「それじゃ、また後でね。」

「はい、お姉様♪」

予定を決める前に着替える事にした2人は、自分の部屋へと戻っていった。


「どこに行こうかな・・・。」

アスナは着替えながら考えを巡らす。

「・・・・・そうだ!」

何かを閃いたらしい。
携帯に手を伸ばすと、どこかへと電話をした。

「あっ!もしもし、アスナですけど・・・・・。」

『・・・・・・・』

「はい、はい、よろしければ一緒にお出かけしませんか?」

『・・・・・・・』

「OKですか!?はい、はい、迎えに来てくれるんですね?
 わかりました、ついたら連絡下さい、はい!」

『ピッ!』と電話を切ると、笑みを浮かべた。

(今日は色々と教えてもらわなくっちゃ♪)

一体誰と出かけるのだろうか?
そんな事を考えながら、『愛しのお姉様』の部屋へと向かうアスナであった。



『コンコン!』

「お姉様、入ってもよろしいですか?」

『いいわよ〜。』

アスナは中へと入ると、マナもすでに着替え終わっていた。

「それじゃ、どこに行くか考えましょ?」

「それなんですけど、ちょっと、お耳を・・・。」

「?」

(お姉様のお耳、かわいい♪)
『はむ♪』

「あん♪」

耳を目の前に我慢できなかったのだろう、アスナはマナの耳を甘噛みした。
朝の『お楽しみ』の影響がまだあるのか、相手がアスナなのだろうか、マナは過敏に反応してしまった。

「もう〜、そういうのは後でしましょ♪」

「ごめんなさ〜い、実はですねぇ・・・・・。」

窘められた後、アスナはマナの耳元で先ほどの電話の事を話した。


「ええ〜!本当なの、それ?」

「し、知らなかったんですか!?」

「ま、前に聞いた気がするけど、本当だったなんて・・・・・。」

マナはショックを受けた様だが、アスナが話した内容は理解した。

「要するに、その人達と今日は一緒に遊ぶのね?」

「はい!先ほど連絡して、迎えに来てもらうことになりましたから。」

『♪〜♪〜♪〜』

ちょうどその時、アスナの携帯が鳴った。

「来たみたいですね・・・もしもし。」

『・・・・・・・』

「はい、今行きます。」

『ピッ!』と電話を切る。

「それではお姉様、行きましょう!」

マナは頷くと、アスナと一緒に外へと出掛けていくのだった・・・。









                  The Restart Of Evangelion

                    第28話 「2組の百合 〜マナ&アスナ編〜」










碇低を出てすぐの所に、エンジンのかかった車が止まっていた。
マナとアスナが出てくるのを見ると、中から2つの人影が姿を表した。

「こんにちわ〜!リツコさん、マヤさん。」

(本当だったんだ、この2人が付き合ってるのって・・・。)

話は聞いていたが、実際にプライベートでツーショットを見ると納得してしまうマナであった。

「やっと、貴方も『お姉様』を手に入れたのね?」

「はい!今日はよろしくお願いします。」

アスナとリツコが何やら会話をしている。
そんな中、マヤがマナに話しかけてきた。

「こんにちわ!マナちゃんが『お姉様』なのね?」

「は、はい・・・リードされっぱなしなんですけど。」

確かに、リードする方が『お姉様』ならその呼び名はアスナになる。

「私達は、言わなくてもわかるわよね。」

「はい・・・。」

もちろん、こちらの『お姉様』はリツコである。

「アスナが私の事を前からそう呼ぶからなんですけどね。」

「そうなんだ。2人共、年齢は同じだものね。」

「ええ、でも呼び方は気にしてないんです・・・アスナがいれば、私はそれでいいんですから。」(真っ赤)

「うふふ、私も同じよ・・・センパイがいない生活なんて考えられないもの。」(真っ赤)

朝っぱらから怪しい会話をしているマナとマヤであった。



車中

4人を乗せた車はとりあえず碇邸付近から発車した。

「それで、今日はどこに行くのかしら?」

「・・・何も考えてませんでした。」

この答えに、リツコの顔には青筋が浮かんでいた。

「朝早くに電話してきたのはいいとして、何も考えてないって・・・貴方ねぇ!」

「す、すいません!!」

「まあまあ。そんなに怒らないで下さいよ、センパイ♪」

平謝りするアスナに助け舟を出したのはマヤだ。

「・・・まあいいわ。それで、どこに行くの?」

「そうですねぇ・・・。」

お怒りがおさまったとは言え、2度目は無いと思ったアスナは必死で考えるのだが・・・

「って、デパートも遊園地も機能してませんよね?ネルフの職員どころか住民もいないんでしょ?」

マナが始めてここで口を開いた。
住民が疎開した後でも職員がデパート等を開店させていたのだが、その職員もリツコが避難させたのだ。(正確には少し違うが)
その為、ここ第3新東京市はゴーストタウンとなっているのだ。

「そうなのよ、まあそんな所以外でも遊べる所はあると思うんだけどね。」

マヤの言う通りで、公園で遊んだりするのには支障は無い。
喉が乾いたり、お腹が空けば、その辺から『黙って』いただけばいいのだから。

「遊園地でも構わないわよ。」

「「「えっ?」」」

リツコの発言に3人は驚いた。
たった今、無理だと言ったばかりなのにこの発言だ。

「ホテルで情事に耽る、ってのもいいわよ〜。」

・・・こんな事を言っているリツコの目は本気である。

「ま、まあ、それには私も賛成なんですけど。」

「じゃないでしょ、アスナ!赤木博士、どう言う事なんですか?」

「まさか・・・Magiを使うんじゃないですよね?センパイ。」

「ご名答!流石はマヤね、今夜はたっぷり可愛がってあげるわ♪」

リツコは『この世界』に目覚めてから、すっかり性格が変わってしまった。

「あの〜、どう言う事なんでしょうか?」

「いい、マナ。
 Magiを使う事によって、遊園地の機械を動かす事が出来るわ。
 詳しい事は言っても理解できないでしょうけど、秘密よ。」

もちろん、お金なんてかからない。
『1日フリーパス』なんて買わなくても、乗り放題、遊び放題だ。

「そうなんですか・・・、Magiって何でも出来るんですね。」

(こう言う事もあろうかと、秘密裏に出来るようにしたんだけどね・・・。)

マナの言葉にミラー越しに笑顔で答えるリツコ、裏ではそんな事をしていたらしい。
これもマヤの為にやった事なのだろうか・・・。

「って事は・・・気になってたアトラクションにも乗り放題って事ですか!?」

「もちろんよ、マヤ。」

「センパイ!大好きです〜!!」

(可愛いわ!もう、今すぐにでも食べちゃいたいわ〜♪)

運転中なので飛びつく事はしないが、尊敬と感謝の気持ちの篭ったマヤの視線に、リツコは涎を垂らしそうになっていた。

「じゃあ、今日は1日そこで遊びまくるのはどうでしょう?」

「「賛成!!」」

「じゃ、そこに決定ね。」

アスナの結論に反対する者は無く、リツコは遊園地へと車を走らせるのであった。





遊園地

いつもはカップルやら、家族連れで賑わう場所。
今日はここに入るのに必要なチケットはいらない、まさに貸しきり状態。

「人がいない遊園地って・・・ちょっと恐いですね。」

「お姉様、私がついてますよ。」

そう言って、マナの腕にしがみついているアスナ。
彼女にとって雰囲気よりも、マナと離れる方が恐いのだろう。

「さて、一緒に周る?別々?」

「別々にしましょう、何かあったら携帯に。」

「そうね。」

リツコとアスナが今後の事を決めると、お互い逆方向へと歩いていく。


「お姉様、何に乗りましょうか?」

「決まってるわ!一番始めはこれよ!!」

案内板を見ながら指をさす、それはジェットコースター。
途端にアスナの顔が青くなる。

「こ、こ、これですか?」

「あったりまえじゃない、私はこう言うのが好きなんだもん。」

「そんな〜・・・。」

一般で言う『普通のジェットコースター』くらいなら、アスナも嫌がりはしないだろう。
ここにあるのはギ○スで世界一に認定されたものであり、凄い時は世界各国から乗りに来る人であふれた事もあるのだ。

「さっ、いくわよ♪」

「は、はい〜。」
(私、生きてられるかしら・・・・・。)

涙を流しながらも、マナの後ろをついて歩くアスナであった。



「やっほーーーーー!!!!!」

     〜乗車中〜

「い、いやあああぁぁぁぁ!!!!!」



アスナにとって辛い時間が終わりを告げた。
コースターが停止すると凄まじい速さで降りる。

「大丈夫?アスナ。」

「ちょ、ちょっと、ダメそうです・・・。」
(心配げな表情で私を見つめるお姉様、これはこれでス・テ・キ♪)

ダメとか言いながら、そんな事を考える余裕はあるようだ。
もちろん、マナにはそんな事を考えている事などはわからないが・・・。

「・・・馴れた方がいいわね。」(ぼそっ)

「はい?」

何かを小声で言ったようだが、アスナには聞き取れなかった。
顔に「?」マークを浮かべていると、マナがアスナの肩を掴む。

「アスナ、私と一緒にいたいわよね?」

「も、もちろんです!」

「じゃ、もう一回ね。」

「も、もう一回、これに乗るんですか?」

「さっ!行きましょ♪」

(お姉様のその笑顔は素敵ですぅ、何も言えなくなっちゃう・・・)

笑顔に満足しながらも、目から涙が止めど無くあふれ出ていた。



「きゃぁーーーーー!!!!!」

     〜乗車中〜

「い、いやあああぁぁぁぁ!!!!!」



一方、もう一組はと言えば・・・。

「センパイ!まだまだ行きますよー!!」

「お、お願いだから、もう止めて〜〜〜!!!」

2人が乗っているのは『コーヒーカップ』。
思いっきりハンドルを回すマヤを、限界を迎えているリツコが何とか止めようとしていた。

『クル!クル、クル・・・クル・・・・・』

時間切れによりカップは停止したが、すでにリツコは死にかけていた。

「センパイ!楽しかったですね?」

(こ、殺すわよ、このガキャァ・・・。)

声も出せないほどに弱ってはいたが、この時ばかりはマヤに対して殺意を抱くリツコであった。



リツコとマヤが楽しんでる間にもう一回、計3回コースターに乗ったアスナはグロッキー状態になっていた。

「そろそろお昼ね、ってアスナ?」

「そ、そうですねぇ・・・リツコさんに電話してみてくださぁい。」
(お姉様のお膝、とっても柔らかいなぁ〜。し・あ・わ・せ♪)

ベンチに座るマナに『膝枕』されているアスナ、辛そうだが表情は幸せそうだ。
マナは言われるままに携帯で連絡を取り始める。



『ニャ、ニャ、ニャンニャンニャン♪ニャ、ニャ、ニャンニャンニャン・・・♪』(着メロ・猫踏んじゃった)

同じくベンチでグロッキーになってるリツコ、液晶画面で相手を確認する。

「マナね、どうかしたのかしら?」

『ピッ!』
「もしもし、どうかしたの?」

『あの〜、リツコさん。お昼はどうしましょう?』

「そうねぇ、一緒に食べましょうか?私達は・・・・・。」

リツコは自分達のいる位置を簡単に説明すると電話を切った。

「どうしたんですか?」

「もうお昼なのね、って事よ。」

「ご飯食べたらまた一緒に周りましょうね、センパイ♪」

(コーヒーカップは絶対却下ね。)

笑顔で自分を見つめるマヤを見ながら、リツコはそう考えていた。



園内レストラン

到着したマナ達と共に、4人は昼食を取っていた。

「・・・そう、アスナも大変だったのね。」

「絶叫マシンは苦手なんですけど、頑張ったんです・・・3回も。」

リツコとアスナの目には涙が浮かんでいる、よっぽど辛かったのだろう。

(センパイ、そんな小娘なんかと・・・。)

(私と言うものがありながら、アスナ〜。)

そんな事は露知らず、マヤとマナはお互いの相手に嫉妬していた。


『あっ!』


と言う間に食べ終わり、食後のコーヒーを楽しんでいると・・・。

『ニャ、ニャ、ニャンニャンニャン♪ニャ、ニャ、ニャンニャンニャン・・・♪』

((猫踏んじゃった!?))

マナとアスナは始めて聞いたその着メロに驚く。

「もしもし。」

『お休みの所ごめんなさい、碇です。』

「どうかなさったんですか?」

『例の事なんだけど、間に合いそうに無いんで手伝いに来てくれないかしら?』

「わかりました、マヤとそちらに向かいます。」

『ごめんね、助かるわ。』

「それでは、失礼します。」

リツコは電話を切ると、3人内容を説明する。

「ユイさんから電話があって、私とマヤは本部に行かなくちゃいけなくなったのよ。」

「私もですか?」

いきなりの事に、マヤに残念そうな表情と驚きの表情が混ざる。

「ええ、『例の事』が間に合いそうに無いのよ、その手伝いってわけ。」

「・・・はい、わかりました。」
(センパイと『あんな事』とか『こんな事』してないのに・・・。)

諦めの表情と共にマヤは返事をする、まだまだ遊びたかった様だが。

「じゃあ、私達は・・・?」

「悪いけど、帰るしかないわね。」

リツコに送ってもらわなければ、2人は歩いて帰らねばならない。
距離もあるし、EVAのパイロットを無防備な状況にするのは避けたい。
街の住人はいないが、敵対組織の人間はいるかもしれないからだ。

「仕方ないわよ、アスナ。」

「じゃあ、お家でたくさん『遊び』ましょうね♪」

「はいはい、わかったわよ。」

残念そうな表情を浮かべていたアスナも、マナの説得で機嫌を直したようだ。

「じゃ、行くわよ。」

こうして、4人は遊園地から出るのであった。



車内

『ぽちっ!』

車に全員が乗りこんだ所で、リツコは何かのボタンを押した。

「何の音ですか?」

ご丁寧な事に音までするボタンだったようだ、気になったマナはリツコに聞く。

「遊園地の運転停止ボタンよ、動きっぱなしじゃ困るでしょ。」

「なるほど、後始末も完璧ですね。」

『後始末』と言う言葉があっているのかどうかは別として、マヤはそんなリツコを尊敬の眼差しで見つめていた。



4人が車内で雑談に盛りあがる中、車は碇邸に到着した。

「じゃあ、また遊びましょうね。」

「はい!今度は決戦が終わった後ですね。」

「私達も頑張るからね!」

「今日はありがとうございました、この後のお仕事頑張ってください。」

4人がそれぞれ言葉を発すると、マナとアスナは車を降りた。
2人を降ろした車はそのまま走り去っていった。



碇邸

「「ただいま〜。」」

家に入ってみるものの、中には誰もいなかった。

「どうやら、出かけてるみたいですね。」

「そうね。」

特に気にする事無く、2人はダイニングへと入った。

「お茶、飲みます?」

「ありがとう、アスナ。」


程なくして、アスナの入れたお茶を飲みながら雑談をしていた。
そんな中、アスナがぼそっと呟いた。

「ダイニング・・・いいですね。」

「はい?」

「こう言う所でってのも、いいですよね?」

「・・・エプロン、とか?」

マナにも何が言いたいのかわかったのだろう、それらしい発言をしてみる。

「わかってますね、若奥様の役はお姉様ですから。」

そう言うや否や、アスナはどこからとも無く『フリルのエプロン』を取り出した。

「本気?」

「もちろんです。」

アスナの目は血走っており、狩人の様に獲物を狙っている感じだ。

「・・・って、私は何で着てるのよ!?」

テーブルにはきっちり畳んだ衣服類が置いてある、今のマナの格好は『裸エプロン』だ。

「もう、やる気満々じゃないですか〜〜〜!!!」

「きゃあああぁぁぁ!!!」

飛びかかってくるアスナから、逃げるどころか迎えるマナ。
その表情はいやがっているわけ無く、むしろ喜んでいる。

「お、お、奥さ〜〜〜ん!!!」<注・アスナです

「いや〜〜〜ん♪」

こうして、2人は気が済むまで『若奥様とお昼の情事』プレイを楽しんだそうな。







<後書き>
ども、ウエッキーです。

私は何が書きたかったんでしょうか?(−−;
・・・わけわかんないですね。

気の赴くままに書いたらこうなってました。
マナ&アスナファンに怒られそうな気がしてならないです。

次回からは最終決戦です。
予定としては前・中・後編で行こうかと思ってます。
今回の様に同じ投稿ではないので、幾分か早く投稿できればいいな、と思います。

でわ!



<次回予告>
ついに始まる最終決戦。
職員不足によりEVAの準備が遅れてしまったネルフ、そこに戦自が本部施設に潜入したとの知らせが!
本部はどうなってしまうのか?EVAの準備は間に合うのか?

次回、The Restart Of Evangelion

       第29話 「最終決戦 〜前編〜」

を、お送りしまーす。


マナ:また・・・。わたしをアブノーマルにする作品が・・・。(ーー#

アスカ:っていうか、アンタ鬼よっ!

マナ:どうしてそうなるわけ?

アスカ:アスナがふらふらになるまでジェットコースターに乗せたじゃない。

マナ:鬼は酷いんじゃない? アスナちゃんは、結構喜んでたみたいだもん。

アスカ:フラフラになってたのよっ! って・・・まさかっ!(@@)

マナ:まさか? え? なに?

アスカ:アンタ、アスナをフラフラにして襲つもりだったんじゃっ!

マナ:だから、わたしはヘンタイじゃないんだってばっ!

アスカ:裸でエプロンつけてアスナを・・・スケコマシ・・・ボソボソ。(ーー)

マナ:うっ・・・・ウ、ウエッキーさんっ! 最後のあれはいったいなにっ!?

アスカ:エプロンだけなんて格好したら、ツルペタが目立つのに・・・。

マナ:ぬわんですってーーーーっ!(ーー#

アスカ:いやぁぁっ! ツルペタスケコマシに襲われるぅぅっ!

マナ:まだ言うかーーーーっ!(▼▼#
作者"ウエッキー"様へのメール/小説の感想はこちら。
frontier@tokai.or.jp

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ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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