。』

 との事なんですが・・・。」

かつて、どんな相談番組でも無かったであろう内容だ。
来たとしても『ボツ』にしてしまう、そんな内容の手紙をマヤは読み終わってから気付いた。

「(ど、どうしましょう、これ〜。)」

マヤの顔は涙が浮かんでいた。
それを見たマコトは、無言で親指を立てるとアドバイスを始めた。

「変わった内容の相談に驚いてしまいました。
 復讐したいなんて、相当にその子を恨んでるんだろうけど、仲直りは出来ないのかな?
 僕達としては仲良くして欲しいな・・・復讐からは何も生まれないと思うからね。」

「続いては俺の番っすね、『青いショートカットのクスクス笑う女の子』さんへのコメントっす。

 『相手に直接よりも周りから切り崩すべし!』

 するもしないも君次第、マコトの答えを聞いて思いとどまって仲直りして欲しい、それが俺達の願いっすよ!
 最後にマヤさんにまとめてもらうっす、どうぞ!」

シゲルが自分の役割を果たすと、マヤにまとめの言葉を振った。

「『青いショートカットのクスクス笑う女の子』さん、きっと仲直りできるよ!
 相手の子はあなたの事をどう思ってるかわからないけど・・・大丈夫だと思う。
 今度は『どうすれば仲良くなれるか?』ってお悩みが来るのを待ってます。」

『♪〜♪〜♪〜』

軽快な音楽が流れてCMが始まる、スタジオ内では3人が「はあっ。」と息を一つ吐いた。

「すいません・・・迷惑かけてしまって。」

「な〜に、お互い様だよ。」

「そうそう、これから頑張りましょうっすよ!」

まるでお約束の様にへこんだマヤと慰める2人、この事で3人の絆がより一層強まったのは言うまでもない。



「続いて、4通目です!

 タームさん作 『王様旅行&白雪姫物語』の『銀髪の鼻歌をよく歌う少年』さんからこちら。

『アンケートで配役を決めたりするんだけどね。
  いつも、僕は酷い目に会うのさ。
  もう嫌だよ。
  次回のアンケートで1番いい役取る方法を教えてくれるかい?』

 との事ですけど、日向さん。」

色々あった上に4通目、嫌が応にも馴れる。
マヤはお便りを読み終えると、スムーズにマコトに振る。

「はい、アンケートで1番いい役を取りたいんですか・・・。
 そうですねぇ、アピールとかしてみたらどうでしょう?
 『僕にいい役を当てると、この作品はこんなに面白くなるんだよ。』とか、投票者に訴えてみるとか。
 こればっかりは投票者の方々に頼らなければならないので。」

マコトも馴れたもので、読み終わると目で合図する。
それに頷いて答えるシゲルがコメントを読み上げていった。

「ご意見番からはこちらっす!

 『頑張って!私はいつも貴方に投票してるから、次回ももちろん投票するよ。』

 ここで1票確保っす、俺達は投票出来ないけど、いい役になれるといいっすね!!」

「はい、どうでしたか?
 前回・前々回と酷い目にあったようですが、次回は違うといいですね。
 青葉さんも言ってたけど、応援してますから諦めないでね♪」

『♪〜♪〜♪〜』

マヤがまとめると、軽快な音楽が流れてCMが始まった。
3人には余裕とも言える笑みが浮かんでいた、とてもいい雰囲気だ。

「この感じでかんばりましょう!」

「おうさ!」

「任せて欲しいっす!」

お昼休みまでもう少し、3人はとても充実していた。



「続いて、続いて、5通目に行きたいと思います。
 
 タームさん作 『ペンペンの気持ちのペンペン』から『プレートを付けたクワッと鳴く鳥』さん?からです・・・。

 『くわっ!』

 ・・・・・って、これは?」

流石に疑問符が浮かぶ、わけがわからないと言った顔だ。
流れからしてマコトが答えなければならないのだが、マコトもシゲルも困ってしまった。

「(これは?)」

「(何が言いたいのかわからないには・・・。)」

「(答えようが無いっすよね・・・。)」

「(ご意見番コメントには何か書いてあるんですか?)」

「(見てみるっす・・・・・。)」

シゲルが紙を開いて探してみると、何とコメントが載っていた。

「(!! あったっすよ。)」

「(・・・確かに、ここはシゲルに任せるぜ。)」

マコトに言われるままに、シゲルはコメントを読み始めた。

「ども、青葉っす。
 マコトはコメント出来そうに無いですが、俺が『ご意見番のコメント』を見つけたので読んでみるっす。

 『くわっ!くわっ!!くわわっ〜〜〜!!!』

 ・・・・・わけわからないっすね。
 そもそも、このお手紙は本物の『鳥』さんが書いたんでしょうかね?
 これはペンネームで、書いたのは『人』ですよね?」

(わけわかんないな・・・。)

「と、と言うことですが、鳥の言葉はわからないのでなんとも言えませんが・・・頑張ってくださいね!
 そ、それではCMです。」

『♪〜♪〜♪〜』

CMが流れ始めると、口を開いたのはマヤだった。

「このお手紙は・・・。」

「もう終わったから気にしないようにしよう。」

「俺達は前だけ向いて生きるっすよ!」

男達の言葉も混乱気味なのか、意味がよくわからない。

「「「・・・・・・・。」」」

この時、CMが終わるまで誰も口を開く事は無かった。



「それでは、気を取りなおして午前の部、最後のお手紙です。

 k100さん作 『綾波司令』より『茶色がかった髪の少女』さんから。

『ハジメっから気に入らないのよっ!
 なんであんなセリフもロクにないボケボケ女が長官でしかも主人公なの?!
 いっつもイイとこ全部さらっちゃって・・・どーにかなんないのっ!!
 ここは、アタシのSS天国でしょっ!』

 か、過激な相談ですね、日向さんに聞いてみましょう。」

「え〜と、そうでも無いそうですよ。
 確かに系統としては多い様ですが、それだけに限ってるわけではないそうです。
 元々、貴方がメインの作品が多いんですから、たまにはこう言う作品があってもいいのでは?
 もうちょっと心を広く持つといいですよ。」

「続いて、コメントっす!

 『セコイ事言ってると、好きな男の子に愛想つかされるぞ、要注意!』

 そっすね、『アタシはここ以外で活躍してるから、ここでは認めてあげるわ!』なんて言った方が、かっこいいっすよ!」

「さて『茶色がかった髪の少女』さん、どうでした?
 色々とあるんでしょうけど、全部が全部で主役になろうとしない様に!!
 ・・・失礼しました、以上です。」

「「(こ、こえぇ・・・。)」」

いきなり大きな声を上げて、きつい事を言うマヤに男2人は震え上がっていた。

「ここで午前の部はお終いです、1時間後に午後の部が始まります。
 そこでまたお会いしましょう!」

『♪〜♪〜♪〜』

打って変わって明るい声で『午前の部 終了宣言』をすると、マヤは2人の方へと向いた。

「2人共、お昼食べに行きませんか?」

「「お供させていただきます(いただくっす)。」」

有無を言わさぬ雰囲気が出ていたのだろうか?
マヤの提案に返事一つで頷くと、後ろをついて歩き去っていった。





ネルフ本部・発令所

ここでは大人達が集まって、今の放送を聞いていた。

「午前の部が終わったわね。」

お昼のニュースが始まったので、ラジオの電源を切ると同時にユイが口を開いた。

「オペレーターってこう言う事も出来るのねぇ〜。」

((それはあんまり関係ある様で、無いような・・・。))

キョウコののほほんとした発言、これにはリツコとミサトが声を出さずに同時にツッコミを入れた。

「そ・れ・よ・りも、愛しのマヤちゃんの活躍はどう?リツコお姉様♪」

「や、やめてよ!貴方にそう呼ばれると気持ち悪いわ。」

ニヤニヤと笑うミサトに、リツコが不機嫌そうにしている。
よっぽど嫌だったのだろう、寒さから身を守る様に自分で自分を抱きしめていた。

「リッちゃんは誇らしげに聞いてたからな、聞くだけヤボってもんだぞ、ミサト。」

「ごみん、ごみん。」

何時の間に加持は名前で呼んでいたのだろう、ミサトは気にする事無く答えている。

「それにしても、我々に該当するキャラの悩み事は無かったな。」

「・・・ああ、特に私は憎まれ役が多いからな、午後でも無いだろう。」

「ほう、よくわかっているのだな。」

冬月は自分が振った話題だとは言え、ゲンドウが自分と言う存在を理解している事に驚いた。

「まあ、それ故にあるかもしれないが・・・冬月は目立たんから絶対に無いだろう。」(ニヤリ)

「・・・わかっている。」

言われなくてもわかっていることだったが、改めて言われると腹も立つ。

「それを言ったら私とキョウコも無いですよ、きっと。」

「そうですよ、私はTV本編でもはっきり顔が出てないですし、声も無いんですから。」

(ユイ君、キョウコ君、ありがとう・・・。)

美人のフォローが嬉しかった、冬月は不覚にも涙を流しそうであった。

「そうですよ、副指令。
 俺なんてここでさえ忘れられてるんですから、絶対に無いですよ。」

「加持君、今日は男2人で飲みに行かんか?奢るぞ。」

「午後の部しだい、と言っておきましょう。」

「ああ、もちろんだ。」

(・・・私は数に入っていないのか?)

男2人は「ふっ。」と笑いあう、ゲンドウの名は出てこなかった。

「さて、私達もお昼を食べに行きましょうか?」

「「「賛成!」」」

ユイの提案に女性陣は賛成の声を上げる、男性陣も首を縦に振っていた。

「ゲンドウさんの奢りだから、良い物食べましょう!」

「ユ、ユイ!」

抗議の声を上げた途端、ゲンドウは後悔した。
ユイから物凄い殺気が発せられていたのだ。

「文句が・・・あるんですか?」

「い、いや、問題無い・・・。」
(逆らったら殺される、絶対にだ。)

「そう言う事で行きましょう!」

「「「「指令、ご馳走様です!」」」」

ユイを先頭に発令所から出ていく面々、残されたのは冬月とゲンドウの2人だけ。

「すまんな、ありがたく奢ってもらう事にしよう。」

冬月は『ぽんっ』とゲンドウの肩を叩くと、笑顔で発令所から出ていくのだった。

「・・・こんな役回りばっかりだな。作者よ、そんなに私が嫌いか?」

誰もいない空間に「ぼそっ」と呟くと、重い足取りで発令所を出ていった。

・・・ちなみに、私の答えは「ほどよく嫌い」です。・・・



碇邸・リビング

ここでは子供達が聞き終えていた。

「私が女郎蜘蛛なのね・・・。」

違う所で展開される話だとは言え、ここのマナにはショックだった様だ。

「私はお姉様になら、食べられても、精気を吸われてもいいです!」

実際にそんな事をするのかどうかはわからないが、言っているアスナは本気である。

「僕はここのアスカが1番好きだよ。」

「な、何を言ってるのよ、アンタは!」(真っ赤)

いきなりそんな事を言われて、アスカの顔は真っ赤になる。

(だって、あんな「あまえんぼう」になられたら・・・僕は身が持たないよ。)

「そうだね、「あまえんぼう」のシンジ君はよくやってると思うよ。
 もし、僕が同じ立場だったら別れるね、速攻で。」

カヲルは「うんうん」と首を縦に振りながら言った。

(アタシは結構いいかな、って思ったんだけど・・・。)

あそこまでは出来なくても、少しは羨ましく思っていたアスカは顔を俯かせてしまった。

「あれは無理だけどさ、少しは甘えていいんだからね。」(真っ赤)

そう言ってアスカの肩を抱くシンジ、セリフがどもらなくなったのは成長している証だ。

「ありがとう、シンジ♪」

「・・・お兄ちゃん、私は?」

レイは縋るような目でシンジに聞いた、雰囲気が「No」と言わせないものだと理解した。

「レイもいいから、ね。」

「ありがとう・・・。」

「じゃあ、シンジ君・・・」

『スガンッ!ドカッ!!バッキィィィ!!!』

カヲルが最後まで言葉を発する事無く、鈍い音がして吹き飛んでいた。

「レイはいいとしても、アンタは絶対にダメよ!」

「アスカは恋人、私は妹だからいいの。でも、貴方はホモ・・・だからダメ。」

(カヲル君って、学習能力ないのかな?)

無残な姿を見ながらシンジはあまり心配する様でもなく、声もかけないでいた。

「(違う僕が「アンケートの結果が辛かった」って言ってたけど、僕のほうがよっぽど辛いよ・・・。)」

意識を失う前に、声にならない声をカヲルはあげた。

「それじゃあ、お昼にしようか?」

「「「「賛成!」」」」

「それじゃ、ダイニングに行こうか。」

シンジがキッチン、女の子達がダイニングに向かう中、カヲルはそこで失神した。

・・・こんな扱いをしてますが、カヲルは私にとって好きなキャラです。・・・



そして、午後の部の幕が上がる・・・・・・・。







<後書き>

ども、ウエッキーです。

後書きって言うか、午後の部があるんですけどね。
同時投稿、同時掲載される予定なんで・・・。(^^;;;

ここまでの内容で、タームさんの書く『アスカとマナのコメント』を読んでみたいのもあったんで、切りました。<おいっ!
それでは、お願いしまーす。m(_ _)m

ここまでで使わせていただいた、関直久さん・タームさん・k100さん(掲載順)本当にありがとうございました。m(_ _)m
マヤ・マコト・シゲル・ご意見番コメントで勝手なことばっかり言ってごめんなさい。m(_ _)m

それでは、午後の部も楽しんでくれると嬉しいです。

注・「( )」←これは3人同士で小声で話しているって意味です。


マナ:こっちでも蜘蛛になってる・・・。(TOT)

アスカ:うがーーーーーーーーーーーーーー!!!!!(ーー#

マナ:ど、どうしたのよっ?? いきなり。びっくりしたわねぇ。(@@)

アスカ:マヤっ! このアタシと主役を張り合おうってーのっ!(ーー#

マナ:ちょ、ちょっと。何怒ってるのよ。

アスカ:アタシ以外に主役張れるだけの可愛いキャラなんか、エヴァにいないって言ってんのよっ!

マナ:それ・・・どういう意味よ。(ーー#

アスカ:アタシから主役奪おうなんて、身の程知らずってことよ!

マナ:わたしだって、主役できるくらい可愛いんだからっ!

アスカ:ま、アタシは蜘蛛にはなれないから、そこは譲ってあげるわっ。

マナ:なんですってっ! 蜘蛛だって、きっとかわいい役よっ! そ、そうですよね。>関直久さん?

レイ:綾波司令は私が主役・・・惣流司令はすぐ打ち切りになったもの。

アスカ:うるさーいっ! うるさーいっ! アタシこそ主役に相応しいのよっ!

マナ:わたしは、マヤさんにさんせーっ!

レイ:私も・・・。アスカ横暴。

マナ:お〜ぼ〜っ!

アスカ:結託したわねっ! 見てなさいっ! 午後のコメントじゃ、アンタ達まとめて成敗してくれるんだからっ!(ーー#
作者"ウエッキー"様へのメール/小説の感想はこちら。
frontier@tokai.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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