ネルフ本部・ケージ

『ぱちぱちぱちぱちぱち・・・・・』

リフトに乗って戻ってきたエヴァンゲリオン各機、そこから降りてきた子供達は拍手で迎えられた。
しばらくして、ゲンドウが静かに1歩前に出ると「ピタッ」と鳴り止んだ。
子供達の間にも緊張が走る。

「・・・皆、よくやってくれた。
 シンジ、レイ、アスカ君、アスナ君、マナ君、渚君、本当によくやってくれた、感謝する。」

そう言うと、ゲンドウは子供達に頭を下げた。
これには子供達で無く、大人達も驚く。

(貴方が頭を下げるなんてね、久しぶりに見たわ。)

ユイは驚いた表情から、柔らかい表情でゲンドウを見ていた。
皆が一言も発する事が出来ないでいると、シンジが1歩前に出る。

「父さん・・・頭を上げてよ。」

ゲンドウは頭を上げ、シンジを見る。
シンジもゲンドウから目線を逸らす事無く見つめる。

「「・・・・・・・。」」

「2人で見詰め合ってても仕方が無いでしょ。」

「あっ、うん。」

「そ、そうだな・・・。」

ユイの一言に照れくさくなってしまったのだろう、2人はお互いに目線を逸らした。
そのまま、ゲンドウは後ろを振り返り職員達を見る。

「・・・君達もよくやってくれた。
 ユイ、キョウコ君、赤木博士、冬月、伊吹君、日向君、青葉君、少ない人数でよくやってくれた、ありがとう。」

またも頭を下げるゲンドウ、それには冬月が答えた。

「今日はいい日だな・・・。
 平和が守られ、珍しいものが見られた、彼らには本当に感謝せねばならんな。」

「そうですね、後にも先にもこれっきりでしょうしね。」

ユイと冬月が目線を子供達に向ける、子供達は照れ笑いを浮べていた。

「じゃあ、貴方達はシャワーを浴びて着替えてらっしゃい。」

「「「「「「はい!」」」」」」

キョウコに言われるままに、子供達は更衣室へと向った。



子供達が見えなくなってから、大人達の顔は渋いものへと変わる。

「私達はこれからが大変ね。」

「そうですね・・・エヴァの処理、情報の公開等、様々な問題がありますから。」

「私達はどうなるんですか?センパイ。」

「幸いと言うのかな、使える技術は沢山あるのだ、民間の研究所になるだろう。」

マヤの問いには冬月が答えた。
それで無くても、『Magi』があると言う事の発言だろう。

「しかし、我々は研究者ではありません・・・。」

「確かにそうっすね、俺らはオペレーターですから。」

冬月の発言に日向・青葉の両名が発言する。
確かに、ユイ・キョウコ・リツコ・マヤ・冬月・ゲンドウは問題無いだろう。
しかしこの2人はまったく畑が違うのだ、不安になるのは仕方ないだろう。

「・・・研究所になるとしても、必要なのは研究者だけではない。
 だから、君達にはここで働いてもらうつもりだ、安心したまえ。」

「「は、はいっ!」」

どんな仕事があるのかわからなかったが、無職にならなくて済むのが嬉しい2人であった。

「何にせよ、国連を始めとした各組織に、ゼーレの滅亡を知らせないとね。
 皆、発令所に戻りましょう。」

ユイの言うままに発令所へと向う大人達、子供達にも連絡するのを忘れない。



発令所

ユイ達が戻ると、そこにはミサトと加持がいた。

「皆帰っちゃったと思いましたよ、ユイさん。」

「ごめんなさい、子供達を迎えに行ってたから。」

そんな会話をしていると、加持がミサトに小声で話しかける。

「(司令に報告しなくていいのか?)」

「(そ、そうだったわね。)碇司令!」

「・・・なんだ。」

呼ばれたゲンドウが2人の前に立つ、それだけで緊張感がミサト達を襲う。

「葛城・加持両名、ただいま帰還しました。
 ゼーレメンバーは全滅、事実上の組織壊滅です!」

「・・・我々は軍隊ではないのだ、堅苦しい報告はしなくてもいい。
 しかし、よくやってくれた、感謝する。」

頭を下げたゲンドウに、ミサト達は驚くしか出来なかった。

「こ、これで父の仇を討てました、今度は父に復讐です。」

「お父様に?」

「ええ、内容は秘密です。」

ユイが聞き返したが、ミサトは秘密と言うだけで答えない。
そう言われると知りたくなるのだが、聞かないのがここのメンバーのいい所だった。
そんな時、発令所のドアが開いた。


『あっ・・・。』

子供達の視線がミサトと行く、途端に3人が声を上げる。

「「ミサトさんっ!!」」

「ミサトッ!!」

「シンジ君、マナちゃん、アスカ!!」

アスカとマナがミサトの元へと駆け寄り、何かを話し始めた。
それを離れた所でシンジは見ていた。

(よかった・・・ミサトさんが無事で。)

「いよぉ、シンジ君。」

「加持さん!」

「いやぁ、誰にも呼んでもらえないのは悲しいもんだよ。」

「す、すいません。」

泣き真似をしながらそう言う加持に、ただただ謝るしかないシンジ。
流石に満足したのか、泣き真似を止めてシンジを見る。

「危なかっただろう、エヴァシリーズ。」

「ええ、攻撃が通用しなかったですから。
 でも何故か途中から効果あったんですよ・・・って、まさか?!」

「そう、ドイツに行ったのは正解だった様だ。
 ゼーレの本拠地に制御装置のようなものがあったからな、ちょちょいとね。」

「助かりました、そうでなければ殺られてましたから。」

『パンパンッ!』

誰かが手を叩いたがすると、音の発生源に視線を向ける。

「今日は皆、お疲れ様!
 細かい事は明日にして、今日はこれで解散しましょう!」

『はいっ!!』

「それじゃ皆、また明日ね!」

ユイがキチッとまとめると、全員が家へと帰り始めた。
残っているのは碇邸に住んでいる者と、ゲンドウだけだ。

「キョウコ、私はゲンドウさんと話があるから先に帰ってて。」

「わかったわ、子供達と一緒に帰るわね。」

「頼むわ。貴方、それじゃあ行きましょう。」

「ああ・・・。」

そう言うと、2人は奥へと消えていった。

「それじゃあ、帰りましょうか?」

「「「「「「はいっ!」」」」」」

子供達はキョウコが運転する車に乗って家へと帰っていった。





司令執務室

ユイとゲンドウはここに来ると、お互い椅子に座った。

「・・・終わったな。」

「ええ、あの子達には感謝してるわ。
 私もキョウコも還ってこれたし、ゼーレも壊滅出来た・・・・・。」

「これから、新しい未来が始まるのだな。」

「シンジにレイ、アスカちゃんに渚君には、本当に幸せになってもらわないといけないわ。」

ユイが遠くを見ながら子供達のことを口にすると、急にゲンドウが落ち着きを無くした。
そして、彼は遠慮しながら尋ねた。

「・・・それで、だ、私はい、一緒に住んでもいいのだろうか?ユイ。」

「構わないわよ。」

「そ、そうか!」

あっさり許可が出た事に喜ぶゲンドウ、余程嬉しいらしい。

「シンジを避ける事も無くなったし、家族で仲良く暮らしましょう。
 ・・・まあ、大所帯だけどね。」

「構わんよ、全員まとめて面倒を見る覚悟は出来ているからな。」

「それじゃ、帰りましょうか?」

「ああ・・・。」

『スッ・・・。』

立ちあがったゲンドウの腕を、ユイは自分の腕を絡ませる。
 
「お、おい・・・ユイ?」

「いいじゃありませんか?こう言うのもいいでしょう、たまには。」

「・・・も、問題無い。」 

こうして、2人揃って家へと帰るのであった・・・・・。







それから数日後、冬月の言った通りになった。

ネルフは民間の研究所として出発、碇ゲンドウ・冬月コウゾウの両名には罪は問われなかった。

そのまま、ゲンドウが所長、冬月は副所長となる。

新・東方の三賢者が頭となって、いろんな研究を開始。

マヤはリツコの研究助手となり、日向・青葉両名は雑用係として働いている。

ミサトと加持は警備担当、研究所の警備と警備員の教育に勤しんでいる。



一方の子供達はと言えば・・・・・・・。

学校が再開し、無事に中学を卒業。

全員が同じ高校に受かったものの、入学式の日の朝にカヲルが行方不明となる。

その時のレイは、昔の様に「人形」と言う言葉が似合う状態になってしまった。

大人達の必至の捜索も実を結ばなかったものの、子供達の励ましにより復活。

シンジとアスカの交際は順調、高校の文化祭でベストカップルに選ばれた。

高校を卒業後、シンジとアスカは大学へ進学。

進学しないレイ・マナ・アスナは碇邸から出ていった。


















               
                  The Restart Of Evangelion

                      最終話 「新しい未来、幸せの始まり」


















2025年・夏 第3新東京市







あの戦いから10年が過ぎ、子供達は、大人達はそれぞれの時を過ごしていた。










レイ・カヲル編

街を見下ろせる高台に、2つの人影があった。

「久しぶりだね、この街は・・・。」

「そうね、貴方は8年振りだもの。」

先に声を発したのは、かつてエヴァンゲリオン四号機のパイロットであった渚カヲル。
それに答えるように話したのは、同じくエヴァンゲリオンの零号機パイロットだった綾波レイ。

「どう、最近は?」

「・・・変わらないわ。
 書きたいものを書いているだけ、そう言う貴方は?」

「気の向くままに世界を駆け巡ってるよ。」

そう言って、お互い笑いあう。





レイは高校を卒業した後、小説家としてデビューした。
高校時代に書いてた作品が賞を受賞し、その受賞パーティーで編集長自ら口説いてきたのだ。
本を読むのが好きだったので、自分でも書いてみたいと思った。
その作品で賞を取り、自分に『もっと書いてみないか?』と言うのだ、レイは躊躇せずに首を縦に振った。

それからが凄かった。
賞を取った作品も単行本化され発売され、100万部を売り上げる大ベストセラーになった。
その後に書いた作品も全部がベストセラーになり、今や知らぬ者はいないほどの超売れっ子作家になっていた。
ちなみに、彼女の作品は全部が女性向けだが、耽美系ではない。



一方のカヲルはと言えば、無職である。
彼は高校の入学式に現れず、行方不明となっていた。

実は彼は中学を卒業後、当ての無い旅に出た。
幸いにもあの戦いで得た、多額のお金のがあったので、世界中を回り、いろんなものを見て回る生活をしている。
ちなみに、恋人関係であったレイに手紙を送ったのが入学式から半年後、それから定期的に手紙がくる事になった。
無事なのが確認されたものの、今日の今日まで日本には帰ってこなかった。





「皆とも久しぶりだなぁ、元気かな?」

「これから会うんだから、それでわかるわ。」

「君は誰とも会っていないのかい?」

「・・・ええ、忙しいもの。」

カヲルはチラリと腕時計を見る。
『時間』にはまだ少し早いが、レイに声をかけた。

「さて、行こうか?」

「・・・まだ大丈夫なはず、もう少し2人で話がしたいわ。」

「寄って行く所があるんだよ、一緒に行こう。」

「わかったわ。」

歩き出すレイの腕を取るカヲル、いきなりの行動にレイは驚く。

「な、何を?!」

「こう言うのは嫌いかい?」

「(フルフル)」

「じゃあ、行こうか。」

「(コクン)」

こうして、2人は腕を組みながら、何処かへと向っていった。







マナ・アスナ編

『霧島マナ
 惣流=アスナ=ラングレー』

これは、とある高級マンションの1室のネームプレート。
彼女達は高校を卒業すると同時に出ていき、2人暮らしをしていた。

その部屋のリビングには写真が飾ってあり、その日付は3年前。
笑顔の2人の『花嫁』を中心に、友人・知人が苦笑いを浮かべている。
その花嫁の名は、エヴァンゲリオン参号機パイロットだった霧島マナと、弐号機のパイロットだった惣流=アスナ=ラングレー。
この写真の変わっている所は、『花嫁が二人であって、横に花婿がいない』と言う事だ。
そう、この2人はついに『同性結婚』をしたのである。

その2人は寝室で『お楽しみ』の真っ最中であった。



「アスナ、そんな事ダメぇ〜♪」

「お姉様・・・かわいい♪」     



      〜お楽しみ中〜



「お、お姉様、わ、私、私・・・ダメですぅ!!」

「私も、もうダメ・・・アスナぁ〜!!」


(以上、抜粋してお送りしました♪)



『お楽しみ』が終わり、ベッドで横になっている2人。
アスナは天井を見ているマナの横顔をじっと見ていた。

「どうかしたんですか?お姉様。」

「・・・えっ、なんか忘れてる気がするのよ、今日。」

「今日、ですか?」

「そうだった気がするんだけどなぁ、わかんない!」

「・・・・・・・あーーー!!!」

アスナは何かを思い出した様で、大声を上げると同時に起きあがった。

「ど、どしたの?」

「そうですよ!今日は『大事な日』じゃないですか!!」

「あ〜〜〜、そうよーーー!!!」

マナも思い出したのか、勢いよくベッドから起きあがった。
そして、時計を見ると・・・・・固まった。

「時間が無いわーーー!!!」

「シャワーを浴びて、着替えて、急ぎましょう!!」

ドタドタと走り回る2人がいた。
アスナが着ていく服を出し、マナがシャワーの準備をする。

「時間が無いわ、2人まとめて入るわよ!」

「はい!!」

「・・・言っとくけど、時間がないからね。」

少し顔を赤らめているが、声の調子は真剣そのもののマナ。

「わかってますよ、それは帰ってきてからにしますね♪」

「そう言う事、急ぐわよっ!!」

2人でバスルームに駆け込んで30分、髪を乾かしセット、さらに着替える事で1時間が経過。
2人で時間を確認、『時間』まで10分ほどだ。

「な、なんとか・・・間に合ったわね。」

「は、はい・・・い、行くのには5分も、かからないですから。」

「じゃ、じゃあ、行くわよ。」

「は、は〜い・・・。」

ビシッと決まった格好に反して、疲れた表情の2人は家から出かけるのであった・・・・・。







日向・青葉編

彼らは目的地に向って歩いていた。
予定では『時間』には充分に間に合うのだろう、談笑している。

「皆、って言っても子供達に会うのは久しぶりだよなぁ。」

「そうっすね、もう『子供達』って歳でも無いですけどね。」

あれから10年、自分達は後数年で『中年』と呼ばれる年齢になるし、かつての子供達は今や立派な『大人』だ。

「皆って事はさ、渚君も来るのか?」

「今日は来るでしょう、大事な日っすからね。」

彼らはカヲルがいなくなった時に探した一員でもあり、無事が確認されたのを知っている。

「マナちゃんとアスナちゃんにもビックリしたよなぁ・・・。」

「アメリカまで行くとは、思っても見なかったっすよ。」

結婚式に参加した2人、まさか式を挙げるとは思わなかったようだ。

「後は職場って会ってるからなぁ。」

「まあまあ、同窓会だと思えばいいじゃないっすか!」

「まあ、そうだな。」

こんな事を言いながら、足は確実に目的地へと向っている2人だった。







冬月編

彼は研究所となったネルフにいた。
自分の上役に当るゲンドウは休みを取っており、彼が溜めた書類の整理もしなければならなかったのだ。

(まったく・・・私に対する嫌がらせか、碇の奴め!)

苦々しく重いながら、手だけはてきぱきと動いている。
もう、いい年なのにも関わらず、その動きは若者にも負けてはいない。

「・・・私はこれで失礼するが、研究報告は主任と所長に提出するので、まとめておくように。」

『はい、お疲れ様でした!』

若い研究員達が挨拶をするのを、ホッとした顔で聞きながら、その場を後にした。

(まったく、私もいつまでも働いてはおらんのだぞ、碇・・・。)

『今日こそははっきり言ってやろう!』

そんなオーラを纏いながら、冬月は目的地へと急ぐ。







リツコ・マヤ編

リビングでくつろいでいるのは、新・東方の三賢者と言われる赤木リツコ。
恋人がいれてくれたコーヒーを飲みながら、雑誌に目を通していた。

「センパイ!後片付け終わりました!!・・・そのコップを除いて。」

キッチンから現れたのが、リツコの恋人兼研究助手の伊吹マヤ。
この2人もマヤ・アスナの様に一緒に生活しているが、結婚はしていない。
式に参加したマヤに「私達も!」と言われたが、「この年齢でウエディングドレスはちょっと・・・。」と断ったのだ。
結果として、式は挙げてないだけで、状況はほとんど一緒である。

「ご苦労様、今日だったわね?」

「はい、あの子達に会うのは久しぶりですね!」

「そうね、内2人は毎日見てるけどね。」

「まあまあ、あれから10年ですよ。
 立派になったあの子達を見て、騒ぐんですから。」

そう言って笑っているマヤ、余程楽しみにしているようだ。

「騒ぐのが好きなのはミサトでしょ。
 全員がお酒飲める歳になったんだから・・・凄い事になるわよ。」

親友のミサトが暴れるのが気になるのだろうか、リツコは苦笑いを浮かべている。

「そろそろ行きませんか?」

「そうね、早く着きすぎたなら手伝えばいいでしょ。」

「はいっ!!」

既に、出かける準備が整っている2人。
腕を組みながら、目的地へと向うのであった。







ミサト・加持編

子供達が集まると言う事で、ユイから連絡を貰ったミサトと加持は車に乗り込んだ。

「このまま直行していいのか?」

「悪いんだけどさ、先に共同墓地に行ってくれる?」

「わかった。」

加持は答えると、車は共同墓地へと向って行った。



共同墓地

ここにはかつて、ユイの墓があった所である。
今ではそれは撤去されていて、あった所には別の人の墓が立っている。

車は入口に止まると、ミサトだけが降りた。

「悪いわね、気を使わせて。」

「挨拶は10年前にしたからな、ここで待ってる。」

「ありがとう。」

お礼を言うと、そのまま奥へと消えていった。

(何をするのかわからんが、親父さん絡みなら行かんほうがいいだろう・・・。)

懐から煙草とライターを取り出し、窓を開けて吹かし始めた。



ミサトはと言うと、目的の墓の前に到着し、手を合わせていた。

「・・・・・・・。」

数秒、そうした後に手を離し、語り始めた。

「お父さん、復讐が終わった報告に来たわ。」

「貴方は研究ばかりで家族を大事にしなかった、私はそれが許せなかった。
 母さんと私を放って置いて研究所三昧、泊まり込みで研究、ちっとも家に帰ってこない貴方を憎んだわ・・・。」

「だって、そうでしょ?
 母さんの誕生日も、結婚記念日も、私の誕生日にも帰ってこないんだもの、誇りには思えないわ。
 思えば、子供ながらに誓ってたのかもしれないわ・・・。」

「私は家庭を大事にする親になる、ってね。」

「貴方が殺された仇を取って、すぐに結婚したわ。って、それは報告したものね・・・。
 それから10年、お互いを大事に、家庭を大事にしてきたわ。」

「けどダメね・・・親を仇に思った罰なのかしら?
 私は子供に恵まれる事無く、この歳になってしまったわ。
 ・・・親友にも言われたもの、『その歳では諦めなさい。』ってね。」

「今でも、今でも幸せよ。
 でもね、もしも子供がいたら・・・って、子供がいたらもっと幸せになれたかもしれない、って思うの。」

「もう、わかるでしょ?
 私の貴方に対する復讐は・・・・・失敗に終わったわ。」 
 
「もう来ないわ、次に会う時は『あの世』って所かしらね。」

自分の言いたい事を言ったミサトは、その場所を後にした。

車に向う彼女の目には光るものが浮んでいた・・・・・それはどういう意味なのだろうか?



「おまたせ!」

「おお、無事に終わったのか?」

「ええ、行きましょ!」

ミサトが助手席に乗り込むと、加持は目的地へと車を走らせた。







碇家・惣流親子編

とある場所で、とある部屋の中で、1組の母娘が会話をしていた。
一見すると姉妹にも思えるような2人、片方は母である、惣流=キョウコ=ツェッペリン。
もう片方は娘の、惣流=アスカ=ラングレー。

広い部屋の中で、2人は椅子に座って話をしていた。

「ママ、アタシのこの格好・・・似合うかな?」

「ええ、とっても素敵よ、アスカちゃん。」

誉められたのが嬉しかったのか、顔を赤くするアスカ。
そんな娘を微笑みながら見るキョウコ、目には光るものが浮んでいる。

「どうしたの、ママ?」

「うん・・・アスカちゃんが綺麗なのと、まともでよかったって事の嬉し涙よ。」

「大丈夫よ、アタシはあの子とは違うもの、安心して。」

「ええ、ごめんなさい。
 こんなおめでたい日に、こんな涙を流すなんて・・・母親失格かしら。」

「そんな事無い!
 アタシがママの立場だったら、泣いてるだけじゃ済まないかもしれないもの。」

(た、確かにね・・・。)

キョウコはそう思った。
アスカは口より腕が動くタイプだ、自分の娘が『あんな事』をしでかせば、何をするかわからない。

『コンコン』

「どちらさま?」

ノックされたドア、キョウコがドアまで近づき、相手を確認する。

「シンジですけど・・・いいですか?」

「どうぞ。」

「!!」

ドアが開けられ、中に入ったシンジは絶句した。
目の前にいるアスカがあまりにも綺麗だったからだ。

(今まで見た中で、1番綺麗だよ・・・。)

「・・・どこか、変かな?」

何も言ってくれないシンジに、アスカは暗い声で尋ねる。
我に返ったシンジは、激しく首を振って否定した。

「そ、そんなこと無いよ、あまりに綺麗で見とれてたんだよ、本当だよ!!」

「あ、ありがとう・・・。」

顔を真っ赤にして俯く2人。
キョウコは気付かれない様に、そっと部屋の外へ出た。



「若い2人はどう?キョウコ。」

「ん?ダメダメ、始めてだから緊張してるのね、上手く話せないみたい。」

「・・・アスカ君に見とれてたのだろう、私もそうだった。」

外に出ると、キョウコに声をかけたのは碇ユイ、シンジの母親だ。
ユイの横に立つのは、シンジの父親の碇ゲンドウ。


ゲンドウは髪に白髪が目立ち始めたと言うのに、ユイとキョウコは10年前から変わっていない。
リツコを始めとする、若い研究員達が尋ねた所・・・・・。

「エヴァに取り込まれたから、かしらね?」

「そうかもしれないわね。」

と言うだけで、わからない。
本当に取り込まれたからかもしれないが、詳細は不明だ。


「私もそうだったって、貴方もそうだったの?」

「あ・・・まあ、そうだな、君は綺麗だったからな。」

柄にもなく照れるゲンドウ、一方のユイは不機嫌そうだ。

「だった、過去形なのね?」

「ち、違うぞ!今でも綺麗だぞ、自慢の妻だ。」

「よろしい。」

「仲がいいわね、羨ましいわ。」

夫のいないキョウコには、2人のやり取りが羨ましかった。
アスカの事も、父親と一緒に誉めてやりたいと思うと・・・少し悔しくなる。

「何だったら、あげるわよ?」

「いらない。」

即答された瞬間、ゲンドウは真っ白に燃え尽きていた。

「早いんだか、遅いんだか・・・あの子達が『結婚』だものね。」

「そうね、周りの皆が老けてくわけよね〜。」

気にされることもなく、2人は雑談を始めるのだった。



式場・花嫁控え室

ここには椅子に座ったまま、黙っているシンジとアスカがいた。

「「・・・・・・・。」」

(な、何か話さないと、ここは僕が何とかしないと・・・。)

(こう言う雰囲気って苦手なのよねぇ、何か話さないと・・・。)

話す気はあるのだが、言葉が上手く出てこない2人。


『コンコン!』

どれくらいそんな時間が過ぎたのだろう、不意にドアがノックされた。

「は、はい!」

シンジが慌てて立ち上がると、係員の人が入ってきた。

「お式の準備が出来ました、こちらへ・・・。」

進められるまま、後を歩く2人。
廊下にいたはずのユイ達も式場へと案内されたのか、姿は見えなかった。

「それでは、ここでお待ちください。」

そう言って、ドアを開ける為にそこにとどまる係員。
当の2人は未だに無言であった。

「・・・緊張、なさってるんですか?」

「は、はい。」

「花嫁様も?」

「え、ええ。」

笑顔なのだが、どこか固い2人、確認しなくてもわかるくらいに緊張していた。
係員は、そんな2人に笑顔でこう言った。

「大丈夫、中に入れば緊張は飛んでいきますよ。
 ここさえ乗りきれば、お祭り騒ぎの披露宴です、頑張って下さい。」

当たり前の事だった。
だが、それを聞いたシンジとアスカは落ち着いていた。

「そうですね、忘れてました。」

「そう言えばそうね、皆来るんでしょ?
 早く会いたいなぁ、楽しみよね、シンジ!」

さっきまでの雰囲気はどこへやら、早く終わらせたい気持ちが出てきた。

「時間のようですね、どうぞ・・・。」

そして、大きな扉が開かれた。

『皆に会いたい。』

2人はそう思いながら、中へと入っていった。



お約束の文句を聞きながら、式はどんどん進行していく。
ドラマなどでよく聞くからだろうか、2人はあまりの退屈に欠伸を我慢している。
そして、メインイベントへ・・・。

「それでは、近いの口付けを・・・。」

神父の言葉が言い終わると、お互いに向き合う2人。
アスカの顔にかかっているヴェールを上げ、顔を露にする。

「アスカ・・・。」

「シンジ・・・。」

お互いに相手の名前を呼び合う。
それを合図にして、お互いの距離がどんどんと無くなっていく・・・。

『チュッ・・・・・』

軽く触れればいいものを、いつもの調子で長い時間キスしている2人。
見かねた神父が声をかけた。

「程ほどでいいのだよ、程ほどでね。」

瞬間、会場が笑い声に包まれた。
当事者2人は顔を真っ赤にしながら、終わるその時を静かに待っていた。







披露宴会場

主役の2人が来る前に、ここは大盛り上がりであった。
久々の再開の挨拶をよそに、話のネタは先ほどの『キス事件』だ。

「しっかし、あんな時間キスするとはねぇ〜。」

「若いっていいですね、葛城さん。」

「・・・おじさんですね、日向さん。」

「そんな事言ってはダメだよ、気にしてるんだから。」

「同じ歳じゃないですか、青葉さんも。」

「マヤさんも、ですよ。」

「渚君は私の彼女を侮辱したわね・・・。」

「まあまあ、リっちゃん落ち着いて。」

「・・・私もアレ位すればよかったかな。」

「やめておけ、その場で逃げられるのがオチだ。」

「副所長・・・キツイですね。」

「私達もアレ位すればよかったですね、お姉様。」

「そうねぇ、今しちゃう!!」

「んっ!?」

今まで騒いでたのもどこへやら、マナとアスナのキスに皆がくぎ付けに。
不意打ちとはいえ、アスナも気分が出てきたのか、腕を背中へと回す。

「・・・・・・・どう?」

「大満足ですぅ〜。」

すっかり蕩けてしまったアスナ、会場にいた全員はこう思った。

『物凄いテクニシャン?!』



騒ぎも一段落した所で、会場の照明が暗くなった。
ミサトが慌てて司会席へと走る、自分からやりたいと言い出したのだ。

「皆様、お待たせ致しました!
 主役のお2人の登場です、拍手でお迎え下さ〜い!!」

『ぱちぱちぱちぱちぱち・・・・・・・』

衣装を着替え、2人仲良く会場へ入ってくる。
2人が席に座ると、ミサトが言葉を続けた。

「え〜、今日はおめでたい日です。
 シンジ君とアスカは結婚し、久しぶりにあった人達もいます。
 まどろっこしい事はしないで、じゃんじゃん飲んで、騒いで、結婚と再会を祝いましょう!!」

当の2人は覚悟をしていたのだろう、苦笑いを浮かべながらミサトを見ていた。

「皆様、お手持ちのコップを高々と上げてください、いいですか〜・・・・・乾杯!!」

『かんぱーーーい!!!』

コップ同士が触れ合う高い音が一斉に鳴り響く、宴会の始まりの合図だ。



             〜1時間後〜



大人達は大人達で盛りあがっていた。
子供達はと言えば、アスカにはマナ・アスナが、シンジにはレイ・カヲルが話をしていた。

「そう言えばさ、アンタ達とは近所なのに会わないわねぇ。」

ちなみに、アスカとキョウコはずっと碇邸に住んでいる。

「私達は夜のお仕事だからね、そりゃ会わないでしょ。」

「そうですよ、お店も研究所の逆方向にあるんですから。」

「何で?」

「何でって・・・研究所の近くに店なんか建てたくないわよ。」

「会わないって、電話もメールもした事無いじゃないですか!
 ・・・私達のメールは無視するし。」

「当たり前でしょ!
 『一緒に交じりませんか?』なんて送ってきて、『いいわよ!』なんて言えるわけ無いでしょうが!」

このメールはマナ達が休みの日に毎回送ってきているもので、何度無視しても休みの度に送って来ている。
家は知ってるのだが、直接乗りこむのは恐いので無視している。

「お店って儲かってるの?」

「今や全国に出店してるのよ!」

「こう言う場所を求めている人達が多い、って事ですよね。」

店の名前は『百合の園』、名前の通り(?)女性の同性愛者たちが集まるバーだ。
近々、アスナの故郷のドイツにも出店予定らしい。

「はあ・・・何とか言ってやってよ、シンジ。」

横を振り向いたものの、シンジは既にそこからいなくなっていた。
一緒にいたカヲルも消え、そこにはレイだけが立っていた。

「あれ、シンジは?」

「・・・彼と大事な話をしているわ、後で呼ぶから待ってて。」

「ちょ、ちょっと、レイ?!」

そう言うと、レイも式場から出て行ってしまった。
追いかけ様と席を立つアスカだったが・・・・・。

「まあまあ、『百合の園』の話を聞いてきなさいよ。」

「大丈夫ですよ、浮気は無いでしょうから。」

「・・・わかったわよ。
 でも、お店の話はしないでいいわ、絶対に行かないから!」







式場・廊下

シンジとカヲルが待っていると、式場からレイが現れた。
横に立ったのを確認すると、カヲルが口を開いた。

「さて、シンジ君。
 君に聞きたい事があるんだけど、いいかな?」

「いいけど、かしこまってどうしたのさ、カヲル君。」

顔を見ただけでいつものカヲルでない事はわかった。
笑顔が無いのだ、その表情は真剣そのものである。

「君は・・・・・。」

「・・・いい、私が聞くわ。」

カヲルの言葉を手で遮ると、今度はレイがシンジに向かって口を開いた。

「貴方はここへ還ってくる時に約束をしたわ、覚えてる?」

「・・・覚えてるよ。
 
 『アスカを、みんなを守りたい。』 

 そう願って、僕は還って来たんだ。」

レイはその答えに頷くと、話を続ける。

「貴方は約束を果たせたかしら?
 今のこの状況がどう、とかでなくて、貴方の言葉で話してくれる・・・。」

「一体どうしたのさ、2人共・・・。」

「逃げないで欲しい、これは君にとって大事な事なんだ。」

(よくわからないけど・・・答えなければならないんだな。)

カヲルの一言で、シンジはこの場から逃げるのを止めた。
一つ息を吸って、ゆっくり吐いた後、シンジの口が開いた。


「果たせた、僕は約束を果たせた。」
 
「『と思う』とは言わない、アスカがいて、僕がいて、皆がいる。
 前回で死んでしまった人達がここにいる、一つの空間で笑いあっている。」

「皆がそれぞれの道を歩く事が出来る世界、僕らが生きていく未来を守れた。」

「だから、僕は言う、『僕は約束を果たせた』って。」


シンジの口が閉じる。
カヲルとレイはお互いを見合うと、頷き、シンジの方へと向き直した。

「そう、君は守ったんだ。
 そのおかげで、僕も彼女も『未来』と『幸せ』を掴む事が出来た。」

「お兄ちゃんのおかげ・・・。
 こうして、碇君をお兄ちゃんと呼べるようになったし、家族も出来た。
 私にも『幸せ』を掴めたわ、『未来』は彼と一緒に歩んでいくわ・・・。」

その言葉を聞いたシンジは、ゆっくりと首を横に振った。

「違うよ、僕一人の力じゃ上手く行かなかったよ。
 カヲル君がいて、レイがいて、アスカがいて、皆がいたから出来たんだ。
 2人が『未来』と『幸せ』を掴むことが出来たのは、僕だけの力じゃないんだよ。」

「そうかもしれないね。
 でも、僕は君と同じ時を過ごせる事を嬉しく思うよ。」

「ありがとう、カヲル君・・・。」

カヲルはそう言って、右手を差し出した。
シンジはそれを握り返す。

「お兄ちゃん、アスカと話をして。
 あの2人の相手は私と彼でやるから・・・。」

「わかったよ、レイ。」

レイはそのまま式場内に入ると、アスカが現れた。
それと入れ替わる様に、カヲルが中へと入っていく。

「それじゃ、また、シンジ君。」

「うん。」

「シンジ君とゆっくり話すといいよ。」

「言われなくても、そうするわよ。」


お互い笑って声を掛け合うと、アスカがシンジの前に着いた。

「で、話って?」

「えっ、ああ、うん・・・。」

「じれったいわねぇ、そう言う所は『前』と変わってないんだから。」

文句を言うものの、顔は怒っていない。



「あのさ、アスカはさ、僕と一緒になって『未来』と『幸せ』が手に入ると思う?」

「はぁ?なに当たり前の事言ってんのよ!」

「ゴ、ゴメン・・・。」

「バ〜カ・・・アタシは、アンタじゃなきゃダメなのよ。」

「そ、そうなんだ、僕もだよ。」

「バ、バカ!何恥ずかしい事言ってんのよ!!」

「さっきさ、カヲル君とレイにさ、聞かれたんだ。
 『還って来る前にした約束は守れたか?』って、アスカもそう言うのあるのかな?」

「内容は言わないけど、今日で完全に叶ったわ。」

「そっか・・・僕も約束を守れたって答えたんだ。」

「うん・・・。」

「でね、今凄く幸せなんだ、大好きなアスカと結婚出来たんだもん。」

「ア、アタシも・・・シンジと一緒になれて嬉しい、よ。」

「これからも、よろしくお願いします。」

「こ、こちらこそ、よろしくね、シンジ!」

2人がいい雰囲気を出していると、式場からお邪魔虫が現れた。

「な〜に、主役の2人がこんな所にいんのよ!
 さっさと戻ってらっしゃい、今日は朝まで飲むわよ〜!!」

「勘弁してくださいよー、ミサトさん!!」

「そうよ、加持さんがいるでしょうが!!」

「・・・アイツはとっくに潰れてるわよ、ほらほら!」

「「助けてー!!」」

哀れ、こうして2人は朝までミサトの相手をする羽目になったとさ。






































自らの手で『未来』と『幸せ』を得た子供達がいた・・・。


閉じられた『未来』を取り戻さんと戦った子供。


愛しい人に素直な気持ちを伝えて『幸せ』を得ようと戦った子供。


大事な人の為に『力』を使った子供達。


新しい『人生』で精一杯戦った子供。


新たな『仲間』として皆と戦った子供。


今、『幸せ』の絶頂にいる子供達に、もっともっと幸せが訪れます様に・・・・・・・。






































<後書き>

どうも、ウエッキーです。

今回で「The Restart Of Evangelion」は終了です。

送りつづけて54作品目、タームさんには本当にお世話になりました。m(_ _)m

メールで感想を送ってくださった方々、意見してくれた方々、本当にありがとうございました。m(_ _)m

今後の事は考えていませんが、何か出来たら送ろうかな、っと。(^^;

そうなりましたら、よろしくお願いしますね、タームさん♪

でわでわ、失礼します。


マナ:ウエッキーさんっ。完結おめでとー。そして、素敵な話ありがとうね。

アスカ:最高の幕引きだわっ! やーっぱ、こうじゃなくちゃっ!(^O^v

マナ:わたしは・・・・・・でも、素敵な番外編を貰ったから、いいわっ!

アスカ:テクニシャンには、まいったわ。

マナ:(ーー;

アスカ:最終話のコメントで、そんな顔しないの。

マナ:アスカが余計なこと言うからでしょ。

アスカ:マナはどこが1番印象に残った?

マナ:わたしとシンジが結婚するとこ。

アスカ:それは、番外編でしょっ!

マナ:良い悪いは別に・・・何度も出てきたアスナちゃんとの危険なシーンだけはインパクト強いわ。(ーー)

アスカ:ファーストは?

レイ:私? 私は・・・3話。怒りの鉄拳の快感が忘れられないの。

アスカ:ぞぞぞ。(@@)

マナ:アスカはどーなのよ?

アスカ:アタシは・・・自分のことじゃないけど、やっぱシンジが最後に自信を持ったシーンかな。

マナ:今迄頑張ってきたから言えるセリフよね。(^^v

アスカ:ほんと、素敵な話だったわ。

マナ:じゃ、ウエッキーさん。ありがとーっ!

アスカ:じゃねーーっ!

ミサト:ちょーーーっと待ったーーーっ! なんで、わたしに子供ができないのよーーーっ!

アスカ:歳だからよ。(ーー)

マナ:さよーならーーーっ!(^^/~~~

ミサト:ちょとーーーーっ!
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frontier@tokai.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

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