〜愛のある生活〜

                          第七章 「奥様の異変」








「・・・ごちそうさまでした。」

マナはそう言うと、ダイニングから自室へと戻っていった。



様子がおかしくなったのはここ1週間の事だ。
同じ屋根の下に住む者達はもちろん、夫であるシンジも原因がわからないでいた。

ユ・「変なものを食べるなんて事は無いでしょうし・・・どうしたのかしら?」

レ・「・・・何か悩んでいるのかもしれないわ。」

シ・「医者に行くように言ってるんだけど、行った様子は無いし・・・。」

ア・「ママはどう思う?」

キ・「見た感じではあまり顔色が良く無いようだけど、医者に連れくのが1番ね。」

ゲ・「シンジ、お前が連れていけ。」

シ・「そうしたいんだけど、仕事の用事でもう出なくちゃ行けないんだ。」

ユ・「私が連れてくわ、貴方はお仕事に行ってらっしゃい。」

シ・「ありがとう。頼むよ、母さん!」

それぞれが仕事へと向う、片付けものを住ませたユイは息子夫婦の部屋へと向った。


『コンコン!』

「・・・はい。」

「私、ユイだけど入っていいかしら?」

「・・・どうぞ。」

ユイが中へ入ると、マナがベッドで横になっていた。

「大丈夫なの?」

「・・・あまり、このごろ食欲が全然無くて。」

ユイはマナの額に手を当て、測ってみるが熱は無いようだった。

「どうしてお医者様に行かないの?」

「そ、それは・・・。」

「? どうしたの、顔を真っ赤にして。」

「あ、あの、原因は予想がついてるんですけど、その、何と言うかですね・・・・・。」

これ以上無いくらいに顔を真っ赤にして、俯く姿は照れているに他ならないだろう。

「・・・妊娠?」

「そ、そんなに大きな声で言わないで下さいよ!!」

「ほ、ほ、本当なの!?」

「た、たぶん、市販の検査薬でも陽性反応がありましたから。」

(なるほど、だからお医者様に行きたくなかったのね。)

ユイは笑みを浮かべながら、マナにこう言った。

「恥ずかしがる事は無いわ、女性の先生のいる所を教えてあげるから。」

「は、はい・・・。」

こうして、マナはユイの付き添いで産婦人科に行くことになった。





「ここよ。」

「こ、ここですか?」

見た感じは『住宅街の中にある少し豪華な一軒家』にしか見えない。
実際に住宅街の中にあり、病院だと言う看板も無い、マナが不思議に思っても何の問題も無かった。

「正確には病院ではないわね。
 けど、大丈夫よ、彼女の実力は私が太鼓判を押すから。」

そう言うと、ユイはその家の呼び鈴を鳴らした。

『キンコーーーン!』

「はーい・・・・・ユイ様?!」

「お久しぶりね、アスナちゃん。」

出てきた女性はそのままユイに抱きついた。

「お会いしたかったですよ〜、あの髭にさらわれてからと言うもの・・・・・・・。」

「お話は後でゆっくりしましょうね、先に用件を言っていいかしら?」

「はい!何でも言ってください、ユイ様の為なら何でもしますから!」

「マナちゃん、こっちにいらっしゃい。」

「は、はい・・・。」

ユイに呼ばれて隣に立つと、アスナと言う女性がマナの体を舐める様に見回す。

「ユイ様、この人は妊娠してますね。」

「!!」

「そうなのよ、そこでアスナちゃんにお願いがあるんだけど・・・。」

「任せてください、ユイ様のお知り合いのようですし、母体に傷つけずに堕胎させましょう!」

その言葉を聞いたマナは、顔を青くしてお腹を庇う様に構えた。

「違うわよ、大事な家のお嫁さんなの。
 ここなら安心して任せられると思って連れてきたのよ。」

「家のって、シンジ君のお嫁さんなんですか?」

そう言うと、アスナはマナを見つめた。
その視線は何か大事なものを見るような視線・・・・・。

「そうよ、頼まれてくれるわね。」

「はい!」

(お義母様を疑うわけじゃないけど、本当に大丈夫なのかしら?)

そんなこんなで、3人は建物の中へと入っていった。



「改めて、私の名前は桐生アスナ、よろしくね♪」

「は、はい、私は碇マナです、よろしくお願いします。」

「それじゃ、早速診察したいんだけどいいかな?」

「は、はい。」

案内されるままについて行くと、いろんな器具が置いてある部屋へと連れてかれた。

「それじゃ、こちらの指示に従ってくださいね。」

「はい。」


             〜ただいま診察中〜


「えっと、マナさん。」

「はい。」

アスナは頭を下げた、と思ったら頭を上げ、笑みを浮かべてこう言った。

「おめでとうございます、妊娠2ヶ月です。」

「ほ、ほん「本当なの?!」

「ユ、ユイ様?」

「もうすぐ、あと少し待てば孫を抱けるのね!!」

ユイはアスナを首を掴みながら、前後に激しく揺すりつつ聞き返す。

「お、お義母様!そのままだと、アスナさんが死んでしまいますよ!!」

「あ、あら?」

「ゲホッ!ゲホッ!」

苦しかったのだろう、息を吸い込み咽ているアスナ。

「と、とりあえず、今年中にはお孫さんを抱けますよ、ユイ様。」

「絶対無事に産ませなさいよ、しくじったら・・・わかってるわね?」

「ち、誓います、ユイ様に誓って絶対無事に産ませて差し上げませう!!」


(ごめんなさい、私はとっても不安なんですけど・・・。)

妊娠した本人は盛りあがる2人を見ながら、一層の不安を感じるのであった。





その夜。

『えぇ〜〜〜〜〜!!!!!』

碇家のリビングにて驚きの声が上がった、複数のである。
当事者であるマナは居心地悪そうに、顔を真っ赤にして下を向いていた。

(そ、そんな声をあげなくてもいいじゃない・・・。)

不機嫌な顔をしているマナ、そこにアスカが口を開く。

「へ、へぇ〜、アンタ達が親になるなんてねぇ。」

「何よ〜。」

「いちゃいちゃしすぎて子供に悪い影響を与えないか心配ね。」

「何で素直に『おめでとう』って言ってくれないのよ!」

マナの発言に、アスカは柔らかく微笑みながら答えた。

「冗談よ。おめでとう、マナ。」

「・・・ありがと!」

「それで、今って何ヶ月なの?」

「えっとねぇ・・・。」

すっかり聞き役のレイを含め3人で盛りあがる中、キョウコはユイに話しかけた。

「病院って、あの娘の所?」

「よくわかったわね、産婦人科なら私が1番信用している娘だから。」

「・・・大丈夫なんでしょうね?」

キョウコも知っているのだろう、心底心配そうに尋ねた。

「大丈夫よ。余計な事したら、って言ってあるし、シンジの奥さんなんだから何もしないわよ。」

「? それってどう言う事?」

「あの娘にとって、男の中で特別な存在がシンジなのよ。
 まあ、自分が初めて取り上げた子供だからね、色々と思う所があるんでしょう・・・。」

「でも、マナちゃんって好みのタイプでしょう?」

マナに視線を送る2人、キョウコの表情は晴れてはいない。

「大丈夫よ、私には逆らえないから。」

「・・・そうね。」


それから、5人は時間の許す限り話しこむのであった・・・・・。






深夜・シンジ夫婦の部屋

「ただいま〜。」

「お帰り、シンジ♪」

いつもの様に挨拶を交わした後、シンジはお風呂に行く。
戻って来てから、マナは今日の事をシンジに話した。

「本当なの、それ?」

「うん、2ヶ月だって・・・・・。」

「や、った、やったーーー!!!」

シンジは深夜だというのに気にせず大声をあげた。
普段ならアスカが文句を言いに来そうなのだが、事情を知っているのか現れなかった。

「そっかそっか、名前とか考えちゃおうかな、ベビー用品とかはまだいいのかな?」

「な、名前はいいかもしれないけど、ベビー用品は早いと思うわよ。」

思いがけないシンジの発言に、マナは嬉しく思いながら苦笑いで答えた。







それから数ヶ月が経過した・・・。

「もう随分目立つわね、お腹。」

「もう少しで産まれるんだもん、当然でしょ。」

赤ん坊は順調で、マナのお腹も見てわかるくらいに大きくなっていた。

「・・・幸せそうね。」

「シンジは優しいし、子供も順調だし、とっても幸せですよ♪」

幸せいっぱい、その表情にアスカとレイも何か満たされる感じがした。



碇マナ、もうすぐ出産です♪











<後書き>

『後書き』っというよりは、反省ですね。(−−;

色々とあったとはいえ、すっかり書けない・短い・意味不明。
まったくもって申し訳無いです。m(_ _)m

そんなこんなで第7話ですが、マナさんがご懐妊されました。
何かと激しい『夜の夫婦性活』(字が違う!)をしていた様なので、今更と言う感じです。(^^;
そして、自作『R.O.E』からアスナ嬢が復活。
今回はアスカの妹としてではなく、まったく赤の他人で登場です。
・・・レズな所はそのまんまですが。(−−;

予定としては、次回で終わりです、これ。
オチは想像ついてしまわれるかと思いますが、もう少しお付き合いくださいませ。m(_ _)m

んでわ!



ユイ    「やれやれ、あの子まで出してしまうとはね。」

ウエッキー 「はぁ、使える人がいなかったんで・・・。」

ユイ    「そうね、ナオコさんはお亡くなりになってたものね。」

ウエッキー 「そうなんですよ。」

ユイ    「それにしても、筆が遅いわね。」

ウエッキー 「そんな事はありますよ、他の作品をちょこちょこ書いてたんで・・・。」

ユイ    「・・・怒るわよ。」

ウエッキー 「しかも、二次創作でなく一次創作、オリジナルなんですよ。」

ユイ    「そんな事はいいから、次の話は早く書くように!」

ウエッキー 「は、はひ、了解です!」





<次回予告>

子供が産まれた碇家の若夫婦。
子供が出来たからと言って何かが変わる事など、まったく無し!
けれど、子供はそんな親をよく見ているもので・・・。

次回、愛のある生活 〜最終章〜 「愛のある生活・・・?」

を、お送りします♪


マナ:いやぁ〜ん。幸せの絶頂って感じじゃなーい?

アスカ:い、いつの間に赤ちゃんを・・・。(ーー#

マナ:愛の結晶って感じよねぇ。(*^^*)

アスカ:ゆ、許せないわーーーっ!!!(ーー###

マナ:あら? 身重のわたしに、拳を振り上げるのね。(・;)

アスカ:ぐぐぐぐぐ・・・。

マナ:いいのよ。わたしは。この子さえ無事なら。

アスカ:うがーーーーーーーっ! これじゃ、アタシが悪者じゃないっ!

マナ:フフフフ。完全勝利よーーーーーっ!(*^^*)
作者"ウエッキー"様へのメール/小説の感想はこちら。
frontier@tokai.or.jp

感想は新たな作品を作り出す原動力です。1行の感想でも結構
ですので、ぜひとも作者の方に感想メールを送って下さい。

inserted by FC2 system