・ 自由への道のり、愛の扉 ・

                             プロローグ







僕は、誰かに愛されたくて、この街に来たんだと思う・・・。



きっかけは父さんから貰った手紙。
IDカードと一緒に送られてきた、たった一言「来い」と書かれた手紙。
正直、手紙と言っていいものかどうかわからなかったけど、僕は嬉しかったんだ。

久しぶりに父さんに会えるから・・・。



父さんの事はほとんど覚えてない。
小さい頃に『先生』の所に預けられて以来、会った事も話した事も無かったから。
この街に来る時、どんな人なんだろう?って、色々想像なんかしたんだ。
でも、会った時に僕は、深い悲しみを覚えた。

父さんは僕を息子として見ていないって、わかったから・・・。



ろくに会話を交わせず、初号機に乗せられて、僕は病院送りになった。
聞いたところによれば、父さんは一度も見舞いに来てくれなかったらしいんだ。
でも、病院にはいたんだ。

僕じゃなくて、綾波のお見舞いに来てたんだけどね・・・。



退院して、ミサトさんに言われたのは、父さんとの同居は出来ないって事。
悲しかったけど、嬉しかった。
父さんと暮らす事になったら、何を話せばいいのかわからないし、気まずいだけだろうしね。
そんな時、ミサトさんが言ってくれたんだ。
「私と一緒に住まない?」って、戸惑ったけど、凄く嬉しかったよ。

今では、凄く後悔してるけどね・・・。



葛城ミサトさん。
僕の上司になるのかな?で、同居人。
三度の飯より『エビチュビール』が好きな人。
最初の印象だと、頼れるお酒好きのお姉さん、って感じだったんだ。
でも、家事は一切ダメで、料理は特にダメ。

まだ、この人だけだったらよかったんだけど、もう一人増えるんだよ。

惣流=アスカ=ラングレー、セカンドチルドレン。
自分をしっかり持ってて、美人で可愛くて、魅力的な女の子。
でも、性格は最悪。
僕の事を『バカシンジ』って呼ぶし、これはまあいいんだけど。
家に帰っても何もしないんだ。
人に一切の家事をさせて、そのくせ文句だけは一人前、違うな・・・三人前は言うんだ。

「お風呂の温度が違う!」とか、「ハンバーグの焼き方が甘い!」とか、「下着以外は洗って、干しときなさいよね!」とか色々。

自分では何もしないのにさ、「自分でやればいいだろ。」なんて言うと・・・。
平手が飛ぶんだよ、怒鳴りながら・・・。

「アタシに出来るわけ無いでしょ!」とか、「アンタが黙ってやればいいのよ!」とか、「アタシが怪我してもいいっての?!」とか。

情けないけど、平手が痛くて恐いから、逆らわずにやってるんだけど、それからかな・・・。

『自由になりたい!』、って思ったのは。



この街に来て、良い事なんてほとんど無かったよ。
数少ない良い事はね、綾波に会えた事かな?

綾波レイ、ファーストチルドレン。
無口で、無表情で、色が白くて、瞳が赤くて、髪は空色、変わってる子だと思った、初めはね。
父さんとも仲が良いし、嫉妬もしてた時期があったよ。
今は違うんだ、今では一方的にだけど、話しかけて、話を聞いてもらったりする。
・・・ほとんど、愚痴ばっかりなんだけど。
でもね、黙って聞いてくれるんだ。
聞き終わった後には、僕の頭を撫でながら慰めてくれるんだ。

「私と、一緒に住みましょう。」とか、「私なら、そんな事しないわ。」とか色々、それで泣いちゃったりもした事あったんだ。



好きなのかもしれない、綾波を。
でも、よくわからないんだ。
近くにいてくれると、落ち着く事は落ち着くんだけど・・・『恋』とは違うかなって。

それに、綾波は父さんの事が好きなんだと思うし・・・。



そして、今日は君に会えた。
初めて会った人にこんな事話すなんて、僕もビックリしてるんだよ、カヲル君。
いきなり君がこんな事言うから・・・

「僕は君と『友達』になりたいんだ。だから、君の事を話してくれないかい?」

それで、僕の事はこんな感じかな。
その・・・こんな僕だけど、『友達』になってもらえる?

よかった〜!こちらこそよろしく、カヲル君。

他にも友達がいたんだけど、疎開しちゃって・・・寂しかったんだ。
カヲル君は一緒にいてくれるよね?
僕と同じでチルドレンだもんね、友達だもんね?



約束だよ・・・カヲル君。

















<後書き>

ども、ウエッキーです。

前回掲載してもらったものは『予告編』、今回のは『プロローグ』です。
次回から第1話が始まります。

今回の話はTV版・24話(でしたよね?)の分岐物になってます。
設定も少し変わっていて、

・アスカは無事
・レイは『2人目』で自爆していない、零号機も健在
・マナはTV版には出ていなかった為、登場しません

と、なってます。



タイトルにもあるように、このシンジ君は『自由』と『愛』を欲しています。

『愛』は、彼が大きくなってから誰も愛情を注いでいなかったから。
『自由』は、第3新東京市に来て以来、主夫生活を強いられているから。

上記の事を踏まえて、『自由』と『愛』を得ようとするシンジと、その仲間達の話を書いていきたいと思ってます。

んでわ!



P.S
今作品から、相方がユイさんからレイに変わります。<どうでもいいって?(^^;



ウエッキー 「・・・出来た!」

レイ    「・・・私のお話。」

ウエッキー 「そうです、今回はLRSで書かせてもらいます。」

レイ    「・・・碇君と『らぶらぶ』。」(ぽっ)

ウエッキー 「そう言う展開はまだ先です、ゴメンね。」

レイ    「・・・早く書いて。」

ウエッキー 「まあまあ、急いでも仕方ないでしょう。
       終盤ではもう(ぼそぼそ)なんて事も・・・・・。」

レイ    「!!・・・な、何を言うのよ。」(真っ赤になって活動停止)

ウエッキー 「ありゃりゃ、そんなわけで今回はここまでですね。
       ご意見・ご感想のメールをお待ちしております、返信率は100%ですので、送ってくださいです。」m(_ _)m

レイ    「・・・私と碇君が・・・・・素敵。」(妄想の世界を旅行中)



<次回予告>

カヲルは動き始める・・・。
自分の目的の為に、大事な『友達』の為に。
2人が再び地の底で出会った時、2人の姿はNervから消えていた。

次回、・ 自由への道のり、愛の扉 ・ 第1話 「全てはここから・・・」


レイ:可愛そうなのね。碇くん・・・。

アスカ:せ、性格は最悪たーーーー、誰のことよっ!

レイ:自分のこともわからないのね。クス。

アスカ:アタシは天下無敵の美少女だってーのっ!

レイ:文句だけはね。クス。

アスカ:ムカーーーーっ!!!

マナ:まぁまぁ、落ち着いて。

アスカ:落ち着けるわけないでしょっ!!

ミサト:そうよっ! 落ち着いてる場合じゃないわっ。まるで人を生活無能者みたいにっ!

アスカ:ミサトは、そのまんまでしょうがっ!

マナ:わたしもそう思います。

レイ:私も・・・・。

ミサト:み、みんな・・・。(TOT)
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